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もうすぐ北風が強くなる

不当な学校放射線20mSv、30年後は

学校放射線基準は「安全でない」 ノーベル賞受賞の米医師団   (5/2共同)

 福島第1原発事故で政府が、福島県内の小中学校などの屋外活動制限の可否に関する放射線量の基準を、年間20ミリシーベルトを目安として設定したことに対し、米国の民間組織「社会的責任のための医師の会(PSR、本部ワシントン)」が2日までに「子供の発がんリスクを高めるもので、このレベルの被ばくを安全とみなすことはできない」との声明を発表した。

 PSRは1985年にノーベル平和賞を受賞した「核戦争防止国際医師の会」の米国内組織。

 声明は、米科学アカデミーの研究報告書を基に「放射線に安全なレベルはなく、子供や胎児はさらに影響を受けやすい」と指摘。「年間20ミリシーベルトは、子供の発がんリスクを200人に1人増加させ、このレベルでの被ばくが2年間続く場合、子供へのリスクは100人に1人となる」として「子供への放射線許容量を年間20ミリシーベルトに引き上げたのは不当なことだ」と批判した。
 ーーーーーーーーーーーーーーーーー
  福島の30年               武田邦彦

福島は今、文科省の1年20ミリシーベルトの基準で動いている.これは何を意味するか、これからの30年を描画してみる.
最後の判断をするのは福島の人だが、参考にしていただきたい。

1) 人体への影響
放射線は被曝する量に比例してガンが発生する.セシウムの半減期は30年だが、土壌が流れたりするので、それを10年としても、今から10年は他県より普通の状態より増えるガンが20倍、次の10年は10倍になるだろう.
福島は「若年層ガン多発県」になる。
福島の人には言いにくいし、申し訳ないが、これは科学的事実である.今、言いにくいからといって耳障りの良いことを言っても、そのうち事実となって現れる.
そしてこのデータは「武田説」ではなく、国際的にも国内的にも多くの専門家が認めているデータである。

2) 産業への打撃
国際的に1年に1ミリと決めているのは、外国旅行をしたり、安心して外国の食材や工業製品を買えるためである.
従って、これも福島に悪いけれど、今後、30年は福島には観光客は来ないだろう。福島の食材は買う人がいないだろう。そして外国の企業は従業員が赴任を拒否するし、サッカーも国際試合はできない。
福島は日本の孤島となり、そこで仕事ができるかも不安が残る。

3) 解決策
唯一の解決策がある。それは郡山市の小学校が表土を除いただけで、1時間3.2マイクロシーベルトが0.5マイクロシーベルトに下がった。つまり放射線は福島の大地に落ちている「粒」から来ているので、それを除くだけでよい.
梅雨の前に洗浄してしまえば、福島は綺麗になる.20ミリまで安心だというのは政府が福島にお金も人も出したくないからで、福島を綺麗にしないと福島の子供達の将来が心配だ。
よく考えれば、「福島の復興は福島を綺麗にすること」であることは当然だ。
削り取った表土は福島原発に返す.

「1年1ミリシーベルト」は国際的な約束である。またヨーロッパは1年0.1ミリシーベルトを主張している.
今、20ミリで良いと言っている専門家は、絶対に国際会議で時代に逆行する20ミリを認めさせる力は無い.「田舎としての日本」だけで通用する話だ。

だから、20ミリまで大丈夫ということは、健康上も問題であり、さらに将来の福島を失うことを意味している.
私は福島の人の決断に期待している.私は福島に安心して旅行したいし、綺麗になったらどんどん食材を買いたい。

だから綺麗になることを期待している.
(平成23年5月1日 午後9時 執筆)


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コメント

結局は

放射能の被爆限度は結局は誰にもわからないと
言うのが本当の所です。
ただ今の被爆限度量を上げるのは
将来的な責任回避の策でしかありません。
本当に国民の健康を第一に考えるなら、
限度値を上げるべきではありません。

コメントをありがとうございます

はるか昔、劇画「光る風」というのがあり、政府が極秘の核汚染により発病した藻池村を隔離閉鎖し、目撃者を逮捕処刑するというストーリーです。
なんともおぞましい連想ですが。
県は20mSvに従って、子供を発病させるだけではありません。
0.05uSV/h未満でなければ鉄も取引されませんので、産業も雇用もなくなります。

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