fc2ブログ

もうすぐ北風が強くなる

窮乏化する日本

 日本はこのままでは、復興どころか復旧もままならないだろう。
 お金を、何かしら、有限でお金自体に資源的な価値が有るかに思っている無能政権と、政権を騙して悦に入っている経済官僚たち。
 関連「通貨戦争(33)9.11からの米国、3.11からの日本」を御覧ください。

 米国の過剰流動性供給は、世界にインフレをもたらして通貨戦争を引き起こし、実体経済にも勤労階級にも寄与しなかった。
 だが、唯一株価の上昇によって、中間層に利益をもたらし、その消費に寄与したのは事実だ。

 日本はデフレ恐慌となり、総窮乏化するだろう。
 資本、資産を米中欧に買い叩かれるのは目に見えている。
 
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 3・11で貧しくなる日本
2011/05/22  田村秀男

中国マネーに買いたたかれる

 久方ぶりにニューヨーク、ワシントンに立ち寄ってみたら、耳に入る話題は「チャイナ」についてばかり。現金を鞄(かばん)に詰めた中国人の買い手がマンハッタンを跋扈(ばっこ)している、寮費を含めた年間の授業料が500万円もする東部某名門大学への中国人留学生数が4年間で10倍増えた、国防総省の情報技術(IT)スタッフには中国人が採用されている、などなどだ。極めつきは、ワシントンに本部がある世界銀行のご託宣で、2025年には人民元がドル、ユーロと並ぶ3大基軸通貨になるという。隣の国際通貨基金(IMF)では、とんでもない容疑で逮捕されたストロスカーン前専務理事の後任にはポストを独占してきた欧米に代わって中国から選ばれるという説が流れるのも無理はない。

急速な台頭

 中国マネーパワーの急速な台頭を端的に示すのは人民元現預金合計量(M2)である。米中枢同時テロ「9・11」直前から現在までの10年間で5倍以上増えた。対照的に、日銀はお札を増刷したあとは回収し、円マネー量は10年で20%しか増えなかった。デフレが慢性化し物価の下落以上の速度で国内総生産(GDP)規模は縮小し続け、昨年には中国に抜かれた。

 人民元を裏打ちしているのはドルである。中国は米国からなだれ込んでくるドル資金を人民元に換え、それを元手に国有商業銀行融資を増やしてきた。中国政府は外国為替レートを管理し、人民元相場をドルに対して小刻みに切り上げてきた。人民元は円のような国際決済通貨とはいえず、中国から外への持ち出しは制限されているが、中国の企業、投資家、消費者は本国の銀行の口座にある預金量に応じて外国でほぼ自由に投資やショッピングができる。

 「紙切れ」という点では人民元はドル、ユーロ、円など主要国通貨と同じで、しかも現在唯一の世界基軸通貨ドルに比べて値打ちが上昇を続けているのだから、人民元は変動が激しい円以上に国際市場で幅をきかせられる。

 中枢テロ後、米連邦準備制度理事会(FRB)のグリーンスパン議長(当時)とブッシュ政権(同)は金融緩和により住宅市場にてこ入れし、住宅ローンを証券化して史上空前の住宅ブームを演出した。中国は中枢テロから3カ月後の世界貿易機関(WTO)加盟を弾みにして、対米輸出に加速をかけてきた。国内外企業からの自動車、家電部門などへの国内投資が活発化し、生産規模が拡大していく。

もくろんだ株価上昇

 米住宅市場と証券化商品はいずれもバブルとなって膨張し、08年9月に破裂した。リーマン・ショックである。米国の武器は連邦準備銀行券(ドル札)だ。FRBは不良資産化した住宅ローン担保証券、次には米国債の大量買い取りに乗り出した。FRBのドル資金供給残高は「リーマン」前には100兆円相当弱だったが、現在までに約200兆円相当を上積みする量的緩和政策をとって金融市場に流し込んだ。

 その最大の狙いは、株価の引き上げである。米金融機関が手にしたFRB資金の多くが株式市場に回りリーマンで暴落した株価が底を打ち、反転していく。米国の家計の株式保有は1200兆円相当もあり、株価が上がれば消費者心理が上向く。そこで国内生産が増えて雇用が増えるとオバマ政権とバーナンキFRB議長はもくろんだのだが、失業率の改善はなかなか進まない。国内の消費需要の対象が中国など新興国の製品に回るからである。

1404107.jpg

 グラフをみれば、米株価と米国のモノの輸入額が驚くほどぴったりと連動して推移していることがわかる。米国のドルじゃぶじゃぶ政策は中国を筆頭に世界経済の回復を牽引(けんいん)する半面、肝心の米国の雇用増への寄与度は弱い。それでも、原油価格の高騰がとまれば、米株価の上昇基調は維持され、米国内消費景気を下支えするだろう。

深刻な被害

 最も深刻なのは未曽有の大震災を被った日本である。菅直人政権は復興財源確保のために増税を真っ先に考える。政府も日銀も円高・デフレ容認に傾斜するのだから、消費も輸出も細る恐れが強い。

 日本にとって、「3・11」の意味はもはや明白だ。日本という国と国民が貧しくなることは火を見るよりも明らかで国家非常事態の局面にある。中国は弱る日本をマネー力にもの言わせて、安く買いたたくだろう。政府と日銀の首脳とも無為無策を続けるなら、即刻退場すべきだ。
 
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
社説 日本経済、震災前から低迷 WSJ
2011年 5月 20日

 過去2カ月間に日本で起きた悪いニュースを考えると、明るい話題や希望の兆しを本能的に探してしまうのは無理のないことだ。しかし、日本経済がリセッション(景気後退)に逆戻りしたことを示す19日のニュースを平然と受け止めることは、あまりに楽観的すぎる。政府と多くのアナリストは、1-3月期のマイナス成長について、3月11日に発生した東日本大震災が大きく影響したことを強調した。だが、問題はそれだけだったのか。

 1-3月期の国内総生産(GDP)は前期比0.9%減(年率換算3.7%減)と発表された。その大部分は大地震の影響によるものだ。これは、工場閉鎖の結果として在庫が減少したことに関して特に当てはまる。GDPの前期比マイナス幅のうち、0.5%ポイントは在庫減によるものだった。個人消費は前期比0.6%減、設備投資は同0.9%減となり、どちらも少なくともその一部は地震に起因した。

 しかし、19日に発表されたその他のデータは、さらに大きな問題を示唆している。政府は2010年10-12月期のGDP成長率を前期比0.8%減とし、当初の0.3%減から下方修正した。地震は甚大な被害をもたらしたが、日本経済はその数カ月前にはすでに不振にあえいでいたことになる。

 危険なのは、政府がそれを忘れてしまうことだ。震災復興需要は景気を押し上げる。与謝野経済財政相が2011年度の成長率を1%程度としているのは、そうした下支えを見込んでのことだろう。しかし、それは単に、支出の数値を使ってGDPを算出するという方法で出された数学的帰結でしかない。もっと賢いエコノミストならば――少なくとも19世紀のフレデリック・バスティアまで遡れば――、被災地復興のために多額の資金が使われても、すべては以前の状態に戻るだけ、ということに気づくはずだ。

 3月11日以前に日本はすでにリセッションに突入していた。つまり、「以前の状態」というのは、景気低迷あるいは景気後退の状態ということになる。この結末を回避する唯一の方法は、復興とともに新たな活力を確保することだ。今後のGDPプラス成長の性質に対して自己欺まんがあれば、新たな活力は得られない恐れがある。

 とりわけ、GDP比200%という巨額の債務を足元に見詰める政治家が、復興に起因する「成長」によって成長抑制策を取る余裕ができたと勘違いすれば、その可能性は高まる。菅首相をはじめとする、いわゆる緊縮財政派のお気に入りである消費増税などの悪い考えについては、誰もが特に懸念すべきだ。それはデフレで混乱した経済にとって危険であり、復興に伴う支出が19日のデータに現れた弱気な消費者心理をどれだけ覆い隠すかは関係ない。

 日本にとって、「失われた10年」の再来は回避可能だ。しかし、そのためには、大地震と津波からの復興の取り組みを進めると同時に、失われた自信を回復する努力が必要になる。


関連記事

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事へのトラックバックURL
http://bator.blog14.fc2.com/tb.php/437-c2570518

 | HOME | 

 

プロフィール

もうすぐ北風

Author:もうすぐ北風
こんにちは。
いろんな旅を続けています。
ゆきさきを決めてないなら、しばらく一緒に歩きましょうか。

最新記事(引用転載フリー)

カテゴリ

経済一般 (118)
経済一般~2012冬まで (161)
日本の経済 (224)
通貨戦争 (70)
ショック・ドクトリン (12)
震災関係 (23)
原発事故発生 (112)
事故と放射能2011 (165)
放射能汚染2012 (192)
汚染列島2013-14 (146)
汚染列島2015-16 (13)
福島の声 (127)
チェリノブイリからの声 (27)
政治 (413)
沖縄 (93)
社会 (316)
小沢一郎と「生活の党」 (232)
健康と食 (88)
環境と地球の歴史 (28)
未分類 (175)
脳卒中と入院 (7)

カウンター

最新コメント

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

リンク

このブログをリンクに追加する

カレンダー

02 | 2024/03 | 04
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -

最新トラックバック

月別アーカイブ

RSSリンクの表示

Template by たけやん