原発事故300km圏内で食物摂取規制、日本が反対
2012-03-23
原発事故から1年を経たが、依然日本政府の隠蔽、騙し、悪事が次々と露呈している。
「情報開示と国民の人権:アムネスティ声明」、「SPEEDIを消去、その後は隠蔽した福島県庁」、「東電の拡散予測を握りつぶした保安院」、「安全の根拠もなく、原発の再稼働などできない」。
2005年にIAEA(原発推進の国際機構)ではあるが、普通の100万KW原発が重大事故を起こした場合の安全基準として、300km圏内の食物摂取規制を取り決めようとしたが、日本などの反対で潰れた。
想定は原発4基ではなく、もちろん1基の想定。
300km圏内の作物、家畜、野生も含めての食物摂取規制の意味である。
早期に静岡の茶葉が汚染され、東京の水道水が汚染されたことを思い出す。
その後、福島県内はもとより、例えば関東でも土壌の汚染は何も減少していないどころか、高濃度スポットが増加し、また、汚染が山地から平地に拡大を続けている。
日本政府は歴代、国民をまったく考慮しない政府である。
今回の原発事故は1~4号機の4基と言ってよいだろう。おそらく安全のクリアランスをとるなら300kmでは足りないだろうが、リスクの可能性なら1000kmと考えても妥当かも知れない。
私たちは、せめて300km圏内の食物摂取はすべきではない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
日本政府が異議を唱えたIAEA提案の食物汚染地域の定義は、重大事故を起こした原発から300キロ圏内の地域だった 3/20 ex-skfから
朝日新聞・Asia Japan Watch (AJW)2012年3月17日付け記事(英文)をざっと翻訳してみました。日本語の元記事があるのかもしれませんが、朝日のサイトからは(購読者ではないので)探せませんでした。ということで、私が勝手にやった私訳です。大急ぎでほとんど直訳でやったので、姑息に後で直すかもしれません。
日本語の元記事があったとすると、それを英訳したものを反訳して日本語にしても元の日本語には絶対に戻りませんのであしからず。強調は私です。
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Asia Japan Watch 2012年3月17日
日本政府はIAEAの食物汚染地域の定義に異議を唱えていた 大岩ゆり
2005年、国際原子力機関(IAEA)が原子力非常時に食物の摂取規制を行う地域を定義することを提案した時、日本政府は異議を唱えた。
その結果、ウィーンに拠点を置く国際的な原子力の監視人[である国際原子力機関]はそのような地域を定義することはなく、6年後に福島第1原発事故が起きてから、厚生労働省があわてて規制を導入する、という有様になった。
朝日新聞の請求に応じて公開された公文書によると、原子力災害に備え、農作物の出荷禁止その他の策を講じて放射能汚染された食物の摂取を規制する地域を指定しようとするIAEAの提案に、日本政府は異議を申し立てた。
IAEAは2005年2月、、重大事故の場合、1ギガワット級の原子力発電所の300キロ圏内で食物摂取規制を行うべきである、とする安全基準の草案を作成した。
文書によると、日本政府の原子力安全保安院、原子力安全委員会、文部科学省が2005年5月にIAEAの提案を検討した。
検討会の出席者は、日本政府の名で、IAEA提案の区域の具体的な距離の数字を削除するよう求めることを決定した。
出席者は、「食物規制区域を定義する前に、悪い評判[風評]やその他の要因を考慮する」必要性を理由として挙げた。また、報告書によると、彼らの意見は、「チェルノブイリのような大きな影響がある事故を想定するのは適当かどうかを考慮する」必要がある、というものだった。
ブラジル政府も同様の抗議を行った。結局、[原発からの]距離の明示は削除された。
昨年3月の東日本大震災が福島第1原発を麻痺させるまで、日本政府が設定していた[原子力]災害対策ガイドラインは、政府の災害対策本部が食物摂取の規制を行う方策の「考慮を開始する」、というものだけだった。当時の政府関係者は、事故の発生から食物摂取規制を実施するまで、「十分の時間がある」、としていた。
福島事故後、厚生労働省は慌てて暫定安全基準を設定したが、これは充分ではなかったかもしれない。
「今回の事故の後、暫定安全基準を超える放射性セシウムが福島原発から300キロ以上離れた静岡県のお茶の葉から検出されました」、と言うのは原子力安全委員会管理環境課の都築秀明課長。[だと思いますが、確定ではありません...。] 「今思えば、300キロ圏は大きすぎるということはなかった。チェルノブイリの経験で、人体に害の出るレベル以下の放射性物質が植物や家畜などに濃縮されうる、ということを私たちは知っていました。」
原子力安全委員会は現在災害対応ガイドラインの見直しを行っており、食物、飲料の摂取規制を行う放射性物質のレベルの具体的な数字を定義する予定である。
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チェルノブイリ規模の事故を想定することが適当か、と(原子力推進の)IAEAにいちゃもんを付けておいて、「今思えば300キロ圏内は大きすぎることはなかったんですねえ」、などと今更言われても、「ふざけるな」としか言い様がありません。
決して忘れてはならないのは、日本政府がやったのは出荷の規制どころか、福島・東北・関東の野菜、肉、米を食べよう、というキャンペーンでした。福島県の計画的避難区域の牛、豚は、避難の期日までに大量に全国に売られました。野菜の検査は1市町村の1農場の1つの畑から作物1つ選んで行う、という検査でした。厚生労働省が慌てて食物の規制をかけようとする中、規制が何もなかった稲わら、シイタケ栽培用の培地(木屑など)が、汚染地域から自由に流通していました。
野田首相は外国人記者相手に、「原発事故の責任は個人にはない」と断言していましたが、事故発生後の対応には政府の政治家、官僚、一人一人に重大な責任があると思います。
「情報開示と国民の人権:アムネスティ声明」、「SPEEDIを消去、その後は隠蔽した福島県庁」、「東電の拡散予測を握りつぶした保安院」、「安全の根拠もなく、原発の再稼働などできない」。
2005年にIAEA(原発推進の国際機構)ではあるが、普通の100万KW原発が重大事故を起こした場合の安全基準として、300km圏内の食物摂取規制を取り決めようとしたが、日本などの反対で潰れた。
想定は原発4基ではなく、もちろん1基の想定。
300km圏内の作物、家畜、野生も含めての食物摂取規制の意味である。
早期に静岡の茶葉が汚染され、東京の水道水が汚染されたことを思い出す。
その後、福島県内はもとより、例えば関東でも土壌の汚染は何も減少していないどころか、高濃度スポットが増加し、また、汚染が山地から平地に拡大を続けている。
日本政府は歴代、国民をまったく考慮しない政府である。
今回の原発事故は1~4号機の4基と言ってよいだろう。おそらく安全のクリアランスをとるなら300kmでは足りないだろうが、リスクの可能性なら1000kmと考えても妥当かも知れない。
私たちは、せめて300km圏内の食物摂取はすべきではない。
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日本政府が異議を唱えたIAEA提案の食物汚染地域の定義は、重大事故を起こした原発から300キロ圏内の地域だった 3/20 ex-skfから
朝日新聞・Asia Japan Watch (AJW)2012年3月17日付け記事(英文)をざっと翻訳してみました。日本語の元記事があるのかもしれませんが、朝日のサイトからは(購読者ではないので)探せませんでした。ということで、私が勝手にやった私訳です。大急ぎでほとんど直訳でやったので、姑息に後で直すかもしれません。
日本語の元記事があったとすると、それを英訳したものを反訳して日本語にしても元の日本語には絶対に戻りませんのであしからず。強調は私です。
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Asia Japan Watch 2012年3月17日
日本政府はIAEAの食物汚染地域の定義に異議を唱えていた 大岩ゆり
2005年、国際原子力機関(IAEA)が原子力非常時に食物の摂取規制を行う地域を定義することを提案した時、日本政府は異議を唱えた。
その結果、ウィーンに拠点を置く国際的な原子力の監視人[である国際原子力機関]はそのような地域を定義することはなく、6年後に福島第1原発事故が起きてから、厚生労働省があわてて規制を導入する、という有様になった。
朝日新聞の請求に応じて公開された公文書によると、原子力災害に備え、農作物の出荷禁止その他の策を講じて放射能汚染された食物の摂取を規制する地域を指定しようとするIAEAの提案に、日本政府は異議を申し立てた。
IAEAは2005年2月、、重大事故の場合、1ギガワット級の原子力発電所の300キロ圏内で食物摂取規制を行うべきである、とする安全基準の草案を作成した。
文書によると、日本政府の原子力安全保安院、原子力安全委員会、文部科学省が2005年5月にIAEAの提案を検討した。
検討会の出席者は、日本政府の名で、IAEA提案の区域の具体的な距離の数字を削除するよう求めることを決定した。
出席者は、「食物規制区域を定義する前に、悪い評判[風評]やその他の要因を考慮する」必要性を理由として挙げた。また、報告書によると、彼らの意見は、「チェルノブイリのような大きな影響がある事故を想定するのは適当かどうかを考慮する」必要がある、というものだった。
ブラジル政府も同様の抗議を行った。結局、[原発からの]距離の明示は削除された。
昨年3月の東日本大震災が福島第1原発を麻痺させるまで、日本政府が設定していた[原子力]災害対策ガイドラインは、政府の災害対策本部が食物摂取の規制を行う方策の「考慮を開始する」、というものだけだった。当時の政府関係者は、事故の発生から食物摂取規制を実施するまで、「十分の時間がある」、としていた。
福島事故後、厚生労働省は慌てて暫定安全基準を設定したが、これは充分ではなかったかもしれない。
「今回の事故の後、暫定安全基準を超える放射性セシウムが福島原発から300キロ以上離れた静岡県のお茶の葉から検出されました」、と言うのは原子力安全委員会管理環境課の都築秀明課長。[だと思いますが、確定ではありません...。] 「今思えば、300キロ圏は大きすぎるということはなかった。チェルノブイリの経験で、人体に害の出るレベル以下の放射性物質が植物や家畜などに濃縮されうる、ということを私たちは知っていました。」
原子力安全委員会は現在災害対応ガイドラインの見直しを行っており、食物、飲料の摂取規制を行う放射性物質のレベルの具体的な数字を定義する予定である。
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チェルノブイリ規模の事故を想定することが適当か、と(原子力推進の)IAEAにいちゃもんを付けておいて、「今思えば300キロ圏内は大きすぎることはなかったんですねえ」、などと今更言われても、「ふざけるな」としか言い様がありません。
決して忘れてはならないのは、日本政府がやったのは出荷の規制どころか、福島・東北・関東の野菜、肉、米を食べよう、というキャンペーンでした。福島県の計画的避難区域の牛、豚は、避難の期日までに大量に全国に売られました。野菜の検査は1市町村の1農場の1つの畑から作物1つ選んで行う、という検査でした。厚生労働省が慌てて食物の規制をかけようとする中、規制が何もなかった稲わら、シイタケ栽培用の培地(木屑など)が、汚染地域から自由に流通していました。
野田首相は外国人記者相手に、「原発事故の責任は個人にはない」と断言していましたが、事故発生後の対応には政府の政治家、官僚、一人一人に重大な責任があると思います。
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