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もうすぐ北風が強くなる

長期金利マイナスへ

貧困

「長期金利 史上初のマイナスへ」と報道されている。
「わかったような」な「報道」がされているが、例によって「大衆白痴化」の評論がベースであるから。基本的な意味をはぐらかし、誤魔化す記事ばかりである。
 どう考えても、これは急激な「信用恐慌循環」の開始だろう。基本的には「循環恐慌の開始」以外の何物でもない。
では。このことの基本的な意味に限定して。しっかりと把握することがすべての基本的な前提だ。

 「長期金利 史上初のマイナスへ」の意味を直感的に考える 2/10 「闇株新聞」氏から

 「長期金利」がマイナスになったと報道されていますが、正確に書くと「長期金利の代表である10年国債利回り」が本日(2月9日)、一時マイナス0.035%と史上初めてマイナスになりました。

 また残存年数1~6年の国債利回りは全てマイナス0.25%あたりに並んでいます。さらに本日の日経平均は918円安の16085円、円相場は昼頃に一時1ドル=114.20円まで円高となりました。

 この10年国債利回りがマイナスとなった意味を考えてみます。報道は政治家や評論家の「わかったような解説」ばかりなので、逆にごく直感的に解説します。

 まず日本の国債は元本リスクがなく現金と同等と考えられます。そもそも国債は日本政府の負債であり、現金は日銀の負債であるため、同じようなものです。

 それでは10年国債とは「現金を10年間運用するもの」で、10年国債の利回りとは「現金を10年間、元本リスクがないと思われる運用をして得られる利息あるいは利益」の年率換算であるはずです。

 つまりその10年国債利回りがマイナスになったということは、日本では現金を10年間「元本リスクがないと思われる方法」で運用すると、少なくとも何の利息も利益も得られないことになります。

 じゃあ「元本リスクがある運用」をすれば利息あるいは利益が得られるのか?と言われれば確かにその通りですが、10年後にその元本が無事に返ってくるか?と言われれば「ラッキーだったら返ってくるかもしれないね」となります。
 
 日本では極端なリスクを取らない限り現金を10年間運用して(少なくとも)プラスの利息や利益が得られず、要するに儲かるビジネスがなく、日本経済の向こう10年間は「プラス成長にならない」と、市場が漠然と認識していることになります。

 本日の5年国債利回りはマイナス0.25%なので、日本では現金を向こう5年間運用すると「ほぼ間違いなく損をする」ことになり、向こう5年間の日本経済は「ほぼ間違いなくマイナス成長である」と、市場が漠然と認識していることになります。

 10年国債利回りの方が高い(マイナス幅が少ない)理由は、5年だと「ほぼ間違いなく損をする」けど10年だと「ひょっとするとトントン近くになるかもしれない」という漠然とした希望があるからだけです。本日の20年国債利回りが0.7%である理由も同じです。

 つまり日本経済が縮んでいることを国債市場が「漠然と認識しはじめた」ことになり、したがって日経平均も急落し、現金(円)の価値が大きくなるため為替市場でも円高になっていると考えるべきです。

 国債利回りの低下は「異次元」量的緩和を続けているからではないか?

 日本経済が成長していれば現金への需要(以下「資金需要」)があるはずで、「異次元」量的緩和で国債利回りが低下すると、どこかで資金需要が出てきて利回りの低下が止まるはずです。それがマイナス利回りまで低下してしまったということは、資金需要がどこにもなく、収益がプラスになる投資(ビジネス)もどこにもなく、日本経済は全く成長していないことになります。

 日銀が1月29日にマイナス金利導入を決めたので、国債利回りがマイナスになってもおかしくないだろう?

 1月29日のマイナス金利導入とは、日銀当座預金のうち10兆円だけに(たぶんずっと10兆円くらい)マイナス金利を適用するだけの「とんでもない誇大発表」だったのですが、それで1000兆円もある国債利回りが劇的に低下して、その8割もの国債の利回りをマイナスにしてしまいました。

 日本経済が(予想だけでも)成長して資金需要があるなら、ここまで極端なことにはなりません。そしてこのマイナス金利導入こそ、日本経済が縮んでいることが改めて認識される「きっかけ」になったはずです。

 マイナス金利導入から10日ほどで、急激に日本経済が縮んだわけではないだろう?

 国債利回りは急に下落したわけではないため日本経済は以前から縮んでいたはずですが、マイナス金利導入でその認識が急激に大きくなり、それがさらに国債利回りを低下させ、それがさらに市場心理を悪化させ日本経済が加速して縮む「負のスパイラル」に入ったと考えます。

 そういう漠然とした認識が、株安と円高を加速させることにもなります。

 これがマイナスになった10年国債利回り、より正確な表現ではマイナス利回りになるまで10年国債利回りの低下が止まらなかった「直感的な」解説です。
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