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もうすぐ北風が強くなる

通貨戦争(34)休止状態に入った世界通貨戦争

 来月でアメリカの過剰流動性供給政策が一段落することで、市場は調整局面に向かい始めている。
 だが、先進国の実体経済は何も回復していない。
 ドルの信認低下とインフレのコストアップが置き土産になっている。
 つまり、実体経済は、ほぼ何も回復せずに相変わらず奈落の底を向いている。

 ここで、市場のバブル崩壊が始まる可能性は、極めて高い。
 世界通貨戦争の様相が休止状態を示しているのは、各国共に金融も財政も身動きの取れない状態に追い込まれているためだ。
 身動きできるのは、世界最大の対外債権国日本くらいなものなのだが、この国は無能、無責任政権により、すべての政策手段が放棄されている。
 
 JBpressから
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 休止状態に入った通貨戦争
 2011年5月13日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 あれだけの銃弾は一体どこへ消えたのか? 昨年、ソウルでの主要20カ国・地域(G20)サミットの前に通貨戦争が勃発した時、世界の半分が対立に引きずり込まれた。

 人民元の相場を操作しているという米国の批判に対し、中国は米連邦準備理事会(FRB)の超緩和型の金融政策がドル相場を押し下げ、不安定な資本移動を引き起こしていると反撃した。

 ほかの新興国と欧州の政府高官らは、中国政府と米国政府の双方に責任があると述べた。

 ブラジルは為替相場を巡る緊張が貿易戦争に発展しかねないと警鐘を鳴らし、衝突は2011年も続くように見えた。名目実効為替レートで見たドル相場は1990年代半ば以来の安値まで下落し、FRBの批判勢力にさらなる武器を与えた。

  o ドル安進行にもかかわらず、銃声が聞こえない理由

 だが、銃声はあまり聞こえなくなった。中国やその他新興国は公然と米国を批判する発言を後退させた。米国側も批判を弱めている。

 先日ワシントンで開かれた米中対話では、米国は以前ほど通貨に重点を置かず、ホワイトハウスと米国の多国籍企業が強く求めてきた政策議題に焦点を合わせることができた。つまり、中国に投資し、知的財産を守り、政府契約を獲得しようとする米国企業の苦労だ。

 為替操作に対して中国を罰する法案を求める米議会の声も弱まった。下院で貿易問題を扱う共和党のベテラン議員、デーブ・キャンプ、ケビン・ブレイディ両氏は先日、為替問題は「中国が対処しなければならない多くの問題の1つにすぎない」と述べた。

 なぜ休止状態に入ったのだろうか? 複数の要因が重なった。まず、米国は以前ほど通貨の過小評価に文句を言えなくなった。人民元の対ドル相場の上昇は、6月以降の上昇幅が5%程度とはいえ、ペースが速まったようだ。

 通貨戦争においては米国きってのタカ派の1人である、ワシントンのシンクタンク、ピーターソン国際経済研究所のフレッド・バーグステン所長は、中国のインフレ高進を考えると、実質的な通貨上昇幅は年間約14%に上ると指摘する。

 このペースでいけば、人民元の過小評価は2~3年で調整が済む可能性があると同氏は言い、米議会に対して、当面は法制化の選択肢を手控えるよう忠告している。

 だが、中国の観点からすると、人民元もまた実効為替レートが下落している。ドルに対する上昇よりも、ほかの通貨に対する下落の方が大きいからだ。

 こうした調整の矢面に立つ国(日本、ユーロ圏諸国、ブラジルやインドなどの新興国)の間では、声高に文句を言いたがる向きは少ないようだ。ユーロ圏の当局は、ほかに考えることがある(ギリシャ問題)。日本は円高を食い止めるための先進7カ国(G7)による為替介入に助けられた。

 ほかの中所得国は内々に大いに愚痴をこぼしているかもしれないが、米国政府の支援なしに中国政府を、あるいは中国政府の支援なしに米国政府を公然と批判する気はないようだ。

 いずれにせよ、こうした新興国には、投機資金の流入から身を守るために対策を講じる余地がまだ多少ある。資本規制の評価の高まりには、国際通貨基金(IMF)による慎重な容認も含まれている。

 さらに、米国は以前よりも難しい標的になった。昨年、金融緩和政策に対する批判への対応が遅かった米政権とFRBも、意図的にドル安を図っていないことについては一貫している。また、FRBが「量的緩和第2弾(QE2)」を終了させることから、FRBが無責任に安いドルを世界の金融市場にばら撒いているという議論は次第に説得力を失っている。

  o 国際通貨体制の改革を訴えたサルコジ大統領は・・・

 最後に、国際通貨体制の構造問題が盛んに論じられたにもかかわらず、フランスがG20議長国だった時に抜本改革を目指した動きは、あっけなく立ち消えた。

 1870年の普仏戦争時のセダンの戦い以降、どんなフランス騎兵隊の突撃も、ニコラ・サルコジ大統領のドル支配への挑戦ほど見事に失敗したことはない。

 この問題をテーマとした南京のセミナーでは、あまり使われない形式的な準備資産「特別引き出し権(SDR)」を構成する通貨バスケットに人民元を加えることが曖昧に議論されただけだった。

 通貨戦争を引き起こした多くの緊張、つまり、世界の経常収支の不均衡や均衡相場から乖離した為替レート、急激な資本移動といった問題はまだ残っている。この戦争は、平和条約はおろか、休戦条約にさえ至っていない。だが、銃撃戦は鎮まった。
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