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もうすぐ北風が強くなる

これからの経済生活はどうなるのか

 世界的な物価高騰を受けて、デフレを脱却できない状態の日本はどうなるのか。
 震災前の3/4に「デフレ脱却できないままに食糧・石油が高騰してくる」と3/7に「始まる価格高騰はコスト転嫁できず倒産と需要減少」を書きました。

 その後、震災と大津波、人災の原発事故により、東北の工業破壊と低平坦地の農業壊滅。加えて原発の放射能汚染が進んでいます。
 これを踏まえて、4/11に「半年後、一年後に経済生活はどうなるのか」を書きました。

 しかし、この文章は前の3/7の文をそのままにして、段落毎に「補足」を付けたスタイルで解りにくく、意味が不明瞭な部分もありました。
 書きなおすことにしました。改訂版です。

 これからの経済生活はどうなるのか。

 我々にいま見えている範囲の中ではあるが、はっきりできることははっきりしなければならない。

o 震災と原発事故がなかったら経済状況はどうなっていたのか
 
 アメリカの金融緩和による過剰な流動性供給が、世界的なインフレを招いている。「ドルのインフレ政策」。
 実体経済の資金需要が無いところに供給された資金は、所詮は投機市場に回っている。「日米の2011年」。
 石油と食糧の高騰が途上国の国民を襲っている。「遂に親米政権との闘いが始まった」、「途上国を襲うインフレと食糧危機

 ドルの大増刷が途上国の騒乱を招いている。 
 投機市場について言うならば「市場の強欲が貧困な大衆を襲う」ているのである。

 総じて、基軸通貨の大増刷が、投機経済の現実のなかで、帳簿上の通貨を爆発させてしまっていると言って良い。
 インフレの大波である。

 日本はマスコミの誘導と政府・日銀の無策によって、デフレ脱却しないままで、世界通貨戦争=ドルの過剰な流動性供給による商品価格高騰を受けることになってしまった。

 政治がどう激変しても、仮に強力な政治主導政権が現れても、一年やそこらでデフレ脱却はできない。
 つまり、この16年間、消費と投資の国内有効需要が緩やかに縮小循環を続けている状態で、国家、企業、家計がコストの高騰に見舞われると言う状況。
 つまり、原材料、労働、生産、輸送、流通の各段階すべてに波及する。
 高騰の波は石油、食糧、素材農産物、一般鉱産資源にわたっているので、そのコストはほぼ全産業が増大する。
 
 問題は経済活動全般にわたるコスト上昇をどの段階が吸収させられるかである。
 デフレでなく、通常の緩やかなディスインフレ経済ならば、このコストは最終消費に吸収され、例えば8%の物価上昇を生む。
 そして、8%前後の賃金総額の上昇によって賄われて、拡大再生産の循環に載せることが可能である。もちろんインフレ期待値も8%程度となり、その程度+aが貸出金利となる。

 だが、日本の現状はデフレで、こうした循環機能を失っている。
 失っているから縮小循環のデフレが続いているのであるから。
 従って、全般的コスト上昇分は、どこかに無理やり吸収させられることにならざるを得ない。

 デフレ不況の進行により、2009年の民間給与は5.5%減少しており、2010年はおそらくさらに下回るだろう。
 従って内需の大半を占める最終消費は、相応に減少する。
 小売価格へのコスト転嫁は非常に困難となり、零細な農業漁業は放置すれば崩壊する。
 売値に転嫁可能なのは、寡占カルテル状態の石油関係と一般鉱産資源だ。

 上記以外の産業は、ほぼ流通過程での吸収とならざるを得ないため、零細中小の企業淘汰が加速するとみなければならない。
 生活全般への影響
 倒産と失業率の上昇、雇用形態の悪化と賃金総額の下降が加速、石油関係と公共料金の上昇、物価は数%上昇。
 国内消費需要と設備投資の底抜け、デフレ恐慌の可能性。

o 震災と津波の被害、そして放射能汚染の拡大により、何がどう変わるのか

 世界で変わった事
 中東反政府デモが各地で進展。同時にリビアの膠着と米国の停滞。
 ポルトガル破綻による、ヨーロッパの財政困難。
 日本の震災と原発事故による機械部品材料の枯渇。

 日本では
 デフレ縮小スパイラルの悪化
 米国ドルの過剰流動性供給による石油・食糧の投機高騰の嵐
 世界に類をみないほどの大震災と大津波
 人災といってよい原発事故と放射能汚染。 
  
 こうした中で、震災と原発が政府の弱さ、無能さをさらに赤裸々に暴いた。つまり大胆な政治指導は全く期待できないと言うことだ。
 当初、震災と津波の被害により、国民総生産のは6%減少とみられていた。
 しかし、ひと月たっても、まだ仙台市すら燃料が行き渡っていない。物流も製造も運転できない。水産は船が喪失損傷し、港湾も損傷。

 農業は生産性の高い低地が壊滅した。各種工業製品とその部品部材は工場設備の精密工程が震災しており、容易に再調整できるものではない。
 端的には最優先の仮設住宅の部品資材が欠乏してしまったのである。
 被害は全国の製造と物流に波及しているのである。
  
 精密な分析は政府が来年くらいに出すだろう。今必要な大雑把な推測は、国民総生産の10%くらいが損傷していると言うことだ。
 総賃金は10%近くダウンするかも知れない。つまり、10%の生産減少は、相応する失業に結果するからである。
 
 震災と大津波は甚大な被害であるが、政府がしっかりしていれば復旧、復興という過程を迎えるだろう。無能政府なら遅くなる。
 賄い切れない負の側面は、原発の被害、放射能である。
 既に、原発近くの古鉄金属は納品拒否されている。

 すでに、海外では日本の食品はもとより、工業製品のボイコットが始まっている。出来上がった製品の中のビスひとつでも微量な放射線が測定されたら、いくら微量でも人は買わない、いちいち測定はコスト倒れだから輸入しないし、こちらは売れなければ生産できない。
 日本は決して輸出依存経済ではないが、輸出の大部分を占める機械部品部材材料などの資本財には大きな「風評被害」がかかってくるとみなければならないだろう。
 
 加工食品、農産品、水産品は言わずもがなである。国内でも西日本では東北関東産は売れないだろうし、だから生産できなくなる。
 従って、日本は物流する「物」すべてにおいて生産をダウンせざるを得ないだろう。
 観光は外からは来る者なく、出るものは相手国の入国審査で放射線検査になっている。

 だから、10%は甘い。想像もできないが放置するなら10数%の生産減少を招くと考える。
 これは、さらに倒産と失業を加速する。
 生産供給が減少するのだが、同時に需要も大幅に減少するので、結果は正しくデフレ恐慌と言ってよいだろう。

 本当は、無能でない政府ならやれること。
 100兆円の復興資金を日銀調達し、復興事業と社会救済にあて、デフレ恐慌をゆっくりでも成長経済に戻すこと。
 それによって国内需要を確保し、損しかしない円安から、海外調達に有利な円高にすることだ。

 追記
 年度末くらいから景気回復すると言う論調が、マスコミに多いようですが、一昨年の政権交代、震災原発報道を考えると、また御用学者に御用評論家か..........と思うのは私だけでしょうかね。
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