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もうすぐ北風が強くなる

通貨戦争(42)通貨による搾取システム

 かれこれ、もう15年にわたって、続いている雇用の悪化と賃金総額の減少、デフレ不況の循環、超低金利。そしてサブプライムショックからは円高。
 なぜ放置しているのか。
 「なぜデフレなのか、なぜ放置するのか」、「勤労者の窮乏化は恐慌への道づくり」。
 
 2003~7年の間は回復基調だったはずだが、賃金には全く反映させず、デフレ循環が維持された。
 円高になっても、流動性を増刷しないため、三倍増刷しているドルに対してますます円高にしている。数日しか効き目のない為替介入などは、そのまま米国債購入なので米国への財政支援でしかない。

 基本的な円高解消策は、ごまかしの為替介入などではない。
 最も基本は通貨供給量を増やすことである。
 米国は三倍増やしてもインフレにさえならず、世界通貨戦争を有利にしている。
 デフレの恐慌経済とはそういうものだ。
 しかも、とどめは、増税だと言う。

 世界第三位の経済大国を、超低金利、デフレ循環、円高といった恐慌経済のままにしておくことが、国際金融資本と彼らが支配する米国の利益だからなのだが、日本の政治が植民地自治政府のままだからでもある。
 例えば、日本の円高による対外債権の目減り、莫大な為替差損は、そのまま米国の対外債務減らしと莫大な為替差益である。

 基軸通貨国とその植民地との、帝国主義資金循環。
 これが通貨による搾取システムである 
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円高と共に貧しくなるわけ    10/23   田村秀夫
「成熟債権大国」は画餅

   円高とともに貧しくなる

 野田佳彦政権は円高対策の名目で、政府資金を使って日本企業による海外向け投融資を後押ししている。対外資産大国日本の対外投資促進策は、100年以上前の大英帝国のような成熟した債権国をめざす一環だと評価する向きもあるが、楽観がすぎる。国家戦略不在の場当たり策でしかない。円高を前提にするなら日本国民がせっせと貯(た)めた富の多くが失われていく。

 国際収支統計によれば、日本の対外投資収支は昨年が11兆7022億円、今年前半が7兆2764億円の黒字になっている。貿易収支は円高や米欧経済の低迷、東日本大震災による生産設備の毀損(きそん)などで輸出が振るわず、それぞれ4兆238億円、3兆4054億円の黒字にとどまり、今年4~6月期は1兆2489億円の赤字に転落した。

   見かけ倒しの対外資産

 日本の対外黒字を支える主役は今や、企業による対外直接投資や金融機関の対外証券投資の収益となっている。日本の対外純資産はこの6月末で260兆3780億円に上る。世界最大であり、海外からの果実はいかにも頼もしいように見えるが、見かけ倒しである。

 海外で稼ぐ富はもちろん外貨建てである。日本国内の帳簿に計上される投資収益は円建てに換算される。円高になればなるほど、ドルなど現地通貨による所得は円に直せば減っていく。対外投資は増え続けていても、大きく円高に振れると円建ての収益は逆に減ることもある。現に投資収支黒字は2007年の16兆3338億円をピークに減り続け、昨年は11兆7022億円まで細った。

 投資収益を生む母体である海外資産規模はドルでみるのが実態に近い。

 07年から3年間でドル建てでは1・4倍になっているが、円建てでは横ばいである。07年から始まった円高ドル安の流れに圧迫されて対外純資産の円建て評価額は増えず、膨張するドルベースでの資産額とのギャップが大きく開いている。

 仮に07年の円ドル相場水準で推移したとすれば、10年末の対外純資産は財務省の対外資産統計の251兆円よりも100兆円あまり多くなった計算になる。投資収益も約4割増えたはずである。いわば、円高のために日本は自国通貨換算で3年間に100兆円以上も海外での資産を減らしたことになる。

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   通貨覇権国の利益

 近代歴史上、対外投資で巨大な収益を稼いできた国は「帝国」と呼ばれる。まずは19世紀から20世紀初期までの大英帝国であり、第二次大戦後は基軸通貨ドルを持つ米国である。英米が海外でらくらくと収益をむさぼれる秘密は軍事力ばかりにあるのではない。通貨覇権である。

 大英帝国の場合は、金本位制で世界に君臨し、ロンドン金融市場を国際金融の中心に据えた。世界の金銀はロンドンに集中し、英国は金銀相場を思うがままに操縦した。植民地インドは銀本位制であり、インドは金本位の英通貨、ポンド建てで宗主国と資金決済を余儀なくされた。

 英国はインド向け債務が膨れ上がると、銀相場を金に対して高騰させる自国通貨安政策をとり、債務を減らすなど、莫大な為替差益を徴収した。英国の軍事費や国家公務員年金はインドが通貨ルピーで負担する。銀価格を上昇させると英国政府と国民が豊かになる仕組みだった。これが通貨を通じた搾取メカニズムである。

 現代の米国は大英帝国のような植民地を持たないが、基軸通貨ドル相場を引き下げることで、富を増やすことができる。米国の対外総資産残高は10年末で20兆3100億ドル(約1654兆円)に上る。ドルは07年以来、主要国通貨平均値に対して年間4~6%程度安くなっている。6%のドル安だと、米国は約100兆円分もの資産評価益を得られる。奇しくも円高の日本の100兆円の差損との対称形になる。

 日本など外国の在米資産はドル建てなので、外国企業などの対米債権者が為替評価損を被る。リーマン・ショック後、米国はドル札発行量をそれまでの3倍まで増やすドル安政策をとってきたが、通貨覇権国として巨大な利益をやすやすと得ていることになる。日本は自国通貨建ての貿易も対外投融資もしない、ドルに依存したままだ。「成熟した対外債権大国」として安定した収益を海外で稼ぐことは絵に描いた餅でしかないのに、気づかない。

 企業が国際展開するのは当然だが、政府がそこに割り込んで対外投資を後押しする。対外資産をみすみす減らす円高・デフレを助長する増税に走るのは、いったいどういう神経か。政府・日銀の本来の役割は国内の貯蓄を国内に誘導させる成長促進策のはずである。
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