アメリカ全土に広がる抗議行動
2011-11-13

「ウオール街を占拠せよ」に同調する抗議行動は、アメリカ全土に広がり、ますます参加者が多く、広い範囲になっている。
警官の暴力に対して、退役軍人も参加し始めている。「国民を守るべき警察が、国民を暴行し、大金持ちしか守らないのか」
「大金持ちは1%だ、我々は99%だ」この意味は、実に大きい意味だ。
政府への要求などは幾らでも出てくるが、それを組織的に統一しようと言うのではないのだ。
我々が99%だ、主人公だ、人間たる者の99%だ。我々にはそうした権利があって当然だ。
1%の大金持ちなどに、そんなものは要らないのだ。
窮乏化したアメリカの大衆は、ようやくアメリカン・ドリームの騙しに気づいてきた、と言うべきだろう。
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Date : 2011年11月09日
昨年12月にチュニジアで起きた民主化運動が世界中に飛び火したかのように、アメリカでは、ニューヨークから始まったウォールストリート占拠運動(Occupy Wall Street)が全国的に勃発し、すでに全米の1200を超える市に広がっている。
(ビル・トッテン)
ウォールストリート占拠運動(OWS)
テレビや新聞などの報道は、この運動を冷ややかに、あるいは若者たちのうっぷん晴らしにすぎないかのような調子で伝えていたが、1ヶ月以上たった今ではそうはいかなくなってきた。
若者を中心にしたこの世界的な動きを、日本のメディアはあまり報じてはいないようだが、これは新しい民主主義の実験のようにも思える。
なぜならこれまでの市民革命運動にみられた指導者が不在であり、労働組合など大組織の後押しもない。あらゆるレベルの若者が参画し、政府に具体的な要求を掲げるでもない。またインターネットが駆使され公式のウェブサイトもある。デモの宿営地にはノートパソコンやビデオ装置を備えたメディアセンターが開設され、最新情報やメッセージはツイッターなどで伝えられている。
そこで配布されているパンフレットには「私たちは99%」と書かれ、1%の富裕層に対して、普通のアメリカ人、若者たちがどのような状況に置かれているかを訴えている。
例えば22歳の大学生は、7万ドルの学生ローンと1万2千ドルの医療費を抱えているが、政府は救済してくれない、それなのになぜ銀行は救済されるのか、といった具合だ。
これはやらせでもなんでもなく、アメリカの実体であるからこそ参加者が増え続けているのだ。
オバマ大統領はこの運動の原因は共和党のために金融改革が進まないからだとコメントしたが、若者たちはチェンジを唱えながら何も変えなかったオバマをもはや信じてはいない。
なぜならオバマこそウォール街から多額の政治献金をもらい、その御礼にウォール街に2009年7500億ドルものお金を提供したからだ(08年にはブッシュが7000億ドル支援した)。
ブッシュ、オバマ政権で約140兆円ものお金がウォール街救済のために使われたが、学生ローンや住宅ローンを抱える個人や借金を抱えた中小企業、または個人の医療費負担も、アメリカ政府は助けてはくれない。国民はひたすらそれらの借金を銀行に返済し続けなければならないのだ。
銀行は社会の経済をうまく機能させるための重要な役割を担っている。それは、現在と未来をつなぐ橋のような存在だ。
しかし橋は橋だ。預金と投資を社会のために流すという役割を果たさなければその価値はない。
ウォールストリートは資金の流れを社会のために使わず、デリバティブやサブプライムローンのような自分と株主だけがもうかるような仕組みに投じた。
そして損失を政府に救済してもらった。ウォールストリート占拠運動を始めた人たちが訴えているのはこの点である。
この運動が何かを達成できるか、私にはわからない。
しかし国民の大部分が、少数の人間がアメリカの民主主義をのっとったことに気づけば、この小さなうねりは大河のような流れとなってアメリカを変えるかもしれない。
期待はしていないが、それでも若者たちを見ていると、もしかしたらという気持ちになる。
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米西部の港でデモ、機能停止 「反格差」叫び4千人 11/3
【ロサンゼルス共同】米西部カリフォルニア州オークランドの港などで2日、ニューヨークで始まった反格差社会デモ「ウォール街を占拠せよ」に呼応した抗議行動があり、米メディアによると約4500人が参加、港湾機能は停止に追い込まれた。
オークランド中心部ではデモ参加者の一部が銀行の支店やスーパーの窓ガラスを割り、建物に落書きをするなどした。ロイター通信によると、3日未明、催涙弾を使って排除しようとした警官隊とデモ隊が衝突、少なくとも1人が負傷、数十人が逮捕された。
主催団体は、貧しい人々を置き去りにした資本主義の象徴として、米西部有数の物流拠点であるオークランド港に集まるよう呼び掛けた。
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オークランドのストライキでオークランド港を閉鎖
都市中心部で銀行閉鎖など強力な全面ストライキデモを展開 11/3 レイバーネット
金融資本の体制に抵抗する占拠者たちが、オークランドの港をマヒさせた。
米国で5番目に多くの物流が運送されるオークランド港は、デモ者の封鎖デモに より、一時的に運行が止まったと港湾関係者が語った。サンフランシスコに近 いオークランド港は、毎年390億ドル相当の貨物が取り扱われている。
そればかりか中心部のすべての銀行も扉を閉めたとマスコミが報道した。 多くの商店と飲食店も営業活動を中止した。
11月2日の午前に始まった「オークランドを占拠しろ」デモ者のストライキ運動 は、デモ行進と共に午後からオークランド港の封鎖運動を断行した。その間、 デモ者は約7千人に増えた。これに多くの教師と公務員が連帯した。大学生と 青少年・学生も参加した。デモ者たちは「誰の港か? 私たちの港だ!」と叫んだ。 デモ者たちは、停められたトラックに上がって標札デモをした。オークランド ツイッター@USGeneralStrikeは「今日われわれは歴史を作った」と伝えた。
真夜中から、怒ったデモ者たちは部分的に銀行と一部の商店のウィンドウを壊 した。警官は、デモ者に催涙弾を発射し、解散を試み、デモ者は警官が発射し た空の催涙弾と石をまた警官に投げ返した。
先週、警察は占拠座込場を侵奪して催涙弾で鎮圧し、占拠運動の解散を試みた。 この時、警察は1人のデモ者の顔に催涙弾を発射して重傷を負わせ、逆にデモに 火を付けた。マスコミはオークランドの雰囲気が非常に熱いと伝えている。
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デモ隊接近で米オークランド港を一時閉鎖、多数の教師もストに参加 11/3 AFP
米カリフォルニア(California)州オークランド(Oakland)の港湾当局は2日、全米に拡大する抗議行動「Occupy Wall Street(ウォール街を占拠せよ)」に呼応したデモ隊が港に近づいたため、港を閉鎖する措置をとった。オークランド港は米国でも最も貨物取扱量が多い港の1つ。
オークランドでは前週、抗議行動参加者らのテントを警官隊が強制撤去した。この時に警官隊が催涙弾を使用し、1人が負傷したことから、市中心部で2日昼、これに抗議するデモ行進が行われた。
市中心部の多くの企業は休業し、デモ行進はおおむね平穏に行われたが、一部が暴徒化して休業中の銀行の支店を襲撃するなどした。このため港湾当局は港湾周辺で抗議行動の影響が出る事態に備えて、同日午後までに従業員らを帰宅させ、港を閉鎖した。港湾当局は、従業員の安全と円滑な交通を確保するための措置で、安全が確認でき次第、港湾業務を再開すると説明している。
またオークランドの教育当局によると、この日は約268人の教師が休暇をとった他、病気などを理由に欠勤した教師も多く、教師数百人もストの呼びかけに応じたとみられる。
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11月4日 AFP】全米に拡大する抗議行動「Occupy Wall Street(ウォール街を占拠せよ)」に呼応したデモ隊の接近で一時閉鎖されていたカリフォルニア(California)州のオークランド(Oakland)港は3日、港湾業務を全面的に再開した。
オークランド港は、荷揚げ量規模で全米4位の主要港の1つで、アジア向け物資の59%を扱う。しかし2日昼、市中心部で約7000人が参加して行われたデモの一部が暴徒化し、数百人がサンフランシスコ湾(San Francisco Bay)埠頭を占拠したことから、港湾当局は同日昼までに従業員を帰宅させ、港を閉鎖していた。
前日のデモでは休業中の銀行の支店が襲撃されるなど、80人以上が逮捕され、8人が負傷した。港湾施設内に立ち入ったデモ隊もいたが、負傷者や施設への被害はなかった。
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