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もうすぐ北風が強くなる

米国の株高は単なるドル安の反映

バーナンキインフレ

 実体経済に資金需要が無いところに行なわれた米国の過剰流動性供給は、ドルペッグ国にインフレをもたらし、投機市場に流れて、石油・食品の世界的な高騰を作り出し、実体経済にはほとんど貢献しなかった。
 唯一、株価上昇が中産階級の消費を高めたが、この株価上昇はその大半がドル安の目くらましだったようだ。
 さて、バブルはいつか崩壊する!

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QE2の幻想 5/24 WSJ

バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長が打ち出した巨額の金融刺激策「量的緩和第2弾(QE2)」――。費用は税金6000億ドルだ。米国経済を救うはずだった。しかし、必ずしも計画通りには機能していない。

 QE2はあと数週間で終了する。バーナンキ議長は、QE2によって、経済は「正しい方向へ進んでいる」と述べた。

 ところが、実際の数値を分析すると、全く別のストーリーが浮かんでくる。

 QE2が始まって以来、常勤雇用者数は約70万人増えたが、単純に6000億ドルを70万人で割れば、1人当たり85万ドルのコストがかかったことになる。

 住宅価格はQE2実施前よりも低下した。経済成長は鈍化し、インフレ率は上昇した。

 確かに、株価急騰のきっかけにはなった。個人投資家が株式市場に戻ってきた。米金融業界が精気を取り戻したことを示す直近の例として、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)のリンクトインが先週の上場日に高騰した。

 しかし、株価の高騰でさえも外見と実態は違っている。QE2実施中のスタンダード&プアーズ500種株価指数(S&P500)の上昇分の大半は、ドル安でドル建て株価が膨らんだからにすぎないことを、分析は明らかにしている。

 真実はどこにあるのか。QE2は、株から金に至るまで、ドル建て金融資産に新たなバブルをもたらした。一方で、実体経済への目に見える効果は皆無だ。

 雇用状況を例に挙げてみよう。米労働省によると、常勤雇用者数は昨年8月の1億1180万人から1億1250万人と、わずか70万人しか増加していない。1人85万ドルだ。

 全体像はさらに見劣りする。パートタイム雇用者数は昨年8月以降、60万人減少した。言い換えると、基本的には、60万~70万人の労働者がパートから常勤にシフトしただけなのである。

 就業率は58.4%で、今の方が低い。昨年8月は58.5%だった。労働参加率(生産年齢人口のうち労働市場に参入する意志を持った人の割合)は0.5%ポイント低下した。

 大した「回復」だ。

 住宅部門は二番底入りしている。米不動産業者協会(NAR)によると、QE2実施直前の昨年8月の中古住宅価格は平均17万7300ドルだった。今の平均価格は16万3700ドル。8%値下がりした。

 経済成長は鈍化した。国内総生産(GDP)成長率は、昨年夏の2.6%に比べ、現在は1.8%まで低下している。

 その一方で、インフレはQE2前の1.2%から、現在は3.1%に上昇した。

 なるほど、QE2が実施されなければ、経済は今以上に悪化していたのかもしれない。しかし、データを見れば、これらの景気対策が宣伝通りの効果を発揮しているという主張は一蹴されてしまう。エコノミストらの先行き見通しは、徐々に暗く、悲観的になっている。先週も、販売不振とコスト増で業績が悪化したアパレル大手のギャップが株式市場で大きく売り込まれた。

 その一方、QE2は、全てのドル建て資産に、完全に人為的なバブルをもたらした。株式市場に注目すると、バーナンキ議長がワイオミング州ジャクソン・ホールでQE2の計画を公表した昨年8月27日以来、S&P500は26%も上げている。

 この点に関しては、今のところうまくいっていると思うかもしれない。ところが、それは錯覚だ。実態は、ドル安を映した株高にすぎない。

 強い通貨で換算すると、株式市場の高騰がそれほど驚異的なものではないことが分かる。S&P500の8月27日以降の上昇率は、スイスフラン建てでわずか8.4%だ。スウェーデン・クローナやオーストラリア・ドルなどで計算すると、上昇率はさらに小さくなり、金建てでは4.5%にとどまる。

 同時に、価格高騰の幻想によって、あらゆる種類の投資家が常軌を逸したリスクを負っている。リンクトインの新規株式公開を見れば分かるだろう。いわゆる「オーストリア学派」のエコノミストらは、これが金本位制の復活を望む理由だと説明する。次は何か、考えずにはいられない。

(筆者のブレット・アレンズは、マーケットウォッチとウォール・ストリート・ジャーナルのパーソナルファイナンス・セクションのコラムニスト)
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