10シーベルト超の致命的放射線:ガンダーセン
2011-08-09
8/6 EX-SKF-JPから
フェアウィンズ・アソシエーツ、アーニー・ガンダーセン:福島原発の致命的な高レベル放射線の意味するもの
福島第1原発1号機・二号機排気塔周辺から「シーベルト」単位で測らなくてはならないほどの高放射線が検出されたことを受けて、フェアウィンズ・アソシエーツのアーニー・ガンダーセン氏がビデオを出しています。
http://vimeo.com/27306360
ガンダーセン氏の現在の考えでは、これは、3月のベント、更にその後も放射性物質の放出が続いていた排気塔で、放射性物質を含んだ高温高湿度のガスが排気塔に接触して冷やされて水滴となり、排気塔の下の方に落ちてゆき、次第に高線量になった、とのことです。東電のサーベイマップでもその周辺では高線量が発見されていた形跡がないのがその証拠の一つ、とされています。
ビデオの中で、えっ?と思ったのが一箇所。ガンダーセン氏は、原発敷地でがれきを土中に埋めている、".. bulldoze under" と言っているのですが、実際、そんなことはあった、あるいはあるんでしょうか?鉄製のさほど大きくもないコンテナにがれきを入れているのは見ましたが、あれじゃ大して片付かないだろうなとは思っていましたが、埋めた??そんな話は聞いていないぞ。
以下、ガンダーセン氏のビデオ日本語訳。
(H/T 東京茶とら猫)
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Lethal Levels of Radiation at Fukushima: What Are the Implications? from Fairewinds Associates on Vimeo.
福島原発で致命的な高レベル放射線検出:これが何を意味するのか
こんにちは。フェアウィンズのアーニー・ガンダーセンです。今日は8月4日木曜日です。2日前、東京電力は非常に高レベルの放射線が福島第1原発で検出されたと発表しました。この事象を全体に位置づけ、福島原発で何が起きているかについて私の考えをお伝えしたいと思います。
まず、東京電力が非常に高レベルの放射線を発見したのは、放射性物質を空気中に放出するための排気塔です。測定された放射線量は並外れて高く、10シーベルトでした。私はレムに慣れているのでそれに換算すると、1,000レムです。
これはどれくらいの数値でしょうか。1,000レム、いや測定器が振り切れたのでそれ以上ですが、これはその近くに30分居ただけで、数日で死に至るレベルです。このような被曝をすると広範囲にわたって神経細胞が破壊され、医学では修復できません。近くに数分以上いたら、死刑宣告を受けるようなものです。
興味深いのは、原発の敷地内についてはこれまでに詳細な地図が作成されていることです。最新版を見ると、ホットスポットが非常にたくさんあるのがわかります。ところが今回のホットスポットは、2日前まで発見されませんでした。
理由はいくつか考えられます。たとえば、保健物理学(放射線の安全な取り扱いを研究する実践的研究分野)の調査がひどくお粗末だったために、この100日間のあいだ見逃されていた可能性です。私はそうは思いませんが、とにかく、古い地図を見てもその場所に高線量の地点があると記されていないのは事実です。
もっと可能性が高いのは、時間の経過とともに放射性物質が蓄積したことです。私はそう考えています。
重要なのはこれが排気塔で見つかったことです。今回の高レベル放射線が検出されるまで、この排気塔は何週間も何ヶ月ものあいだ格納容器内のガスを逃がしてきました。朝、車のエンジンをかけると、排気管から水が滴り落ちることがあるのはご存知でしょう。福島で起きたのはそういうことだと思います。格納容器から出るガスは高温で多量の水分を含んでいます。ガスは排気塔を上へとのぼっていきますが、排気管の外側にガスが触れると、気体が凝縮して液体になります。
排出されるのは高温の水蒸気と高温の水だけではありません。多量のセシウムが含まれています。セシウムと高温の水が配管の外側を伝わって落ち、下に溜まった。時間とともにどんどん溜まって濃度が高まっていきました。
最初の調査のときには、まだほかの放射線源と比べたら線量が高くなかったために見落とされた可能性があります。しかし、時とともにセシウムを含んだ水がさらに流れ落ちてくるにつれて、その濃度はどんどん高まっていきました。
覚えておいていただきたいのですが、この致命的なレベルの放射線が見つかったのは敷地外ではなく敷地内です。これは喜ぶべきことです。ですが、その排気塔からは長期にわたって排気が行なわれていました。実際に過去140日間でどれだ
け高レベルの放射線が放出されてきたのかを今回の発見が物語っています。しかもそれは、環境中に放出された全体量のごく一部でしかないのです。
別の説もあります。事故後一週間のあいだに起きた爆発で吹き飛ばされたものが、あの場所に落ちたというものです。これもやはり保健物理学の調査がよほどお粗末だったためか、最初に調査したときにはなかったのにしだいに蓄積していったかのどちらかです。
東京電力は原発敷地内のいたるところで高線量のがれきを確認しています。作業員のアクセスを容易にするために、その一部はすでにブルドーザーでどかして埋めてあります。ということは、今後10年間にわたって、敷地内ではときおり急激な線量の上昇が起きることになります。ひとつには、埋めたがれきを掘り出すとき。掘り出す作業が続くあいだは放射線源が存在し続けることになります。
もうひとつは、実際に原子炉を解体するために人が建屋のなかに入るときです。今回以上に高い放射線量に直面することになるでしょう。思い出していただきたいのは、炉心が今や原子炉を突き抜けて、パンケーキのようにコンクリートに張り付き、下へ下へと落ちていっていることです。まだコンクリートを突き破ってはいないと思いますが。その炉心の放射線量は今回発見されたレベルの比ではありません。だから東電は原子炉をきれいにするまでに10年から20年かかると発表しているわけです。
この作業は、中に人を送り込んで床をシャベルで掘れば済むというものではありません。ロボットにやらせる必要がありますので、非常に長い時間がかかります。
この件に関して進展があればまたお知らせします。
最後にひとつお詫びがあります。前回のバーモント大学からのビデオに一箇所間違いがありました。最終処理施設が建設中なのは「フィンランド」です。プレゼンテーションのなかで私は間違ってスウェーデンと言ってしまいました。フィンランドの皆さん、皆さんの国を間違えてしまって申し訳ありません。
ありがとうございました。
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(EX-SKF-JP)
個人的には、ガンダーセン氏の「水滴と共に落ちて溜まったセシウム説」には必ずしも同意しないのですが、以下は単なる私の素人考え:
今回10シーベルト時以上の線量が検出された排気塔周辺が高線量である、ということはずいぶん前から作業員の間では知られていたらしいこと。また、東電の説明を信用すれば、周辺のがれきを撤去することが出来たので現場に行けるようになり、線量を測定したら10シーベルト以上だった、とのこと。
これを考え合わせると、最初から高線量だったが、がれきなどに隠されてある程度遮蔽されていたのではないか、という可能性はないか。東電の汚染測定マップはそんなに正確だとも思えない。さほど高くない線量を記入してあった箇所が、翌週の測定では高線量に跳ね上がっている事例は何回も見た。
もう一つ、この排気塔とつながる1号機建屋2階の「トレイン室」に近づいていったロボット「パックボット」が、パックボット搭載の線量計では測りきれない5シーベルト時以上の線量を検出しています。この場所には今まで人間もロボットも入ったことはなく、以前の線量など知る方法もありませんが、明らかに室内で検出。
これは配管の外側を伝って落ちた水の中のセシウムが、というより、配管のあちこちに超高線量の何かがへばりついている、という気がする。既に原子力の専門家の方々が何人かおっしゃっているように、ベントしたときに、既に溶融していた燃料の一部が圧力放出と共にガスと一緒に排気塔に押し出された、という可能性。それだと、建屋内の「トレイン室」の配管近くが非常に高線量だった説明もつく。
さて、真相は?
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(もうすぐ北風)
配管内結露で集積されたにしては超高濃度すぎる。経験的には東海村臨界事故が10シーベルトだが、今回は振り切れているのでそれを超えていると考えて良いだろう。
3号機の使用済み核燃料は最大2km程の範囲に飛散したと考えられているので、ここにも瓦礫としてあっただろう。前々日の余震で瓦礫が動き、再臨界を起こしたとも考えられる。
「逝きし世の面影」1万ミリシーベルトの意味と再臨界の可能性
いずれにしろ、これからはこういう超高濃度の放射線箇所があちこちに現れるだろう。
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