マレーシア機撃墜、ウクライナ空軍整備士の証言(全文)
2015-03-08

マレーシア航空、MH17便の真相 3/1 高島康司 船井幸雄com
今回は、昨年の夏にウクライナ東部で親ロシア派が誤って撃墜したとされている、マレーシア航空、MH17便の真相について詳しくお伝えします。
いま日本でも、完全に欧米寄りのマスメディアの片寄った報道のため、ロシアに対する敵意が増大しています。
そのような感情に左右されず、現状正しく見るためには、現実を認識することが私は重要だと思っています。
▼マレーシア航空、MH17便を撃墜したパイロット
周知のように、日本を含む欧米のメディアでは、昨年の7月に起こったマレーシア航空、MH17便の撃墜は、ウクライナ東部でロシアへの併合を主張している親ロシア派武装勢力によるものだとするのが、一般的な見方になっています。
親ロシア派が、ロシアから供与された「SS20」という地対空ミサイルで、軍用機と誤って撃墜したというのです。
これに対してロシア政府は、ロシア軍の軍事データを根拠として示しながら、MH17便を撃墜したのはウクライナ軍の戦闘機であると主張しました。
●プラウダ紙の記事とテレビインタビュー
ところが、昨年の12月になって実に興味深い記事が、ロシアの大手紙「プラウダ」に掲載されました。この記事は、ロシアのテレビで放映されたテレビインタビューの内容を詳しく伝えたものでした。
記事の内容は、ロシアのメディアの報道内容を英語で紹介するサイト、「フォート・ルス(Fort Russ)」に掲載されました。以下がリンクです。
Fort Russ
http://fortruss.blogspot.jp/2014/12/meet-pilot-who-shot-down-malysian.html
元の記事がロシアの最大手紙のひとつである「プラウダ」からのものですし、証言者のテレビインタビューが見られるので、単なるガセネタやネットのうわさではないことは間違いないでしょう。
しっかりした根拠のある報道です。
この記事とインタビューでは、ウクライナ空軍の整備を担当していた人物が現れ、MH17便を撃墜したのはウクライナ空軍の戦闘機であったことを明白に証言しています。
ロシアのこのような報道が日本で報道されることはありません。
貴重な内容ですので、インタビュー全文の翻訳を掲載します。
●インタビューの全文
マレーシア航空、ボーイングMH17便を撃墜したパイロット、ヴラディスラブ・ヴォローシンに会う
コムソモラスカ・プラウダ紙
http://www.kp.ru/daily/26323.5/3204312/
マレーシア航空のボーイング機に関して、秘密の証言者が現われ、ロシアと(ウクライナの)親ロシア派にかかっていた嫌疑をすべて晴らす証言を行った。
そして、西側の専門家の奇妙な行動についても証言をした。
この証言者は「コムソモラスカ・プラウダ紙」の編集部に自分からやってきた。
彼の持参した(身分証明書などの)書類を調査したところ、この人物は役者やなりすましなどではないことが確認できた。
この人物の親族はまだウクライナにおり、復讐や脅迫に脅えているため、我々はこの人物の個人情報を明らかにすることはできない。
アレキサンダー(仮名)が我々に語った内容から判断すると、彼の恐怖には十分な根拠がある。
以下がこの人物とのインタビューの記録である。
ノーカットでそのまま掲載する。
●戦闘機はミサイルなしで帰還した
――マレーシア航空のボーイングが撃墜された2014年、7月17日にあなたはどこにいましたか?
私はウクライナの領土におりました。ドネプロペテロフスク市のアヴィアトロスコイ村です。ここは一般の空港です。
ここはこのとき、戦闘機と軍用ヘリコプターの基地でした。戦闘機は定期的に空爆任務を実行していました。 Su-25戦闘機がドネツクとルガンスクを空爆していたのです。これは長い期間続きました。
――戦闘機は毎日飛行したのですか?
はい、毎日です。
――なぜあなたは、これらの戦闘機がボーイングの撃墜にかかわっていると見たのですか?
いくつか理由があります。この基地には8機の戦闘機が配備されていますが、そのうちの2機だけが空対空ミサイルを装備しています。
それらは発射されていました。
――なぜですか? 空中戦でもあったのでしょうか?
いえ、違います。これらの空対空ミサイルは、万が一に備え、戦闘機が自らを自衛するためのものです。
大抵の戦闘機は、空対地ミサイル、NURS、爆弾などを装備しています。
――7月17日について話してください。
戦闘機は頻繁に飛行していました。朝から一日中です。
ボーイング機が撃墜される約1時間前の午後、3機の戦闘機が発進しました。正確な時間は覚えていません。
そのうちの1機が空対空ミサイルを装備していました。その戦闘機はSu-25でした。
――あなた自身が目撃したのですか?
はい、そうです。
――どこから目撃したのですか?
その場所からです。正確に言うことはできません。
――あなたは装備されたミサイルを見る機会があったのですか? 空対地ミサイルを空対空ミサイルと見間違えるということはあるのでしょうか?
いいえ、見間違えることはあり得ません。大きさ、尾翼、そして色が異なりますから。
誘導装置を備えています。空対空ミサイルは簡単に区別できます。
いずれにせよ、1機だけしか帰還しませんでした。2機は撃墜されたのです。
ウクライナ東部のどこかで撃墜されたと私は聞きました。
帰還した戦闘機こそ、空対空ミサイルを装備していた機です。
ミサイルはありませんでした。
――ミサイルなしで帰還したのですね?
ミサイルなしです。パイロットはとても脅えていました。
――あなたはこのパイロットを知っていますか? 会ったことはありますか?
はい。
――彼の名前はなんでしょう?
名字はヴォローシンです。
――彼は一人で飛んでいたのですか?
はい、この戦闘機は一人乗りです。
――名前は分かりますか?
ヴラディスラブだと思います。はっきりとは覚えていません。大尉です。
――ヴォローシン大尉は帰還したのですね。次になにが起こりましたか?
機関砲の銃弾がカラになっていました。
――ミサイルは残っていなかった?
はい。
――アレキサンダーさん、教えてください。この戦闘機が任務から帰還した時点では、あなたはボーイング機が撃墜されたことを知らなかったのですよね。なのに、なぜあなたは空対空ミサイルがなかったことに驚いたのでしょうか?
これらの空対空ミサイルは戦闘機の基本装備には含まれてないからです。
空対空ミサイルは、特別な命令があったときだけ装備されます。
大抵、これを装備している戦闘機が飛行を許可されることはありません。
なぜなら、このミサイルは頻繁に上空にもってゆくべきではないからです。
この戦闘機は空対空ミサイルを2基装備することができます。でも、そうしたことが実施されたことはかつてありませんでした。実質的に廃棄されていました。
しかし、ボーイング機が撃墜された日の少し前、これらの空対空ミサイルの使用規則が急に更新されました。それらのミサイルはまた装備されるようになったのです。
これらのミサイルはもう何年も使用されていませんでした。
――なぜでしょうか?
兵器の使用期限が切れていたのです。これらの空対空ミサイルはソビエトの時代に製造されたものです。
しかし、緊急の指令により兵器の使用期限が延長されたのです。
――そしてその日、これらのミサイルは戦闘機に装備されたということですか?
戦闘機にはいつも装備はされていました。
――でも、飛行はしなかったのでしょう?
できるだけ上空にはもって行かないようにしていました。飛行するとミサイルが劣化してしまうので。
しかしこの日、戦闘機に装備され飛行しました。
――そして、ミサイルなしで戦闘機だけが帰還した?
そうです。私はこのパイロットを少し知っています。
他の戦闘機が2機目の前で撃墜されたので、恐怖のあまり不適切な行動をとってしまったのではないかと思います。
恐怖心からか復讐心からかは分かりませんが、ボーイング機に向けてミサイルを発射してしまったのではないかと思います。
もしかしたら、ボーイング機を戦闘機と見まちがったのかもしれません。
――これらのミサイルには自動誘導装置は装備されていたのですか?
はい。
――このパイロットがミサイルを発射すると、ミサイルは自動的に標的を探すのでしょうか?
いいえ。パイロット自身が標的を発見しなければなりません。そしてミサイルを発射するのです。するとミサイルは標的に向かって飛んで行きます。
――では、こうした空対空ミサイルをパイロットが地上の標的に対して使用することはできるのでしょうか?
それはまったく無意味なことです。
――この日に起こったことで他に覚えていることはありますか? このパイロットはなんと言っていましたか?
パイロットは戦闘機から降りるなり、「これは正しい機体ではない」と言っていました。
そして夕方に、別のパイロットがヴォローシンに「航空機はどうなったのか?」と聞くと、ヴォローシンは「この航空機は間違ったときに間違った場所にいたのだ」と答えていました。
――ヴォローシン大尉はこの基地でかなり以前から任務についているのですか?
ヴォローシン大尉は30歳くらいです。彼はニコラエフの基地に所属しています。彼は、カラコフ近郊のチュゲフに移る前に、ドネプロペテロフスクに移動になってやって来たのです。
そしてこれまでずっと、ドネツクとルガンスクの空爆の任務についていました。そして、二コラエフ基地の将校によると、いまでも同じ任務についているとのことです。
――このパイロットは豊かな戦闘経験がありますか?
この場にいたものはみんな戦闘経験があります。ニコラエフ基地ができたのは2013年です。まだ1年の歴史しかありません。私の意見では、ウクライナでは最高の基地です。
――ボーイング機のことはパイロットの間で話題になりましたか?
これを話題にすることはすぐに止められました。自分たちの間だけで話しただけです。パイロットたちはすごくお高くとまっているので。
――では、このボーイング機のことを全員が知ることになった後、このヴォローシン大尉はどうなったのでしょうか?
これだけの事件の後でも、飛行任務は続いています。パイロットの移動もありません。みな同じメンバーです。
――もう一度事件の経緯を整理してみましょう。
戦闘機3機が戦闘任務のため基地を飛び立った。
これらの戦闘機は、ボーイング機とほぼ同じ地域にいた。
戦闘機2機が撃墜された。ヴォローシン大尉は緊張して恐怖し、そしておそらくボーイング機を、戦闘任務の軍用機と勘違いしたということですか?
おそらくそうです。ボーイング機との距離は相当にあったので、大尉はどのような航空機だったのか見てはいないのかもしれませんが。
――これらの空対空ミサイルが必要とする距離はどのくらいでしょうか?
3~5キロあれば標的は発見できます。
――では、戦闘機と旅客機の速度はどのくらい異なりますか?
違いはあまりないです。また、ミサイルはかなりの速度で飛行します。非常に速い。
――ということは、すぐに追いつくということですね? では高度はどうでしょう?
おそらく戦闘機の最高高度である7000メートルを飛行し、標的を追っていたのでしょう。
――より高い高度を飛行している標的をねらってということですか?
そうです。戦闘機は機首を上に向けると、上空の標的を簡単に発見し、ミサイルを発射することができます。このミサイルの射程は10キロです。
――では、このミサイルが爆発するときの標的との距離はどのくらいでしょうか? それとも、ミサイルは標的の燃料タンクにあたってから爆発するのでしょうか?
ミサイルの設定によります。目標の機体にあたってから爆発するようにも設定できれば、または500メートル先で爆発するようにも設定できます。
――我々はMH17便の墜落現場で作業をしましたが、ミサイルの破片のようなものがボーイング機の機体に挟まっていました。これを見ると、ボーイング機の2フィート先で爆発したかのようでした。
たしかに、そのようなミサイルは存在しています。
ミサイルは爆発するとバラバラになり、その破片が機体にあたる。その後、ミサイル本体が機体にあたるというものです。
――ウクライナ当局によると、この日、戦闘機による戦闘はなかったと言っています。
撃墜された旅客機に関しては、我々は他のソースにもあたりました。ウクライナ当局は、この日は軍用機は飛行していなかったとどこでも主張しています。
この件については私も知っています。
ウクライナ当局は、17日ではなく16日に2機の軍用機が撃墜されたと主張しています。
しかし、軍用機の飛行は毎日行われていました。私はこれを目撃しています。
停戦協定の後でも戦闘はありました。もちろん頻度は減りましたが。
――あなたのいた基地では、どんな武器が戦闘機に搭載されていたのですか? リンの焼夷弾は使われていたのでしょうか? ウクライナ軍は、地上ではこのような兵器を頻繁に使っていましたが。
リンの焼夷弾は見たことがありません。でも、空中で炸裂する爆弾は使用していました。
――それは使用が禁止されている兵器なのですか?
そうです。
この爆弾はもともとアフガンで使用する目的のものでした。この兵器の使用は禁止され、つい最近まで使われていませんでした。なにかの国際会議で使用が禁止されたはずですが、よく覚えていません。
この爆弾の使用は人道に反しています。すべてを焼き尽くすのです。
本当にすべてを焼き尽くしてしまいます。
――これらの武器は戦闘で使用されていたのでしょうか?
そうです。
また、禁止されているクラスター爆弾も使われていました。クラスター爆弾は広い範囲の目標を一撃で破壊することができます。
クラスター爆弾一個で、スタジアム全体の広さを破壊できるのです。2ヘクタールのすべてです。
――彼らはなぜこのような兵器を使用しているのでしょうか?
命令に従ったまでです。だれの命令かははっきりしませんが。
――こうした兵器を使う目的はなんでしょうか? 敵を恐怖させる戦略でしょうか?
できるだけ多くの人間を殺害することです。
――なぜあなたはロシアに逃れてきたのですか? そして、なぜこのような証言を行う気になったのでしょうか?
そして、目撃者は他にもいるのに、こうした事実はなぜもっと早い時期に伝えられなかったのでしょう?
みんな「ウクライナ情報局(SBU)」と「国家防衛隊」の脅しにあっています。
ちょっと失言しただけでも撃たれます。
また、ロシアや親ロシア派に同情した疑いをかけられようものなら、逮捕され監獄に送られるのです。
私は当初から、この反テロキャンペーンを支持はしていませんでした。内戦は間違っています。
自分の国の人々を殺すことは普通ではありません。
これにウクライナ側で加担しかかわるようなことは、私ははじめからしたくありませんでした。
●やはりウクライナ空軍が撃墜したのか
以上です。これがインタビュー全体の翻訳です。
インタビューされている目撃者は、ウクライナ空軍のパイロットではなく、整備士のような地上勤務についている兵士のようです。
もしこのインタビューの内容が事実だとすると、MH17便を撃墜したのは、アメリカが主張するように親ロシア派ではなく、やはりウクライナ空軍機であったことが証明されたことになります。
これは、ロシアの大手紙「コムソモラスカ・プラウダ」に掲載されたインタビューです。
こうした内容が日本で報道されることはありませんが、ロシアではこれが一般的な見方になっています。
情況証拠から見ても、こちらの方がはるかに信用できそうです。
これが事実だとしたら、いま日本でも報道されているウクライナの内戦の報道も、相当に変更した内容であることが予想できます。
私達は戦前のような報道管制下にあるようです。
(以下略)
ーーーーーーーーーーーーー

※ 以下はウクライナのマレーシア機撃墜事件の関連ページ。
ウクライナ軍か、またマレーシア機撃墜
2機のウクライナ戦闘機がマレーシア機を撃墜、ロシア大統領機を狙った?:航空管制亜など
マレーシア機はルガンスク通過を強制された可能性
捜査はこれからだが犯人の名は既に発表
彼らは民間旅客機を撃墜するだろう、ドルを救うためだ
ロシアは管制データを公表、ホラ吹き米国は衛星データ隠蔽
嘘がばれ始めたウクライナ
マレーシア機撃墜の真相
軍産複合体、国際寡頭勢力の対ロシア戦
マレーシア機は操縦席に30mm機関砲を打ち込まれている
ロシアに対して崩れ始めた米英の「正義」
ロシア、ラブロフ外相単独インタビュー
キエフの破綻は米国NATOの危機を呼んでいる
マレーシア機は戦闘機に撃墜、衛星画像が流出
- 関連記事
-
- 要地イエメンを空爆するサウジ、支援する米軍、影のイスラエル (2015/04/05)
- 中国、ロシア、インドを軸に接近するユーラシア、 (2015/04/03)
- かいらい日本から中国に交代するアジアの盟主 (2015/03/25)
- 鳩山氏訪問、クリミアに東からのそよ風 (2015/03/14)
- 「テロとの戦い」をもう一度、米英軍産複合体とイスラエル (2015/03/09)
- マレーシア機撃墜、ウクライナ空軍整備士の証言(全文) (2015/03/08)
- テロ戦争を再燃させる米英軍産複合体とイスラエル (2015/03/04)
- 中東で何が起きているのか:宮田律 (2015/03/02)
- ISISと米国軍産複合体イスラエル:田中 (2015/02/24)
- クラーク将軍:ISISは米国NATO、中東の同盟国、友好国が作ったものだ (2015/02/23)
- ISISは米英軍産複合体のためにある、偽の対ISIS有志連合 (2015/02/21)
コメント
コメントの投稿
トラックバック
この記事へのトラックバックURL
http://bator.blog14.fc2.com/tb.php/2724-28d71b59