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もうすぐ北風が強くなる

世界通貨戦争(10)欧州の財政危機

 欧州

 欧米各国の金融緩和による流動性の供給が、回りまわって、投機市場を牛耳る国際金融資本に回っていること。彼らにしか回っていないことについて、何度も批判してきました。
 「通貨、金利と信用創造」、「世界通貨戦争(7)バーナンキ」、「世界通貨戦争(9)危険なアメリカ」、「金融資本家が焼け太る金融政策破綻」を御覧ください。

 実体経済の回復が無ければ、税収は減るばかりだ。
 各国は対外債務と言う名で、国際金融資本の餌食になっているだけである。
 
 要は国民の労働による搾取、税金、社会保険などが実体経済の為に使われていない。
 投機市場で、国際金融資本をさらにさらに肥やすために、それのみの為に使われている。
 
中原圭介氏から引用します。
2010年11月29日

欧州の財政危機は今後も蒸し返される

EUとIMFがアイルランドへの金融支援を決定しました。融資額は850億ユーロになる見込みです。5月のギリシャ危機を受けて作られた7500億ユーロの欧州金融安定基金が、初めて適用されるケースとなります。

しかし今回の支援では、問題の根本的な解決はできません。

ギリシャに対する支援策を思い出してください。EUとIMFはギリシャに対し、2013年までの3年間で最大1100億ユーロの金融支援を行いますが、この支援はギリシャの債務の金利返済を助ける程度のもので、債務そのものを減らすほどの効果はありません。

アイルランドへの支援策もギリシャの時と同様に、極めて中途半端なものと言わざるをえません。

ギリシャやアイルランドなどの経常赤字国の国民が、厳しい緊縮財政にこれから3年間~4年間耐えたとしても、国の債務が減らなかったとしたらどういう結果になるでしょうか。現在、高債務国で頻発しているストライキがやがては暴動に発展し、国家機能が麻痺してしまうかもしれません。

そのうえ、5月19日の記事でも述べましたように、欧州金融安定基金の7500億ユーロの内、IMFの融資2500億ユーロを除いた5000億ユーロは、本質的にはEU各国内の財政負担で賄われるお金であり、EU各国の財政赤字を膨らませる要因になります。借金が返せなくなったから、新たな借金で廻すという類の仕組みでしかないのです。

つまり、EU全体で抱えるリスクは何も変わっていません。

さらに皮肉にも、先進各国の中央銀行が行った金融緩和により、投機マネーが完全に復活し、財政の悪化した国々を次々と攻撃しています。金融市場では、ギリシャやアイルランドの次に金融支援を要請する国を探して標的にしようとしています。

米国の金融緩和がその流れに拍車をかけていることは、間違いありません。投機マネーが温存される量的緩和策が継続される限り、財政が悪化した国々への投機マネーの攻撃は今後も続くでしょうし、周期的に財政危機問題は蒸し返されるでしょう。

EUが財政危機を防ぐための解決策は、経常黒字国が経常赤字国に何らかの補填をするしくみを作るしかありません。
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コメント

はじめまして。
ほんと無知で恥ずかしいのですが、投機マネーが温存される量的緩和策が継続される限り、財政が悪化した国々への投機マネーの攻撃は今後も続くでしょう。の攻撃とは具体的にはどういう事なのでしょうか?

コメントをありがとうございます。
量的緩和で供給された流動性は、公共投資や社会保障ではなく、金融資本の救済に回されていますが、実体経済の資金需要が無いために、それと金利と信用創造率が高いために金融資本から投機市場に回ります。
これらの資金調達の流れの中で、低金利国から高金利の新興国にキャリーされて、インフレを加熱させます。
と言うか、現に進行中と言うわけです。

追記
投機筋はこの過程で、空売り買い占めを繰り返して利益を収奪してゆきますので、実体経済の規模が比較的小さい新興国は、先進国ファンドの流入でインフレと甚大な資産被害を受けることとなる。
中原氏はこれを攻撃(に他ならない)と言っているわけです。

とても親切にご回答して頂きありがとうございます。
また色々と教えて下さい。
勉強になりました。

コメントをありがとうございます。

乱雑な説明で、すみません。
浅学非才の身です。
多少なりとも、お役にたてれば、

でも、もうすこし、丁寧に説明しなければなりません。

勘弁して下さい。
ありがとうございます。

Re: タイトルなし

> とても親切にご回答して頂きありがとうございます。
> また色々と教えて下さい。
> 勉強になりました。

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