コレステロールと食事は関係なし(今になってやっと)
2015-05-24

コレステロール値:「食事で変わらず」動脈硬化学会が声明 5/2 毎日
取りすぎると動脈硬化などを招くとして悪者扱いされてきたコレステロールについて、日本動脈硬化学会(佐藤靖史理事長)は1日、「食事で体内のコレステロール値は大きく変わらない」との声明を発表した。
厚生労働省も今年、5年ぶりに改定された「食事摂取基準」で、コレステロールの基準を撤廃しており、これを容認した形だ。
動脈硬化予防には食事だけでなく、生活習慣や運動など包括的な対策が大切だとしている。
コレステロールは脂質の一種で、食べ物からのほか肝臓でも作られる。
動脈硬化学会は血中の「悪玉」のコレステロールが高いと心筋梗塞(こうそく)を起こしやすいとして警告する一方、日本脂質栄養学会は「数値が高い人はむしろ長生き」と主張し、論争が続いていた。
厚労省はこれまで、18歳以上の男性は1日当たり750ミリグラム未満、女性は600ミリグラム未満の摂取基準値を設けていた。
しかし5年おきに改定する「食事摂取基準」の2015年版で、科学的根拠が得られなかったとして基準を撤廃。
卵の摂取量と心筋梗塞の発症リスクとの関連を調べた日本人約10万人の研究で「関連なし」との結果が出たことなどを例示し「食事からのコレステロールは一部に過ぎず、食事から多く取れば、体内で作る量を減らすなどの調整する仕組みがある」と解説した。
米農務省も「コレステロールは過剰摂取を懸念すべき栄養素ではない」として、摂取量を1日300ミリグラム未満に抑えていた食事指針を今年見直す方向だ。
こうした中、動脈硬化学会は1日の声明で「食べるのを制限しても血中の値が低下する人と、しにくい人がいて、個人差が大きい」と基準の撤廃に賛同した。
悪玉コレステロールの値が高い人はコレステロールの摂取制限が推奨されるとする一方、食事や運動、生活習慣を全体的に改善することが必要とした。
食事についても脂質だけを減らすのではなく「食物繊維を多く含む大豆製品や海藻、野菜類を増やすことが大切」と訴えた。
生活習慣病に詳しいたちかわ総合健診センター(新潟県長岡市)の小田栄司センター長は「BMI(体格指数)が30を超える肥満の人は食事制限が心臓病予防に効果的だが、悪玉コレステロールが高くない人は、食事よりも運動の方が効果がある。指針などで一律に定めるのではなく、個々の状態に応じて考えることが大切だ」と話している。
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コレステロール・ショック 5/24 武田邦彦
動脈硬化学会と厚労省が「コレステロールと食事は関係がない」と発表したのは、日本国民の健康にものすごい影響のある、巨大な事件です。
国民の多く、特に年配者では「コレステロールは注意しなければならない。油っぽいものを食べてはいけない」と思っている人も多いし、「脂肪の少ない料理」が「ヘルシー」と呼ばれています。
エッ!一体、なに?? 本当?!とビックリするようなことですが、テレビも新聞もさっぱり報道したり、特集番組をする気配はありません。
これまで50年間にわたり、ウソをついてきたのですから、自分たちの体面を考えて、金縛りにあっています。
でも健康は国民のものですから、マスコミはいっこくも早く報道して、これまでのことを訂正しなければならないのですが、さすがにこれほどのウソが長く続いたものは訂正が難しいでしょうから、このブログで少し詳しく解説します。
もともと「コレステロールは危険だ」という話自体があやふやだったのです。その理由は、
1) 戦争前の医療では医師は病気に対して「故障を直す」といういわば修理工だった。
2) 健康に悪いものを病気になる前に注意するという「健康医療」はほとんど知られていなかった。その前段階の「予防医学」が少しあったぐらい。
3) 最初のデータは誰が見ても杜撰なウサギのデータと、極端にコレステロールが多い北ヨーロッパの患者のデータだった。
4) もともと日本食には「油」というのはそれほど多くなく、特に庶民のおかずは「焼き魚、煮物、おひたし、味噌汁」の時代だった。
ところが「肉や卵からコレステロール」という「耳慣れないが覚えやすい」言葉が受けて、「俺はコレステロールというものを知っているんだぞ。偉いだろう」ということで一種のはやりになったのです。
それは1950年代の終わり頃で、朝鮮戦争が終わり、平均寿命は男65,女70で、今より15年ほど若くして死んでいた時代ですから、雰囲気もかなり違い、また、そろそろ多くの人が健康というものにも注意を払い出した時期にも重なっていたのです。
つまり、戦争が終わって命や健康に興味がわき、食事が欧米化していくなかで、「肉や卵は危険だ、注意する必要がある」と言うことになったのですから、飛びつくのも無理はなかったのです。
私も今、当時の我が家に「コレステロール」という会話が入ってきた時を想い出すことすらできます。
もちろん、医師や栄養専門家の方にも問題がありました。
それまで病気の治療というのが主務で、病気を未然に防ぐなどという研究も初歩、経験も無かった時代ですから、少しは謙虚でなければならなかったのですが、傲慢で断定的でした。
でも、最初の失敗は良いとして、今から30年ほど前、1980年代になるとコレステロールが危険だというのはおかしいという研究が出始めていました。
でも、それをつぶしたのも、医師であり、マスコミでした。
それまであまりに一方方向の報道だけが行われていたので、「食品と体内コレステロールは違う」というような意見は「変人」と見なされて、テレビにはでず、「皆と違う」ということで無視されたのです。
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※ 高血圧と塩分摂取の関係もそうだが、コレステロールと食事摂取の関係も20数年前から異論が出ていた。
権威主義の学会とマスコミのおかげで、国民の認識は10年は遅れてしまった。
実際にはまだまだ知らない国民はまだしも医師さえいることだろう。
似非サプリメント業界などは、無知につけこんでそのまま変わらないだろう。
コレステロールの多い食品は肉、動物脂肪、乳製品、鶏卵、魚卵、イカタコ貝類などがある。玉子は一日一個までにしましょうなどというのがそれだ。
健康な人は何も気にすることはない、いくら食べても良い。健康な身体が調節している。
どだい、身体は食べたものが直接反映するような機械のようなものではないのだ。
適度の運動と十分な睡眠、普通にバランスのとれた食事で保っている「健康な」身体は風邪が自動的に治るように、様々な血液成分も自動調節している(コレステロールの場合80%が肝臓で自動。)。
コレステロール血症と診断された人は、ある程度は用心が必要だ。
いままで、長年にわたっての普通の食事バランスでなかったための「肥満」。これを治すことだ。
もちろんコレステロール食品を多く食べ過ぎないこと。
もうひとつは体内でコレステロールに転換されやすい(飽和脂肪酸)クリーム、卵黄、チョコレートなどの洋菓子、ポテトチップやフライドポテト、動物脂肪などを控えめにすることだ(肥満との関係もあるので私としては一切止めようと言いたい。菓子、ジュースすべてだ。)。
そして、適度の運動と十分な睡眠、普通にバランスのとれた食事で「健康な身体」を取り戻すことだ。
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