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デフレ下で増税を叫ぶ愚者たち:三橋

 経済音痴とか無能と言うにはあまりに悪どい与謝野、岡田、野田などの閣僚ども。
 この国の経済よりも、米国の利益のみを考慮し、この国が潰れても自分の責任ではないと、そのために与謝野を入れたのは見え見えである。
 三橋氏から引用する。ほぼ同一の意見なので、私のコメントはない。

 デフレ下で増税を叫ぶ愚者たち 2011/08/02  三橋貴明

 7月27日、遅れに遅れていた東日本大震災の復興予算の「枠組み」がようやく決まった。逆に言えば、震災から四ヶ月が経とうとしているにも関わらず、本格的な復興予算は国会を通る気配がないという話である。

 ちなみに、1923年9月1日の関東大震災の際には、震災から四週間後に帝都復興院が設立された。総裁の座に就いた後藤新平の下、震災発生からおよそ一ヶ月後には、早くも復興事業が始まったわけだ。

 後藤新平は「震災発生の翌日の深夜」の時点で、帝都復興のための復興根本策を起案している。後藤が帝都復興のために用意しようとした予算は40億円。当時の一般会計予算(約15億円)の2.7倍に相当する。現在の日本に置き換えると、250兆円ほどであろうか。

 その後、先述の通り、震災から四週間後の9月27日に帝都復興院が設置され、後藤新平が総裁の座に就いた。後藤新平が起案した復興根本策を元に、帝都復興計画が提案され、予算が確保された(予算は最終的に6億円に削られた。それにしても、国家予算の三分の一強の規模である)

 いずれにせよ、復興とは「時間との勝負」なのである。政府は財源のことなど気にせずに、とにかく「重症患者の手当て」をしなければならない。
 ちなみに、関東大震災後の日本政府は、復興財源を外国への国債発行に求めた。そのときの国債金利は、実に8%である。

 8%という高い(現在に比べると)金利を払っても、しかも国内ではなく外国からお金を借りてでも、とにかく政府は財源を確保し、復興に投じようとしたわけである。自らの身体が重傷を負っている以上、当たり前のやり方だ。

 それに対し、現在の日本は長期金利が世界最低、すなわち「世界で最も安い資金コストでお金を借りることができる」にも関わらず、「財政破綻」などという虚偽情報に躍らされ、復興の原資を増税に求めようとしている。ここまで愚かな政府は、史上に類例を見ない。人類の歴史をさらっても、大震災の後に増税したような国は存在しない。

 さらに言えば、1995年1月17日の阪神淡路大震災である。

 阪神淡路大震災の場合、復興基本法案が通るまで三十七日、一回目の大規模復興予算が通ったのは、その十日後であった。当時の村山首相(社民党)は、震災三日後に、国会で、
「何分、初めての経験でもございますし、早朝の出来事でもございますから、幾多の混乱があったと思われます」
 と答弁し、大いに批判された。とはいえ、復興自体については自民党に丸投げしたため、比較的スムーズにことが運んだのである。

 それに対し、東日本大震災の復興基本法が成立したのが、震災から100日目のことであった。さらに、冒頭にも書いた通り、本格的な復興予算が国会をいつ通過するのか、現時点では全く不透明なままである。

 民主党が新米与党で、政権担当能力がないというのは言い訳にならない。何しろ、阪神淡路大震災時の村山政権も、この手の大規模自然災害に対応した経験はなかった。とはいえ、村山首相は「自分では分からない」ことを早期に認め、「分からないことを、人に任せた」ために、結果的に復興がスムーズに進んだのである。

 それに対し、現在の民主党政権は「自分でも分かっている」フリをすることだけは得意なのだが、実が全く伴わない。結果、震災から三ヶ月が過ぎ去ったにも関わらず、未だに被災地住民は見捨てられたのも同然の状況にある。まさしく「不作為の罪」としか、表現のしようがないのである。


 民主党がまともな復興予算を早期に組み上げることができない理由は、何も彼らの経験不足や能力不足からばかりではない。財務省が東日本大震災を「好機」として捉え、省益である増税を何とか実現するべく、様々な手練手管を駆使しているのも、復興が未だに端緒につかない原因の一つだ。



『2011年7月27日 読売新聞「復興予算 5年19兆円」

◆臨時増税、税目など先送り 

 政府の東日本大震災復興対策本部(本部長・菅首相)は26日の会合で、被災地の復旧・復興に充てる予算の枠組みを了承した。前半5年間を「集中復興期間」と位置付けて19兆円程度を支出する計画だが、財源となる臨時増税の検討は8月以降の政府税制調査会の議論に先送りした。今後、税目や税率などを巡る議論は難航しそうだ。

◆財源

 集中復興期間の財源のうち、2011年度1~2次補正予算に計上済みの6・1兆円を除く13兆~14兆円については、復興債10・5兆円と歳出削減2・4兆円などで確保する方針を示した。復興債の償還に充てる財源は臨時増税(10・3兆円)と税外収入(0・2兆円)で賄う考えだ。復興債の償還期間は「5年を基本とし、(償還財源とする増税の)税目によっては最大10年」とする方向だ。

 政府は臨時増税の税目として所得税や法人税を中心に検討しているが、これだけで必要な財源を確保するのは難しい。財務省などには1%の引き上げで2・5兆円の財源が得られる消費税率引き上げで対応すべきだとの声もある。ただ、民主党内では「消費税は今後の社会保障の財源として使うべきだ」(安住淳国会対策委員長)と慎重論もあり、調整は難航しそうだ。

 また、政府は、11年度当初予算にいったん計上した基礎年金の国負担分2・5兆円を、11年度第1次補正予算の財源に転用した経緯がある。このため、与野党の間では復興債でこの穴埋めをする案が出ており、実現すれば復興債発行額は13兆円に膨らむ。

◆財政規律

 政府は財政規律を維持するため、復興予算を12~14年度の財政の枠組みを示す中期財政フレームとは別枠とする方針だ。「歳出の大枠71兆円以下、新規国債発行44兆円以下」との目標を堅持する方向だ。

 古本伸一郎・民主党財務金融部門会議座長は「中期財政フレームは対外的な公約。何としてもこれは守る」と強調する。だが、復興予算を別枠扱いしても、社会保障費は高齢化で毎年1兆円強膨らみ続け、目標の実現は容易ではない。(後略)』


 東日本大震災という自然災害は、日本国家を人間にたとえた場合、何に該当するだろうか。悲惨な外傷である。日本国家が一つの身体を持つ人間と仮定すると、大震災は骨折や裂傷など、他人にも一目で分かる重症なのである。

 例えば、自らの脚の骨が折れている場合、他のことは放っておいても、とにもかくにも手当てをしなければならない。骨折や裂傷という大怪我を負った人が、
「この治療法は、後々に副作用があるかも知れないから・・・」
 などと、呑気議論を始めることはない。怪我の手当てをするために、大急ぎで病院に駆け込むことだろう。

 国家にとっても同様だ。東日本大震災のような大規模自然災害は、我々日本国民自身の身体の一部が重傷を負ったに等しい。他のことは全て後回しにしてでも、とにかく大怪我の手当をしなければならないのである。

 現在の日本政府や財務省のやり口は、重症患者を前にして、
「輸血しなければならないが、血液はどうする?」
「じゃあ、『本人』に輸血用の血液を献血してもらおう」
 などと話し合っているも同然だ。

 どこの世界に、重要患者の輸血用の血液を、患者本人から採取しようとする医者がいるだろうか。大震災のような自然災害後の増税とは、そういう話なのである。あまりにもナンセンスであるため、これまでの「人類」は、誰も復興増税などという愚策を思い付きもしなかったわけだ。

 現在の日本は、デフレである。デフレとは、日本円の価値が上がり続けている現象になる。

 日本円の価値が上がるといえば、円高もそうだ。リーマンショック後、FRBやECBなど、外国の中央銀行がマネタリーベースを数倍規模に膨らませているにも関わらず、日本銀行は精々が1.2倍程度にしかしていない。外国が自国通貨をジャブジャブ発行している反対側で、日本銀行がマネタリーベースを絞り込んでいる以上、日本円の為替レートは上昇して当たり前である。

 しかも、1923年の関東大震災時とは異なり、現在の日本は過剰貯蓄状態にある。政府が国内から資金調達する上で、これ以上の好条件はない。

 前回(第112回 歴史的な金余り)も取り上げたが、日本は今、歴史的な金余り状態にある。結果、長期金利は世界最低水準で延々と推移しているわけだ。

 デフレ、円高。すなわち、日本円の価値が上がりすぎており、むしろ通貨価値を下げる必要がある日本が、さらに言えば、国内に過剰貯蓄が溢れているという日本が、大震災からの復興財源を増税で調達しようとしているわけだ。これほどのブラックジョークは、めったにお目にかかれるものではない。

 本来、現在の日本は、普通に「建設国債」を発行すれば、復興原資を調達できる。建設国債は、政府支出の結果、インフラストラクチャーなどの「国富」が残るタイプの国債である。現在、国会で揉めている「特例法案」を通す必要はない。特例法案を通す必要がある国債は特例国債、通称、赤字国債である。

 建設国債は財政法四条により、国会で予算額を決めさえすれば発行できる。すなわち、普通に補正予算を通しさえすれば、政府は潤沢な財源を確保することができるのだ。

【図113-1 日本の種別国債発行残高の推移(単位:億円)】
20110802_01.png
出典:財務省

 実は、日本では財務省やマスコミが、やたら、
「国債をはじめ、国の借金(政府の負債)が増え続けている! 破綻だ!」
 などと喧伝しているが、インフラ投資のための建設投資の総額は、04年以降は全く増えていない。これほどまでに公共投資を削減した以上、当たり前といえば当たり前である。

 今回の東日本大震災からの復興事業は、インフラ整備が中心になる。当然ながら、復興財源は建設国債が中心になるべきなのだが、野党はともかく与党からはその手の話があまり聞こえてこない。不思議な話である。

 先にも書いた通り、現在の日本はデフレで円高、さらに銀行などが歴史的な金余り状態にある。銀行などで過剰になっているお金を、政府が建設国債で借り入れ、すぐさま復興事業を開始する。政府の国債増発で金利が上昇するというのであれば、日銀が金融市場から同額分の国債を買い取ればいい。日銀が金融市場から国債を買い取る場合は、単なる買いオペレーションになるため、財政法第五条の縛りとは無関係だ。

 あるいは、財政法第五条の但し書きを利用し、日銀が国債を直接引き受けても構わない。東日本大震災のような大規模自然災害は、誰が考えても財政法第五条における「特別な自由」に該当するだろう。
(参考:財政法第五条 すべて、公債の発行については、日本銀行にこれを引き受けさせ、又、借入金の借入については、日本銀行からこれを借り入れてはならない。但し、特別の事由がある場合において、国会の議決を経た金額の範囲内では、この限りでない。)


 そもそも、今回の東日本大震災が百年に一度のものだと言うのであれば、復興費用は今後百年間かけて日本国民が負担すればいいのである。

 しかも、国債発行や日銀引き受けにより政府支出が拡大し、日本の名目GDP成長率が拡大していけば、国民の負担は先になればなるほど、小さくなっていく。百年後、日本の名目GDPが、仮に1京円に達していた場合、現在20兆円のお金を復興に費やしても、それは実質的に1兆円と同じということになる。しかも、百年間かけて負担していくわけであるから、年間の実質負担はさらに小さくなる。

 それを今、デフレに苦しむ日本国民に短期で負担させようとしているのが、財務省や民主党首脳部というわけである。異様としか表現のしようがない。

 本来、百年あるいは数十年かけて負担すべき復興資金を、今後五年、十年の「増税」により、日本国民に負担させようとしているわけだ。あまりにも無茶な政策であるため、筆者は最終的には復興増税などという愚策は採用されないと考える。

 それにしても、政府や財務省が復興増税などと言い出したために、国会が混乱に陥り、貴重な時間が浪費されてしまうわけである。結果、被災地住民の苦しみは続いていくことになる。

 現在の日本政府の「復興増税路線」は、ほとんど犯罪的と言えるほどに愚かな道なのだ。
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