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プランBの勧め、半合法?

 原発の停止、廃炉もそうなのだが、この国の制度の中で政府に反対して、それを勝ち取るとなると、途方も無い時間と労力を必要とする。
 原発に限らず、各種の公害裁判などに見られるとおり、数十年にわたって闘い続けて、最高裁で敗訴になりかねない。

 国民からの直接な変革ができないように、がんじがらめに法体系が仕組まれている。
 国家制度がそう出来ているのだ。
 
 無能・無責任政権の原発対応が良い典型例を示している。
 例えば、
 3/11以来、政府が即日または翌日に迅速に実行したのは、次の4つのことのみである。

 o 海水から真水への切り替え。
 o 汚染水の海への放流。
 o 窒素の注入。
 o 浜岡原発への運転停止要請。

 いずれも、米国の指示によるものである。
 唐突に考えが現れて、迅速に実行しているのはこの4点であり、後から米国の指示だったことが解る仕掛けだ。

 「メルトダウン」参照

 こうした現実を、なかなか鮮明な発想で提起しているのブログがあったので紹介します。

「パブロン中毒」から
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
中曽根水ぶっかけで考える~無名のヒーローとプランBのススメ~
2011年05月15日

日本には「原発の父」が二人いて、1人は正力松太郎、もう1人は中曽根康弘である。
生き残っているほうの父はもうすぐ93歳、この状況をいったいどう思っているのだろう。
…私が谷垣なら、本気で次の総選挙で勝ちたいと思うのならば、中曽根に頼んで一緒に会見を開く。
党の存亡の危機だと言って、必要なら土下座でもなんでもして、中曽根を引っ張り出す。
そして、中曽根から国民へ懺悔をしてもらって、自分も謝罪して、禊にする。この会見では、中曽根には必ず泣いてもらう必要がある。90じいさんの涙で同情を誘うのである。
そうすると、日本人は優しい人ばかりではないが優しい人もけっこういるから、「中曽根さんも、ああやって謝ってくれたし」という人が必ず発生する
…というアイディアを買ってはくれないだろうなあ。
今のように「自民にも責任があったと認める」という程度のことで、選挙で勝てると思ったら大間違いである。
さて、昨日夜の地上波で面白いエピソードを聞いた。

浜岡原発付近の住民へのインタビュー。
「最初は中部電力は三重県に原発を作ろうとしていたが、中曽根さんがエネ長官のときに視察に行ったら、水をぶっかけられた。それで話がなくなって、浜岡に白羽の矢が立った」のらしい。
中曽根エネ長官、とは「科学技術庁長官」のことであろうと思う。
ググる。
浜岡原発のところに、そのような記述がある。
三重県の芦浜地区に作ろうとしていたのらしい。
中電は1957年から原子力課を作り、原発立地を目指していたらしく、1963年に三重県の原発計画を発表。
…となっているが、中曽根が科技庁長官だったのは1回目は59年~60年、2回目が72年~74年である。2回目はもうできている時期だから、「水ぶっかけ」は2回目というはずはない。
すると、「水ぶっかけ」は「59年~60年」の間の事件ということになる。
それは、中部電力が計画を発表したという63年より前である。
それとも、科技庁長官でなくなってからも、「父」として誘致のために視察に行っていた、ということもあるかもしれない。また、住民の方の記憶違いで「その時はもう長官でなくなっていた」のかもしれない。それならなんで誘致に行くのだ。父だからか。
ぶっかけ時期を特定したいのであるが、59年~67年の三重県知事断念まで、という幅広い感じになる。
…住民の方に直接聞かないと無理そうだなあ。中曽根のウィキペディアにも当然「水ぶっかけ19○○年」とは載っていない。
芦浜原発の断念の理由は、住民の方の抵抗の成果であるのだろうが、それを浜岡の住民の方は「中曽根に水をぶっかけたからである」と、感じておられるということが、大変興味深いと、私は思った。
…「原発の父」に水をぶっかけると、なぜ、話がつぶれるということになるのか。なぜ、その話に説得力があるということになるのか。

私の漠然とした考えは、こうだ。
このころは、日本にはまだ「エラい人」というものが居た。
…つまり、「みんながエラい人とは〝こういうものだ〟と思っていて、そういう共通認識があった」である。
「エラい人」とは何かというと、恥をかかせてはいけない畏れ多い人のことだ。
私は実は、「水ぶっかけられた中曽根」が、「ここは抵抗が強いからダメだ」と言った、とは思わないのだ。
…自分が水をぶっかけられたぐらいで、「ダメ」宣言はしない。当時のエラい人であれば。
ならなんなのか、というと、「エラい人を大変な目に合わせてしまった。なんてことだ。こんなことあってはならない畏れ多いことだ。ここはダメ。」というように〝気を利かせた〟周囲が動いたからである。と思う。
中曽根がダメと言ったということではなく、エラい人がそういう目に遭うと、周囲が動く、なのだと思う。
当時の日本人は、そうだったのだ。
それが、「エラい人がまだ日本に居た」ということの意味である。

で、今は、「エラい人」というのが、どの人のことなのか、あまりよくわからない。
エラい人というのは、自分からガミガミ言わなくても「恥をかかせないように」周囲が率先して守ってくれる対象のことであるが、どの人がそうなのか、今はよくわからない。
…例えば海江田が原発立地の視察に行って水をぶっかけられたとしても、「気の毒ですねえ。それが何か?」ということで終わってしまいそうだ。
海江田のメンツよりも、もっと大事なことがあるのである。というより、誰も海江田のメンツのために奔走なんてしてくれない、なのである。
「エラい人」のダンピングが進んで、日本人が変わったのである。たった数十年の間に。

「中曽根水ぶっかけ」で思い出したのは、「なぜ警告を続けるのか」に登場した、小浦原発計画を断念させた日高漁協の方々のことである。
88年、漁協の臨時総会が紛糾して、反対派が実力行使をして、議事進行を断念させた。
このへんの事情は「なぜ警」に紹介されているが、日高の漁師さんは、原発を阻止して本当に良かった、立地をさせられてしまった他の地域の人が気の毒だ、と言っていた。
…実力行使とは、どういうことか。
それは、怒った人々が議長席へ突進し、マイクを奪って総会を進行させないように邪魔をする、ということである。漁協が受け入れを決定しないと、原発が作れないからだ。
…ふうん、そういうことで、原発立地を止められるんだ…。
なんだ、そんなことでいいのか?とても失礼な言い方になるが。
これは、漁師さんたちの集団だったから、できたことなのかもしれないが。
賛成派も反対派も漁師さんだから、警察を呼ぶ、ということには、たぶんならないのだ。

なんだ、そんなことでいいのか?というのは、その前に78年に伊方原発訴訟で一審棄却で負けているからだ。小出さんらが証人となって、熊取6人組が「志高く立ちはだかった」というのに。
そのあと、92年に最高裁で敗訴決定。今は3号機まで作られてしまっている。

そして、今回の浜岡原発。
横須賀基地を死守したいアメリカに圧力をかけられたら、簡単に止めることができた(青山繁晴と私の意見です)。
…浜岡だって、裁判をやっているのだ。時間と労力とお金をかけて。
それなのに、アメリカに命令されたらば、簡単に止まった。
あっけないくらい、簡単に。

で、いよいよまとめになるのだが、

・中曽根に水をぶっかけたら、結果的に芦浜原発を阻止できた。
・日高漁協で実力行使をしたらば、小浦原発を阻止できた。
・アメリカが圧力をかけたらば、浜岡を止めることができた。
・正攻法で裁判をやったのに、最高裁まで行ってもダメだった。

ということになるが、これは何かというと、「日本では正攻法でやって物事が成功することが少ない」ということではないだろうか。
私はそんな気がしている。
私は、このことを、少し、真剣に教訓として捉えた方がいいような気がしている。
…どうしても守りたいものがあるとしたら、それが地元の自然だとか、家族の健康だとか、かけがえのないものであるならば、「正攻法」で行くと同時に「非正攻法」も進行させたほうがいいような気がする。プランBだ。
もちろん逮捕されるようなことはいけない。が、正攻法でない方法も、考慮してみる必要があるのではないか。
山のてっぺんに登りたいなら、どこから登っても辿り着ける。
ルートは複数あったほうがいいのではないか。

日本は、そういうややこしい国のようなのだ。
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