危険なセシウム循環飛散、環境省の嘘:武田
2012-02-25
セシウム・・・再飛散の恐ろしさ(瓦礫と同じ新しい危険) 2/25 武田邦彦
福島を中心にセシウムの「降下量」が12月から増え、2月になっても一日あたり100ベクレルをこえる日が続いています。これについて政府、自治体、マスコミが報道しないのは、その重要性について理解していないものと思います。
3月に東北南部・関東北部の国民は被曝の一撃を受けました。それは徐々に減少し、6月から7月頃には「空から降ってくる放射性物質」は減り、ようやく打撃を受けることが少なくなったのです。
10月、11月になるとセシウムの定時降下物は1日あたり10ベクレルを切るようになり私もホッとしていました。
ところが12月中旬からセシウムが増え始め、1月には400ベクレルを超えることや、100ベクレルを超える日が多く出てきました。2月も15日に300ベクレルに達するなど、むしろ増加傾向が続いています。

この問題の危険性は上の図に示したように、「3月、4月の一撃だけ」から「あちこちから来る放射性物質で、100年間繰り返し被曝する」という状態へと変わったことを示しています。つまり、放射性物質は100年は無くならないし、人の体を何回も通り過ぎてもその量は変わりません。
つまり、1月の被曝量が規制値の10分の1でも、1年(12ヶ月)では規制値の1.2倍になってしまうという「繰り返し被曝」が発生するからです。
初期の除染が大切なのはこれも心配だったからです。つまり、地面に降った放射性物質が土にしみこみ、そこからの放射線で被曝するばかりではなく、空気中に飛散したもので呼吸から内部被曝を受けます。
良く原理を知らない人が「セシウムの降下物が増えていると言っても、空間線量が変わらないから大丈夫」のように言っていますが、空間線量の主力は地面からで、セシウムが空気中にあればそれを呼吸で吸い込んで3ヶ月分、被曝するからまったく別なのです。
また、福島県が1月2日の432ベクレルについて、「被曝量は規制値の500分の1」という発表があり、私の計算とかなり違っていたので、「100ベクレルはとれた野菜が危険なレベル」という表現にしておきましたが、よくよく検討すると、福島県の説明はおそらく間違いと思います。
つまり、福島県の「500分の1」というのは、空中に飛散する放射性物質を呼吸で体内に取り込むことはなく(福島県の人は呼吸しないという仮定)、地面に落ちた放射性物質からの空間線量のことを言っていることがわかったのです。「福島の人は呼吸しない」という県の仮定もかなり大胆で、セシウムが降下するというのは、降下する前に空中に漂っていたからですから、もっとも注意を必要とするのは呼吸、つまり「マスクをかける」ということだからです。
瓦礫やゴミの焼却、薪ストーブがすべて危険なのは、日本人がドンドン内部に放射性物質を貯めてしまうからで、政府発表の80億ベクレルという数値は、日本人が平均的に被曝すれば日本に誰も住めないという数字であることを再確認し、また県は県民の健康を守ることを第一にして欲しいと思います。
内部被曝量は、降下する物質が5ミクロン以下か、以上かで肺に入るか、胃に行くかなど難しいところがあり、さらに降下しているものは、5月頃まではヨウ素も含み、現在は少ないとはいえストロンチウムやプルトニウムも含んでいます。
また人間が一日に呼吸する量は約20立方メートルですから、どのような粒がどのよに飛散しているかによって違いますが、おおよそ、100ベクレル(平方メートルあたり)なら、一日に100ベクレルの被曝を受けることになり、これを毎日続けていると、100で割るとミリシーベルト(年間)になりますから、100ベクレルのところに住んでいれば、マスクをしなければ1年1ミリの被曝になります。
これは福島県発表の500倍ですから、もしできれば福島県と計算を検討したいと思いますが、おそらく応じてくれないでしょう。これまで、福島の原子力センターや放射線防護の機関に度々、質問をしているのですが、返事がありません。
専門家が個別のデータを出すのではなく、考えや計算の違う人ほど、相互によく計算をつきあわせて国民に迷惑をかけないようにするべきと思います。
情報短信 瓦礫処理のウソ:環境省とはなにものか? 2/25 武田邦彦
読売新聞の2月21日に環境省の全面広告が乗りました。瓦礫処理について、「広域処理をお願いする岩手県と宮城県の沿岸部は福島第一原発から100キロ~250キロ以上離れており、空間放射線量は他の地域とほぼ同等です」とあります。
まず事実として宮城県南部は福島原発から100キロを切るところがあります。第二に汚染は原発からの距離ではなく(放射線が原発から来るわけではなく)、放射性物質が降った場所ですから、それも誤魔化そうとしています。また、瓦礫が汚染されていても空間線量率にそれほど影響はありません。
瓦礫の処理では細野環境相が「(被災地以外の地域が瓦礫を)受け入れられない理屈は通らない」と言っていることで、泉田新潟県知事が「どこに市町村ごとに核廃棄物場を持っている国があるのか」、「国が環境整備をしないといけない。国際原子力機関(IAEA)の基本原則で言えば、放射性物質は集中管理をするべきだ」としているのはもっともである。
もともと、環境省は経産省などの他の官庁が「生産優先」で仕事をすると環境が悪化するのでそれを食い止める役割を負っていましたが、リサイクル、温暖化と続く利権に飲み込まれ、今ではすっかり「国民の健康を損ない、環境を悪化させる役割」を追い、このところ15年、ウソばかりついています。
そういえば、IPCC(地球温暖化政府間パネル:国連機関)が「温暖化すると南極の氷が増える」と報告しているにも関わらず、日本人が英語を読まないことを考えて「増える」という英語を「減る」と訳した前科を持つ役所です。これでずいぶん多くの人がだまされました。
リサイクルや温暖化についての環境省のウソは「お金」だけのことですが、被曝となると「健康」に直接関係があるので、早く環境省をつぶす必要があります。マスコミも長い間、環境省にダマされていたのですから、この際、国民側に立ってください。
東北では「瓦礫処理施設が欲しい」と言っているのに、環境省が審査を遅らせ「3年間は許可を出さない」と言っているのですが、その理由は「瓦礫は放射線を含むから審査を慎重にしなければならない」というらしい(伝聞)のですからすでに「公僕」としての役所ではないと考えられます。
福島を中心にセシウムの「降下量」が12月から増え、2月になっても一日あたり100ベクレルをこえる日が続いています。これについて政府、自治体、マスコミが報道しないのは、その重要性について理解していないものと思います。
3月に東北南部・関東北部の国民は被曝の一撃を受けました。それは徐々に減少し、6月から7月頃には「空から降ってくる放射性物質」は減り、ようやく打撃を受けることが少なくなったのです。
10月、11月になるとセシウムの定時降下物は1日あたり10ベクレルを切るようになり私もホッとしていました。
ところが12月中旬からセシウムが増え始め、1月には400ベクレルを超えることや、100ベクレルを超える日が多く出てきました。2月も15日に300ベクレルに達するなど、むしろ増加傾向が続いています。

この問題の危険性は上の図に示したように、「3月、4月の一撃だけ」から「あちこちから来る放射性物質で、100年間繰り返し被曝する」という状態へと変わったことを示しています。つまり、放射性物質は100年は無くならないし、人の体を何回も通り過ぎてもその量は変わりません。
つまり、1月の被曝量が規制値の10分の1でも、1年(12ヶ月)では規制値の1.2倍になってしまうという「繰り返し被曝」が発生するからです。
初期の除染が大切なのはこれも心配だったからです。つまり、地面に降った放射性物質が土にしみこみ、そこからの放射線で被曝するばかりではなく、空気中に飛散したもので呼吸から内部被曝を受けます。
良く原理を知らない人が「セシウムの降下物が増えていると言っても、空間線量が変わらないから大丈夫」のように言っていますが、空間線量の主力は地面からで、セシウムが空気中にあればそれを呼吸で吸い込んで3ヶ月分、被曝するからまったく別なのです。
また、福島県が1月2日の432ベクレルについて、「被曝量は規制値の500分の1」という発表があり、私の計算とかなり違っていたので、「100ベクレルはとれた野菜が危険なレベル」という表現にしておきましたが、よくよく検討すると、福島県の説明はおそらく間違いと思います。
つまり、福島県の「500分の1」というのは、空中に飛散する放射性物質を呼吸で体内に取り込むことはなく(福島県の人は呼吸しないという仮定)、地面に落ちた放射性物質からの空間線量のことを言っていることがわかったのです。「福島の人は呼吸しない」という県の仮定もかなり大胆で、セシウムが降下するというのは、降下する前に空中に漂っていたからですから、もっとも注意を必要とするのは呼吸、つまり「マスクをかける」ということだからです。
瓦礫やゴミの焼却、薪ストーブがすべて危険なのは、日本人がドンドン内部に放射性物質を貯めてしまうからで、政府発表の80億ベクレルという数値は、日本人が平均的に被曝すれば日本に誰も住めないという数字であることを再確認し、また県は県民の健康を守ることを第一にして欲しいと思います。
内部被曝量は、降下する物質が5ミクロン以下か、以上かで肺に入るか、胃に行くかなど難しいところがあり、さらに降下しているものは、5月頃まではヨウ素も含み、現在は少ないとはいえストロンチウムやプルトニウムも含んでいます。
また人間が一日に呼吸する量は約20立方メートルですから、どのような粒がどのよに飛散しているかによって違いますが、おおよそ、100ベクレル(平方メートルあたり)なら、一日に100ベクレルの被曝を受けることになり、これを毎日続けていると、100で割るとミリシーベルト(年間)になりますから、100ベクレルのところに住んでいれば、マスクをしなければ1年1ミリの被曝になります。
これは福島県発表の500倍ですから、もしできれば福島県と計算を検討したいと思いますが、おそらく応じてくれないでしょう。これまで、福島の原子力センターや放射線防護の機関に度々、質問をしているのですが、返事がありません。
専門家が個別のデータを出すのではなく、考えや計算の違う人ほど、相互によく計算をつきあわせて国民に迷惑をかけないようにするべきと思います。
情報短信 瓦礫処理のウソ:環境省とはなにものか? 2/25 武田邦彦
読売新聞の2月21日に環境省の全面広告が乗りました。瓦礫処理について、「広域処理をお願いする岩手県と宮城県の沿岸部は福島第一原発から100キロ~250キロ以上離れており、空間放射線量は他の地域とほぼ同等です」とあります。
まず事実として宮城県南部は福島原発から100キロを切るところがあります。第二に汚染は原発からの距離ではなく(放射線が原発から来るわけではなく)、放射性物質が降った場所ですから、それも誤魔化そうとしています。また、瓦礫が汚染されていても空間線量率にそれほど影響はありません。
瓦礫の処理では細野環境相が「(被災地以外の地域が瓦礫を)受け入れられない理屈は通らない」と言っていることで、泉田新潟県知事が「どこに市町村ごとに核廃棄物場を持っている国があるのか」、「国が環境整備をしないといけない。国際原子力機関(IAEA)の基本原則で言えば、放射性物質は集中管理をするべきだ」としているのはもっともである。
もともと、環境省は経産省などの他の官庁が「生産優先」で仕事をすると環境が悪化するのでそれを食い止める役割を負っていましたが、リサイクル、温暖化と続く利権に飲み込まれ、今ではすっかり「国民の健康を損ない、環境を悪化させる役割」を追い、このところ15年、ウソばかりついています。
そういえば、IPCC(地球温暖化政府間パネル:国連機関)が「温暖化すると南極の氷が増える」と報告しているにも関わらず、日本人が英語を読まないことを考えて「増える」という英語を「減る」と訳した前科を持つ役所です。これでずいぶん多くの人がだまされました。
リサイクルや温暖化についての環境省のウソは「お金」だけのことですが、被曝となると「健康」に直接関係があるので、早く環境省をつぶす必要があります。マスコミも長い間、環境省にダマされていたのですから、この際、国民側に立ってください。
東北では「瓦礫処理施設が欲しい」と言っているのに、環境省が審査を遅らせ「3年間は許可を出さない」と言っているのですが、その理由は「瓦礫は放射線を含むから審査を慎重にしなければならない」というらしい(伝聞)のですからすでに「公僕」としての役所ではないと考えられます。
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