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もうすぐ北風が強くなる

TPPのウソと真実(前編):三橋

 日本のマスコミ(テレビと5大全国紙)の特徴は、米国・CIAに盲従することと、米国のためなら嘘でも捏造でも平気で報道し、また事実を報道しないであたかもそんなことは存在していないかのように国民を騙し、洗脳することである。
 狂ったような小沢一郎氏攻撃、原発放射能騙し、TPPの嘘と捏造報道など、マスコミが公然と無視や捏造を繰り返すほど、そのことが米国の意向だと分かる仕掛けである。
 
 法で定められ選出された公的機関である日弁連、日本商工会議所、日本学術会議などの声明は一切報道せず、検察や任意団体の経団連、御用学界などの声明は飛びついて報道するのは、前者が米国に盲従せず、後者が米国に盲従するからである。
 TPPもそのとおりの展開となってきた。

 関連ページ「売国協定となる日米TPP:中野」、「異様なTPP開国論:内橋」、「TPPは国を揺るがす大問題に発展するか」、「榊原:TPPの交渉などマスコミ、CIAが後ろから撃つ」も御覧ください。
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  TPPのウソと真実       三橋貴明    Klugから

 信じ難いことに、またもや本連載に相応しい「ウソ」のTPP報道が行われた。日本の大手新聞社は、ことTPPに関する限り「社会の公器」である立場を完全に放棄したとしか思えない。

2011年11月4日 日本経済新聞 「TPP思惑交錯 交渉参加 調整大詰め」

 慎重派「国内農業は壊滅」
 推進派「成長を取り込む」

 原則関税ゼロをうたう環太平洋経済連携協定(TPP)。米国など9カ国は11月半ばにハワイで開くアジア太平洋経済協力会議(APEC)の場で、来秋に向けてルール作りを本格化することで大枠合意する見込み。日本は交渉に参加すべきか否か、国内の調整も大詰めを迎えている。(中略)

優位なルール

 慎重派、推進派がデメリットを強調した数字で、ともに説得力を欠くとの批判がある。中立的な立場から内閣府が提示した試算は「10年後の実質GDPは2.7兆円押上げられる」。単純計算した累積押上げ額は13.5兆円。年1兆3500億円の効果となる。

 日本の経済規模(約500兆円)と比べると必ずしも推進派を満足させる数字ではないが、試算は関税撤廃の効果だけで、アジアの今後の成長などを織り込んでいない。試算を担当した野村証券の川崎研一氏は「投資環境の整備など関税以外の規制緩和も進めば、経済効果は何倍にも膨らむ」と話す。

 TPPの詳細がまだ固まっていないため、経済効果を正確に測るのは難しい。交渉に参加し、日本の主張をルールに反映するしたたかさも必要になる。


 上記の短い記事の中において、何と日本経済新聞は三つもの大きなウソをついている。特に、一つ目のウソは悪質だ。何しろ「解釈」や「予測」の問題ではなく、明確な「虚偽情報」なのである。

◆一つ目のウソ

 日経新聞は内閣府の試算について、「10年後にGDPが2.7兆円増える」と勝手な解釈を行い、
「単純計算した累積押上げ額は13.5兆円。年1兆3500億円の効果となる」
 と、デマ数値を堂々と記事に書いている。

 内閣府のTPPに関する経済効果の試算は「10年後にGDPが2.7兆円増える」ではなく「10年間で2.7兆円GDPが増える」が正しい。すなわち、10年の累計で2.7兆円GDPが増大するという話であり、「10年後に」は明確な間違いだ。より分かりやすく書くと、TPPに日本が加盟すると、日本のGDPが「1年間に2700億円増える」だけなのである。

 2.7兆円が「10年累積」であることは、日経新聞の記事中にも登場した川崎研一氏が、産経新聞のインタビューで明言している。

2011年10月18日 「TPPインタビュー 「経済効果3~10倍に」野村証券金融経済研究所 川崎研一・主席研究員」

--内閣府の客員主任研究官として日本のTPP参加の経済効果を試算したが
「関税撤廃による経済効果は10年間で2・4~3・2兆円で、1年間なら国内総生産(GDP)の0・1%に満たない。ただ、規制緩和やサービス自由化でさまざまなビジネスが生まれ、投資環境が整備される結果、その3~10倍の効果も予測されている」(後略)


 産経新聞もTPP推進派で、幾つかの捏造報道(後述)を行っている。結果的に、上記のインタビューも「TPP礼賛論」になっているわけだが、それにしても川崎氏の「1年間なら国内総生産(GDP)の0・1%に満たない」という言葉は重要だ。内閣府の試算(1年間で2700億円GDPが増える)に基づくと、TPPに加盟した場合、日本のGDPはわずかに0.05%成長するに過ぎないのである。

TPPに入ると、GDPが0.05%成長します! 代わりに日本は簡易保険や共済保険を完全に民営化し、アメリカの保険会社に市場を与え、サービスは運送、流通、不動産、法務、会計、特許、コンサルティングなど、ネガティブリスト方式で全面自由化します。健康保険が適用できない高額医療が実施され、薬価規制の適用を受けない高価な薬が販売されることになり、国民医療保険制度はアメリカの医療ビジネスにとって『非関税障壁』ということで、縮小に向かいます。さらに、公共事業において外国企業を内国民待遇する範囲を拡大し、中小建設業サービスの競合相手を増やし、放送免許や新聞特殊指定など、アメリカのメディア企業にとっての参入障壁を撤廃します。また、BSEの可能性がある牛肉のアメリカからの輸入を全面解禁し、遺伝子組み換え作物を販売する際に『遺伝子組み換え作物です』あるいは『遺伝子組み換え作物ではありません』といった表示をすることを禁止します。加えて、アメリカ企業の投資を全面自由化し、ISD条項により、日本政府が『日本国民の安全や健康』を守るため、あるいは『日本の環境』を守るために規制をした結果、アメリカの投資企業が損害を被った場合、日本政府を世界銀行傘下の投資紛争解決国際センター(ICSID)に訴えることができます。日本はアメリカの投資企業に莫大な賠償金を支払うか、あるいは規制を撤廃させられることになります。また、ラチェット規定により、一度、規制を緩和すると、二度と規制引き締めを実施することはできなくなります。とはいえ、日本のGDPが0.05%成長するのだから、良いでしょう

 上記こそが、まさにTPP推進派のロジックなのである。信じ難い読者も多いだろうが、上記の様々な「問題点」の全ては、最近、アメリカ議会が可決した米韓FTAに盛り込まれたものだ。さらに、日本政府が公開したTPP協定交渉の分野別状況にも含まれているのである。

 TPPは日本の社会制度システムを大々的に変革する、より露骨に言えば「アメリカ化」する協定だ。これほどまでに大々的な「構造改革」を強行するに当たり、経済効果が一年間に「誤差レベル」の2700億円では、さすがに困るのであろう。

 というわけで、日本経済新聞は、
「単純計算した累積押上げ額は13.5兆円。年1兆3500億円の効果となる」
 という虚偽情報を堂々と紙面に載せたわけである。

◆二つめのウソ

 日本経済新聞は記事の文中で「アジアの今後の成長などを織り込んでいない」と言っている。これまでにも何度も書いてきたが、あえて繰り返したい。

【図127-1 2010年 TPP関連国のGDP(単位:十億ドル)】
20111109_01.png
出典:IMF

 図127-1はTPP加盟国、TPP加盟予定国、及び日本の2010年におけるGDPを比較したものだ。日本とアメリカの両国で、TPP関連国のGDPにおいて九割のシェアを持つことが分かる。

 TPPにおける日本以外のアジア諸国といえば、マレーシア、シンガポール、ベトナム、ブルネイの四カ国になる。この四カ国がTPP関連国のGDPに占めるシェアは、わずかに2.36%である。TPPにおける「アジア」である四カ国が、今後、大きく成長したとして、日本のGDPに一体いかほどの影響を与えるというのだろうか。言葉を選ばずに書けば、誤差レベルであろう。

◆三つ目のウソ

 日本経済新聞は、
「交渉に参加し、日本の主張をルールに反映するしたたかさも必要になる。」
 などと、まことに抽象的で勇ましいことを言っているが、上記はもはや不可能だ。何しろ、11月中旬のAPECにおいて、野田首相がTPP交渉参加を宣言したとしても、実際に交渉にすぐに交渉参加できるわけではないためだ。日本の交渉参加には、アメリカとの事前協議及びアメリカ国会の承認が必要で、その手続きに六ヶ月もの期間を必要とするのである。

 流出した日本政府の内部文書によると、USTR(アメリカ通商代表部)の高官は、日本がTPP交渉に参加する際に、米政府・議会の非公式な事前協議が必要であることを明らかにした。事前協議に、およそ三ヶ月。さらに、米国議会の承認手続きに必要な期間が、やはり三ヶ月。すなわち、11月中旬のAPECで野田首相が交渉参加を表明しても、実際に交渉参加できるのは、2012年の5月頃ということになる。

 アメリカは、TPPについて来年の6月の正式合意を目指している。すなわち、日本が交渉に参加した一ヵ月後には、完全妥結してしまうというスケジュールなのである。この状況で、一体どうすれば「日本の主張をルールに反映する」などという離れ業が可能なのだろうか。

 上記、日経新聞の記事からも分かるように、TPPに関する大手紙の主張は「抽象的」「印象的」「スローガン的」であり、具体性と現実性に欠ける。まるで、戦前に勇ましい抽象論を撒き散らし、日本国民を戦争に突き進ませた軍部や新聞のようだ。と言うよりも、日本の大手新聞は、戦前と全く同じ罪を犯そうとしているのである。

 大手新聞など日本のマスコミがTPPに関連してついた「ウソ」は、上記にとどまらない。あまりにも量が多く、全てを書き記すことはできないが、代表的なものをご紹介しよう。

◆2011年10月16日:自民党の谷垣総裁がテレビにおいて、
「TPP、拙速判断いけない。協議が必要」
 と述べた件について、産経新聞、日経新聞、毎日新聞の三紙が、
「交渉参加に前向き 自民・谷垣総裁が発言」
 という見出し、主旨の記事を大々的に報じた。野党総裁までもがTPP交渉参加に前向きと「虚偽情報」を流し、交渉参加を既成事実化したかったものと思われる。

◆2011年10月17日:日本政府は「TPP協定交渉の分野別状況」を公開し、TPPが農業問題のみならず、24もの分野に及ぶ非関税障壁の撤廃である事実を明らかにした。日本のマスコミは「TPPは農業問題」という印象操作、問題の矮小化を行っていたが、事実とは異なるということが政府資料で明らかにされた。

◆2011年10月20日:朝日新聞が、
「小沢氏、TPPに前向き「自由貿易は日本にメリット」」
 という見出しで、小沢一郎衆院議員がTPPに前向きであると一面で報じた。直後、小沢事務所のツイッターにより、完全な虚偽情報であることが暴露された。
『今日、一部紙面等で『TPPについて「小沢氏前向き」』と報じられておりますが、それは誤りです。今の拙速な進め方では、国内産業は守れません。』
 朝日新聞は、上記の誤報について、一切訂正を行っていない。


◆2011年10月27日:内閣府が発表した「TPP経済効果 10年で2.7兆円」について、産経新聞、日経新聞、読売新聞、時事通信などが、「10年で」という言葉を省いて報道した。見出しはもちろん、記事中にも「10年で」という単語を使わない悪質さであった。


◆2011年10月28日:TPPにおいて公的医療サービスの「見直し」は検討の対象になっていないと政府やマスコミは説明していた。ところが、アメリカのUSTRは堂々と「TPPにおける医療分野の目標」として、公的医療サービスの「見直し」を表明していることが明らかにされた。


◆2011年10月29日:TPP推進派は、
「交渉に参加し、条件が悪ければ批准しなければいい」
 などと、外交常識を無視した言説を振りまいていたが、米国のワイゼル主席交渉官により、離脱する可能性があるならば「交渉に参加するな」と釘を刺された。

『2011年10月29日 日本経済新聞「TPP交渉、日本の途中離脱を懸念 米交渉官がけん制」
【リマ=檀上誠】環太平洋経済連携協定(TPP)の拡大交渉を進める米国など9カ国は28日、ペルーの首都リマでの各国首席交渉官による第9回交渉を終えた。
 交渉終了後、米国のワイゼル首席交渉官は記者団に対し、途中で離脱する可能性を残した交渉参加案が日本国内で浮上していることについて
「真剣に妥結に向かう意志がない国の参加は望んでいない」と指摘し、日本の議論をけん制した。(後略)』』

◆2011年11月2日:フジテレビや産経新聞などは、
「(政府関係者の話によると)野田首相が鹿野農水相と先月だけでも数回極秘会談を行い、鹿野大臣が最終的に交渉参加を容認する考えを示唆し、野田総理がTPP交渉参加をAPECで表明する以降を固めた」
 と繰り返し報道し、TPP交渉参加を既成事実化しようと努力(?)していた。ところが、関西テレビのニュースアンカーにおいて、鹿野道彦農水大臣が上記の報道について「完全否定」した。

鹿野大臣「そういう事実(極秘会談)はありません。それから私が交渉参加することを容認したということも、そのような事実はございません」


 上記の通り、TPP報道に際し、国内マスコミ(及び政府)はひたすら「ウソ」を振りまくことで、交渉参加を既成事実化しようとしている。何故、マスコミや政府は、ここまでTPPに関してウソを積み重ねなければならないのだろうか。

 理由は簡単だ。

 真実を言えば、日本国民の大多数が「TPP交渉参加」に反対することが、はじめから分かっているためである。何しろ、TPPは日本国民のためには全くならない。

 日本国民のためにならないTPPという「商品」を、虚偽情報を振りまくことで売りつけようとしている。この種の行為を、法律用語で「詐欺」という。
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  TPPのウソと真実(後編)へつづく
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コメント

日本に正義を! 若者に希望を!

日本北風がビュービュー吹いています。
鳩山―小沢政権をクーデタ―したのが、松下政経塾だったのか。菅を中においたから分かりにくかった。張本人は、野田、前原、経団連では稲盛か?。無論バックに、ダメリカ。
菅―岡田政権は、ダメリカの傀儡政権と外電ではっきりしている。
大和魂政権の誕生は、どうしたら誕生するのか?
自主独立が、国家の最低条件である。
植民地では、この日本希望持てない。
若者に申し訳ないゾ。
年金受給者、たまには若者のため行動を起こそう!。行動しか、政治は動かない。
(選挙投票も行動の一つ、民主党は亡国政権であることわかった。倒閣しかない。)

Re: 日本に正義を! 若者に希望を!

オリジナル民主党は小沢・鳩山に面従腹背の松下政経塾グループと管グループによって、謀略的に乗っ取られた。
と言うのが今となっての事実なのでしょう。
この松下政経塾グループについて、その正体を暴いてゆかなければと思っています。
政治では、彼らとみんなの党、そして自民党の一部が国民の大多数を裏切る主敵と思います。
これらの政治集団は対米盲従集団ですが、米国CIAとマスコミを後ろ盾なら、なにをやっても通り抜けられると思っている、とんでもない連中です。

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