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もうすぐ北風が強くなる

半年後、一年後に経済生活はどうなるのか

 日本はマスコミの誘導と政府・日銀の無策によって、デフレ脱却しないままで、世界通貨戦争=ドルの過剰な流動性供給による商品価格高騰を受けることになってしまった。
 そして、そこに今回の震災と大津波、原発事故による深刻な放射能汚染を迎えてしまった。
 
 震災前の3/7に「始まる価格高騰はコスト転嫁できず倒産と需要減少」を書きました。
 デフレがさらに悪化の兆しを見せる中で、米国の過剰流動性を受け、国債価格高騰のダブルパンチで、この国の生産と生活はどうなるのかと言う内容だったのですが、今回の事件によって、さらにトリプルパンチどころではない。
 
 私たちの生活と経済はとてつもなく落下しそうだ
 
 前回3/7の自分の記事を、補足する形で書いてみることにした。
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 日本はマスコミの誘導と政府・日銀の無策によって、デフレ脱却しないままで、世界通貨戦争=ドルの過剰な流動性供給による商品価格高騰を受けることになってしまった。
 「デフレ脱却しないままに食糧・石油が高騰してくる」の続きです。

 政治がどう激変しても、仮に強力な政治主導政権が現れても、一年やそこらでデフレ脱却はできない。
 つまり、この16年間、消費と投資の国内有効需要が緩やかに減少を続けている状態で、国家、企業、家計がコストの高騰に見舞われることになる。
 (補足)
 震災と原発が政府の弱さ、無能さをさらに赤裸々に暴いた。つまり大胆な政治指導は全く期待できないと言うことだ。
 鶏と卵は鶏が先だが、これにあたる総賃金が16年間下落を続け、さらに下落が加速し始めていたのである。
 2009年の民間給与は前年の5.5%減少。2010年は出ていないが不況が進行しているので、さらに減少率がアップしているは疑いない。

 当初、震災と津波の被害により、国民総生産のは6%減少とみられていた。
 しかし、物事は起きてからしばらくすると、その後の影響がチラチラと見えてくるものだ。

 ひと月たっても、まだ仙台市すら燃料が行き渡っていない。物流も製造も運転できない。水産は船が喪失損傷し、港湾も損傷。
 農業は生産性の高い低地が壊滅した。各種工業製品とその部品部材は工場設備の精密工程が震災しており、容易に再調整できるものではない。
 端的には最優先の仮設住宅の部品資材が欠乏してしまったのである。
 被害は全国の製造と物流に波及しているのである。
  
 精密な分析は政府が来年くらいに出すだろう。今必要な大雑把な推測は、国民総生産の十数%が損傷していると言うことだ。
 総賃金が20%近くダウンするかも知れない。つまり、十数%の生産減少は、相応する失業に結果するからである。
 
 もう一つある。
 原発の被害、放射能である。
 すでに、海外では日本の食品はもとより、工業製品のボイコットが始まっている。出来上がった製品の中のビスひとつでも微量な放射線が測定されたら、いくら微量でも人は買わない、いちいち測定はコスト倒れだから輸入しないし、生産しない。

 加工食品、農産品、水産品は言わずもがなである。
 従って、日本は物流する「物」すべてにおいて生産がダウンせざるを得ないだろう。
 観光は外からは来る者なく、出るものは相手国の入国審査で放射線検査になっている。

 だから、十数%は甘い、想像もできないが放置するなら二十数%の生産減少を招くと考える。

 (再び3/7の本論)
 金、銀、プラチナなどの貴金属は、あまり国民経済に影響は無い。
 問題は石油などの鉱産資源と食糧品の価格高騰が急速に進むことだ。
 見える範囲にしかならないが、その影響を考えてみよう。

 先ず、鉱産資源の高騰は、工業と非工業を問わずに、生産の原材料費と輸送費を押し上げる。
 次に、食糧の高騰は食品工業のみならず、生産とサービスに関わる労働力全体の再生産費用を押し上げる。
 従って、起こる事態は経済活動全体のコスト上昇とみる必要がある。

 通常はGDPの十数%にすぎない輸出黒字は過去の円高時期もクリアし、消費税の割戻しで莫大な内部留保を抱えているのでこの問題から除外する。
 (補足のとおりで輸出はさらに非常に暗くなった)

 (本論)
 問題は経済活動全般にわたるコスト上昇をどの段階が吸収させられるかである。
 デフレでなく、通常の緩やかなディスインフレ経済ならば、このコストは最終消費に吸収され、例えば8%の物価上昇を生む。
 そして、8%前後の賃金総額の上昇によって賄われて、拡大再生産の循環に載せることが可能である。もちろんインフレ期待値も8%程度となり、その程度+aが貸出金利となる。

 だが、日本の現状はデフレで、こうした循環機能を失っている。
 失っているから縮小循環のデフレが続いているのであるから。

 従って、全般的コスト上昇分は、どこかに無理やり吸収させられることにならざるを得ない。
 以下に我々の見える範囲で列挙してみる。
 (補足)
 デフレ下の価格高騰のコストをどこで吸収できるかと言うことだったが、すでにご覧のとおり、すっかりできなくなった。

 (本論)
 生鮮食料品
 この十数年で食品小売は寡占が進んでいる。全体売上額は減少を続けているので、小売価格はコスト吸収できない。
 生鮮食料生産は自営・零細のままであるから、コストは生産者が吸収させられる。もっともひどいことになるだろう。
 放置すれば社会問題化するので、政策配慮が必須である。

 加工食糧品
 やはり、小売側が強力だ。小売価格への転嫁は不可能に近いだろう。2008年の高騰の際は、量目を減らす試みが為されたが、これ以上は量目減らしは無理。また、量目減らしは生産コストと輸送費削減に寄与しない。
 ただし、工業的生産なので設備投資が進んでいて、生産スケールでコスト吸収できる生産企業もあるだろう。
 それ以外では、やはり厳しい淘汰となる。一般的には大きい者が勝つ。零細・中小はひどいことになるだろう。 
 
 衣料品
 綿花価格も実は上がっている。だが、なんと言っても食糧のようにほぼ毎日回転するものではない。
 ユニクロのような日常必需品衣料は、中小が淘汰されよう。
 それと、利幅の大きい差別化高級品はあまり影響を受けないと考える。
 (補足)
 上記の3項目共、高騰コストの価格転嫁は完全に不可能となった。ので、倒産と失業が苛烈なものになるだろう。 
 こんなことを言いたくは無いが、特に生鮮食料品は原発の風評被害が出る地域は不可能にならざるを得ない。 

 (本論)
 自動車燃料と灯油
 国内は元売が「あうん」の呼吸で実質価格調整されている。コストは消費価格にならざるを得ない。売上減少を招くだろうが、元売は小売に付けるしか無いし、小売は価格に付けるしか無いのがこの商品の構造だ。

 石油以外の一般鉱産資源
 石油以上に統制されている。価格は完全に上乗せされるので、中小零細ユーザーは倒産するだろう。
 電力は公共性で統制されているので、コストは大きな批判を浴びない程度に値上げで吸収する。その他公共料金は概ね同様である。
 (補足)
 上記2項目はこうなると需要自体が減少すると見なければならないだろう。
 売れないものは生産も減少するが、限界があるので、これらも倒産と失業につながる。

 (本論)
 生活必需品全般
 石油製品は高騰する。公共料金も上昇する。
 食糧衣料等はおそらく数%にとどまるのではないか。
 しかし、その分だけ生産とサービスは、ひどいことになる。
 淘汰・整理が激しくならざるを得ない。

 労働力全般
 上記の総括。失業率は上昇する。雇用の質はさらに悪化する。賃金総額の下降が加速する可能性がある。

 結論
 国内の消費需要と設備投資は底が抜ける、つまりデフレ恐慌の危険だが、可能性として考慮しておく必要がある。
 すくなくとも、デフレ=生産と消費の縮小循環は、加速すると考える。
 
 (補足)
 放置するなら完全に底が抜ける。デフレ恐慌と軽い物価上昇の同時進行。
 大失業人口と消費需要撃滅によるGDPの二十数%減少。
 この政府はたぶん放置する可能性が高い。
 マスコミと無能政府の強力で税金だけ上げる可能性がありそうだ。
 
 (本論)
 なお、この場合は、消費者物価はある程度軽く上昇するだろうが(この物価上昇でデフレが解消に向かうと考えるものはいないと思うが、仮にいたら、完全な妄想だ)、通貨価値の下落でも無ければ、経済成長でも無い。期待インフレでもないので、金利は上がらない。

 (補足)
 本当は、無能でない政府ならやれること。
 100兆円の復興資金を日銀調達し、復興事業と社会救済にあて、デフレ恐慌をゆっくりでも成長経済に戻すこと。
 それによって国内需要を確保し、損しかしない円安から、海外調達の有利な円高にすることだ。

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