武田:これからの福島原発と被曝
2011-03-30
原発 緊急情報(41) これからの福島原発と被曝
政府発表やマスメディアの報道は「すでに起こったこと」に限定されているので、それでは不安です。
そこで、このブログでは「多くの人が生活の中で判断しなければならないことをお父さんの代わりに言う」というスタンスで来ました。お父さんとは「家族を守る、やや慎重、将来も見る、生活もある、絶対に間違ってはいけないということではなく、大胆に」という意味です.
今も「将来」に心配されている方が多いので、少しまとめもかねて整理をしておきます
またこのブログでは常に「近い将来」を考えて書いていましたから、その点は大丈夫です.
・・・・・・
福島原発事故直後は、大変に危険な状態でした。というのは、東電は「放射線を外に出したら大変だ」ということで、原子炉の圧力が上がっていたからです.
この時期、私は、「今の状態の25倍まである」と書いていました。これはNHKが「大量の放射線が漏れる可能性がある」と報道していたので、その「大量の」というのがどのぐらいか、私の判断で25倍としました。
でも、13日の週の中盤になると、放射線が一気に漏れたので、東電はある意味で気楽になったので、事故処理が正常にできるようになったのです。
そこで、私は危険度を「今の2倍まである、またプルトニウムが関係すると2.5倍」と絞り込んだのです.
それから後は、原発の状態より「いかにして被曝をさけるか」とか「どの地域が危ないか」に中心を移していきました。すでに、風の方向では危険な状態に入りつつあったのです。いわば「第2段階」でした。
・・・・・・
このときに、政府やメディアは「地域の放射線量」を発表していましたが、すでに汚染されているところは「放射線をもった粒子」が飛んでいるのですから、川や地面にも落下しているので、水道や野菜の汚染は予想されていました。
また、ウシも人間も呼吸しますから体内被曝があり、牛乳やお乳が汚染されてきます(母乳の危険性は福島東部に限定されると思いますが、データがまったく提供されません)。
これが第3段階でした。
・・・・・・
そして、少し前から第4段階・・・つまり、原発を見直すことができるようになると、原発の中の異常な放射線や、プルトニウムの問題が浮上します.それが現在です.
この時期は、やがて放射線が落ち着くまで、「頑張る」という時期です.つまり、最初の時期に放射線が高いので、その時期に、いやがる子供にマスクをさせたり、できるだけ外国か3月11日以前の食材を買い求めるなどの工夫をする時期で、お母さんのがんばり時なのです.
放射線の汚染は「最初からの合計」ですから、最初の時期に何とか凌いでおけば、健康にも良いし、後で行動が自由になるからです.
政府やメディアは「もっとも汚染をあびない方が良い時期」に「安全だ」を繰り返したので、「直ちに健康に」という呼びかけはまったく、まずいと思います.
・・・・・・
そしてやがて第5段階に入ります(これから)。
普通に「お父さん」として考えると、万が一には原発が爆発することもありますが、その可能性が低いので、そうなったら必死になって風上に逃げるしかありません。今、それを考える時期ではないと思いますが、風の向きなどを見ておいて、どちらに行けばよいかを考えておく必要があります。
今のところ、福島原発の汚染は「福島市方向」と「いわき市方向」に限定されています.
ただ、原発の中は作業するには放射線が強いので、遅々として進まないでしょう. ですから、まずは事故から1ヶ月(4月中旬)までを目処として、「いざと言うときの対策」、「これからの事」を考える小康状態であると思っています.
もし、経済的に、もしくは親戚などの関係で福島とその近県にお住まいの方で、特にお子さんはなんとか遠くにいて欲しいし、もしどうしても離れられない場合は、できるだけ被曝しないように注意してもらうということです。
東京は小康状態ですから、今、色々な準備をするチャンスと思います.
・・・・・・
4月中旬になると、原発の作業は難航しても、徐々におさまり、土壌や海などの汚染が注目されるようになると思います。今のところ心配のないプルトニウム漏れの測定も進むでしょう。また継続してヨウ素がでなければ、半減期の関係で甲状腺の疾病の可能性が減ってきます.
しかし、原発からの放射性物質は半減期30年のものが多いので、なかなか線量が下がらなくなります.今、メディアで「徐々に下がっている」というのは当然で、初期の低下ですから、これは計算済みです.
福島の人の被曝は長期間になります。また土壌が汚れるので、作物は作れないと思います(残念ですが、仕方がありません)。海からの魚から放射線が検出されるようになり、生活は広い注意がいるようになります。
つまり、一部分の汚染が、次第に薄くなり、拡がるという時期に入ります.
このときに、それまで注意をしていた人は「被曝した総量」が少ないので、やや行動に自由がでるでしょう。
・・・・・・・・・
福島原発がどうなるかはあまり今のところ関係がありません。むしろ、近々、取り上げますが、他の原発の方が危険です. そちらの方にも関心が向くと思います.
できれば早い段階で専門家が、これまでの理性を取り戻して「規制で危険となっている数値は危険」という時期がこればと願っています.
(平成23年3月29日 午前11時 執筆)
原発 緊急情報(39) 有用なデータが提供されました
「できれば待避した方が良い」と言われても、生活もあり、学校もあり、なかなか思うようにならない人が多いと思います.
そこで、私の大学(中部大学)の卒業生がとても有用なデータをメールで提供してくれました。
・・・結論・・・
1) 被曝を防ぐには「花粉」、「黄砂」を防ぐのと同じ、
2) 「蔭」を作り「表」を避ける事、
3) 「家の中」はあまり防護にならない、
4) マスク、衣服を丁寧に拭くなど「花粉を飛ばさない」のと同じ、
です。放射性物質は目に見えませんが、「花粉と黄砂」の経験を活かしましょう。
・・・・・・データ・・・・・・
私にデータを提供してくれた中部大学の卒業生は車で茨城県北部の友人のところに3月26日に行き、手元の測定器で放射線(ガンマ線)を測定してくれました。そのデータです.
彼は工学部出身なので、現実にメールでいただいた記録は、測定器のメーカーなど詳細に渡っていますが、要部をご紹介します.(すべて1時間あたりのマイクロシーベルト)
① 埼玉-茨城県北部(高速) 0.2
② 茨城県北部-いわき市(高速) 1~2
③ いわき市一般国道 2~3
④ いわき市友人宅 3~4
⑤ 常磐道トンネル内 0.2
・・・・・・解釈・・・・・・・・
1) 埼玉からいわき市まで福島原発に近づくと確実に値が上がってくる(特に福島原発の南には風が吹いているから。(教訓)近づかない)
2) トンネルの中は「蔭」になるので放射性物質の粒子も入りにくい(教訓:蔭を作る)
3) 家の中は防護にならない(換気をするから)
と言うことになります。また、一般国道より高速道路の方がわずかに少なく、これが意味があるかどうかは判りませんが、「低いところに放射性物質がたまりがち」であり「埃が舞い上がるところは放射性物質が多い」のも、花粉や黄砂と同じですので、有意差があるかも知れません。
放射性物質は目に見えませんが、花粉や黄砂は私たちが経験があるので、それを思い出して少しでも放射線をあびないようにできます。
子供の屋外での体操、野球やサッカーの練習はしばらく控えた方が良いでしょう。
「直ちに健康に影響はない」という政府の発表は「子供が屋外でスポーツをして良い」と言っている訳ではないからです.
(平成23年3月29日 午後9時 執筆)
政府発表やマスメディアの報道は「すでに起こったこと」に限定されているので、それでは不安です。
そこで、このブログでは「多くの人が生活の中で判断しなければならないことをお父さんの代わりに言う」というスタンスで来ました。お父さんとは「家族を守る、やや慎重、将来も見る、生活もある、絶対に間違ってはいけないということではなく、大胆に」という意味です.
今も「将来」に心配されている方が多いので、少しまとめもかねて整理をしておきます
またこのブログでは常に「近い将来」を考えて書いていましたから、その点は大丈夫です.
・・・・・・
福島原発事故直後は、大変に危険な状態でした。というのは、東電は「放射線を外に出したら大変だ」ということで、原子炉の圧力が上がっていたからです.
この時期、私は、「今の状態の25倍まである」と書いていました。これはNHKが「大量の放射線が漏れる可能性がある」と報道していたので、その「大量の」というのがどのぐらいか、私の判断で25倍としました。
でも、13日の週の中盤になると、放射線が一気に漏れたので、東電はある意味で気楽になったので、事故処理が正常にできるようになったのです。
そこで、私は危険度を「今の2倍まである、またプルトニウムが関係すると2.5倍」と絞り込んだのです.
それから後は、原発の状態より「いかにして被曝をさけるか」とか「どの地域が危ないか」に中心を移していきました。すでに、風の方向では危険な状態に入りつつあったのです。いわば「第2段階」でした。
・・・・・・
このときに、政府やメディアは「地域の放射線量」を発表していましたが、すでに汚染されているところは「放射線をもった粒子」が飛んでいるのですから、川や地面にも落下しているので、水道や野菜の汚染は予想されていました。
また、ウシも人間も呼吸しますから体内被曝があり、牛乳やお乳が汚染されてきます(母乳の危険性は福島東部に限定されると思いますが、データがまったく提供されません)。
これが第3段階でした。
・・・・・・
そして、少し前から第4段階・・・つまり、原発を見直すことができるようになると、原発の中の異常な放射線や、プルトニウムの問題が浮上します.それが現在です.
この時期は、やがて放射線が落ち着くまで、「頑張る」という時期です.つまり、最初の時期に放射線が高いので、その時期に、いやがる子供にマスクをさせたり、できるだけ外国か3月11日以前の食材を買い求めるなどの工夫をする時期で、お母さんのがんばり時なのです.
放射線の汚染は「最初からの合計」ですから、最初の時期に何とか凌いでおけば、健康にも良いし、後で行動が自由になるからです.
政府やメディアは「もっとも汚染をあびない方が良い時期」に「安全だ」を繰り返したので、「直ちに健康に」という呼びかけはまったく、まずいと思います.
・・・・・・
そしてやがて第5段階に入ります(これから)。
普通に「お父さん」として考えると、万が一には原発が爆発することもありますが、その可能性が低いので、そうなったら必死になって風上に逃げるしかありません。今、それを考える時期ではないと思いますが、風の向きなどを見ておいて、どちらに行けばよいかを考えておく必要があります。
今のところ、福島原発の汚染は「福島市方向」と「いわき市方向」に限定されています.
ただ、原発の中は作業するには放射線が強いので、遅々として進まないでしょう. ですから、まずは事故から1ヶ月(4月中旬)までを目処として、「いざと言うときの対策」、「これからの事」を考える小康状態であると思っています.
もし、経済的に、もしくは親戚などの関係で福島とその近県にお住まいの方で、特にお子さんはなんとか遠くにいて欲しいし、もしどうしても離れられない場合は、できるだけ被曝しないように注意してもらうということです。
東京は小康状態ですから、今、色々な準備をするチャンスと思います.
・・・・・・
4月中旬になると、原発の作業は難航しても、徐々におさまり、土壌や海などの汚染が注目されるようになると思います。今のところ心配のないプルトニウム漏れの測定も進むでしょう。また継続してヨウ素がでなければ、半減期の関係で甲状腺の疾病の可能性が減ってきます.
しかし、原発からの放射性物質は半減期30年のものが多いので、なかなか線量が下がらなくなります.今、メディアで「徐々に下がっている」というのは当然で、初期の低下ですから、これは計算済みです.
福島の人の被曝は長期間になります。また土壌が汚れるので、作物は作れないと思います(残念ですが、仕方がありません)。海からの魚から放射線が検出されるようになり、生活は広い注意がいるようになります。
つまり、一部分の汚染が、次第に薄くなり、拡がるという時期に入ります.
このときに、それまで注意をしていた人は「被曝した総量」が少ないので、やや行動に自由がでるでしょう。
・・・・・・・・・
福島原発がどうなるかはあまり今のところ関係がありません。むしろ、近々、取り上げますが、他の原発の方が危険です. そちらの方にも関心が向くと思います.
できれば早い段階で専門家が、これまでの理性を取り戻して「規制で危険となっている数値は危険」という時期がこればと願っています.
(平成23年3月29日 午前11時 執筆)
原発 緊急情報(39) 有用なデータが提供されました
「できれば待避した方が良い」と言われても、生活もあり、学校もあり、なかなか思うようにならない人が多いと思います.
そこで、私の大学(中部大学)の卒業生がとても有用なデータをメールで提供してくれました。
・・・結論・・・
1) 被曝を防ぐには「花粉」、「黄砂」を防ぐのと同じ、
2) 「蔭」を作り「表」を避ける事、
3) 「家の中」はあまり防護にならない、
4) マスク、衣服を丁寧に拭くなど「花粉を飛ばさない」のと同じ、
です。放射性物質は目に見えませんが、「花粉と黄砂」の経験を活かしましょう。
・・・・・・データ・・・・・・
私にデータを提供してくれた中部大学の卒業生は車で茨城県北部の友人のところに3月26日に行き、手元の測定器で放射線(ガンマ線)を測定してくれました。そのデータです.
彼は工学部出身なので、現実にメールでいただいた記録は、測定器のメーカーなど詳細に渡っていますが、要部をご紹介します.(すべて1時間あたりのマイクロシーベルト)
① 埼玉-茨城県北部(高速) 0.2
② 茨城県北部-いわき市(高速) 1~2
③ いわき市一般国道 2~3
④ いわき市友人宅 3~4
⑤ 常磐道トンネル内 0.2
・・・・・・解釈・・・・・・・・
1) 埼玉からいわき市まで福島原発に近づくと確実に値が上がってくる(特に福島原発の南には風が吹いているから。(教訓)近づかない)
2) トンネルの中は「蔭」になるので放射性物質の粒子も入りにくい(教訓:蔭を作る)
3) 家の中は防護にならない(換気をするから)
と言うことになります。また、一般国道より高速道路の方がわずかに少なく、これが意味があるかどうかは判りませんが、「低いところに放射性物質がたまりがち」であり「埃が舞い上がるところは放射性物質が多い」のも、花粉や黄砂と同じですので、有意差があるかも知れません。
放射性物質は目に見えませんが、花粉や黄砂は私たちが経験があるので、それを思い出して少しでも放射線をあびないようにできます。
子供の屋外での体操、野球やサッカーの練習はしばらく控えた方が良いでしょう。
「直ちに健康に影響はない」という政府の発表は「子供が屋外でスポーツをして良い」と言っている訳ではないからです.
(平成23年3月29日 午後9時 執筆)
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コメント
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Re: 子供達の安全
コメントをありがとうございます。
私は自主的に判断するしか無いと思います。
武田邦彦氏の意見がやはり最も参考にできると思います。
私のブログにも載せていますが。
http://takedanet.com/2011/04/post_2f0b.html
私は自主的に判断するしか無いと思います。
武田邦彦氏の意見がやはり最も参考にできると思います。
私のブログにも載せていますが。
http://takedanet.com/2011/04/post_2f0b.html
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