ショック・ドクトリンと言う火事場泥棒
2011-05-21
首相官邸に米国が常駐している。「官邸に常駐する米国、隠蔽するマスコミ」。
米国の後ろ盾による政権維持と米国の指導による避難と復興。
3/11から3/20くらいの最大の危機的事態に、安全神話をばらまき続け、放射能をたっぷり浴びてしまってから、飯舘村「計画避難」。子供には20mSv。
20km圏内一時帰宅は何故か1時間でポリ袋1個のみ。
やっていることが全ておかしいのだが、おかしいと言うより怪しいのである。
火事場泥棒については、「民に財源出させる火事場泥棒の米国と財界」を御覧ください。
ショック・ドクトリンとは、どさくさ紛れの火事場泥棒的な政策実行のことであり、アメリカ流の「災害復興」である。
大災害とか戦争とか大事件が起きたらそれをチャンスにして、人人が動揺している隙に、一気に政府、財界主導で市場原理改革をやるという手法だ。
アメリカを支配する新自由主義の旗手ミルトン・フリードマンが提唱してきたものだ。
先に三橋貴明氏の「ショック・ドクトリン」を引用しました。御覧ください。
関連する核の墓場については明月氏から引用した「不合理な原発推進、日本を核の墓場にする計画か」を御覧ください。
長周新聞から
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意図的な住民離散、土地接収
東日本大震災復興巡る2つの道
大資本の市場支配図る 2011年5月18日 長周新聞
東日本大震災から2カ月以上が経過した。福島第1原発災害にともなう住民の強制的避難が現地でも全国でも違和感を持って受け止められている。
東北全体で見て沿岸漁業とそれに依存した水産加工その他の業種の破壊が、自治体を含む地域崩壊の問題となっているが、ここでも宮城県知事などから「漁港の集約化」とか「漁業権の民間開放」などといわれながら、仮設住宅や漁港整備が動き出さず、漁業再開のめどが依然立たない。
大震災と原発災害というなかで、そこからどう復興するのかをめぐって、大矛盾があらわれている。この状況をめぐって記者座談会をもって論議してみた。
(中略)
東北全体でも共通 米国主導の「復興」計画」 災害使う新手法
D 住民の「追い出し」は、東北の被災地全体でも共通している。宮城県でも住宅地は浸水地域なので勝手に家を建ててはいけないという指令を出している。それ以上に漁港整備や水産加工団地などの復旧に手がつけられていない。産業インフラの復旧は放置されて失業者が溢れ、住む場所もない。そのまま2カ月もたって、被災民はしびれを切らしている。
C 牡鹿半島の漁村では、県が仮設住宅は公有地だけといっていて、住民側が私有地の借用の話を付けて申し出ても、動こうとしない。気仙沼市では、県が内陸部に仮設住宅を建てる方針を説明したところ、市長は「そんなことは住民はだれも望んでいない。地元にある民間の用地に建てるべきだ」と断っている。住民を追い出すという力が働いているようだ。復興計画が住民の外側で、頭の上から進められているのが特徴だ。
A 復興構想会議(議長・五百旗頭真防衛大学校長)では、「来るべき時代をリードする経済社会の可能性を追求する」「大震災からの復興と日本再生の同時進行」「国民全体の連帯と分かち合いによって復興を推進する」などの7原則を定め、復興増税案、津波被災地の国による買い上げ、高台への「エコタウン」構想、道州制の先行モデル化など、被災地頭越しに復興の青写真を描いている。
B 菅政府は、東北に「経済特区」を作り、国の規制を取り払うことを盛り込んだ「東日本大震災復興特措法」の要綱案を作成し、規制緩和をさらに進める構えだ。宮城県の村井知事は、これに先行して「漁業権の民間開放」などの規制緩和や、東北を道州制の先行モデルにすることを提唱している。いかにも「被災地のため」「地元の要求」という装いで、これを機に一気に東北を大資本の市場にしようという露骨な動きだ。
E この災害復興のやり方の影には、アメリカが主導する「復興」マニュアルがかかわっている。大災害とか戦争とか大事件が起きたらそれをチャンスにして、人人が動揺している隙に、一気に政府、財界主導で市場原理改革をやるという手法だ。アメリカの新自由主義の旗手である経済学者ミルトン・フリードマンが提唱してきたものだ。
1973年のチリのクーデター、2003年のアメリカによるイラク侵攻、2004年のスマトラ沖地震、2005年のアメリカ本土を襲った大型ハリケーン・カトリーナなど、世界各地の災害対応で実際におこなわれてきた。その乱暴さから「ショック・ドクトリン」ともいわれる。
スマトラ島沖地震で被災したスリランカでは、復興に乗じて世界銀行とアジア開発銀行が、それまで議会で否決されていた「電力網の私有化」や労働規制の撤廃などを要求。また「海岸地区の再開発」の要求にそって、政府は多くの漁業者が住んでいた海岸地区に住居を再建することを禁止し、逆に観光リゾートやホテルの建設を許可する法律を制定した。
パニックに乗じて、地元との交渉もないまま外資企業にタダ同然で手渡された漁業地区は、いまでは一大ビーチリゾートに変貌している。スリランカ政府は「残酷な運命のいたずらで、自然の力がスリランカにまたとない機会をもたらした。この未曾有の悲劇から世界有数の観光地が生まれることだろう」との声明を出している。
アメリカのカトリーナ被災でも同じで、際立って進められたのは徹底的な住民排除と公的機関の民間への売り飛ばしだった。
救援隊を送らず、被災地を長期間放置したので、避難所の体育館に何体もの遺体が横たわっているテレビ映像は世界中を驚かせた。
食料供給がないため避難民が店などを襲って略奪しはじめたところに軍隊を出動させ、反発する住民を撃ち殺した。
その後、ほとんどの住民を州外に追い出し、黒人貧困層の多いニューオーリンズ市では、人口が被災前の約半分にまで減っている。
災害復旧では、米政府が、被災地においては「政府委託を受けた労働者に生活可能な賃金を支払う義務」を撤廃した。
それによって復旧作業の委託を受けた企業が非公式に最低賃金以下の不法移民を大量に投入し、現地の人人を完全にカヤの外に追いやった。被災した軍施設や橋、仮設住宅などの建設、暴動対策などの警備、死体処理にいたるまで、どさくさにまぎれてイラク戦争特需でもうけたハリバートンなどの大企業に入札なしで委託され、法外な委託費を受けとりながら、作業は遅遅として進まなかったという。
その他、公立学校の大部分を私立にしたり、公立病院の閉鎖、交通や電気などの公共インフラの復旧も放置され、賃貸住宅の家賃は40%も上昇した。低所得世帯が多い地域では、自殺率が以前の3倍にも跳ね上がったという。
この「ショック・ドクトリン」は、人人に考える間を与えない。市場原理改革には、「衝撃と恐怖が決定的だ」といい、「みんなが手を付けられない間にやってしまえ」という方式だ。
アメリカの災害対応はそのようにマニュアル化されている。即応部隊もつくられており、世界中で災害が起きるのを「市場化」の好機ととらえて待ち構えている。それがアメリカだ。
D 震災発生以来、首相官邸には、アメリカ政府が派遣した「アドバイザー」が陣取っている。オバマが原発対応の目的で「受け入れろ」と圧力をかけたといわれ、身分も名前も一切公表されていない。ここに復興の指揮権を握る災害即応部隊がいるとみられる。露骨な内政干渉だ。
C 震災直後、米軍と自衛隊の統合本部を置いて初期段階の司令部になったが、米軍はそれほどの働きはしていない。原発対応では空母は沖に逃げ、米軍は原発から80km圏内には近寄らず、遠く離れた気仙沼などの学校の体育館の掃除とか、上空からの遺体捜索、ガレキ除去などのパフォーマンスで「トモダチ作戦」といっている。
別の意図があったということだ。
E 放射能汚染の進路や風向きについてドイツやフランスなどが予報を出すが、日本では一切出さない。住民生活をする上では今はどっちに風が吹いているのか教えなければいけない。
SPEEDIなど放射能影響予測地図も毎日出ているのに、首相官邸が発表を止めて、「たいしたことはない」といってわざと放射能の中にさらした。
外国政府が「情報がない」と騒いでいたが、アメリカは知っていた。
B そもそもがアメリカGE製の原発だ。偵察衛星でも、無人飛行機でも勝手に飛ばして撮影し、アメリカの方がはるかに情報を持っている。初めからメルトダウンと知っているから、自国民は80km圏内から退避させ、空母も避難した。
その一方で、「(20㌔圏内から避難指示した)日本政府の対応は適切だ」といっていた。目下の民族なのだ。
D 復興を明らかに遅らせている。そして住民生活を干上がらせて各地に分散移住させ、土地を取り上げるという意図が見えている。
福島県内では強権的な土地接収だ。ここは明らかに核廃棄物の処分場にするという意図がある。福島原発に関わる核廃棄物の量は膨大になるが日本中の原発も使用済み燃料の処分に困っており、それらも含めた核廃棄物の処分場にしたいという願望は強いものがある。
そしたらほとぼりが冷めたらまたオバマの「原子力ルネッサンス」回帰という可能性が出るというものだ。
C 飯舘村は岩盤が強いところで、今度の地震の被害は少なかった。
飯舘村では2、3年前に東電が「核廃棄物処分場にしたい」と話を持ち込んでいた。「今回がいいチャンスだと見ている」「そうでなければ全村が強制避難というのはどう考えても異常すぎる」と語られていた。
B 最大は今後何十年にもわたる福島原発の収束から廃炉まで必要となる大量の被曝労働者の確保だ。農地をなくし、食っていけない作業員をたくさんつくる。こういうことも意図してやるのがアメリカだし、財界だ。
A 今も下請作業員は地元の人人が多く、東電傘下で仕事をしているので断りにくい。現地の下請業者は、「この緊急時に仕事を断ると、今後、原発以外の仕事ももらえなくなる」といっていた。
C 南相馬の人がいっていたが、沖縄で収容所に入れられ、帰ったら金網が張ってあった、あれと同じじゃないかと。
そしたら沖縄の人も同じことをいっていた。「自分たちが収容所から楚辺に戻ったら基地にとられていた。福島も同じではないか」と。
また「インディアンを追い出して土地を奪ったのがアメリカだ。東北の人も同じ目にあっているんじゃないか」と。
B 福島県の人たちも国のいいなりになっていたら大変なことになる。若い人たちは避難させるにしても、50代、60代の人たちは残って、農業、畜産業を継続するべきだ。
汚染しており、風評被害があるなら、東電に全量買いとらせればよい。
それは作物をつくることによる放射能除去作業だし、国が買いとっても良い。
漁業も同じで、コウナゴとかどんどん捕るのが正しい。それは放射能除去作業だ。
放っていたら小魚からアジ、サバそして鰹、マグロと大きな魚にどんどん放射能が蓄積して広がっていく。
働いて除去すべきだ。放射能が低レベルになったら若い人たちも帰って村を再建できる。
D 昔、徳山の水銀汚染問題で、漁民は魚をどんどん捕り、工場に運んで買いとらせていた。
水俣もそうだった。
東海村のJCO事故のときも周辺の農産物など会社が買いとった。
当然のことだったのに今度は突っぱねている。コウナゴなどどんどん捕って東電本社の玄関前とか首相官邸とか経産省の前にトラックで運んでいって「買いとれ」「処分しろ」の行動などすべきだ。
牛も農産物も同じことをやるべきだ。
最大の漁業復興を放置 地域の疲弊を促進
B 今度の大震災では原発の問題と漁業問題が大きいと思う。東北で最大の被害は沿岸域だ。農業もやられているが、漁業の方は全滅に近い破壊だ。この漁業に依存して市場があり、水産加工業が発達し、機械や漁網、運輸や通信、商業など地域全体が発達してきた。
漁業がつぶれたら地域が成り立たない。自治体も税収がなくなり成り立たない。
C 宮城県では、仙台や名取市などは優先的にガレキが撤去されたが、最大の漁業基地である石巻市では、漁港や水産団地が壊滅しているのにほったらかしだ。牡鹿半島など漁村部の沿岸漁業の盛んなところもほったらかしだ。被災地が自力で立ち上がる力を奪っていく。
A 生活が干上がるのを待っているのだ。
古い感覚で「政府は国民を心配しているのだろう」と思っていたら大間違いで、アメリカ指図の新自由主義のなかで「国民保護」の建前すら剥がれ落ちている。
政府は大資本が市場を拡大してもうけることを助けるのが第一で、人命救助とか、復興だとか生命や財産、生活を保護するというのは二の次になっている。それが中曽根、小泉以来の新自由主義改革だ。
災害利用し大改革 低賃金労働力作る意図 規制緩和の徹底
B 復興構想会議は、東北を経済特区にするとか、漁業権の開放、株式会社による大規模農業にするなど好きなことをいっている。
現地視察に行った南相馬市で10分で帰ったように、現地に聞く耳は持っていない。現地に住んでいる人たちがどう立ち上がっていくかは考慮がなく、宙に浮いた東京の発想を上から地方に押しつけるというスタイルだ。上というのは東京の大資本だし、アメリカだ。
戦後の工業優先、農漁業破壊の政治によって、またトヨタなどの輸出優先、農水産物輸入自由化のなかで、農漁業はさんざんな目にあっている。東北の農業も漁業も高齢化している。
借金を抱えたうえに船や漁具を失い、そこから立ち上がることは困難がある。海は優秀であり、働く意志のある人間はいる。だが経営が成り立たない。そこを狙って、さらなる弱体化をはかっている。
D 宮城県では、村井嘉浩知事がおかしなことをいっている。村井知事は山口県に続いて1県1漁協をしゃにむにやってきた。復興会議では漁業権の民間開放を含んだ「特区構想」を提案している。
漁港の集約化も漁民が反発しているが、それは大規模化であり、商社や養殖大手業者などが参入することで漁場を奪いとることだ。菅政府はTPPは先送りするといっているが、漁業にとって漁業権開放などはそれよりすごいことだ。
C 漁業権というものは長い沿岸漁業の歴史のなかでつくられてきた日本の制度だ。それを大震災というなかでどう発展させるかが問題なのに、この機会に旧来の漁業をつぶして大資本参入による漁場剥奪にしようとしている。沿岸漁業がつぶれたら遠洋漁業もつぶれる。海運を担う船員もいなくなる。しかし漁業権変更は組合員の総会議決が必要な漁民の財産だ。黙って従うわけにはいかない。それは東北の漁民だけの問題ではなく全国に広がっていく問題だ。さらに魚食文化を民族の歴史とする魚を消費する側にとって重大な問題だ。
D 宮城県の村井知事は、松下政経塾出身で、元陸上自衛隊でもあり、新自由主義を東北地方でやるバッターとして起用されているようだ。日本経団連、経済同友会が、東北地方への道州制導入や公共サービスの民間委譲、農地の大規模化、漁港の拠点化を大胆にやれと迫っている。
C ガレキ除去でも、国が失業対策も含めて現地民を雇用し、生活を補償しながら立ち上がるようにしていくという方向ではない。
現地の力で地域の基盤を復興させて、それを農漁業、地域経済の復興につなげていくというのが当たり前だが、これをやらない。
牡鹿半島では、個人が所有する山を住宅地として無償提供すると県に申請しても、まったく動かないと怒っている地域もあった。
浸水した地域でも、資材さえあれば動き始める。個人被害は「自己責任」などといいながら、制限だけはする。
自分の土地にプレハブを建てることも撤去命令だ。
浜の住民がバラバラになることをみんなが警戒している。歴史的に培われてきた共同体を守ることが復興の第一の力だといっている。
B 東北の沿岸域も、輸出競争力のある産業へ、などといって大企業参入を広げて農漁業と地域経済をつぶし、大量の低賃金労働力をつくるという明確な意図が働いていると思う。
競争力のある産業というのは、正社員を減らして非正規雇用であり、それ以上に海外移転である。東北が途上国並の賃金になるなら競争力があるということになる。
外国人労働者の導入も出している。東京の植民地として一段と大改革をするというものだ。
E アメリカは世界中の災害対応の経験があり、味を占めているからパターンができている。政府復興会議の線は、規制緩和の徹底だ。被災した自治体は、住民がいなければ税収がなくつぶれてしまう。
病院や学校が維持できなくなる。しかしこれを幸いに民営化を進め、私企業が奪いとってしまうという線を一気に動かしたいのだ。
D 原発の損害賠償問題のスキームにしても、結局電気料金と税金負担で、東電救済だ。加害者が救済され、被害者が負担する。デタラメだ。復興計画全体を見ても、東北を突破口に全国の規制緩和を徹底するという意図だ。
復興資金は増税で巻き上げ、数百兆円もの米国債や200兆円を超える大企業の内部留保は握って離さないようにする。
地方の底力見せるとき 全国共通の問題
B 東北復興のためには、東北の人人が立ち上がるように国が動くことだ。沿岸漁業が困難だが、船や漁具を国が公的資金を投じて提供すればよい。
農業や関連産業も同じだ。銀行がバブル崩壊で不良債権を抱えたら、何兆円もの公的資金を投入した。アメリカの国家財政を助けるために何百兆円もの国債を買い支えている。
大企業の新技術開発とか海外へのインフラ輸出などには膨大な予算を投じている。なぜ農漁業、地場産業にはしないのかということだ。日本国民の政府かということだ。
A だが東北現地には、かなりの抵抗力がある。東北は歴史的に迫害されてきたし、明治政府以来の怒りが蓄積されている。
明治政府によって会津藩は下北に追い出されたり、「県境も政府の都合で勝手に引かれた」といわれる。山口県では倒幕戦争を担った百姓、町人を裏切った「元勲」といわれる卑怯な連中がやったことだ。
江戸時代も一揆がすごく起きている。東北で新自由主義改革を徹底することは、全国が同じようにされるということだ。よそ事ではなく、全国共通の課題だ。
E 政府はだれのためのものか、国民のためのものか、アメリカや財界の金儲けのためのものかという一大世論が起こる趨勢だ。
下関でも農水産物価格が極端に下がっている。東京の消費が冷えているというが、おかしい。
流通機構のなかで買いたたきをやっている。政府は軽油免税の打ち切りも、農漁民の困難に輪をかけてやろうとしている。
いろんな資材など工業製品も便乗して高くなっている。
震災を利用して全国的な収奪がひどくなっている。大資本による収奪のチャンスと見なしているのは、東北だけではなく全国だ。
B 全国的にも「東北を見習って辛抱しろ」といって社会福祉などを切るなど総合的に動いている。
国内生産を守り、働く者の生活を保障せよ、米国債や証券でとられた数百兆円もの金はアメリカからとり返せ、大企業は内部留保を拠出せよなど新自由主義との全国的な大斗争が必要だ。
D 原発問題では、「日共」集団などいわゆる反原発勢力が、「大変だ」「逃げろ、逃げろ」の宣伝役になっている。しかし生産を担い、その土地に生活の基盤をおく勤労人民はそういうわけにはいかない。
放射能は危険だし汚染を避けなければならないが、それは汚染を除去し、生産と地域の共同体生活を復興するためだ。
働き、労働をすることによってだけ現状を変えることができる。
国益のためとか、社会のためというものがなくなった政府には統治能力がなくなったということだ。
憲法で建前にしている生存権や基本的な人権の尊重、地方自治体も福祉のためにあるというような原則は「建前」からも消えてしまっている。
税金を納めているのは働く国民だ。
金融機関が預かっている1400兆円の金融資産のうち、1000兆円以上は家計の預金だ。働く者をつぶしたらいかなる支配者もやっていけない。
今回の災害復興をめぐって、アメリカや財界がやろうとしている方向と、勤労国民が願っている方向と鋭い対立になっている。
大企業利潤一辺倒から公益第一の方向へ世論は大きく動いている。
超過利潤で浮わついた東京一極集中の構図を覆し、地方の力を見せなければいけない。
働く者の全国的な大結集が求められている。
米国の後ろ盾による政権維持と米国の指導による避難と復興。
3/11から3/20くらいの最大の危機的事態に、安全神話をばらまき続け、放射能をたっぷり浴びてしまってから、飯舘村「計画避難」。子供には20mSv。
20km圏内一時帰宅は何故か1時間でポリ袋1個のみ。
やっていることが全ておかしいのだが、おかしいと言うより怪しいのである。
火事場泥棒については、「民に財源出させる火事場泥棒の米国と財界」を御覧ください。
ショック・ドクトリンとは、どさくさ紛れの火事場泥棒的な政策実行のことであり、アメリカ流の「災害復興」である。
大災害とか戦争とか大事件が起きたらそれをチャンスにして、人人が動揺している隙に、一気に政府、財界主導で市場原理改革をやるという手法だ。
アメリカを支配する新自由主義の旗手ミルトン・フリードマンが提唱してきたものだ。
先に三橋貴明氏の「ショック・ドクトリン」を引用しました。御覧ください。
関連する核の墓場については明月氏から引用した「不合理な原発推進、日本を核の墓場にする計画か」を御覧ください。
長周新聞から
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意図的な住民離散、土地接収
東日本大震災復興巡る2つの道
大資本の市場支配図る 2011年5月18日 長周新聞
東日本大震災から2カ月以上が経過した。福島第1原発災害にともなう住民の強制的避難が現地でも全国でも違和感を持って受け止められている。
東北全体で見て沿岸漁業とそれに依存した水産加工その他の業種の破壊が、自治体を含む地域崩壊の問題となっているが、ここでも宮城県知事などから「漁港の集約化」とか「漁業権の民間開放」などといわれながら、仮設住宅や漁港整備が動き出さず、漁業再開のめどが依然立たない。
大震災と原発災害というなかで、そこからどう復興するのかをめぐって、大矛盾があらわれている。この状況をめぐって記者座談会をもって論議してみた。
(中略)
東北全体でも共通 米国主導の「復興」計画」 災害使う新手法
D 住民の「追い出し」は、東北の被災地全体でも共通している。宮城県でも住宅地は浸水地域なので勝手に家を建ててはいけないという指令を出している。それ以上に漁港整備や水産加工団地などの復旧に手がつけられていない。産業インフラの復旧は放置されて失業者が溢れ、住む場所もない。そのまま2カ月もたって、被災民はしびれを切らしている。
C 牡鹿半島の漁村では、県が仮設住宅は公有地だけといっていて、住民側が私有地の借用の話を付けて申し出ても、動こうとしない。気仙沼市では、県が内陸部に仮設住宅を建てる方針を説明したところ、市長は「そんなことは住民はだれも望んでいない。地元にある民間の用地に建てるべきだ」と断っている。住民を追い出すという力が働いているようだ。復興計画が住民の外側で、頭の上から進められているのが特徴だ。
A 復興構想会議(議長・五百旗頭真防衛大学校長)では、「来るべき時代をリードする経済社会の可能性を追求する」「大震災からの復興と日本再生の同時進行」「国民全体の連帯と分かち合いによって復興を推進する」などの7原則を定め、復興増税案、津波被災地の国による買い上げ、高台への「エコタウン」構想、道州制の先行モデル化など、被災地頭越しに復興の青写真を描いている。
B 菅政府は、東北に「経済特区」を作り、国の規制を取り払うことを盛り込んだ「東日本大震災復興特措法」の要綱案を作成し、規制緩和をさらに進める構えだ。宮城県の村井知事は、これに先行して「漁業権の民間開放」などの規制緩和や、東北を道州制の先行モデルにすることを提唱している。いかにも「被災地のため」「地元の要求」という装いで、これを機に一気に東北を大資本の市場にしようという露骨な動きだ。
E この災害復興のやり方の影には、アメリカが主導する「復興」マニュアルがかかわっている。大災害とか戦争とか大事件が起きたらそれをチャンスにして、人人が動揺している隙に、一気に政府、財界主導で市場原理改革をやるという手法だ。アメリカの新自由主義の旗手である経済学者ミルトン・フリードマンが提唱してきたものだ。
1973年のチリのクーデター、2003年のアメリカによるイラク侵攻、2004年のスマトラ沖地震、2005年のアメリカ本土を襲った大型ハリケーン・カトリーナなど、世界各地の災害対応で実際におこなわれてきた。その乱暴さから「ショック・ドクトリン」ともいわれる。
スマトラ島沖地震で被災したスリランカでは、復興に乗じて世界銀行とアジア開発銀行が、それまで議会で否決されていた「電力網の私有化」や労働規制の撤廃などを要求。また「海岸地区の再開発」の要求にそって、政府は多くの漁業者が住んでいた海岸地区に住居を再建することを禁止し、逆に観光リゾートやホテルの建設を許可する法律を制定した。
パニックに乗じて、地元との交渉もないまま外資企業にタダ同然で手渡された漁業地区は、いまでは一大ビーチリゾートに変貌している。スリランカ政府は「残酷な運命のいたずらで、自然の力がスリランカにまたとない機会をもたらした。この未曾有の悲劇から世界有数の観光地が生まれることだろう」との声明を出している。
アメリカのカトリーナ被災でも同じで、際立って進められたのは徹底的な住民排除と公的機関の民間への売り飛ばしだった。
救援隊を送らず、被災地を長期間放置したので、避難所の体育館に何体もの遺体が横たわっているテレビ映像は世界中を驚かせた。
食料供給がないため避難民が店などを襲って略奪しはじめたところに軍隊を出動させ、反発する住民を撃ち殺した。
その後、ほとんどの住民を州外に追い出し、黒人貧困層の多いニューオーリンズ市では、人口が被災前の約半分にまで減っている。
災害復旧では、米政府が、被災地においては「政府委託を受けた労働者に生活可能な賃金を支払う義務」を撤廃した。
それによって復旧作業の委託を受けた企業が非公式に最低賃金以下の不法移民を大量に投入し、現地の人人を完全にカヤの外に追いやった。被災した軍施設や橋、仮設住宅などの建設、暴動対策などの警備、死体処理にいたるまで、どさくさにまぎれてイラク戦争特需でもうけたハリバートンなどの大企業に入札なしで委託され、法外な委託費を受けとりながら、作業は遅遅として進まなかったという。
その他、公立学校の大部分を私立にしたり、公立病院の閉鎖、交通や電気などの公共インフラの復旧も放置され、賃貸住宅の家賃は40%も上昇した。低所得世帯が多い地域では、自殺率が以前の3倍にも跳ね上がったという。
この「ショック・ドクトリン」は、人人に考える間を与えない。市場原理改革には、「衝撃と恐怖が決定的だ」といい、「みんなが手を付けられない間にやってしまえ」という方式だ。
アメリカの災害対応はそのようにマニュアル化されている。即応部隊もつくられており、世界中で災害が起きるのを「市場化」の好機ととらえて待ち構えている。それがアメリカだ。
D 震災発生以来、首相官邸には、アメリカ政府が派遣した「アドバイザー」が陣取っている。オバマが原発対応の目的で「受け入れろ」と圧力をかけたといわれ、身分も名前も一切公表されていない。ここに復興の指揮権を握る災害即応部隊がいるとみられる。露骨な内政干渉だ。
C 震災直後、米軍と自衛隊の統合本部を置いて初期段階の司令部になったが、米軍はそれほどの働きはしていない。原発対応では空母は沖に逃げ、米軍は原発から80km圏内には近寄らず、遠く離れた気仙沼などの学校の体育館の掃除とか、上空からの遺体捜索、ガレキ除去などのパフォーマンスで「トモダチ作戦」といっている。
別の意図があったということだ。
E 放射能汚染の進路や風向きについてドイツやフランスなどが予報を出すが、日本では一切出さない。住民生活をする上では今はどっちに風が吹いているのか教えなければいけない。
SPEEDIなど放射能影響予測地図も毎日出ているのに、首相官邸が発表を止めて、「たいしたことはない」といってわざと放射能の中にさらした。
外国政府が「情報がない」と騒いでいたが、アメリカは知っていた。
B そもそもがアメリカGE製の原発だ。偵察衛星でも、無人飛行機でも勝手に飛ばして撮影し、アメリカの方がはるかに情報を持っている。初めからメルトダウンと知っているから、自国民は80km圏内から退避させ、空母も避難した。
その一方で、「(20㌔圏内から避難指示した)日本政府の対応は適切だ」といっていた。目下の民族なのだ。
D 復興を明らかに遅らせている。そして住民生活を干上がらせて各地に分散移住させ、土地を取り上げるという意図が見えている。
福島県内では強権的な土地接収だ。ここは明らかに核廃棄物の処分場にするという意図がある。福島原発に関わる核廃棄物の量は膨大になるが日本中の原発も使用済み燃料の処分に困っており、それらも含めた核廃棄物の処分場にしたいという願望は強いものがある。
そしたらほとぼりが冷めたらまたオバマの「原子力ルネッサンス」回帰という可能性が出るというものだ。
C 飯舘村は岩盤が強いところで、今度の地震の被害は少なかった。
飯舘村では2、3年前に東電が「核廃棄物処分場にしたい」と話を持ち込んでいた。「今回がいいチャンスだと見ている」「そうでなければ全村が強制避難というのはどう考えても異常すぎる」と語られていた。
B 最大は今後何十年にもわたる福島原発の収束から廃炉まで必要となる大量の被曝労働者の確保だ。農地をなくし、食っていけない作業員をたくさんつくる。こういうことも意図してやるのがアメリカだし、財界だ。
A 今も下請作業員は地元の人人が多く、東電傘下で仕事をしているので断りにくい。現地の下請業者は、「この緊急時に仕事を断ると、今後、原発以外の仕事ももらえなくなる」といっていた。
C 南相馬の人がいっていたが、沖縄で収容所に入れられ、帰ったら金網が張ってあった、あれと同じじゃないかと。
そしたら沖縄の人も同じことをいっていた。「自分たちが収容所から楚辺に戻ったら基地にとられていた。福島も同じではないか」と。
また「インディアンを追い出して土地を奪ったのがアメリカだ。東北の人も同じ目にあっているんじゃないか」と。
B 福島県の人たちも国のいいなりになっていたら大変なことになる。若い人たちは避難させるにしても、50代、60代の人たちは残って、農業、畜産業を継続するべきだ。
汚染しており、風評被害があるなら、東電に全量買いとらせればよい。
それは作物をつくることによる放射能除去作業だし、国が買いとっても良い。
漁業も同じで、コウナゴとかどんどん捕るのが正しい。それは放射能除去作業だ。
放っていたら小魚からアジ、サバそして鰹、マグロと大きな魚にどんどん放射能が蓄積して広がっていく。
働いて除去すべきだ。放射能が低レベルになったら若い人たちも帰って村を再建できる。
D 昔、徳山の水銀汚染問題で、漁民は魚をどんどん捕り、工場に運んで買いとらせていた。
水俣もそうだった。
東海村のJCO事故のときも周辺の農産物など会社が買いとった。
当然のことだったのに今度は突っぱねている。コウナゴなどどんどん捕って東電本社の玄関前とか首相官邸とか経産省の前にトラックで運んでいって「買いとれ」「処分しろ」の行動などすべきだ。
牛も農産物も同じことをやるべきだ。
最大の漁業復興を放置 地域の疲弊を促進
B 今度の大震災では原発の問題と漁業問題が大きいと思う。東北で最大の被害は沿岸域だ。農業もやられているが、漁業の方は全滅に近い破壊だ。この漁業に依存して市場があり、水産加工業が発達し、機械や漁網、運輸や通信、商業など地域全体が発達してきた。
漁業がつぶれたら地域が成り立たない。自治体も税収がなくなり成り立たない。
C 宮城県では、仙台や名取市などは優先的にガレキが撤去されたが、最大の漁業基地である石巻市では、漁港や水産団地が壊滅しているのにほったらかしだ。牡鹿半島など漁村部の沿岸漁業の盛んなところもほったらかしだ。被災地が自力で立ち上がる力を奪っていく。
A 生活が干上がるのを待っているのだ。
古い感覚で「政府は国民を心配しているのだろう」と思っていたら大間違いで、アメリカ指図の新自由主義のなかで「国民保護」の建前すら剥がれ落ちている。
政府は大資本が市場を拡大してもうけることを助けるのが第一で、人命救助とか、復興だとか生命や財産、生活を保護するというのは二の次になっている。それが中曽根、小泉以来の新自由主義改革だ。
災害利用し大改革 低賃金労働力作る意図 規制緩和の徹底
B 復興構想会議は、東北を経済特区にするとか、漁業権の開放、株式会社による大規模農業にするなど好きなことをいっている。
現地視察に行った南相馬市で10分で帰ったように、現地に聞く耳は持っていない。現地に住んでいる人たちがどう立ち上がっていくかは考慮がなく、宙に浮いた東京の発想を上から地方に押しつけるというスタイルだ。上というのは東京の大資本だし、アメリカだ。
戦後の工業優先、農漁業破壊の政治によって、またトヨタなどの輸出優先、農水産物輸入自由化のなかで、農漁業はさんざんな目にあっている。東北の農業も漁業も高齢化している。
借金を抱えたうえに船や漁具を失い、そこから立ち上がることは困難がある。海は優秀であり、働く意志のある人間はいる。だが経営が成り立たない。そこを狙って、さらなる弱体化をはかっている。
D 宮城県では、村井嘉浩知事がおかしなことをいっている。村井知事は山口県に続いて1県1漁協をしゃにむにやってきた。復興会議では漁業権の民間開放を含んだ「特区構想」を提案している。
漁港の集約化も漁民が反発しているが、それは大規模化であり、商社や養殖大手業者などが参入することで漁場を奪いとることだ。菅政府はTPPは先送りするといっているが、漁業にとって漁業権開放などはそれよりすごいことだ。
C 漁業権というものは長い沿岸漁業の歴史のなかでつくられてきた日本の制度だ。それを大震災というなかでどう発展させるかが問題なのに、この機会に旧来の漁業をつぶして大資本参入による漁場剥奪にしようとしている。沿岸漁業がつぶれたら遠洋漁業もつぶれる。海運を担う船員もいなくなる。しかし漁業権変更は組合員の総会議決が必要な漁民の財産だ。黙って従うわけにはいかない。それは東北の漁民だけの問題ではなく全国に広がっていく問題だ。さらに魚食文化を民族の歴史とする魚を消費する側にとって重大な問題だ。
D 宮城県の村井知事は、松下政経塾出身で、元陸上自衛隊でもあり、新自由主義を東北地方でやるバッターとして起用されているようだ。日本経団連、経済同友会が、東北地方への道州制導入や公共サービスの民間委譲、農地の大規模化、漁港の拠点化を大胆にやれと迫っている。
C ガレキ除去でも、国が失業対策も含めて現地民を雇用し、生活を補償しながら立ち上がるようにしていくという方向ではない。
現地の力で地域の基盤を復興させて、それを農漁業、地域経済の復興につなげていくというのが当たり前だが、これをやらない。
牡鹿半島では、個人が所有する山を住宅地として無償提供すると県に申請しても、まったく動かないと怒っている地域もあった。
浸水した地域でも、資材さえあれば動き始める。個人被害は「自己責任」などといいながら、制限だけはする。
自分の土地にプレハブを建てることも撤去命令だ。
浜の住民がバラバラになることをみんなが警戒している。歴史的に培われてきた共同体を守ることが復興の第一の力だといっている。
B 東北の沿岸域も、輸出競争力のある産業へ、などといって大企業参入を広げて農漁業と地域経済をつぶし、大量の低賃金労働力をつくるという明確な意図が働いていると思う。
競争力のある産業というのは、正社員を減らして非正規雇用であり、それ以上に海外移転である。東北が途上国並の賃金になるなら競争力があるということになる。
外国人労働者の導入も出している。東京の植民地として一段と大改革をするというものだ。
E アメリカは世界中の災害対応の経験があり、味を占めているからパターンができている。政府復興会議の線は、規制緩和の徹底だ。被災した自治体は、住民がいなければ税収がなくつぶれてしまう。
病院や学校が維持できなくなる。しかしこれを幸いに民営化を進め、私企業が奪いとってしまうという線を一気に動かしたいのだ。
D 原発の損害賠償問題のスキームにしても、結局電気料金と税金負担で、東電救済だ。加害者が救済され、被害者が負担する。デタラメだ。復興計画全体を見ても、東北を突破口に全国の規制緩和を徹底するという意図だ。
復興資金は増税で巻き上げ、数百兆円もの米国債や200兆円を超える大企業の内部留保は握って離さないようにする。
地方の底力見せるとき 全国共通の問題
B 東北復興のためには、東北の人人が立ち上がるように国が動くことだ。沿岸漁業が困難だが、船や漁具を国が公的資金を投じて提供すればよい。
農業や関連産業も同じだ。銀行がバブル崩壊で不良債権を抱えたら、何兆円もの公的資金を投入した。アメリカの国家財政を助けるために何百兆円もの国債を買い支えている。
大企業の新技術開発とか海外へのインフラ輸出などには膨大な予算を投じている。なぜ農漁業、地場産業にはしないのかということだ。日本国民の政府かということだ。
A だが東北現地には、かなりの抵抗力がある。東北は歴史的に迫害されてきたし、明治政府以来の怒りが蓄積されている。
明治政府によって会津藩は下北に追い出されたり、「県境も政府の都合で勝手に引かれた」といわれる。山口県では倒幕戦争を担った百姓、町人を裏切った「元勲」といわれる卑怯な連中がやったことだ。
江戸時代も一揆がすごく起きている。東北で新自由主義改革を徹底することは、全国が同じようにされるということだ。よそ事ではなく、全国共通の課題だ。
E 政府はだれのためのものか、国民のためのものか、アメリカや財界の金儲けのためのものかという一大世論が起こる趨勢だ。
下関でも農水産物価格が極端に下がっている。東京の消費が冷えているというが、おかしい。
流通機構のなかで買いたたきをやっている。政府は軽油免税の打ち切りも、農漁民の困難に輪をかけてやろうとしている。
いろんな資材など工業製品も便乗して高くなっている。
震災を利用して全国的な収奪がひどくなっている。大資本による収奪のチャンスと見なしているのは、東北だけではなく全国だ。
B 全国的にも「東北を見習って辛抱しろ」といって社会福祉などを切るなど総合的に動いている。
国内生産を守り、働く者の生活を保障せよ、米国債や証券でとられた数百兆円もの金はアメリカからとり返せ、大企業は内部留保を拠出せよなど新自由主義との全国的な大斗争が必要だ。
D 原発問題では、「日共」集団などいわゆる反原発勢力が、「大変だ」「逃げろ、逃げろ」の宣伝役になっている。しかし生産を担い、その土地に生活の基盤をおく勤労人民はそういうわけにはいかない。
放射能は危険だし汚染を避けなければならないが、それは汚染を除去し、生産と地域の共同体生活を復興するためだ。
働き、労働をすることによってだけ現状を変えることができる。
国益のためとか、社会のためというものがなくなった政府には統治能力がなくなったということだ。
憲法で建前にしている生存権や基本的な人権の尊重、地方自治体も福祉のためにあるというような原則は「建前」からも消えてしまっている。
税金を納めているのは働く国民だ。
金融機関が預かっている1400兆円の金融資産のうち、1000兆円以上は家計の預金だ。働く者をつぶしたらいかなる支配者もやっていけない。
今回の災害復興をめぐって、アメリカや財界がやろうとしている方向と、勤労国民が願っている方向と鋭い対立になっている。
大企業利潤一辺倒から公益第一の方向へ世論は大きく動いている。
超過利潤で浮わついた東京一極集中の構図を覆し、地方の力を見せなければいけない。
働く者の全国的な大結集が求められている。
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コメント
今後について
コメントをありがとうございます
> 国が避難範囲を半径20キロに指定した時点で、恐らく今後このエリアは核の最終処分地になる以外の選択肢はないだろうと思っていました。
4基の原子炉、チェリノビリの数十倍の核燃料であることを考えると、正直に言ってエリアの地域復活は可能性がないでしょう。
最初から、いつかは大事故になると思って反対した人たちは、皆弾圧迫害されてきました。
今からでも、遅くはない。
原発は全国民で反対し、すべてを停止し、廃炉させなければならないでしょう。
事故被災地関係も当然ながら、全国でみんなが声をあげるべきと考えます。
4基の原子炉、チェリノビリの数十倍の核燃料であることを考えると、正直に言ってエリアの地域復活は可能性がないでしょう。
最初から、いつかは大事故になると思って反対した人たちは、皆弾圧迫害されてきました。
今からでも、遅くはない。
原発は全国民で反対し、すべてを停止し、廃炉させなければならないでしょう。
事故被災地関係も当然ながら、全国でみんなが声をあげるべきと考えます。
世界人口半減計画
東北魂を見せて欲しい。アメリカは国連とぐるになって、世界の人口を半減させようとしています。つまり、エリートを守るため。騙されちゃいけない。
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そう考えると、今回の大地震が人工地震だという噂にも妙に納得できるものがあります。
私たち浪江町民は、これまで暮らしてきた土地を、仕事を、人間関係を、思い出を、補償金という名目の手切れ金で手放すことになるのでしょう。
これまで原発にたっぷり恩恵を受けてきたくせに、補償金までもらえるなんて、と、県外はもちろん県内からでさえ原発乞食と蔑まれながら。
そんな私たち浪江町民は、
今後どうして行くべきと考えますか?