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もうすぐ北風が強くなる

菅政権11ヶ月目の向かう方角

 2010年6月政変から11ヶ月目を迎えた。
 ビューロクラシーならぬメディア官僚制による、洗脳と懐柔そして脅迫は、何処に向かってどんな結果を作りつつあるのか。いま、振り返ってみたいものです。
 11ヶ月の中間政治結果。
 Yukino氏から引用させていただきます。

 ジョン・カーペンター監督作品に、「ゼイリブ」というSF映画があります。
 エイリアンがエスタブリッシュメントの肉体をのっとり地球を侵略していることに気づいた一部の民衆がレジスタンスを組織し戦いを挑むというハチャメチャなストーリーですが、政治やマスコミの欺瞞、資本主義の内在的論理への風刺が寓話に託されており、B級とあなどれないおもしろさでした。

 興味深いのがエイリアンの巧みな侵略手法です。テレビや新聞、雑誌などあらゆる媒体に「obey 従え!」、「no doubt 疑うな!」、「always sleep いつも眠っていろ!」、「consumption 消費しろ!」等と貫徹してワンフレーズのサブリミナルメッセージを刷り込んで洗脳し、批判的思考や複雑な観念をもたない愚民を量産するわけです。GHQの占領統治から現在に連綿と受け継がれる共認支配も、低劣な「3S」コンテンツ(スポーツ、セックス、スクリーン)を手段に国民を衆愚化するというスキームでした。

 つまり、この映画はまんま実社会のメタファーであり、政治屋、官僚、財界人やマスコミ人なんてのは倫理、道徳、規範を持つニンゲンと同じイキモノだと思ってはならないという、無謬性神話へのアンチテーゼがテーマであったわけです。

 昨年の衆院選挙は単なる与野党の政権交代ではなく、その本質は政官財米による社会資本の寡占と浸食を根絶するという階級闘争でした。
 感染症に冒された身体が発熱をもって病原体を死滅させるように、いわば社会的ホメオスタシスが正常に機能し民族が健全性を保持していることの発露だったわけです。 

 しかしながら支配勢力の抵抗は戊辰戦争など比較にならないほどの凄まじさで、既得権益は損なわれるどころかさらに拡大する結果となりました。
 怜悧にして狡猾な支配勢力の圧倒的勝利です。

 鳩山と小沢の失脚をかわきりに、傀儡である管政権樹立、参院選の自爆、その後の政策決定まで、とんでもなく頭のいい連中が裏できっちり絵を描いて、全てシナリオ通りに事を運んでいるということです。

 支配勢力が社会資本を寡占し、既得権益を強化するため、「小沢・鳩山マニフェスト」をいかに覆し、どのように改竄したのか、あらためて検証してみます。

o特別会計の温存:公務員と準公務員の過剰給与、財投債名目でのブラック特殊・公益法人への資金投入、所轄業界への斡旋利得的補助金、外郭団体維持費、外為特会からアメリカへの上納金など200兆円規模の詐欺的財政支出を今後も継続。

o天下りの温存:3万人ベースの天下をさらに簡易化、拡大。今後も毎年12兆円(≒国防費の2.4倍)を天下り補助に充当。
特殊・公益・独立行政法人の温存:省庁OB の主要天下り先、官僚利権の本丸ゆえ統廃合、縮減を認めず。地方・国家公務員給与34兆円に拮抗するこれら外郭団体の莫大な人件費も旧来通り垂れ流し。

oクロスメディアの温存:新聞社による系列テレビ局支配、電波の廉価・独占使用、排外カルテルである記者クラブによる情報寡占を許認。権益の見返りに総務省をはじめとする省庁OBは旧来通り当該業界へ天下り。官民癒着のメディア腐敗は全く変わらず。

o企業団体献金の再開:事実上、金権政治の復活、斡旋利得の合法化。自公政権下と同じく政治屋と官僚がブローカレージとなり財界主導で政策決定。

o教育より土建の優先:原資は僅か5兆円にかかわらず財源不足という妄言で公約の子供手当を半減。自治体との二重行政で存在意義ゼロの国交省所轄の整備局、農水省所轄の農政局を廃合するだけで10兆円規模の原資が確保でき、大学まで公費負担で完全無償化できるにもかかわらず政策提言は無し。少子化、国際競争力の低下、税収・社会保障費枯渇の元凶を拡大。(現在、OECD加盟国において日本の教育支出は最下位です。)

 さらに医療費負担増や税制などに言及していくと切りが無く、早い話し、管政権の施策とは民意を付託された「小沢・鳩山マニフェスト」の完全真逆ということです。
 鳩山政権が簒奪されて以降、こうして民主党は加速的に支配勢力の傀儡と化しました。失業率10%越えが危惧される最悪の雇用情勢下、外国人労働者受け入れを提言する管直人。
 財政支出の1%も縮減できないにかかわらず、事業仕分け収斂をのたまう蓮舫。

 腐敗の淵源である企業献金受け入れを標榜する岡田克也。公共事業利権の象徴・八ツ場ダム建設中止の方針を撤回した馬淵澄夫。

 これらの言説は直喩的に支配勢力の勝利宣言であると読むのが妥当でしょう。

 私見ですがあまりに愚劣な政策変遷を鑑みるに、‘その筋’から脅迫と地位の保全≒金をもって、篭絡、切り崩されたであろうことは容易に想像できます。
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