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もうすぐ北風が強くなる

知らないふりで事実を隠すマスコミ:武田

マスコミ報道の限界を探る(1) メルトダウン報道  武田邦彦 (※はもうすぐ北風の注釈)

マスコミ報道にはある限界があります。それは「マスコミが悪い」と一概には言えないところがあり、それを理解することが今後の日本のマスコミがさらに良くなるキッカケにもなると思いますし、また私たちがマスコミ情報を正しく受け取ることにもなると思います。
・・・・・・
原発事故では、「メルトダウン報道」にそのもっとも大きな特徴がでました。3月12日に福島原発の最初の爆発があってから、3月下旬まで、「原子炉の中がかなり損傷している」という結論が専門家から次々と発表されました。

私が知っている範囲では、原子力学会(燃料がメルトダウンして原子炉の下に直径数センチの粒となって散っている)、保安院(燃料がひどく損傷している可能性がある)、武田(燃料が破壊されている可能性が高い)などです。(※原発反対派は当然だが、上記の原発賛成派部門でさえ言っていた)

私が言っても権威はありませんが、原子力学会や保安院が解説を加えているのですから、かなり重要な情報です。また、当時、放射性物質の放出量が京ベクレルを超えることがわかっていて、このぐらい多い放射性物質が漏洩するというのは原子炉の破壊を意味していました。また、漏れている核種の分析でもほぼ明らかで、それも原子炉の破壊を意味していました。

しかし、当時、政府は「原子炉は健全」と言っていました。そして、問題はここにあるのですが、「政府が「健全」、専門家が「破壊」」という状況の時に、マスコミは自ら選択して「政府の「健全である」」という情報の方を報道しました。
(※事実上テレビと大新聞は「健全としか」報道しなかった)

なぜ、このとき、マスコミは政府の発表だけを出して、専門家(それも体制側の専門家)の見解を報道しなかったのでしょうか? その前に、その後の報道についても整理をしておきます。

5月中旬、つまり事故から2ヶ月目、東電と政府は「3月の時点で燃料はメルトダウンしていた」と発表しました。このとき、すでに専門家はほぼ一致して「炉は破壊されている」と言っていたのですから、マスコミは知っていたのですが、「驚いて見せた」のです。


当時の新聞やテレビは「東電と政府はメルトダウンを隠していた!」という論調でしたが、隠していたのは、東電、政府、そして新聞・テレビだったのです。

すでに知っているのに、知らないふりをして公的に認められたら

その時点で知ったような素振りをする
のは、誠意ある態度には見えません。それが今のマスコミの根本的な問題です。
・・・・・・・・・
つまり、この事件は「事実がわかって、それが公的声明と違う」という時に、「事実より公式声明を優先する」という特殊な日本の報道思想によります。ところが国民は「マスコミは事実を報道する」と錯覚していますし、マスコミは「公的な発表を報道しないとバッシングを受ける」として、事実報道に腰が引けているのです。

このようなマスコミができたのは、実は国民の「お上意識」によることが多いように思います。新聞報道やテレビで放送されると、それが「どういう根拠に基づいているのか?」と厳しく糾弾し、「お国が言った」というとそれで満足するということが続いたので、マスコミの方は「国の通りに報道しておけば無難だ」と考えるようになったと思われます。

私も本などを書いているときに、時々、クレームに手を焼くことがあります。「武田の言っているのは、常識と違う」というので、その「常識」を調べてみると、学問的には非常識なのですが、政府がウソをつき、それをそのままマスコミが伝えたというような場合です。

温暖化すると南極の氷は増える」というのが学問的な事実ですが、政府が「減る」というとマスコミがそれを追従し、それが常識となるというケースです。
(※仮に実際に温暖化すると地球全体の海の蒸発量が増えるので、降水量が増加し、寒地では降雪量が増えるため極地の氷床は増加する。逆に寒冷化は氷河期のように乾燥化するが、夏季の低温により極地に接する高緯度地帯に氷床が拡大する。詳しくは「地球寒冷化:槌田」を御覧ください。)

当然のことですが、マスコミが事実を報道するようになるためには、国民が事実を知りたいと思う必要があるようにおもいます。

(平成23年8月23日)
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