fc2ブログ

もうすぐ北風が強くなる

ノーベル平和賞は誰が決めたのか

 改革派を窮地に追い込むノーベル賞は、上海派への援軍か。

 今回のノーベル平和賞は、多党制を主張する08憲章グループを代表する劉暁波の中国民主化をめざす運動に対して与えられている。
 民主運動家であるが、現在収監中の運動家へのノーベル賞は初めてである。中国の党と政府にとっては、体制秩序の転覆を誘うものにしか見えないだろう。

 だが、ここで党側の改革と劉暁波氏らの民主化を比較してみる。
 劉暁波氏ら、は共産党外に身を置き、多党制選挙制度を主張する。
 胡錦濤、温家宝氏らは、共産党幹部として、地方の複数立候補制、住民委員制度などの緩やかな政治改革を進めようとしている。

 党改革派に言わせれば、多党制選挙制度など導入すれば、は民族問題、格差問題、都市と農村など現在中国の状況からすれば、中国の即時の分解、崩壊を招くだろう。党内改革派は欧米による分解工作を最も警戒している。

 このことは西側の経済学者などからも指摘されており、世界恐慌につながるものである。
 現実には、胡錦濤、温家宝氏らの緩やかな政治改革路線が世界の政治・経済にとって好ましいものである。
 しかし、ノーベル賞選考委員会は多党制選挙制度に賞を決定した。(選考委員会は5人の引退政治家)

 このことが党外国外民主派には追い風だろうが、この風に真っ向から向かわなければならない党内改革派には大逆風である。
 3月の韓国哨戒艦事件、9月の尖閣事件、そしてノーベル賞と進んできたことが中国共産党内に影響を造らないわけはない。

 緊張を作り出し、対立を煽り、民主派というよりも党内改革派が大きなダメージを受けてきた。
 故、胡耀邦の弟子である胡錦濤、温家宝らの共青団派は右から殴られ、左から蹴られたようなものである。
 今回の党5中総会では、事前には「無い」と思われていた、習近平氏の中央軍事委員会副主席が決まった。
 
 上海派の改革派への勝利である。

 誰がどうしたとか言うつもりはないが、上海派の勝利は国際金融資本と軍産複合体の利益につながる。両者の利害は普通一致しないことも多いようだが、党内上海派との点では一致していたようだ。

 ロンバード街も、ペンタゴンも。
 
 
関連記事

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事へのトラックバックURL
http://bator.blog14.fc2.com/tb.php/46-065b00cf

 | HOME | 

 

プロフィール

もうすぐ北風

Author:もうすぐ北風
こんにちは。
いろんな旅を続けています。
ゆきさきを決めてないなら、しばらく一緒に歩きましょうか。

最新記事(引用転載フリー)

カテゴリ

経済一般 (118)
経済一般~2012冬まで (161)
日本の経済 (224)
通貨戦争 (70)
ショック・ドクトリン (12)
震災関係 (23)
原発事故発生 (112)
事故と放射能2011 (165)
放射能汚染2012 (192)
汚染列島2013-14 (146)
汚染列島2015-16 (13)
福島の声 (127)
チェリノブイリからの声 (27)
政治 (413)
沖縄 (93)
社会 (316)
小沢一郎と「生活の党」 (232)
健康と食 (88)
環境と地球の歴史 (28)
未分類 (175)
脳卒中と入院 (7)

カウンター

最新コメント

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

リンク

このブログをリンクに追加する

カレンダー

11 | 2023/12 | 01
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -

最新トラックバック

月別アーカイブ

RSSリンクの表示

Template by たけやん