C・バズビー:平気で嘘をつく科学者に立ち向かおう
2011-08-10
C・バズビー氏は低線量内部被曝の第一人者であり、ECRR(欧州放射線リスク委員会)の化学部長です。
7/17から21日まで福島県郡山市の児童・生徒の集団疎開を求める団体を支援のために来日。
氏については、今まで「C・バズビー氏インタビュー」、「C・バズビー:7/18松戸市講演」、「C・バズビー:7/18質疑応答」、「C・バズビー:7/19岩上インタビュー」、「C・バズビー:7/20自由報道協会」にて紹介しています。
C・バズビー/松元千枝インタビュー カレイドスコープ氏から
インタビュー始まり:
松元氏:
今回の来日の背景には、子供たちの安全と健康がないがしろにされていて、福島の子供の疎開を求める声があります。
しかし、日本政府は被曝レベルを引き上げ、外で遊んでも安全だと言っています。
避難については、(日本の政府は)まったく検討していませんが、福島の現状をどのようにお考えですか。
バスビー博士:
日本政府は犯罪的(criminalという言葉をはっきり言っています)に誤っていると感じています。
子供ですら汚染の高い地域から避難させていないのですから。
政府は個人が集まった組織です。
そして、組織の個々人が決定します。
誤った決定なのに、それに従って行動するようなことが、過去には戦争犯罪などで同じようなことがありました。
第二次世界大戦では、ヒトラーが政府として多くのユダヤ人を強制収容所のガス室に送りました。
政府として行ったことですが、最終的には個人個人に責任があります。
これらは戦争犯罪です。
今は平時ですが、戦争犯罪と同じと考えられます。
これらの人々は個人として責任があり、名前も指摘できるわけです。
彼らは最終的に何らかの裁判にかけられ、刑務所に入ることになると思います。
(管理人:枝野は確定でしょう)
松元氏:
日本政府はICRPのモデルを採用していますが、ICRPの勧告についてさえも違反している部分があります。
博士はICRPを批判していますが、日本政府に対して、どうお考えですか。
バズビー博士:
日本政府がICRPの基準にこだわるのは、ICRPが緊急時には20ミリシーべルトまで許容しているからだと思われます。
今は(瀬戸際の)緊急時を脱しているのですから、通常の許容上限値は1ミリシーベルトです。
ですが、アメリカやヨーロッパでは、1つの放射線からの被曝は0.1ミリシーベルトに抑えるよう解釈されています。
しかし、日本政府は、国民に1ミリシーベルトより高いレベルk被曝を許容しているのです。
私自身の考えですが、(車の)エアフィルターの調査から、とても多くの人々が20ミリシーベルト以上の内部被曝をしていると思います。
日本政府は意思決定において、完全に機能不全に陥っています。
ECRRモデルの情報や、私たちが行った計測結果があってもなお日本政府が行動を改めならなら、最終的には裁かれることになると思います。
松元:
ICRPとECRRの基準に違いがあるのは何故ですか。
バズビー博士:
まず最初に知って欲しいのは、ICRPの基準は役に立たない、ということです。
(ICRPは)内部被曝による発症数について、誤った予測を出すでしょう。
ICRPのモデルは1952年につくられました。
DNAが発見されたのは翌年の1953年です。
ICRPは原子爆弾による健康への影響を調べるために設立されました。
第二次世界大戦後、大量の核兵器が作られ、プルト二ウムやウランなど、自然界にはないものを世界中に撒き散らしました。
このため、ICRPはすぐに対策を考えなければなりませんでした。
そこで彼らは物理学に基づいたアプローチを取りました。
物理学者は数学的方程式を使って、シンプルな形にまとめるのが得意です。
しかし、人間について方程式で解くのは複雑すぎます。
そこで彼らは人間を水の袋と仮定し、被曝は水の袋に伝わったエネルギーの総量であると主張したのです。
これはとても単純な方法です。
人の形の水の袋に温度計を入れ、放射線を当てて温度が上がったら、それが吸収された放射線量というわけです。
松本氏:
ICRPは原子力エネルギー推進していると言われていますが…。
バズビー博士:
彼らは何かを推進しているなんて言いません。
独立した組織で、科学者たちが放射線のリスクを研究していると言います。
決して原子力を推進しているとは言いません。
ただ、結果的にそうなって(原子力エネルギーを推進している)います。
このようなことは、水面下でいつも起こることです。
私たちの多くは、ICRPは、もともと核開発を推進するために設立されたと思っています。
推進しないまでも、人々が核開発を阻止しないように設立されたと思います。
人々が、「牛乳にストロンチウムが入っていたからジミーが白血病になっちゃったわ」と言うと、
「いえ、核兵器のせいじゃないですよ、放射線量が少なすぎて影響しませんから」。
そう言うためにICRPは設立されたのだと思います。
そして医者たちが騒ぎ出したとき、彼らは何をしたかというと、医者たちを牽制するために1959年にWHOとIAEAと協定を結ばせたのです。
それはIAEAが放射線と健康について責任を持つというものでした。
「IAEA=国際原子力機関」が健康について責任を持ち、「WHO=世界保健機構」が放射線のリスクについて考えてはいけないことになったのです。
彼らは蚊だのエイズだけを扱うことになりました。
そこは、はっきり区別されています。
これが、ICRPが放射線リスクに対する理解をコントロールしている証拠です。
松本氏:
それがICRPが内部被曝を考慮していない理由でしょうか。
バズビー博士:
そうです。
でも絶対に彼らを、それを認めないでしょう。
松本氏:
博士は世界中で、いままで40回以上、裁判で証言されてきたとのことですが、そのことについてお聞かせください。
バズビー博士:
ECRRモデルを使い、いままでたくさんの裁判をしてきました。
人々の内部被曝の被害を専門家として証言してきました。
米国では、放射性物質を扱う仕事をしてきた人々や、原子力発電所のそばに住む人々や、ロサンゼルスの核施設の近くに住む人々などです。
英国では、核実験の退役軍人たちの裁判で、専門家として裁判で証言してきました。
これらの人々に共通しているのは、ガンや白血病を発症して苦しんでいることです。
これらの原因は、今日本で話題になっている放射性物質による内部被曝です。
そして、どの裁判でも勝ってきました。
ECRRとICRPで、ボクシングの試合やコンテストをしたようなものです。
法廷では、陪審員も偏見のない裁判官も、3人の裁判官もECRRの解釈を好み、ICRPを好む人はいませんでした。
これらすべての裁判において、ICRPのモデルが正しいと証言する専門家を連れてくることが一回もできませんでした。
ICRPの挙げる証拠は間違いばかりなので、証言するのが難しいのです。
裁判では証拠が必要です。
「ほら、こちらがみんなが信じているICRPで、彼がICRPの委員長で重要人物なんですよ」などということに意味はないのです。
松元氏:
郡山での裁判に呼ばれたとしたら、何を証言しますか。
バズビー博士:
専門家の証人として、証言をしたり報告書を書くのは喜んでしますが、来日はせずビデオで証言します。
なぜなら、放射線量が高すぎて私自身怖いからです。
100キロ圏内に行きたくありませんし、100キロ圏外でも心配です。
私は会津若松に行きましたが、土壌が非常に汚染されていました。
持参した機器で計測した値は想像以上で衝撃的でした。
いつもと変わらない街の様子。でも、そこにある放射性物質は人を殺すでしょう
バズビー博士:
東京のホテルで街を見ていると、ビジネスマンが傘をさして通ったり、女性も男性も皆、いつもとまったく変わらないのです。
会津若松でも街はいつもと変わらないし、原発から5キロのところでも景色は何も変わらないでしょう。
でも、そこにある放射性物質は人を殺すでしょう。
放射性物質は見えないのです。
ガイガー・カウンターがあれば計測することができますが、ガイガー・カウンターに勘違いされる可能性もあります。
実際には、マイクロシーベルトという放射線率には関係なく、放射線を出す物質が空中に舞っていて、体に入ることが問題なのです。
それを知っていると、近くには行きたくなくなります。
チェルノブイリに行ったために、多くの同僚が死にました。
松元氏:
車のエアフィルターに付着した放射性物質を分析した結果について教えてください。
バズビー博士:
私たちは5台の車のエアフィルターを調べました。
1つは千葉県内、4つは福島原発100キロほどの場所のもので、そのうちの1つは原発から30キロ圏内を走行したものでした。
福島のもの(エアフィルター)はすべて千葉より高いレベルの放射線量が計測されました。
とはいえ、千葉のものもかなり汚染されていました。
すべて福島原発から出たガンマ線核種で汚染されていましたし、ウランが含まれている兆候もありました。
ただ、それは見せるには、ちょっと難しいのですが。
また、そのうちの1つからはアルファ線の核種も検出されました。
少なくともアルファ線を出す核種が1つは含まれていることになります。
直径0.5ミリほどのものです。
今、より精密な機械を使って、プルト二ウムがあるかを分析しています。
あと2週間ほどかかります。
この結果が何を意味しているかというと、空気中のセシウム137の濃度は、核実験のピークだった1963年の1000倍でした。
これは、かなり深刻です。
なぜなら、1963年の核実験で乳児死亡率が上がり、20年後には世界中でガンが増えたことを私たちは知っているからです。
でも、その時より1000倍も高いのです。
千葉のものは300倍でした。
そのことから、かなり遠い東京南部も、かなり汚染されていると推測しています。
放射性物質の汚染は均一に広がっているわけではありません。
すでにご存知だとは思いますが、ある場所では高いけれど、ある場所では、それほどでもない。
それはチェルノブイリと、まったく同じです。
チェルノブイリの汚染地図は葉の形のようです。
川の流域に沿うことが多いです。
そういうことを私たちは発見しました。
やるべきことは多々ありますが、一つ目としては、放射線量の高い地域に住む人々は避難する必要があると思います。
特に子供は避難しなければなりません。
なぜなら、子供は最大で10倍、放射能への感受性が強いからです。
今、突然そうなるわけではありませんが、将来は、そういうことが起こるのです。
すでに、そこにいる人々の体は法的な意味で傷付けられています。
しかし、今避難すれば、今以上には酷くはならないのです。
それが第一にやることです。
第二に、政府はすぐに航空機を使い、汚染地図を作らなければなりません。
これは昔からある技術なので問題はないはずです。
バズビー博士:
なぜなら、人々は情報を得る必要があるからです。
情報は、ただあるだけでなく、誰もが知りたい情報をインターネットで見たり、印刷できる必要があります。
どこに行けばいいか、どこに行ったらいけないのか、どこに放射性物質があるのか、ないのか、判断できるからです。
そして、私の意見ですが、チェルノブイリの避難区域と同じレベルの汚染がある地域は立ち入り禁止にすべきです。
30キロという範囲ではありません。物質によっては120キロも飛んでいます。
もし、これが毒ガスで、明日にも死ぬとなったら皆逃げるでしょう。
ただ、明日にでも死ぬというものではなく、何年か経ってから死ぬ、というだけです。
三つ目にすべきことは、比較的、汚染の低い地域にとどまらなければならない人々に補償することです。
丸太で頭を叩かれるのと同じで、致死にいたる物質で汚染されるのですから、法治国家においては、それは違法です。
汚染した原子力業界に補償を求めることです。
また、日本だけでなく世界中の原子力業界に補償を求めてもいいでしょう。
これは国際的な問題ですから。
次に、とにかくお金をかけて原子炉を取り囲む必要があります。
原子炉の下を掘って、コンクリートを流し込み、上部を囲むには1兆ドルもかかりますが、やらなければなりません。
でなければ、放射性物質は、ずっと放出され続け、だんだんと北日本は放射性物質で使い物にならなくなっていくでしょう。
それだけでなく、世界中に広がります。
英国、ハワイ、グァム、米国の西部でプルトニウムが検出されましたし、ですから、これは世界的な問題であり、世界的な解決策が必要です。
「日本は不運だったわね」ではなく、すぐに何とかしなければなりません。
なぜなら、非常に大量の放射性物質が刻々と垂れ流されているからです。
他にやるべきことは、空気中の放射性物質のモニタリングです。
現在、日本政府は、すべての核種の放射線濃度を公開していません。
これは深刻なことです。
政府は、ただセシウムだけを計測しています。
ストロンチウム90、トリチウム、プルト二ウム、ウラン-特にウランは遺伝子に深刻な影響を与える核種です。
ファルージャでの調査では、髪の毛からウランが検出された両親の子供に、非常に高い割合で先天性の奇形が見つかり、ガンも非常に多いことが分っています。
ウランで被曝した影響です。
まさに悪夢です。
金で飼われた科学者は平気で嘘をつく。科学者に対する見方を問い直して欲しい
松元氏:
今回の来日で行ったいつくかの講演の中で、福島原発の事故は世界の原子力産業を大きく変えるきっかけとなると仰っていました。
なぜ、そのようにお考えですか。
バズビー博士:
世界は原子力の脅威を知りながら、すっかり無関心になっていました。
福島原発の事故は青天の霹靂です。
想像を絶する状況が今も続いています。
この事故がきっかけとなり、人々は科学者に対して疑問を持ち始めるでしょう。
専門家であるはずの科学者の言う“真実”を疑うようになるのです。
私からすれば、とても科学者とは思えない。
とんでもない専門家たちです。
現代の科学者たちは企業の手先のようなものです。
彼らが私たちに伝えるのは、市場主義を追求する企業や政府が、お金を儲けるための情報です。
原子力は非常に象徴的です。
人間にとって重要なことを問題提起しています。
私たちは混沌とした状況の中にいますが、福島原発事故が、みなさんの視点を変えるきっかけとなることを望んでいます。
科学者に対する見方を問い直して欲しいのです。
それは新しいことではありません。
科学者からの情報を素直に受け入れていたのも、ここにきて限界に達して爆発寸前です。
この大惨事によって、人々の立ち向かう姿勢が強まるよう願っています。
原子力だけに限ったことではありません。
原子力は私たちの抱えている問題を浮き彫りにしましたが、人類が抱えている問題は、それだけではありません。
携帯電話、遺伝組み換え食品の安全性や地球温暖化など、あらゆる面で政府は科学者に頼っています。
私が伝えたいのは、科学者は嘘をつく、ということです。
理由はどうであれ、真実を伝えない科学者は存在します。
科学的な知識を持つことが重要です。
不可能なことではないのですから。
松元氏:
ひとりひとりが科学者からの情報を注意深く選別することが必要なのですね。
バズビー博士:
私たちは沈み行くタイタニック号に乗っていて、舵をとる船長の手元には、お金のために操作された誤った情報しかない、そんな状況なのです。
7/17から21日まで福島県郡山市の児童・生徒の集団疎開を求める団体を支援のために来日。
氏については、今まで「C・バズビー氏インタビュー」、「C・バズビー:7/18松戸市講演」、「C・バズビー:7/18質疑応答」、「C・バズビー:7/19岩上インタビュー」、「C・バズビー:7/20自由報道協会」にて紹介しています。
C・バズビー/松元千枝インタビュー カレイドスコープ氏から
インタビュー始まり:
松元氏:
今回の来日の背景には、子供たちの安全と健康がないがしろにされていて、福島の子供の疎開を求める声があります。
しかし、日本政府は被曝レベルを引き上げ、外で遊んでも安全だと言っています。
避難については、(日本の政府は)まったく検討していませんが、福島の現状をどのようにお考えですか。
バスビー博士:
日本政府は犯罪的(criminalという言葉をはっきり言っています)に誤っていると感じています。
子供ですら汚染の高い地域から避難させていないのですから。
政府は個人が集まった組織です。
そして、組織の個々人が決定します。
誤った決定なのに、それに従って行動するようなことが、過去には戦争犯罪などで同じようなことがありました。
第二次世界大戦では、ヒトラーが政府として多くのユダヤ人を強制収容所のガス室に送りました。
政府として行ったことですが、最終的には個人個人に責任があります。
これらは戦争犯罪です。
今は平時ですが、戦争犯罪と同じと考えられます。
これらの人々は個人として責任があり、名前も指摘できるわけです。
彼らは最終的に何らかの裁判にかけられ、刑務所に入ることになると思います。
(管理人:枝野は確定でしょう)
松元氏:
日本政府はICRPのモデルを採用していますが、ICRPの勧告についてさえも違反している部分があります。
博士はICRPを批判していますが、日本政府に対して、どうお考えですか。
バズビー博士:
日本政府がICRPの基準にこだわるのは、ICRPが緊急時には20ミリシーべルトまで許容しているからだと思われます。
今は(瀬戸際の)緊急時を脱しているのですから、通常の許容上限値は1ミリシーベルトです。
ですが、アメリカやヨーロッパでは、1つの放射線からの被曝は0.1ミリシーベルトに抑えるよう解釈されています。
しかし、日本政府は、国民に1ミリシーベルトより高いレベルk被曝を許容しているのです。
私自身の考えですが、(車の)エアフィルターの調査から、とても多くの人々が20ミリシーベルト以上の内部被曝をしていると思います。
日本政府は意思決定において、完全に機能不全に陥っています。
ECRRモデルの情報や、私たちが行った計測結果があってもなお日本政府が行動を改めならなら、最終的には裁かれることになると思います。
松元:
ICRPとECRRの基準に違いがあるのは何故ですか。
バズビー博士:
まず最初に知って欲しいのは、ICRPの基準は役に立たない、ということです。
(ICRPは)内部被曝による発症数について、誤った予測を出すでしょう。
ICRPのモデルは1952年につくられました。
DNAが発見されたのは翌年の1953年です。
ICRPは原子爆弾による健康への影響を調べるために設立されました。
第二次世界大戦後、大量の核兵器が作られ、プルト二ウムやウランなど、自然界にはないものを世界中に撒き散らしました。
このため、ICRPはすぐに対策を考えなければなりませんでした。
そこで彼らは物理学に基づいたアプローチを取りました。
物理学者は数学的方程式を使って、シンプルな形にまとめるのが得意です。
しかし、人間について方程式で解くのは複雑すぎます。
そこで彼らは人間を水の袋と仮定し、被曝は水の袋に伝わったエネルギーの総量であると主張したのです。
これはとても単純な方法です。
人の形の水の袋に温度計を入れ、放射線を当てて温度が上がったら、それが吸収された放射線量というわけです。
松本氏:
ICRPは原子力エネルギー推進していると言われていますが…。
バズビー博士:
彼らは何かを推進しているなんて言いません。
独立した組織で、科学者たちが放射線のリスクを研究していると言います。
決して原子力を推進しているとは言いません。
ただ、結果的にそうなって(原子力エネルギーを推進している)います。
このようなことは、水面下でいつも起こることです。
私たちの多くは、ICRPは、もともと核開発を推進するために設立されたと思っています。
推進しないまでも、人々が核開発を阻止しないように設立されたと思います。
人々が、「牛乳にストロンチウムが入っていたからジミーが白血病になっちゃったわ」と言うと、
「いえ、核兵器のせいじゃないですよ、放射線量が少なすぎて影響しませんから」。
そう言うためにICRPは設立されたのだと思います。
そして医者たちが騒ぎ出したとき、彼らは何をしたかというと、医者たちを牽制するために1959年にWHOとIAEAと協定を結ばせたのです。
それはIAEAが放射線と健康について責任を持つというものでした。
「IAEA=国際原子力機関」が健康について責任を持ち、「WHO=世界保健機構」が放射線のリスクについて考えてはいけないことになったのです。
彼らは蚊だのエイズだけを扱うことになりました。
そこは、はっきり区別されています。
これが、ICRPが放射線リスクに対する理解をコントロールしている証拠です。
松本氏:
それがICRPが内部被曝を考慮していない理由でしょうか。
バズビー博士:
そうです。
でも絶対に彼らを、それを認めないでしょう。
松本氏:
博士は世界中で、いままで40回以上、裁判で証言されてきたとのことですが、そのことについてお聞かせください。
バズビー博士:
ECRRモデルを使い、いままでたくさんの裁判をしてきました。
人々の内部被曝の被害を専門家として証言してきました。
米国では、放射性物質を扱う仕事をしてきた人々や、原子力発電所のそばに住む人々や、ロサンゼルスの核施設の近くに住む人々などです。
英国では、核実験の退役軍人たちの裁判で、専門家として裁判で証言してきました。
これらの人々に共通しているのは、ガンや白血病を発症して苦しんでいることです。
これらの原因は、今日本で話題になっている放射性物質による内部被曝です。
そして、どの裁判でも勝ってきました。
ECRRとICRPで、ボクシングの試合やコンテストをしたようなものです。
法廷では、陪審員も偏見のない裁判官も、3人の裁判官もECRRの解釈を好み、ICRPを好む人はいませんでした。
これらすべての裁判において、ICRPのモデルが正しいと証言する専門家を連れてくることが一回もできませんでした。
ICRPの挙げる証拠は間違いばかりなので、証言するのが難しいのです。
裁判では証拠が必要です。
「ほら、こちらがみんなが信じているICRPで、彼がICRPの委員長で重要人物なんですよ」などということに意味はないのです。
松元氏:
郡山での裁判に呼ばれたとしたら、何を証言しますか。
バズビー博士:
専門家の証人として、証言をしたり報告書を書くのは喜んでしますが、来日はせずビデオで証言します。
なぜなら、放射線量が高すぎて私自身怖いからです。
100キロ圏内に行きたくありませんし、100キロ圏外でも心配です。
私は会津若松に行きましたが、土壌が非常に汚染されていました。
持参した機器で計測した値は想像以上で衝撃的でした。
いつもと変わらない街の様子。でも、そこにある放射性物質は人を殺すでしょう
バズビー博士:
東京のホテルで街を見ていると、ビジネスマンが傘をさして通ったり、女性も男性も皆、いつもとまったく変わらないのです。
会津若松でも街はいつもと変わらないし、原発から5キロのところでも景色は何も変わらないでしょう。
でも、そこにある放射性物質は人を殺すでしょう。
放射性物質は見えないのです。
ガイガー・カウンターがあれば計測することができますが、ガイガー・カウンターに勘違いされる可能性もあります。
実際には、マイクロシーベルトという放射線率には関係なく、放射線を出す物質が空中に舞っていて、体に入ることが問題なのです。
それを知っていると、近くには行きたくなくなります。
チェルノブイリに行ったために、多くの同僚が死にました。
松元氏:
車のエアフィルターに付着した放射性物質を分析した結果について教えてください。
バズビー博士:
私たちは5台の車のエアフィルターを調べました。
1つは千葉県内、4つは福島原発100キロほどの場所のもので、そのうちの1つは原発から30キロ圏内を走行したものでした。
福島のもの(エアフィルター)はすべて千葉より高いレベルの放射線量が計測されました。
とはいえ、千葉のものもかなり汚染されていました。
すべて福島原発から出たガンマ線核種で汚染されていましたし、ウランが含まれている兆候もありました。
ただ、それは見せるには、ちょっと難しいのですが。
また、そのうちの1つからはアルファ線の核種も検出されました。
少なくともアルファ線を出す核種が1つは含まれていることになります。
直径0.5ミリほどのものです。
今、より精密な機械を使って、プルト二ウムがあるかを分析しています。
あと2週間ほどかかります。
この結果が何を意味しているかというと、空気中のセシウム137の濃度は、核実験のピークだった1963年の1000倍でした。
これは、かなり深刻です。
なぜなら、1963年の核実験で乳児死亡率が上がり、20年後には世界中でガンが増えたことを私たちは知っているからです。
でも、その時より1000倍も高いのです。
千葉のものは300倍でした。
そのことから、かなり遠い東京南部も、かなり汚染されていると推測しています。
放射性物質の汚染は均一に広がっているわけではありません。
すでにご存知だとは思いますが、ある場所では高いけれど、ある場所では、それほどでもない。
それはチェルノブイリと、まったく同じです。
チェルノブイリの汚染地図は葉の形のようです。
川の流域に沿うことが多いです。
そういうことを私たちは発見しました。
やるべきことは多々ありますが、一つ目としては、放射線量の高い地域に住む人々は避難する必要があると思います。
特に子供は避難しなければなりません。
なぜなら、子供は最大で10倍、放射能への感受性が強いからです。
今、突然そうなるわけではありませんが、将来は、そういうことが起こるのです。
すでに、そこにいる人々の体は法的な意味で傷付けられています。
しかし、今避難すれば、今以上には酷くはならないのです。
それが第一にやることです。
第二に、政府はすぐに航空機を使い、汚染地図を作らなければなりません。
これは昔からある技術なので問題はないはずです。
バズビー博士:
なぜなら、人々は情報を得る必要があるからです。
情報は、ただあるだけでなく、誰もが知りたい情報をインターネットで見たり、印刷できる必要があります。
どこに行けばいいか、どこに行ったらいけないのか、どこに放射性物質があるのか、ないのか、判断できるからです。
そして、私の意見ですが、チェルノブイリの避難区域と同じレベルの汚染がある地域は立ち入り禁止にすべきです。
30キロという範囲ではありません。物質によっては120キロも飛んでいます。
もし、これが毒ガスで、明日にも死ぬとなったら皆逃げるでしょう。
ただ、明日にでも死ぬというものではなく、何年か経ってから死ぬ、というだけです。
三つ目にすべきことは、比較的、汚染の低い地域にとどまらなければならない人々に補償することです。
丸太で頭を叩かれるのと同じで、致死にいたる物質で汚染されるのですから、法治国家においては、それは違法です。
汚染した原子力業界に補償を求めることです。
また、日本だけでなく世界中の原子力業界に補償を求めてもいいでしょう。
これは国際的な問題ですから。
次に、とにかくお金をかけて原子炉を取り囲む必要があります。
原子炉の下を掘って、コンクリートを流し込み、上部を囲むには1兆ドルもかかりますが、やらなければなりません。
でなければ、放射性物質は、ずっと放出され続け、だんだんと北日本は放射性物質で使い物にならなくなっていくでしょう。
それだけでなく、世界中に広がります。
英国、ハワイ、グァム、米国の西部でプルトニウムが検出されましたし、ですから、これは世界的な問題であり、世界的な解決策が必要です。
「日本は不運だったわね」ではなく、すぐに何とかしなければなりません。
なぜなら、非常に大量の放射性物質が刻々と垂れ流されているからです。
他にやるべきことは、空気中の放射性物質のモニタリングです。
現在、日本政府は、すべての核種の放射線濃度を公開していません。
これは深刻なことです。
政府は、ただセシウムだけを計測しています。
ストロンチウム90、トリチウム、プルト二ウム、ウラン-特にウランは遺伝子に深刻な影響を与える核種です。
ファルージャでの調査では、髪の毛からウランが検出された両親の子供に、非常に高い割合で先天性の奇形が見つかり、ガンも非常に多いことが分っています。
ウランで被曝した影響です。
まさに悪夢です。
金で飼われた科学者は平気で嘘をつく。科学者に対する見方を問い直して欲しい
松元氏:
今回の来日で行ったいつくかの講演の中で、福島原発の事故は世界の原子力産業を大きく変えるきっかけとなると仰っていました。
なぜ、そのようにお考えですか。
バズビー博士:
世界は原子力の脅威を知りながら、すっかり無関心になっていました。
福島原発の事故は青天の霹靂です。
想像を絶する状況が今も続いています。
この事故がきっかけとなり、人々は科学者に対して疑問を持ち始めるでしょう。
専門家であるはずの科学者の言う“真実”を疑うようになるのです。
私からすれば、とても科学者とは思えない。
とんでもない専門家たちです。
現代の科学者たちは企業の手先のようなものです。
彼らが私たちに伝えるのは、市場主義を追求する企業や政府が、お金を儲けるための情報です。
原子力は非常に象徴的です。
人間にとって重要なことを問題提起しています。
私たちは混沌とした状況の中にいますが、福島原発事故が、みなさんの視点を変えるきっかけとなることを望んでいます。
科学者に対する見方を問い直して欲しいのです。
それは新しいことではありません。
科学者からの情報を素直に受け入れていたのも、ここにきて限界に達して爆発寸前です。
この大惨事によって、人々の立ち向かう姿勢が強まるよう願っています。
原子力だけに限ったことではありません。
原子力は私たちの抱えている問題を浮き彫りにしましたが、人類が抱えている問題は、それだけではありません。
携帯電話、遺伝組み換え食品の安全性や地球温暖化など、あらゆる面で政府は科学者に頼っています。
私が伝えたいのは、科学者は嘘をつく、ということです。
理由はどうであれ、真実を伝えない科学者は存在します。
科学的な知識を持つことが重要です。
不可能なことではないのですから。
松元氏:
ひとりひとりが科学者からの情報を注意深く選別することが必要なのですね。
バズビー博士:
私たちは沈み行くタイタニック号に乗っていて、舵をとる船長の手元には、お金のために操作された誤った情報しかない、そんな状況なのです。
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