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資本主義万能の神話

 原著者が言っている「資本主義」とは、新自由主義版の資本主義のこと。
 すなわち、市場万能主義を社会思想とする連中の資本主義のことである。
 健全な社会に必要な弱者保護のため改良、修正、規制しながらの市場経済体制のことではない。

 これらの経済体制に限定した「資本主義」ならば北欧のみならず、ほぼ欧州とカナダ、豪州、ニュージーランド、ラテンアメリカの一部が戦前から経験を蓄積している。これらの地域では保守派でさえ、市場万能主義を社会思想とする考えは概ね否定されている。

 もともと19世紀の欧州で、各種の社会派、社会主義派からの経済体制批判として生まれた概念が「資本主義」である。
 「競争なき資本主義は腐敗する(電力が良い例)」が、競争があっても個人的な私利私欲の競争を動機の原理とする以上、これを社会思想とするとか言葉をごまかして「資本主義の社会体制」などと主張するのは、人道にもとる反社会的考えなのである。
  ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
   資本主義にまつわる10の神話 2/15 プラウダ 4/4 「マスコミに載らない海外記事」から

新自由主義版の資本主義は疲れ果てている。
人を食いものにする金融界の連中は利潤を失いたくないので、借金の重荷を退職者や貧しい人々に転嫁する。
"ヨーロッパの春"の亡霊が旧世界を徘徊し、資本主義に反対する人々は、人々に、彼らの生活がいかに破壊されつつあるかを説明している。
これがポルトガル人経済学者ギリェルメ・アルヴェス・コエーリョによる記事の主題だ。

あらゆる国民は自分たちにふさわしい政府を持つのだという有名な表現がある。
これは必ずしも正しくない。思考パターンを方向づける強引なプロパガンダによって国民は惑わされ、容易にごまかされてしまうのだ。
嘘とごまかしは人々を大量破壊し抑圧する現代兵器だ。それは戦争という伝統的手段同様に効果的だ。多くの場合、この両者はお互い補いあっている。
選挙で勝利を勝ち取り、言うことを聞かない国々を破壊するため、両方の手法が利用されている。

資本主義イデオロギーを土台とし、資本主義が神話の域にまで持ち上げられた、世論を操作のための様々な方法がある。
それは何世代にもわたり、百万回も繰り返されている偽りの真実の組み合わせであり、それゆえ多くの人々にとって疑う余地のないものになっている。
こうしたものは、資本主義が信用できるものであるかのように表現し、大衆の支持と信頼を取り付けるようするよう意図されている。
これらの神話は、マスコミ、教育機関、一家の伝統、教会の会員、等々によって広められ宣伝されている。

これらの神話の中でも最もよくあるものは以下の様なものだ。

神話1. 資本主義の下では一生懸命働く人は誰でも豊かな資本家になれるし、資本主義制度は自動的に勤勉な個人に富を与える。

労働者達は無意識に空虚な望みを抱くのだが、しかしもしそれが実現しない場合、自らを責めるだけだ。
実際、資本主義の下での成功の可能性は、どれだけ一生懸命に働くかとは無関係で、宝くじと同じようなものだ。富はごく稀な例外を除いて、一生懸命働くことで生み出されたるではなく、より大きな影響力と権力を持っている人々の詐欺と、そうした人々に良心の呵責が欠如している結果なのだ。
成功は勤勉の結果であり、運と十分な信念と相まって、起業家活動に携わる能力と、競争力の程度に依存するというのは神話だ。
この神話は、この制度を支持する信奉者達を生み出す。宗教、とりわけプロテスタントもこの神話を奉じることに尽力している。

神話2. 資本主義は全員の為に富と繁栄を生み出す

少数者の手中に集中された富は遅かれ早かれ全員の間で再配分される。この神話の狙いは雇用主がつべこべいわれずに富を貯め込むことが出来るようにすることにある。
それと同時に、遅かれ早かれ労働者達はその労働と献身報われるという希望が主張される。実際、マルクスさえ、資本主義の究極的な目標は富の分配ではなく、富の集積・集中だと結論していた。
ここ数十年の金持ちと貧乏人との間の、特に新自由主義による支配が確立して以来、拡大する格差がその逆であることを証明している。
この神話は戦後期の"社会福祉"段階の間、最も普及したものの一つで、その主要課題は社会主義諸国の破壊だった。

神話3. 我々は運命共同体である

資本主義社会には階級はないので、失敗と危機の責任も全員のものであり、全員がつけをはらわねばならない。
この神話の狙いは、労働者に後ろめたさを感じさせ、資本家が収入を増やし、経費は国民に負担させられるようにすることだ。
実際、全て責任は、政府を支持し、政府によって支持されている億万長者で、課税、入札、金融投機、海外移転、身びいき、等々で大きな特権を享受しているエリートにある。
この神話は、国民の窮状に対する責任を逃れ、国民にエリートの失敗のつけを払わせる為、エリートによって吹き込まれている。

神話4. 資本主義は自由を意味する

本当の自由は、いわゆる"市場の自己調整"のおかげで、資本主義の下でこそ実現できる。
この神話の狙いは、あらゆることが額面通りに受け取られ、マクロ経済的決定に参加する国民の権利を否定する、資本主義という宗教に良く似たものを創り出すことだ。
実際、意思決定における自由は究極的な自由だが、それを享受しているのは、国民ではなく、政府機関さえそうではなく、有力な人々の小集団だけだ。
サミットやフォーラムの間、閉ざされたドアの背後の小集団、大企業、銀行、多国籍企業のトップ達が、戦略的な性格の主要な財務や経済の意思決定をしているのだ。
市場はそれゆえ、自己調整しているわけでなく、操作されているのだ。
この神話は、そうした国々には自由が無く、規制しかないという想定に基づいて、資本主義でない国々の内政問題に介入するのを正当化するのに利用されてきた。

神話5. 資本主義は民主主義を意味する

民主主義は資本主義の下でのみ存在可能だ。
この神話は上の神話と素直に繋がるが、社会秩序の他のモデルに関する論議を防ぐために作られた。他のものは全て独裁制がと主張されている。
資本主義には自由と民主主義といった概念が与えられてはいるものの、その意味は歪曲されている。実際、社会は階級に別れており、超少数派の金持ちが、他の全員を支配している。
この資本主義的"民主主義"というものは偽装した独裁制にすぎず、"民主的改革"というのは進歩とは反対のプロセスだ。
上の神話同様、これも資本主義でない国々を非難し、攻撃する為の口実として利用される。

神話6. 選挙は民主主義と同義語だ

選挙は民主主義と同義語だ。
この神話の狙いは他の制度を中傷したり、悪者扱いして、指導者達がブルジョア的でない選挙、例えば、年齢や、経験や、候補者達の人気度などの理由によって決められる政治・選挙制度について議論するのを防ぐことにある。
実際、ごまかして、買収するのは資本主義制度で、投票は条件条項であって、選挙は形式上の行為に過ぎない。選挙では常にブルジョア少数派の代表達が勝利するという事実だけで、選ばれた連中が人々の代表でないことがわかる。
ブルジョア選挙が民主主義の存在を保障するという神話は最も強固に定着されたものの一つであり、一部の左翼政党や勢力さえそれを信じている。

神話7. 与党を変えるのは、代替案があるのと同じことだ

与党の立場を時々交替するブルジョア政党には代替基盤がある。
この神話の狙いは、民主主義は選挙に還元されるのだという神話をあおり、支配階級の中で、資本主義制度を永続させることにある。
実際、二大政党やら多数政党議会制度が一党制度であることは明らかだ。これらの政党は一つの政治勢力の二つあるいはそれ以上の派閥であり、代替政策を持った政党を模倣したこうした政党が交替をする。
国民は、彼等はそんなことはしていないと確信して常に体制の代理人を選ぶのだ。
ブルジョア政党には異なる基盤があり、それはまさに反対のものであるという神話は最も重要なものの一つで、資本主義制度を機能させる為、年中論じられている。

神話8. 選挙で選ばれた政治家達は国民を代表しており、それゆえ国民の為に決断できる

政治家は国民によって権限を与えられたのだから気の向くままに支配ができる。
この神話の目的は、国民に空約束をして、実際に施行される本当の施策を隠すことにある。
実際、選挙で選ばれた指導者はその約束を果たさず、あるいは、ひどい場合には、往々にして元の規約とは不一致だったり、相反したりさえする、宣言していなかった施策を履行し始める。
積極的な少数派によって選ばれたそうした政治家達は、任期途中で支持率が最低になることが多い。こうした場合、代表性が失われていることが、合法的手段による政治家の変更には至らず、対照的に、現実の、あるいは変装した独裁政治において、資本主義民主主義の退廃をもたらすのだ。
資本主義下における民主主義を歪曲する組織的慣行が、投票に行かない人々の人数が増えている理由の一つである。

神話9. 資本主義に代わるものは存在しない

資本主義は完全ではないが、唯一可能な経済・政治制度であり、それゆえ最も適切なものである。
この神話の狙いは他の制度の研究や推進を抹殺し、武力を含めたあらゆる手段を用いた、競争を抹殺することにある。
現実に他の政治・経済制度が存在しており、最も良く知られているのは科学的社会主義だ。資本主義という枠組みの中でさえ、南米の"民主社会主義" や、ヨーロッパの"社会主義的資本主義"といった別バージョンが存在する。
この神話は、人々を脅し、資本主義に代わるものについての論議を防ぎ、全員の一致を確保することを目的としている。

神話10. 節減は富をもたらす

経済危機は従業員福利厚生の行き過ぎのためにひき起こされた。それを無くせば、政府は節約でき、国は豊かになる。
この神話の狙いは、資本家の債務支払い責任を、退職者を含め、公共部門に責任転嫁することにある。
この神話のもう一つの狙いは、それが一時的なものだと主張して、人々に貧困を受け入れさせることだ。
それは公共部門の民営化を促進することも狙っている。
節減が最も利益の上がる部門を民営化することで実現されたもので、将来の収入が失われてしまうということには触れられぬまま、節減は"救済"であると国民は信じ込まされつつある。
この政策は国家歳入の減少と福利厚生、年金の削減を招くのだ。

リュボフィ・リュリコ

記事原文のurl:english.pravda.ru/business/companies/15-02-2012/120518-ten_myths_capitalism-0/

---------

前回の記事について、「読点が多すぎて文章がブツ切りになってしまい、意味が通じない箇所が多々あり。意味を斟酌するために何度も読み直さねばならないというストレスを強いられる。」という御意見をtwitterで拝見した。全くおっしゃる通り。(もちろん、ストレスを感じながら無理にお読みいただくように、とまでお願いしていない。)

お手数ながら、代案をお知らせいただければ、早速入れ換えさせていただく。夏目漱石の有名な逸話を思い出した。「僕だって無い知恵を絞って講義をしてるんだから、君だって腕を出したまえ。」

この文章、日本ジャーリズムになりかわって、日本政治を分析してくれているようだ。日本の大手新聞をやめて、プラウダを講読したほうが良いかも知れない。(英語のリンクから辿ると、ロシア語原文、その元と思われるポルトガル語原文には、12項目あるように見える。差分を何とかしたいものだ。)

神話3. 我々は運命共同体である 日本は一つ、絆で結ばれている。

これは、もちろん国民の窮状に対する責任を逃れ、国民にエリートの失敗のつけを払わせる為、エリートによって吹き込まれている。

先日の夜の国営放送、2000人の集会だかをネタに、異神の怪を執拗に宣伝していた。郵政解散以来の強烈なプロパガンダ。腹が立ってテレビを消した。

神話7でも、二大政党なるものが全くの食わせ者であることが語られている。原発と隷米政策を推進してきた自由でも民主でもない党をおい落として、大本営広報部マスコミによるプロパガンダのおかげで政権についた民主的どころではない党も、一つの政治勢力の二つの派閥であり、代替政策を持った政党を模倣した、こうした政党が交替をした。ところが、交替した政党が原発と隷米政策を推進し続けるだけ。そこで、茹でガエルならぬ、賢い有権者が、万一これまでのインチキ与党を経験していない絶滅危惧種に投票をしたら(まずありえない事態だが)偉いことになる。それを防ぐべく、宗主国・属国支配層は、小泉経験をもう一度とばかりに、タレント弁護士を担ぎ上げているのだろう。豪腕政治家氏の言葉とされる「神輿は軽くてパーが良い」を思い出した。

異神の怪は、既成政党とはまさに反対のものであるという神話は、最も重要なものの一つで、資本主義制度を機能させる為、年中論じられている。

「シロアリを退治しないで消費税を上げるのはおかしい」といっておいて、シロアリを退治しないまま消費税を上げると平然と言える神経はあっぱれ。

神話8. に書かれている通り。

往々にして元の規約とは不一致だったり、相反しさえする、宣言していなかった施策を履行し始める。

原発再稼働の為、福耳氏らは着々と「判断基準」なるお手盛り規則を準備中。これも神話8の好例 ストレス・テストのように皆合格する基準だろう。そう、

選挙で選ばれた政治家達は国民を代表しており、それゆえ国民の為に決断できる。
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