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もうすぐ北風が強くなる

小出:原発の現状、汚染と防護の現状

 小出裕章非公式まとめ他から 

 2011年6月17日(金)夜、FM79.7京都三条ラジオカフェ(環境市民、NPO京都コミュニティ放送)の原発災害特別番組に小出裕章氏が電話出演

要約

・(汚染水処理については、すぐに高濃度汚染水の処理が始まると思っていたが、その前段階で留まっていると理解していいか?)そうだ。福島原発の敷地の中には様々な濃度の汚染水が合計で11万トンある。今でも原子炉を冷やすために外から水を入れているが、その分も増えており、近いうちに溢れる。
外から水を入れる方式を避けるために汚染水を循環させたいが、汚染したものをまわすと被曝が避けられない。
少しでもきれいな水を循環させるため、比較的汚染の少ないものの汚染度を低くして回す。そのためのテストにとりかかったところ。

・(このつまづきは予想できた?)よくあること。ポンプを動かしても水が送れない場合には装置の破損を防ぐために安全弁を開くが、今回の問題はそこに猛烈な放射能があるということ。原子力の本質的な困難さがつきまとってきている。

・(新たな注水をしなくても水で冷やし続ける仕組みは可能か?)わからない。東電が公表してきたデータが度々覆されている。東電データを信用して原子炉は半分まで水があると考え、その上での推測を伝えてきたが、原子炉に水はなくメルトダウンしてしまったと5月12日に言い出した。
それも本当かどうか分からないが、本当だとすると、2800度にならないと溶けない燃料が溶けて落ちている。鋼鉄の圧力容器の底が溶けて抜けて、さらに外側の格納容器を溶かして外に出ている。こうなるといくら水をかけても冷やすことができないだろう。

・(1号機では格納容器を溶かして燃料が外に出ているとすると、建屋の地面の下に落ちている?)そう。冷やすことができなければコンクリも溶かすため地下に落ちていく。

・(その点は新聞でもテレビでも言われていない。格納容器の底にたまっているとしか言わない。最悪の事態を伝えてほしいと思うが?)そう思う。

・(1号機は水をかけていない?)かけている。どういう状態にあるか不明だが、冷やすことが最重要なため水はかけている。

・(2号機3号機でも同じように格納容器の下に落ちている?)分からない。東電は水がない可能性が高いといっているが、それが本当であれば、格納容器の底に落ちて損傷させていると考えたほうがいい。

・(来年1月めどで冷温停止させるとしているが?)もともと冷温停止は原子炉圧力容器が健全で燃料がその中にあり100度以下になることを示す。いまは既に燃料が圧力容器から落ちているため冷温停止ということはありえない。

・(ウソを言うつもりはないのかもしれないが正確な情報が出ていない?)事故を小さく見せたいという意図のもとに発表されている。

・(東電のライブカメラを見ていたら真夜中に白いガスが吹き出ていたが、水蒸気か?)私も見たが、不思議だと思った。正直なんだか分からない。かなり劇的に噴きだしており、光ってもいた。何かの反応が起きているはずだと思った。茨城の空間線量が上がったという情報もある。ひょっとすると放射能放出に結びつく現象があったかもしれない。マスコミが東電に確認すべきことだ。

・(吹き上げている様子をみると、放射性物質が出ていることは間違いない?)水蒸気だとしても含まれているはずで、それなりに出たことは間違いない。でもあのように光るという現象は何なのか私にも分からない。東電は当然知っているはずで、発表があってしかるべきだが、ない。マスコミも一切触れていない。本来マスコミが追及すべきだ。

・(セシウムとストロンチウムが最近検出されているが、ヨウ素とは違う影響がある?)もちろんそうだ。

・(この検出は状況悪化を示す?)ヨウ素131は8日で半分に減り、これまでにほとんど無くなっているといっていいほど。セシウムは半分になるまで30年。ストロンチウム90の場合は29年。一人の人間の歴史や子や孫のことを考えれば、取り返しの付かないことだ。

・(さらに怖いものが出てくると考えるべき?)作業員の努力が実を結んで事故の劇的な悪化が防げた場合、今後問題になるのは半減期の長いセシウム137とストロンチウム90だ。

・(海に落ちても土に落ちても水源に落ちても私たちが取り込むことになる可能性がある?)可能性というより、必ずそれを引き受けることになる。

・(食べもの、飲みものに汚染が広がった場合、覚悟して受け入れることになる?)社会がどのように汚染と向きあうかということ。農産物は出荷停止にしてすべて捨てるという選択もあるが、そうすると農業は崩壊する。

・(2号機、3号機の溶けた燃料については東電は底にたまっている状況ではないとしている?)東電は一部は格納容器に落ちているが、ほとんどは圧力容器に残っていると説明している。
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 2011年6月14日発売の週刊誌『サンデー毎日』(6月26日号)に、小出裕章氏(京都大学原子炉実験所助教)のインタビュー記事

記事内容

小出先生の発言部分を要約してご紹介します。

・メルトダウンした福島第一原発の核燃料は、圧力容器を貫き(メルトスルー)、格納容器を溶かし、さらに地下のコンクリ構造物を溶かしながら地下にめり込んでいると推測する。

・汚染水を浄化して循環させ冷却に使う循環注水冷却は不可能。解決策は石棺しかない。

・最悪のシナリオである水蒸気爆発は1号機では回避された。が、2,3号機ではリスクを回避したとは断言できない。

・推進派は格納容器破壊の確率は巨大隕石落下と同程度であり、原発は地震では壊れないとしてきた。今回は津波が想定外だっただけと言う。
しかし2号機の圧力抑制プールは窒素が充満していて爆発は起こりえず、しかも地下にあって津波で壊れたとは考えにくい。地震で壊れたと考えるしかない。

・私は3月15日に東京でガンマ線を計測した。毎時2マイクロシーベルト(通常時の40倍)だったが、それを体内に取り込むと20マイクロシーベルトの内部被曝をした計算になる。

・福島の汚染はより深刻。50キロ離れた福島市も放射線管理区域に指定する必要がある。

・農産物、海産物の汚染は避けられないが、福島や近県の農漁業の壊滅を防ぐため、放射線感受性の低い大人が福島の食品を食べるべき。汚染度に応じて60歳以下は食べない「60禁」、「50禁」、「40禁」、「20禁」、「15禁」、「10禁」という仕分けをすればよい。そうした表示がない食品を子ども用とすれば、産地も子どもも守れる。

・日本はエネルギーを湯水のごとく使い、工業化を重視し、農業漁業を軽視してきた。そのあり方に反対するからこそ、原発に異を唱えてきた。

・今回の事故は私にとって決定的な敗北。日本に新たに原発を作らせないよう活動してきた私にとって、54基の原発一基、一基が敗北の証しだ。
助手、助教として37年間私は何のためにこれまで生きてきたのか、と無力感を覚える。この先も事故防止に全力を傾け、残された時間を有効に使う。 
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2011年6月16日(木)、MBS(毎日放送)ラジオの「たね蒔きジャーナル」に、小出裕章氏

MC:小出さん、今日もよろしくお願い申し上げます。

小出氏:こちらこそ、よろしくお願いします。

MC:まず今日は、最初はリスナーの方からの質問からなのですけれども、
  こちらはラジオネーム(省略)さんという方です。
  「いつも小出先生の話を聞いて勉強させて頂いております。
  震災から3カ月、初めは汚染水の放出の影響で海に入る事がなかった
  サーファーが、茨城や福島の海に戻って来ました。
  サーフィンをするようになりました。
  地下に浸み込み、海に流れる汚染水の量や濃度も解らない、
  これだけの放射能による海水汚染の前例がないという状況で、
  小出先生のような専門家は、このようなサーファーの行為は
  どのようにお考えでしょうか」という質問なのですけれども。

小出氏:難しいですね。
  まずは海の汚染度というものを、正確に調べなければいけないと
  思うのですが、海岸等を管理している自治体があるはずですよね。
  そういう自治体が、まずはその自分が管理している海の汚染度というものを
  調べて、その数値をまず公表するという事から始めて欲しい、
  と私は思います。

MC:まず、そういった形で確認をちゃんとしてからという方が、
  良いという事ですね。

小出氏:そうですね。
  サーフィンが好きな方は、もちろん海で泳ぎたいのでしょうけれども、
  汚染度が解らない状態でやるのは、危険だと思います。

MC:では、次の質問なのでけれども、
  稼働が遅れております汚染水浄化システムなのですけれども、
  試運転が始まったというニュースが入って来ました。
  で、ここで使われるゼオライトという物質は、
  毎日交換しなければならないという事なのですけれども、
  この汚染水浄化システムは、
  原発の燃料を冷やすために水を入れていますけれども、
  この水での冷却が続く限り延々と動かさなければならない
  という事なのですよね。

小出氏:そうです。

MC:では、ずっと動かし続けなければいけないというような状況に
  なりそうなのですけれども、
  ゼオライトの汚染も、かなりのものになるというふうに言われていまして、
  1㎤当たり1億Bqの汚染物になるという事ですが、
  これは人間が簡単に近付けない値ですか。

小出氏:そうですね。
  遠隔作業で取り扱わなければいけなくなると思います。

MC:この交換のために、近寄れないので長さ1.5mのマジックハンドを使って
  ゼイオライトを交換するという事らしいのですけれども、
  1.5m離れたら、放射線の量はかなり弱まるのですか。

小出氏:まあ、それなりには弱まりますけれども、
  猛烈な放射能で汚れているはずですので、
  被曝が大変な事になるだろうと危惧します。

MC:マジックハンドを使っても、そんなに被曝せずに行けるという訳では
  なさそうな感じですかね。

小出氏:はい、そうです。
  もちろん、密着するような事は危険すぎますので、
  離れなければいけないでしょうけれども、
  あまり長いアームだったら、今度は操作に手間取ってしまうでしょうし、
  ある所で妥協する事になるのでしょうが、
  1.5mものマジックハンドというのは、
  なかなか慣れない人には操もが出来ないでしょうし、
  被曝の蓄積というのが心配です。

MC:こちらは、こんなメールも来ております。
  ラジオネーム(省略)という方なのですが、
  「汚染水の浄化装置ですが、セシウム吸着装置に溜まった放射性物質を
  最終的にどのように処理されるのでしょうか」という事なのですが、
  このゼオライトが、最終的に年末までにドラム缶1万本分の
  汚染された汚泥という事になるそうなのですけれども、
  これは、最終的に・・・

小出氏:先(?)はまだ決まっていないと思います。
  大変な汚染物ですので、
  どこかに簡単に埋めてしまうという事も出来ないでしょうし、
  取り扱い自身が物凄い被曝をしながらでないと扱えませんので、
  これからの重たい課題になるだろうと思います。

MC:これに関連して、このようなニュースが入って来ているのですけれども。
  福島県が復興計画の基本方針に脱原発というのを、
  はっきりと書いたというニュースでして、
  この意図のひとつは、放射性物質に汚染された瓦礫を
  県内で最終処分するという環境省の方針を受け入れる訳にはいかない、
  というメッセージであるという事なのですが、
  今先生おっしゃましたけれども、
  大量の高レベル放射性廃棄物の最終処分場というのは、
  今日本にはあるのでしょうか。

小出氏:ありません。

MC:となると、これからどこかに処分しなければいけない、と。

小出氏:そうですね。
  こうなると、福島原発周辺はたぶん広大な汚染地が残るというか、
  放棄しなければいけない土地が出来てしまいますので、
  たぶん、国としてはそこを狙うでしょうし、
  福島県としては、何とかそれを逃れたいと思っているのだろう、
  と思います。

MC:でも、なかなかやはりこの最終処分場というのは、
  これから決めるのが至難の業というか、
  大きな課題になって行くという事ですね。

小出氏:そうですね。
  誰にとっても放射能など受け入れたくはありませんから、
  結局は、これまでの歴史で言えば、弱い所弱い所がやられて来た訳ですね。
  これから、これをどうするかという事は、
  私達日本人ひとりひとりに付きつけられている問題だと思います。

MC:それから、もうひとつ気になるニュースが伝わって来ているのですが、
  福島県で全ての小中学生や幼稚園児に放射線測定器を持たせる事を
  決めたというニュースが伝わって来ているのですけれども、
  心配なのが、低線量被曝という現象なのですが、
  ただちに人の体に影響はないレベルと言われている数値の低い放射線でも、
  まだ事故は収束していないので、その土地に住むという事は、
  長い間浴び続ける事になる訳ですが、
  それは人の体にどう影響するのでしょうか。

小出氏:基本的には、ガンや白血病の発生頻度が増えるという事になります。

MC:それは大変な事ですよね。

小出氏:私は、大変な事だし、
  特に子供というのは放射線に対する感受性が高いので、
  何とか子供の被曝を減らさなければいけないと思います。

MC:それを防ぐための方法としては、どのような事があるのでしょうか。

小出氏:私がまずやって欲しいと思ったのは、
  子供が集中的に集まって遊ぶ場所、
  つまり学校とか保育所、幼稚園という所の
  校庭の表土を剥ぎ取るという、
  もうそれだけは絶対やって欲しいと思っています。

MC:それをまずやって、その後、まだ長く続くという事でしたら
  次の段階としてはどのような事をしなければいけませんか。

小出氏:難しいですね。
  後は、家庭で子供達をどうやって遊ばせるかという事で、
  子供が良く遊んでいる場所を、
  親の責任で綺麗にするというような事も必要でしょうし、
  暫くの間は、マスクをなるべくさせるように習慣付けるとか、
  いろいろな事をやはり知恵を絞らなければいけないと思います。

  あと、食べ物はもちろんですね。
  子供達には、汚染の高いものは決して与えないように
  注意をするという事です。

MC:藤田さん、こういった注意をしなければいけないという事なのですが。

藤田氏:そうですね。
  しかし、その表土を剥ぎ取っても、その表土自体をまたどこかで
  処分する必要が生じる訳でしょう。

小出氏:そうです。
  処分と言っても、放射能自身を消す事は出来ませんので、
  どこかに移動をさせるという事しか出来ません。

藤田氏:先ほどの大量の放射性廃棄物を、
  どういうふうに処分するかという方法も含めて、
  可能性として想定出来る処分の仕方というのは、
  地中に埋めるとか、海のかなり沖の方に持って行って海底に投棄するとか、
  具体的にどういう方法が想定出来るのですか。

小出氏:海に捨てる事は、もう条約で禁止されていますので出来ません。
  私は唯一可能だと思うのは、放射能の墓場を作るという事です。
  福島原子力発電所の周辺の所は、
  たぶんもう人が住むという事は出来ませんので、
  ある一部の区画を、放射能の墓場にするという事を決めて、
  そこに汚染度合いの低いものから高いものまで仕分けをしたものを、
  (放射線の)強さに応じて、例えば建物の中に入れるとか、
  地面の中に埋めてしまうとか、
  仕分けをしながら対策を取る、という事しか出来ないと思います。

MC:そう言って置かれたものというのは、
  何千年も何万年もやはり管理していかなければいけないのですか。

小出氏:そうですね。
  基本的には、セシウムとストロンチウムというのが一番重要だと私は思います。
  それは、半分に減るまで30年なのですね。
  300年、何とか閉じ込める事が出来れば、1000分の1に減るという事なので、

  例えば、今青森県の六ヶ所村に、原子力発電所から出た来た
  低レベル放射性廃物というものを埋め捨てにしているのですが、
  そこも300年間とにかくお守をする、と言って来ました。

  ですから、福島の今回のゴミも、最低300年間は何とか閉じ込めるという事が
  出来るようにしないといけないと思います。

MC:解りました。
  小出先生、どうもありがとうございました。

小出氏:はい、ありがとうございました。


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