政府は民意に従え、辺野古新基地建設を断念せよ
2015-05-10

知事「新基地は絶対反対」 防衛相と初会談 自己決定権尊重求める 5/10 琉球新報
翁長雄志知事は9日、県庁で中谷元・防衛相と会談し、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設計画に関し「辺野古に基地を建設するのは不可能であり、県として絶対に反対していきたい」と強く断念を求めた。
さらに翁長知事は「辺野古が唯一の選択肢」とする政府の姿勢を疑問視し「沖縄があえぎ、苦しみ、自己決定権を強く主張するゆえんだ」と述べ、沖縄の自己決定権を尊重するよう閣僚に初めて求めた。
一方で中谷防衛相は「辺野古移設が唯一の解決策であると確信している」と述べ、移設を推進する考えを示した。
翁長知事が就任後、中谷防衛相と会談するのは初めて。
会談は約40分間行われ、冒頭の約20分間が公開された。
翁長氏は「かたくなな固定観念から脱して辺野古への建設工事中止を決断し、私たちとの話し合いを継続してほしい強調文」と求めた。
県が岩礁破砕許可に関する米軍の臨時制限区域内での調査を求めていることについて、翁長氏は「許可依頼に適切に対応してほしい」と調査協力を求めた。
米軍による事件・事故への対応に関し「事件が起きたら沖縄防衛局長ら職員が県や市町村に出向いて説明し、私たちの意見も聞いてもらいたい」と述べ、防衛局が地元へ足を運んで説明することを要請した。
中谷氏が3月の記者会見で知事との会談について「対立が深くなるとしたら会っても意味がない。もう少し沖縄県や日本の安全保障などの点を踏まえて考えてほしい」と述べていたことに関し、翁長氏は「高飛車な発言に聞こえる。『県民に寄り添ってご理解いただけるよう努力したい』との政府方針とはほど遠く、会えなかったことがさらに政府と沖縄の溝を深くした」と批判した。
さらに翁長氏は2013年に来県した参院予算委の自民党議員の発言を引用し「『本土が嫌だと言っているのだから沖縄が受けるのは当たり前だ』と発言していたことに絶望感を覚えた」と述べ、県外の無理解が沖縄の過重負担につながっていることを指摘した。
国が確約した普天間飛行場の5年以内運用停止の定義について中谷氏が「飛行機が飛ばないこと」と説明していた定義を撤回したことに関し、翁長氏は「普天間飛行場の5年以内運用停止は前知事の埋め立て承認の大きな柱であり、空手形にならないよう対応してほしい」と求めた。
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<社説>知事・中谷会談 辺野古断念こそ解決策 5/10 琉球新報
傷が付いて同じ音を繰り返すレコードのようだ。
「辺野古移設が唯一の解決策」。
菅義偉官房長官、安倍晋三首相が相次いで会談して翁長雄志知事に発したせりふだ。
9日、知事と会談した中谷元・防衛相も「どう考えても」と前置きして同じせりふを使った。
政治とは意見や利害の対立を調整する場であるはずだ。
「唯一」という言葉を使って思考停止する態度は「政治の堕落」でしかない。
会談の中で知事は、2年前に来県した参院予算委員会の自民党議員の発言を披露した。「本土が嫌だと言っているのだから、沖縄が受けるのは当たり前だろう。不毛な議論はやめよう」という内容だ。
この発言は中谷氏自身に突き付けたとも受け取れる。
中谷氏は昨年「沖縄の基地を分散しようと思えば九州でも分散できるが、抵抗が大きくてできない」「理解してくれる自治体があれば移転できるが『米軍反対』という所が多くて進まないことが、沖縄に(基地が)集中している現実だ」などと語っているからだ。
知事は、沖縄以外の反対意見には耳を傾けるが、沖縄の声にはまったく聞く耳を持たない「構造的差別」を批判しているのだ。
さらに中谷氏が知事となかなか会おうとせず「今話し合っても溝が深くなるだけ」という発言をしたことに「高飛車」だと批判した。
中谷氏は知事と会談する前に、名護市辺野古周辺の辺野古、豊原、久志の3区長と会談している。
条件付き移設容認の区長らと秘密裏に面談したことは、民意の分断を狙ったとみられても仕方ない。
知事は中谷氏に沖縄の民意について説明し「辺野古に基地を建設するのは不可能」「絶対に反対」と明言した。
だが、会談後に中谷氏は移設作業について記者団に「手続きに従い実施していきたい」と述べ、夏から埋め立て工事に着手する方針を重ねて示した。
沖縄の民意に寄り添わないなら、一体何のために来県したのだろう。
安倍政権は、かたくなな固定観念から脱して辺野古への新基地建設を断念すべきだ。
日本政府が自由と民主主義、人権という価値を共有するなら、当然の帰結である。
自己決定権の行使を求める沖縄の主張を封じることは、国連の自由権規約第1条違反であり、国際的にも認められない。
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