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もうすぐ北風が強くなる

ユーロの危機は労働階級を試練にさらす

ギリシャ ギリシャ2

 ギリシャは財政破綻を回避するため支援をうけるが、その条件は財政緊縮策である。
 財政緊縮策を実行すれば経済不況は悪化し、国民は窮乏化する。

 最悪の場合は、暴動やクーデターの危険さえある。
 最悪の事態にはならなくても、経済需要が激滅するので、政府の税収が大幅に減少することは疑いない。
 そうなると少なくとも、再び財政危機の深刻化が襲う。
 循環する財政危機のスパイラルである。

 しかも支援の金(カネ)はギリシャ政府には行かない、貸方である各国金融資本の所有するギリシャ国債の債権を直接買い取る形で行われる。
 ギリシャの国民経済を救うのではない。仏、独、ベルギー、オランダなどの金融資本を救うのである。 

 まさに、仕掛けられたギリシャ危機なのだが、その債権買取の「つけ」はギリシャを先頭にユーロ圏の諸国民が支払わされることは言うまでもない。

 すなわち、大半は賃金労働者の税金と社会保障全般の削減である。

 米国は3.3倍もの過剰流動性を供給すると共に、その一部で大胆な財政の社会的出動を行ったが、保守派の巻き返しで緊縮財政に向かおうとしている。

 インフレを恐れる欧州はマネタリーベースを多くは増やさず、元来の階級闘争と社会保障が有るのだが、この社会保障が危機に陥ると考えられる。
 ギリシャの、そしてヨーロッパの労働階級とその階級闘争が試されるだろう。

 翻って、労働運動が無きに等しく、公務員も全然増えないどころか減らし続けている日本。
 大衆の闘う組織が無いために、手厚い社会保障など何もなく、米国よりも低い水準。
 完全円建ての国債など幾ら発行しても、経済成長で吸収できるのだが、あえてデフレ脱却しない政府。

 超低金利、デフレ循環、円高の国際金融資本向け3点セットを様々な嘘と騙しでつらぬく政府とマスコミ。
 実際に、不況だろうが戦争だろうが、自国通貨建ての国債で、財政破綻した国家など世界の歴史上に無いのである。
 万が一にもあったら、誰か教えて欲しいものだ。
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 ギリシャの国家破産に備える欧州連合   10/11  「マスコミに載らない海外記事」から

ギリシャに関して、ヨーロッパ体制側は明らかに方針を変えた。
ギリシャを“救済”するかわりに、彼等はギリシャの破産について論議し、それが伝染する危機を弱めようとしている。
ギリシャの支払い能力を保障するはずだった欧州金融安定基金が、国家破産の結果から貸方銀行を守るのに使われている

方向転換は、株式市場の激しい変動という圧力や、金融市場、銀行破産の脅威の下、ギリシャ政府の緊縮政策への反対が増大する中で徐々に起きた。しかし、それは明白な階級の論理に従っている。

制御不能な連鎖反応の脅威ゆえに、EUはかつてギリシャ崩壊というリスクを阻止した。
彼等は、2008年9月に破産した後のアメリカのリーマン・ブラザーズのように、大きな貸方銀行が破産し、更に多くの銀行を奈落に引きずり込むことを恐れたのだ。
万一ユーロ圏加盟国のギリシャが破産した場合、ポルトガル、アイルランド、スペインやイタリア等、他の大きな債務を負った国々も与信を受ける可能性を失ってしまう脅威があったのだ。

こうした状況の下、何十億ユーロものギリシャ救済パッケージは時間稼ぎに役立っている。
このパッケージは、ギリシャ国家、ましてギリシャ国民に役立ってはおらず、融資を、全ての支払利息付きで全額返済された、貸方銀行の金庫に直接入った。欧州中央銀行は、大量のギリシャ国債も公開市場で購入し、諸銀行を更なる手形で直面するリスクから解放した

徹底的な経費削減策と結びつけられていた、ギリシャ救済パッケージは、悪化するギリシャ経済が回復する可能性を当初から除外していた。緊縮政策によってひき起こされた不況が、あらゆる予算上の節約も無駄にしてしまうことは、素人にさえ明らかだ

緊縮政策の狙いは、財政改革というよりも、労働者階級の破壊にある
いわゆるトロイカ、つまり欧州中央銀行、欧州委員会と国際通貨基金の命令で、ギリシャ政府は、年金と所得を削減し、何万もの公共部門の仕事を破壊し、増税により、自営業者を破産に追いやったが、裕福なエリート達は、富を外国の銀行口座に貯め込んでいる。

この間、これらの施策に反対する抗議行動が益々ギリシャ政府を脅かしている。
今月だけでも、いくつかのゼネストや抗議行動があった。政府と密接に協力している労働組合は、抵抗運動を抑えておくことが、益々困難となりつつある。

トロイカの代理人達はこれで、ギリシャを放棄する時が来たと判断した。
国家破産とは、政府に、給料や年金や他の公共支出にも支払う資金が無くなることを意味する。丁度、アメリカの自動車会社が、破産手続きを、労働者に対する財政上の義務を、一気に帳消しにするのに活用したように、ギリシャ政府も、既存の契約や法的処遇を実質的に破棄することができよう。
そこでの問題は、一体どれだけの職が廃止されるか、あるいは給料がどこまで削減されるのかではなく、そもそも、一体誰が職についていられるかだ。

ギリシャの国家破産は、他のヨーロッパ諸国の労働者を脅迫するのにも活用されるだろう。
それは、もし政府が押しつけている緊縮政策を受け入れなければ、一体何が彼等を待ち受けているのかを示す明確な脅しとなるだろう。

ギリシャ国内では、国家破産が暴力的な社会不安をひき起こすだろう。
しかし、EUは、これまで、ギリシャの労働者と、いかなる国際的団結を組織することも拒否してきた労働組合の協力を得て、それも隔離できるだろうと期待している。
ギリシャ軍も、遠慮なく発言し、PASOK政府を打倒すると脅している。“大佐ら”の支配の下、軍は1967年から1974年迄、残忍な独裁政治で、ギリシャの労働者階級を抑圧したのだ。

EUの当面の懸念は、ギリシャ国家破産によって、国際的な銀行や他のヨーロッパ諸国が破産するのを、いかにして防ぐかにある。これまでの何週間、何日間にわたるあらゆる決定と議論は、この問題を巡って展開した。

ユーロ圏の政府は、既に6月に、欧州金融安定基金(EFSF)を増大し、権力を拡大することで合意していた。単にユーロ圏の不調にあえぐ国々に信用保証を提供するとのではなく、EFSFは、脆弱な国々の国債を公開市場で買い占めて、銀行が直面している危機を取り除くことができるのだ。

EFSFからの資金、あるいは他の公的資金によって、銀行の資本を増やすことが、議論の話題に上がっている。
これが、先週火曜のEU蔵相会談での、主題だった。蔵相達は、ギリシャが、支払い不履行をすることになった場合の、ヨーロッパの各銀行の回復力を検証するよう、欧州銀行監督機構(EBA)に依頼した。

水曜日、ドイツのアンゲラ・メルケル首相も、この方針に合意した。EUのジョゼ・マヌエル・バローゾ委員長と、主要な国際的金融機関幹部との会談後に、もし銀行が緊急に資金を必要とした場合、ヨーロッパの国々“適切に投資された資金”になるのだから、金融支援を遅らせるべきではないと述べた。

木曜日、欧州中央銀行は同様に、破綻に瀕した銀行を大量資金で支援すると決定した。

言い換えれば、ユーロ救済パッケージとECBの資金は、破産に直面しているユーロ圏諸国を救うのでなく、今や債務国が破産した場合に銀行を救済するために使用されるのだ。

専門家達は、ギリシャ国家破産を乗り切るには、ヨーロッパの銀行は、少なくとも、2000億から3000億ユーロの追加資本が必要だと考えている。2008年の金融危機の際の、銀行救済と同様、これらの資金は、またもや労働者階級を犠牲にした緊縮政策を通して取り戻されることとなる。

多くの政治家やマスコミは、今やギリシャ国家破産を必然的なものと見なしている。

シュピーゲル・オンラインは、先週の出来事に対し“今や金融機関は公的資金するしかあるまい。危機にある国々を救済するよりも、安上がりだろう。”とコメントした。

また、木曜日にヨーロッパの主要な金融関係新聞フィナンシャル・タイムズは“ユーロを救え。ギリシャは破産させよ”という見出しの下で、コメントを発表した。

“債務、財政と経常収支赤字と、悲惨な程の競争力の欠如からして、ギリシャは負債の罠からは逃れられまい”“緊縮財政に続く緊縮財政では、病人は死ぬしかない。”と述べている。

ギリシャ破産に対処するため、フィナンシャル・タイムズは、“協調的な銀行の資本増強と、欧州金融安定基金の資金を、2兆ユーロへと、4倍増するよう呼びかけている。”これらの施策のつけは、更なる削減と緊縮政策という形で、ヨーロッパの労働者によって支払われざるを得まい。

ギリシャ国家破産に対する準備は、金融エリート支配層による、労働者階級に対する攻勢の、新たな段階を示している。この攻勢に反撃できるのは、銀行と大企業の収用と、ヨーロッパ社会主義国家連合の樹立に焦点を当てた、社会主義綱領に基づくヨーロッパの労働者による共闘しかない。

記事原文のurl:www.wsws.org/articles/2011/oct2011/gree-o08.shtml

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コメント

いつも読ませていただいています。

初めてメールさせていただきます。
少し前に八千代市在住と書いてあった気がして、以来気になっていました。
私も千葉県八千代市在住です。
いつもバランスの良い記事で安心して読んでいます。
私はブログをつくろうと思ってもなかなか進みませんが、広く情報を収集し、敢えて主張されないこちらのブログにとても共感しています。

ありがとうございます

過分なお褒めを頂き感謝いたします。
八千代市ではありませんが、ありがとうございます。
そうですね、敢えて主張しないこともあります。
根拠のあいまいな主張や批判は、やはり感情論や浪花節になりかねないので。
なるべくなら、どうする、こうすると言った実際的な話を心がけていますが、なかなかです。
浅学非才のへぼブログですが、よろしくお願いいたします。

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