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もうすぐ北風が強くなる

原発事故の廃炉処理は数百年の技術開発が必要

3号機
 3号機の爆発では、プールの使用済み核燃料のほとんどが飛散した。

 東京電力が、人類史上最悪の原発事故をひき起こした福島第一原発。
 既に炉心の核燃料は圧力容器の中にはほとんど無くなっており、薄っぺらい格納容器を溶かして地中深くに落下している。
 政府とマスコミは、何かしら廃炉に向けての作業が進んでいるかのような雰囲気作りに励んでいるが、具体的には4年の間には次々と発生する危機への応急対応をしてきただけだ。
 このブログでも度々言ってきたことだが、地中に落下した炉心の溶融核燃料を回収する方法、技術などは世界に存在しない。
 
 放射能は今、現在も空中に放出され、海洋に垂れ流され地中は再臨界を繰り返し、汚染と被曝の拡大が続いている。
 政府とマスコミは日本人の従順な性質につけ込み、もう過去のことと忘れさせようとしている。
 現実は首都圏のサラリーマンでさえ0.8uSv/H前後の汚染地帯を通勤している。
 二百数十種に昇る放射性物質のうち、セシウム137のみを取り上げても半滅期は30年であり、500BQ/kgに汚染された土地なら30年で250BQ/kg、1%に相当する5BQ/kgになるには300年の年数が必要である。

 一見正常な社会が成り立っているように見えているが、思考力の低下でマニュアルロボット化で何とか保っている社会である。
 何か対策をやっている「ふり」をしている、見かけに騙されてはならない。
  ーーーーーーーーーーーーーーーー
   廃炉に数世紀が必要だとも言われる東電福島第一原発の状況を気にしていない日本人が少なくない   3/31  櫻井ジャーナル

 東電福島第一原発が「過酷事故」を起こしたのは2011年。
 その40年後、つまり2051年までに廃炉させることは、飛躍的な技術の進歩がない限り、不可能かもしれないと同発電所の小野明所長は認めたという。
 イギリスのタイムズ紙は200年という数字を出しているが、数百年はかかるだろうと推測する人は少なくない
 勿論、その間に新たな大地震、台風などによって原発が破壊されてより深刻な事態になることも考えられる。
 これが世界的な見方だが、日本では多くの人が事故のことを忘れているようにしか見えない

 事故を起こしたこの原発は今でも大量の放射性物質を環境中に放出している。
 現在、その大半は汚染水として海へ流れているのだろうが、その汚染水対策を担当しているのが昨年4月に設置された「福島第一廃炉推進カンパニー」で、廃炉も担当している。
 その最高責任者は増田尚宏元福島第二原発所長。小野所長も副責任者として参加している。

 全世界につながっている海を汚染するということは、全世界に影響が及ぶことを意味しているわけで、福島第一原発の状況に関し、国際的には厳しい見方が強まっている。
 今でも環境を汚染し続け、すでに福島では健康への影響が出始めている可能性が高く、太平洋の対岸、アメリカの西海岸でも汚染の兆候が出ていると考えているからだ。

 そうした目もあり、放射能レベルに関する全てのデータを公表すると東電は発表したようだが、事故直後から事故の当事者、つまり政府や東電は情報を隠し、嘘をつき続け、そうした情報操作をマスコミは受け入れ、その一方で事実に迫ろうとする人びとは攻撃されてきた。
 特定秘密保護法も情報を隠蔽する武器になるだろう。

 廃炉作業を勧める上で最大の問題は溶融した燃料がどこに、どのような状態で存在しているかを特定することにあるだろうが、わかったとしても、それを取り出して処分する方法はないようだ。
 燃料以外にも処分しなければならない放射性廃棄物は膨大。
 溶融した燃料は瓦礫を飲み込みながら下へ向かい、地中に入っている可能性もある。
 それを地下水が「冷却」、汚染された水が海へ流れているとなると手の打ちようがない。地下水を止めると別の問題が出てくる。

 事故直後から官僚や東電は汚染水を環境から隔離しようとしていない
 さまざまなアイデアが出されたときも反応は鈍かった。
 事故の前から汚染水は海へ流すと決めていたのだろう。事前に行ったシミュレーションで流すしかないという結論が出ていたのかもしれない。

 既に放出された放射性物質の総量も疑問を持つ人は少なくない。
 チェルノブイリ原発事故の1割程度、後に約17%に相当すると発表されているが、その算出の前提条件に問題があるというのだ。

 格納容器も破損しているので、放射性物質はダイレクトに環境中へ放出されているはずだが、そうした想定はせず、圧力抑制室(トーラス)の水で99%の放射性物質が除去されることになっている。

 しかし、今回は水が沸騰していたとみられ、ほとんどの放射性物質が環境中に漏れ出たと考えるべき状況トーラスへの爆発的な噴出で水が存在していても吹き飛ばされ、除去できないとする指摘もある。

 いずれにしろ圧力容器内の放射性物質がストレートに外部へ出た可能性が高いと言うことであり、原発の元技術者であるアーニー・ガンダーセンは少なくともチェルノブイリ原発事故で漏洩した量の2〜5倍の放射性物質を福島第一原発は放出したと推測している。(アーニー・ガンダーセン著『福島第一原発』集英社新書)

 福島第一原発の事故では別の問題も注目された。
 日本はアメリカ支配層の一部勢力から支援を受け、1980年代から2011年3月11日までに70トンのプルトニウムを蓄積していたとジャーナリストのジョセフ・トレントは主張、平和的宇宙探査計画を高性能核兵器運搬手段を開発するための隠れ蓑にしたという。
 実際、佐藤栄作首相は核兵器の開発に乗り出していたことが判明している。そうした事実をIAEAは見て見ぬ振りをしてきたという。
 IAEAはアメリカの傀儡機関であり、ありえる話だ。

 事故を引き起こしたのは地震だが、その地震が起こる3日前、つまり2011年3月8日付けのインディペンデント紙は石原慎太郎のインタビュー記事を掲載した。
 その中で石原は外交力を核兵器と結びつけている。核兵器で威圧することが外交だというのだ。
 要するにアメリカの猿まね。

 アメリカの情報機関で分析官を務めた人物も日本は核兵器の開発をしていると語っていた。
 そのため、CIAは日本の政府機関にバックドア付きのコンピュータ・システムを買わせ、プルトニウムの動きを監視している可能性が高いと語っていた。
 トレントの記事と矛盾しない。
 福島第一原発と核兵器の開発を結びつけて考える人も世界的に存在、この面に関する情報の公開もする必要がある。
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コメント

『元素転換』とかどうなった?

最近『元素転換』とか『常温核融合系』の技術の話は聴きますね!『重水素浸透劣化ウラン弾』とかもどうなってるのかな?

Re: 『元素転換』とかどうなった?

すべてはアイデアの段階ですよね。
科学的な実証を経なければ、危険なことには適用研究さえできないでしょう。
これらもやはり、仮に正しくてうまく行っても百年くらいは必要でしょうね。

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