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もうすぐ北風が強くなる

原発関係の各国記事

いつか見た光景・・「放射能問題なし」宣言、政治家パフォーマンス
2011年03月25日付 Radikal紙(トルコ)

日本の東京都知事は、水道水が放射能に汚染されていないことを示すために、1杯の水を一気飲みした。その光景は1986年のチェルブイリ事故後にチャイを飲んだ当時のジャヒト・アラル産業・通商大臣を思い起こさせた。

石原慎太郎東京都知事は、福島の原子力発電所の放射能漏れで、水道水の放射能の割合が基準値を上回ったとパニックになっている日本国民を安心させようと努めた。そして知事がとった行動は、我々に25年前放射能を浴びたチャイを飲んで議論を巻き起こしたジャヒト・アラル元産業・通商相を想起させた。

1986年のチェルノブイリ事故の後、黒海地域で栽培されていたチャイに高濃度の放射能が観測された。しかし当時の産業・通商大臣だったジャヒト・アラル氏は、処分が必要とされたチャイが有害でないことを証明するために、生放送でチャイを飲んだ。大臣は、「もうチャイは安心して飲むことができます。そもそも放射能は沸騰すればなくなるのです。一日20杯までチャイは安全です!」と語った。

当時の首相、トゥルグト・オザル氏は「放射活性化されたチャイはより美味です」と語り、メディアにポーズをとる一方、当時の大統領ケナン・エヴレン氏は、「放射能は骨に良い影響を与える」という表現を使い、アラル氏を擁護したものだった。
(翻訳者:杉田直子)
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仏原子力安全機関総裁が議会で発言
*リベラシオン紙(フランス) 3月30日:

「もう誰も私たちが原子力の安全に関して厳しすぎる要求をしていると非難することはないでしょう」仏原子力安全機関総裁のアンドレ・クロード・ラコステは率直にこう語った。

外国でのアレバ(仏原子力産業複合企業)の契約不成立あるいはビュールに建設予定の地下貯蔵庫費用に関するフランス電力と国立核廃棄物処理機関の対立に際して、原子力安全機関は「厳しすぎる」と責められていた。安全を求め過ぎると。注意をし過ぎると。しかし、福島の事故が起こって以来「私たちはもう同じ世界にいないのです」とラコステ氏は言った。

原子力安全機関が議員たちを前に報告した議会の地下の部屋には、昨日重い空気が流れていた。かなり前から予定されていたこの日の議題は「フランスにおける原子力の安全性と放射能防護の状況」についての2010年の報告を発表することだった。

その機会に、議長は本題に続いて福島原発の状況について質疑応答をすることを告げた。それは、通常メディアが関心を示さないこの会合に今回は多くの議員やジャーナリストが殺到していたからである。

「原子力安全機関の非常に高い要求」から見て「安全性の状況」が「満足のいくもの」であると聞いて議員たちは納得しているはずとラコステ氏は言った。しかし問題もある。例えば、原発の「放浪者」や原発施設の安全性についての下請け業者の影響(アレバはラ・アーグで使用済み燃料用プールの冷却システムの下請け業者について組合と紛争中)。

しかし彼らは心配しているのである。ジャン・マリー・ボケル議員はフェセネーム原発がどのように地震の危険について考慮されているのか訊ねる。リヨネル・タルディ議員は「原発安全性の世界的な調整」そして危険がある時の「介入の権利」にまで言及する。他の議員たちは古い原発の安全性が確保されているのか質問した。原子力安全機関は、新型原子炉の安全性がレベルに達しない限りフランスに建設する許可は出せないことを繰り返し述べた。

多くの質問を受け、アンドレ・クロード・ラコステ総裁は明解に答えた。最大の地震にもフェセネームは耐えうる。「今日、誰が平穏な確信で身を包むことができるでしょうか」原子力安全機関が日本で起こったことを理解し「自然界の危険の重なり」の研究に取り組むことを強調しつつ、こう語った。

日本での危機は「単なる原子力問題を超えること」だと彼は言う。議員たちと同じように「情報が足りないこと」を認める。3つの原子炉の炉心の正確な状態を「日本人でさえ知らない」のである。溶解した部分があるのは明らかだが、圧力容器の底にコリウムができているのか、あるいは容器に穴があるのか、脆い点から漏れがあるのか等、はっきりしない。これは日本人にとってもだ。

彼の分析では早い解決は望めない。「冷たい水源を確保し真水を使っての永続的で確実な冷却方法を持たない限り、この状態から脱することはできないでしょう」と彼は説明する。それはいつ?「数週間、1ヶ月」と彼は言った。
(KS)
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東日本大震災、家族を案じるスイスの日本人 スイス放送

「大変な事態だからスイスに来たら」と言うのに、日本の家族は来ると言わない上、危機感も少ない。情報量の違いなのか、遠くにいるためこっちの方がパニックに陥っているのか、それとも文化の違いなのか。

こうした問いを抱えつつ、福島原発の事態が日々悪化する中、家族を案じ続けるスイス在住の日本人。東京都と神奈川県に家族を持ちヌーシャテル、ベルン、シュヴィーツ州に住む3人の女性に話を聞いた。

  日本とのギャップ
 「安定ヨウ素剤を送ったけれど、家族はこれ何って感じ。全然危機感がない。結局、自分の気休めに過ぎなかった」と話すのは、ヌーシャテル州在住の中村道子さん ( 仮名、50歳 ) 。福島原発と同じ型のスイスのミューレベルク ( Mühleberg ) 原発近くに住む友人は、5年に1度新しい安定ヨウ素剤を軍から受け取る。その友人に勧められた。

 この危機感のなさは、一つには情報不足のせいだと思う。東京でケアマネージャーをしている妹は「計画停電でヘルパーさんたちが高齢者の世話に神経をとがらせ、夜中でも電話してくる。疲れていてニュースを観る暇もない」と言う。

 中村さんはスイスで日本の情報を見ていて
 「実際日本政府は、問題はないと今の状況を発表はするが将来の最悪のシナリオは何か、それにどう対処すればよいのかといったことは一切発表しない」
 と不満を漏らす。

 ダンス教師として働く、ベルンのヴィッガー斉藤靖子さん ( 40代 ) も日本とのギャップを感じた。
 「東京の友人に放射能が怖いからマスクをして雨に当たらないようにしてと注意すると、今余震があってそれどころではない。遠いから分からないでしょうと逆に突っぱねられた」
 と言う。

 スイスでは津波直後から、冷却装置が機能しなければ原子炉の溶融は必然と警告し、最悪のシナリオも早々と発表された。こうした報道とのギャップがあってのことだろうか?
 「それは確かにある。でも、日本でも東京の理系の友だちは何が起こっているのか理解していて、政府の言うことは信じられないと言っていたし、ある大学の教授は大阪に逃げて行った。つまり知っている人は知っている」
 と話す。

  「わたしの方が受け入れ側」と母 
 ヴィッガーさんは両親にスイスに来るよう伝えたが、来たいという感じではないと言う。父は79歳だが専門学校で生物学を教えていて、母は78歳だが近くの味の素スタジアムにいる福島からの避難民の援助にボランティアで行っている。

 「今はわたしの方が受け入れ側で忙しい。スイスに逃げるどころではない」それに、「ここまで生きてきて楽しんだからいい。被災者の人に比べると贅沢なほうだ」と母は言っているとヴィッガーさん。

 シュヴィーツ州在のシュミット和加乃さん( 42歳 ) は神奈川県に両親がいる。
  「夫が母だけでも呼び寄せたらと言ってくれた。でも母が日本を離れるとは思わない。電話で話をしていてそれを感じる」
  と言う。

 さらに、こう続ける。
 「母は、たとえ放射能を浴びて病気になったとしても、地元の人と互いにいたわりあって最期を日本で迎えるのだと思うし、わたしもそれでいいと思う。もし誰か呼び寄せるのだったら、20代の若い親戚を預かろうということになっている」

  スイス人の温かい反応
スイス人の温かい反応には深く心を打たれたと3人は口を揃える。
 「スイス人は日本人と似ていて、初めはそっとしておいてくれ、5日位たってから何人もの人が声を掛け、家族がスイスに来るなら家に泊ってくれと言ってくれた。この反応はうれしかった」
 とヴィッガーさん。

 「近所の人が、家族の安否を案じて声をかけてくれた。問題がないと分かると安堵し自分のことのように喜んでくれた」
 とシュミットさん。

 化粧品会社に勤める中村さんは、家族を呼び寄せたいというと旅行担当の男性が直ぐ5人分の切符を手配してくれ、そんなに親しくないのに自分の家でも泊まれると言ってくれた。
  「でも結局、甥と姪の2人だけが来て、しかも学校が始まるので2週間後に日本に帰ると言うと、最低4カ月は滞在する『原発難民』だと思っていたらしく、がっかりしていた」
 と話す。

  日本人の穏やかさとメッセージ
 スイス人はみんな、映像で見た日本人の穏やかさに、「こんな混乱のときにあの平静さは何なのか。素晴らしい国民だ」と感動した。
  「初めは、国の指示にただ従うだけの国民だと半分ばかにしてこう言っているのではないかと疑ったが、本当に感嘆しているので、かえってびっくりした」
 と中村さん。

  「でも自分としては歯がゆい。不愉快なときはもっと発散させたほうがいい。悲しいならそれを表現してほしい。また怒りも、情報がないとか、もっと表に出すべきでは」
 と続ける。
 
 ヴィッガーさんは、停電で真っ暗なコンビニで、きちんと並びレジでお金を払っている日本人の映像を観たとき「無法地帯にならない日本」に感動。そして
 「日本は世界に凄いメッセージを送ることになる。長崎、広島に次いで、この被害。しかも冷静なので説得力がある。メッセージとは原発を捨て再生可能エネルギーで成り立つ、バランスの取れた国に生まれ変わること。これを悲劇に終わらせず、180度転換して再出発してほしい」
 と願う。

  そして自分なりの行動に
 ヴィッガーさんは、3月11日以来深く落ち込んでいた。「遠くにいて何もできない無力感は人を疲れさせる。大病人に付き添っている感じ」

 しかし、物事にすべて意味があるとしたら、今すぐにでも日本に帰りたい自分がここにとどまっていることにも何かの意味があると思えた。そのとき窓の外で鳥が鳴き、この平和さと日本とのギャップが整理できない自分もいた。そこで、
 「体を動かして、空っぽになりたい。それをほかの人と共有したら何かよい考えを思いつくかも知れない。それにここの日本人が病気になってはならない」
 と思い立った。

 4月4日には、体を動かしみんなでリフレッシュするワークショップをベルンのダンス教室で開催し、被災者のための募金も募る。


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