水で戻しても混ぜても放射能は減らない
2012-02-13
「干し椎茸を水で戻すと、セシウムが減る」。などと言う妄言に釣られないようにしましょう。
戻すと水を吸って増量します。重量で7倍です。だから「セシウム/kg」は7分の1に減ります。
ただし、食べて摂取してしまうセシウムの量は、何も変わりません。
放射能汚染物を一般ごみと混ぜて、kg当たりの放射能を基準内にして焼却しよう。などと言うのもこれとと同じです。
放射性物質の量は変わりません。
うっかり釣られそうですが、注意しましょう。
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「干しシイタケ、水で戻せば放射性セシウムの値が下がる」のか? 2/12 「ex-skf-jp」から
横浜市港北区のスーパーをはじめ、各地で現在の放射性セシウム暫定基準値(キロ当たり500ベクレル)をはるかに超える干ししいたけが店頭で売られていたことが判明しています。
それを報道するニュース、また、出荷していた業者の「おわび」などでよく言及されているのが、
『水戻しして食べる際には数値は7分の1程度に下がり、対象商品を食べても健康への影響はたいへん少ない』 (Exciteニュース)
『水戻しして食す際には逆に7分の一程度に下がります。食された場合でも健康被害はたいへん少ないことをお知らせいたします』 (長野の業者のホームページ)
このような発言をぼーっと読むと(私のように)、2000ベクレルあったセシウムが水に戻すとだいたい300ベクレル以下に(どういうわけか)減ってくれるのだ、と思ってしまいますが、ボケッと流していないで、ちゃんと考えてみることにします。
1.干しシイタケ一袋、100グラムとしましょう。そのシイタケが乾燥状態でキロ当たり2000ベクレルあったとすると、100グラムの袋には200ベクレルのセシウムが入っています。
2.袋の中に干しシイタケが40枚入っているとしましょう。1枚当たり、5ベクレルのセシウムになります。
3.このシイタケを水で戻します。どれくらいのセシウムが水に溶出するのかは不明(誰か測ってますか?)ですが、ボールに乾燥しいたけ1枚いれて水をいれ、戻します。この水と戻したシイタケに含まれているセシウムの絶対量は減ったでしょうか?
当たり前ですが、減りません。戻したシイタケ1枚食べるだけで、5ベクレル近くのセシウムを食べることになります。
この100グラム袋のシイタケを戻して調理して食べれば、水に溶出した分を除いても、おそらく袋のシイタケに入っていた大部分のセシウムを食べることになるのです。
水で戻せばセシウムは7分の一に減る、というのは、水で戻したために放射能が減ったのではなく、水で戻したためにシイタケの重量が7倍になった、というだけの話だと思います。
1キロの干しシイタケを水で戻すと7キロになる、従って、乾燥状態で存在していた2000ベクレルのセシウムは水で戻した後も同じく存在するが、キロ当たり2000ベクレルではなく、「水で戻したあとの7キロ当たり2000ベクレル」、つまり、キロ当たりにすると7分の1、ということになるわけです。
検査して流通させたい側(行政、生産者、加工業者、流通業者、小売)はあくまで「キロ当たり」、「水に戻した状態」にこだわります。それが行政の造ったルールだからです。しかし、食べる側にとっては、入っている絶対量が問題なのです。
放射能汚染の高いがれき、ごみを、汚染の少ないがれき、ごみに混ぜてキロ当たりの放射能が少なくなれば燃やしても埋めてもOKという考え方と非常によく似ています。
乾燥食品は水戻しすれば放射濃度が減る、という記載をお読みになるとき、これは「あくまでキロ単位の話」で、袋に入っている絶対量は変わらない、ということをお忘れなく。
戻すと水を吸って増量します。重量で7倍です。だから「セシウム/kg」は7分の1に減ります。
ただし、食べて摂取してしまうセシウムの量は、何も変わりません。
放射能汚染物を一般ごみと混ぜて、kg当たりの放射能を基準内にして焼却しよう。などと言うのもこれとと同じです。
放射性物質の量は変わりません。
うっかり釣られそうですが、注意しましょう。
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「干しシイタケ、水で戻せば放射性セシウムの値が下がる」のか? 2/12 「ex-skf-jp」から
横浜市港北区のスーパーをはじめ、各地で現在の放射性セシウム暫定基準値(キロ当たり500ベクレル)をはるかに超える干ししいたけが店頭で売られていたことが判明しています。
それを報道するニュース、また、出荷していた業者の「おわび」などでよく言及されているのが、
『水戻しして食べる際には数値は7分の1程度に下がり、対象商品を食べても健康への影響はたいへん少ない』 (Exciteニュース)
『水戻しして食す際には逆に7分の一程度に下がります。食された場合でも健康被害はたいへん少ないことをお知らせいたします』 (長野の業者のホームページ)
このような発言をぼーっと読むと(私のように)、2000ベクレルあったセシウムが水に戻すとだいたい300ベクレル以下に(どういうわけか)減ってくれるのだ、と思ってしまいますが、ボケッと流していないで、ちゃんと考えてみることにします。
1.干しシイタケ一袋、100グラムとしましょう。そのシイタケが乾燥状態でキロ当たり2000ベクレルあったとすると、100グラムの袋には200ベクレルのセシウムが入っています。
2.袋の中に干しシイタケが40枚入っているとしましょう。1枚当たり、5ベクレルのセシウムになります。
3.このシイタケを水で戻します。どれくらいのセシウムが水に溶出するのかは不明(誰か測ってますか?)ですが、ボールに乾燥しいたけ1枚いれて水をいれ、戻します。この水と戻したシイタケに含まれているセシウムの絶対量は減ったでしょうか?
当たり前ですが、減りません。戻したシイタケ1枚食べるだけで、5ベクレル近くのセシウムを食べることになります。
この100グラム袋のシイタケを戻して調理して食べれば、水に溶出した分を除いても、おそらく袋のシイタケに入っていた大部分のセシウムを食べることになるのです。
水で戻せばセシウムは7分の一に減る、というのは、水で戻したために放射能が減ったのではなく、水で戻したためにシイタケの重量が7倍になった、というだけの話だと思います。
1キロの干しシイタケを水で戻すと7キロになる、従って、乾燥状態で存在していた2000ベクレルのセシウムは水で戻した後も同じく存在するが、キロ当たり2000ベクレルではなく、「水で戻したあとの7キロ当たり2000ベクレル」、つまり、キロ当たりにすると7分の1、ということになるわけです。
検査して流通させたい側(行政、生産者、加工業者、流通業者、小売)はあくまで「キロ当たり」、「水に戻した状態」にこだわります。それが行政の造ったルールだからです。しかし、食べる側にとっては、入っている絶対量が問題なのです。
放射能汚染の高いがれき、ごみを、汚染の少ないがれき、ごみに混ぜてキロ当たりの放射能が少なくなれば燃やしても埋めてもOKという考え方と非常によく似ています。
乾燥食品は水戻しすれば放射濃度が減る、という記載をお読みになるとき、これは「あくまでキロ単位の話」で、袋に入っている絶対量は変わらない、ということをお忘れなく。
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コメント
検査してます。
Re: 検査してます。
そうですね。
すべてを検査して食べるわけにはいかず、産地偽装を含めてある程度の誤認誤差で摂取はしているでしょうから、これを出来るだけ減らすためには、少なくとも出来る範囲、わかる範囲で避ける事が必要と思います。
年だからいいやと言うものではない。
きのこで言えば今は青森以北か愛知以西、そのうちにさらに広がると思われます。
要はできるだけ身体に取り込まない。
核種は200種類もあるのでセシウムはそれらの推測する「目安」。
人生で100msvなどというのはあまり意味があるとは思えません。
すべてを検査して食べるわけにはいかず、産地偽装を含めてある程度の誤認誤差で摂取はしているでしょうから、これを出来るだけ減らすためには、少なくとも出来る範囲、わかる範囲で避ける事が必要と思います。
年だからいいやと言うものではない。
きのこで言えば今は青森以北か愛知以西、そのうちにさらに広がると思われます。
要はできるだけ身体に取り込まない。
核種は200種類もあるのでセシウムはそれらの推測する「目安」。
人生で100msvなどというのはあまり意味があるとは思えません。
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どこのサイトでも7倍を強調していますが、実際の検査は干しシイタケだと4.7倍の重量の水を加え水は捨てずに検査するそうなので7倍はあまり正しくはないようです。
乾燥した食品を戻す場合に水を加える係数が決まっているようですが、100gの干しシイタケに470mlの水を加えて検体を作ると普通に料理する時には水が残るのに対して水は全て吸収されてしまいますので残りません。
正しい計測方法でやって基準を満たせば通常に調理する時に比べ厳しい係数で検査していることになります。
しかし、全体の放射能は変わらないのは事実ですが、逆に調理前は基準値以内でも調理することでアウトになる食材もあるかも知れませんね、それに年取って先が短いので大丈夫と言ってるお年寄りを見かけますが今まで生きてきた分100msvに限りなく近づいている方もおられると思うので加速的に影響がでる人もいるかも知れません。
色々検索してみるといろんな考え方があり面白いと思います。