すべての海上作業を停止せよ
2015-03-24

知事、辺野古埋め立て作業停止を防衛局に指示 3/24 琉球新報
翁長雄志知事は23日午後、県庁で臨時の記者会見を開き、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けて沖縄防衛局が進めている海底ボーリング調査について、30日までに作業を停止することを指示したと発表した。
その上で指示に従わない場合は「岩礁破砕許可を取り消すことがある」と述べた。
防衛局が海底に設置したコンクリートブロックがサンゴを傷つけていることを受けた措置。
同時に臨時制限区域内でのサンゴ損傷の潜水調査に向け、立ち入りを許可するよう米軍へのあっせんも求めた。
辺野古移設阻止を掲げる翁長知事が政府による海上作業を停止させるため新たに権限を行使した形。
だが政府側はいずれにも応じない姿勢を示しており、知事の許可取り消し判断は必至とみられる。
菅官房長官は23日午後の会見で「この期に及んでこうした措置をすること自体、甚だ遺憾だ」と不快感を示し、「現時点で作業を中止することは認められない」と重ねて強調した。
県はサンゴ損傷の発覚を受けて2月16日、県が出した岩礁破砕許可の区域外でのブロック設置の停止を求めている。
今回は「許可区域を含め、海底面の現状を変更する行為の全ての停止」を要求し、許可区域内を含むボーリング調査などの作業停止を指示。
停止指示に関し「1週間以内」と、30日までの対応を求めた。
会見で翁長知事は2月に行った許可区域外からの潜水調査結果などから、サンゴ損傷について「許可を得ずに岩礁破砕行為がなされた蓋然(がいぜん)性が高いと思量される」と述べた。
県は、作業停止指示に対する対応だけでなく、県が求める臨時制限区域内での調査が完了できない場合にも、許可を取り消す要件に当たると説明している。
作業停止を指示する文書は、県農林水産部の職員が23日午後、沖縄防衛局を訪れて提出し、防衛局の職員が受理した。
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<社説>新基地停止指示 安倍政権は従うべきだ 知事判断に正当性あり 3/24 琉球新報
目の前に横たわる不条理に対し、冷静に法理を尽くし、粛々と是正を求める権限行使である。沖縄の尊厳を懸けた安倍政権との攻防は新たな局面を迎えた。
名護市辺野古への新基地建設に向け、国が投入した巨大なブロック塊がサンゴ礁を破壊している問題で、翁長雄志知事は沖縄防衛局に対し、海底ボーリング(掘削)調査など全ての海上作業を30日までに停止するよう指示した。
作業停止を拒む政府に対し、翁長知事は「腹は決めている」と述べた。埋め立て本体工事の基盤となる岩礁破砕許可も取り消される公算が大きくなった。
「主権」はどこへ
翁長知事は安慶田光男、浦崎唯昭の両副知事と共に会見した。新基地建設阻止に向けた不退転の決意を県内外に示す狙いがあろう。
「沖縄のことは沖縄が決める」。
われわれは地方自治の原則に根差した知事の決断を強く支持する。
問題を整理しよう。国は新基地建設に抵抗する市民を排除するため、埋め立て海域を取り囲む臨時立ち入り制限区域を設けた。
その上で、埋め立てを承認した仲井真弘多前知事から昨年8月に岩礁破砕の許可を得た。
広大な臨時制限区域を示す浮標灯を固定する重りとして、沖縄防衛局は海底に最大160キロの鋼板アンカー248個を設置したが、大型台風で120個が流出した。
消えたアンカーの代わりにしたブロック塊の重量は10~45トン、低く見積もっても当初のアンカーの62~280倍に及ぶ。環境保全に背を向けた常軌を逸した対応だ。
埋め立て海域とは関係ない海域で巨大なブロックがサンゴ礁を無残に押しつぶしている。
「無許可行為」が確認されれば、岩礁破砕許可取り消しなどを命じることができる。
知事の作業停止指示には環境破壊を防ぐ法的正当性がある。
一方、県は臨時制限区域内で、サンゴ礁の破壊の有無を調べる立ち入り調査を申請したが、米軍は「運用上の理由」を挙げ、不許可にした。
だが、沖縄防衛局は連日、潜水調査を実施しており、運用上の理由は成り立たない。防衛省や外務省は県の調査実現の仲介さえしようとしない。
狭量な二重基準が極まっている。
安倍政権と米軍が気脈を通わせた県排除の構図だ。
日本国内の環境を守るための調査さえかなわないなら自発的な「主権喪失」と言うしかない。安倍晋三首相が国会などで連呼してきた「主権」は沖縄では存在しないかのようだ。
低劣な品格あらわ
「全く問題はない」。沖縄の基地負担軽減を担当しているらしい菅義偉官房長官はこの日も硬い表情で断定調の「全く」を再三口にした。
強気一辺倒の物言いには、沖縄を敵視する響きがある。
見たくない現実から目を背け、都合のよい事情だけ取り入れて強がり、恫喝(どうかつ)する。
仲井真前知事による埋め立て承認にすがりつき、沖縄の民意を問答無用で組み敷くことしか打つ手がないことの表れだ。
子どもじみた心性が際立つ。民主主義の価値を損なう政権の低劣な品格が映し出されている。
沖縄の民意は「普天間固定化ノー、辺野古新基地ノー」だ。
掘削強行や人権無視の過剰警備など、安倍政権のやることなすことが沖縄社会の反発を強める悪循環に陥っている。
「辺野古移設か、固定化か」という脅しも沖縄に基地を押し込める差別を助長している。
普天間飛行場は戦後、米軍が民有地を強制接収して造った。
奪われた土地にできた基地を動かす先がなぜ県内なのか。
かつて県内移設を認めていた県民も根本的な疑念を深め、今は総じて7割超が反対している。
普天間飛行場を抱える宜野湾市でも民意は鮮明だ。
昨年の県知事選と衆院選で危険性除去を訴えた仲井真前知事と自民党現職は大差をつけられた。
民主主義を重んじる正当性は沖縄にある。
安倍政権は工事停止指示を受け入れるべきだ。追い込まれているのは政権の側である。
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