エジプト軍政抗議デモ、24人が殺された
2011-11-22

11/21 タハリール(解放)広場
前報「エジプト軍政批判の大デモ、2人死亡750人負傷」。
エジプトの軍政抗議行動は衝突以来三日目で、24人が殺された。
尊い犠牲によって、治安警察部隊の質が、ムバラク時代と何も変わっていないことが示された。
欧米と暫定軍政が、ムバラク追放で穏健政府を狙い、この間に殆んど変革を進めていなかったことが明らかだ。
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エジプト各地で 警官隊とデモ隊の衝突続く 11/22 ロシアの声
エジプトの一連の都市では、デモ隊と治安部隊との激しい衝突により、何十人もの人々が負傷した。 地元TVの報道では、最も騒乱が深刻なのは、アレクサンドリア、スエズ、イスマイリアといった諸都市。
各地での衝突は皆、同様のシナリオに沿って生じている。抗議行動参加者らは大抵、警察本部あるいは地元行政機関の建物を襲撃し占拠を試み、それらの施設を守る警官隊などに投石したり火炎瓶を投げたりし、それが激しい衝突へと発展している。 エジプト内務省や軍の部隊は、自衛手段をとらざるを得ず、攻撃する群集を解散させるため積極的に催涙ガス弾を使用している。 (イタル・タス)
公式発表によれば、これまでの死者は24人、負傷者数は2千人に近づきつつある。 なお衝突は、首都カイロ中心部のタフリル広場でも続いている。
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エジプト内閣が辞表提出 デモ衝突3日目で死者は24人に 11/22 CNN
エジプト当局者らによると、シャラフ内閣の全閣僚が21日夜、辞表を提出した。ムバラク政権崩壊後に同国を暫定統治している軍最高評議会への抗議デモが続き、死者は24人に達した。
軍最高評議会の報道官は、指導部が内閣の辞表を受理したと述べた。一方、首相府がその直後に辞表提出の手続きは完了していないと発表するなど、情報は錯綜している。
首都カイロ中心部のタハリール広場は同日も、軍最高評議会の統治に反発するデモ隊であふれた。閣僚の1人は総辞職の理由として、「タハリールでの出来事に対する政治的責任」を挙げた。
保健当局の報道官は同日深夜、デモ隊側の死者が24人、負傷者が約1700人に上ったと発表した。警察側では、102人が銃撃を受けたり火炎瓶でやけどを負ったりしているという。
軍最高評議会はムバラク政権崩壊後の暫定統治を担い、最終的には民政に移管する方針を示している。今月28日に総選挙、さらに約1年後に大統領選が実施される予定だ。しかし、新憲法案が軍予算を議会の監視対象としていないことなどに抗議する市民らが、同広場などで18日からデモを展開。参加者は日を追うごとに増え、19日以降は強制排除を図る治安部隊と激しく衝突している。
米メリーランド州のチームがアラブ諸国での世論調査の一環として、10月22~30日にエジプト人750人を対象に実施した調査では、軍最高評議会の業績を評価するとの回答が21%だったのに対し、改革の遅れや後退を招いているとする声が43%を占めた。
デモ参加者の1人は「国民はだまされたと感じ、ムバラク独裁が軍事独裁に変わっただけだと不満を募らせている。だから(タハリール広場という)振り出しの場所に戻ってきたのだ」と話す。カイロ市内の路上には、ムバラク前大統領が獄中から軍最高評議会を操っていると叫ぶグループもいた。
CNN取材班は21日、警官隊がデモ隊を排除しようと催涙ガス、ゴム弾やテーザー銃のような装置を使い、デモ隊側が火炎瓶を投げ付ける現場を目撃した。現場の医師らによると、負傷者は実弾を含めた銃撃を受けたり、催涙ガスを大量に吸い込んだりしているという。
一部のグループは、タハリール広場で22日、「100万人の座り込み」と称する抗議行動を計画している。
今年2月のムバラク退陣に続いてさらに政変が重なれば、同国の主要な収入源である観光業などに深刻な影響が出るとの懸念も指摘されている。
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エジプト内閣が辞職を申し出―軍最高評議会の対応は不明 11/22 WSJ
エジプトの軍最高評議会の統治下にあるシャラフ暫定内閣は21日、カイロ中心部のタハリール広場でデモ隊と警官隊が3日間連続で衝突し、33人の死者を出すなど、治安上の危機がエスカレートしているのを食い止めるため、軍最高評議会に辞職を申し出た。
タハリール広場に集まっていた1万人を大きく超えるデモ参加者の間からは、内閣辞職のニュースに歓声があがったが、直ぐにタンタウィ軍最高評議会議長打倒のスローガンを再び叫び始めた。政権側の内閣辞職の譲歩にもかかわらず、軍が完全な民政移管に踏み切るまで抗議を続けるとのデモ隊側の姿勢には、変化の兆しは見られない。
最高評議会は、内閣の辞職を受け入れるかどうか明らかにしていない。多くのエジプト国民は、シャラフ内閣には実権がなく、民主化を推進するとともに、社会混乱や経済危機を食い止める意思も力もないと受け止めている。しかし国民の怒りはタンタウィ議長に集中しており、同議長はムバラク政権と同様に暴力を行使していると、デモ隊参加者の多くは非難している。
エジプトでは、28日から民主化移行への節目となると期待されていた人民議会選挙が行われることになっている。しかしデモ隊参加者は、選挙でどの政党が勝とうが、次期政権でもタンタウィ議長が実権を握ると見ている。軍は大統領選後に権力を移譲する方針を明らかにしているが、大統領選が2012年後半になるのか13年初めになるのかについてははっきりさせていない。
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