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テロ戦争を再燃させる米英軍産複合体とイスラエル

二撃目
 カラシニコフ軽機関銃の一撃目で倒れた警官が、6.7秒後に二撃目のトドメを受けたとされる画像。
 頭骨の破片どころか、出血さえもない。明らかに空砲である。


   テロ戦争を再燃させる  3/3  田中宇

 最近の記事で、イスラエルが自国とシリアの国境地帯でアルカイダ(アルヌスラ戦線)を支援し「イスラエル・軍産複合体・アルカイダ・ISIS」の連合体ができていると書いた。
 米オバマ大統領は、この連合体と対峙している「イラン・イラク・シリアのアサド政権・レバノンのヒズボラ」の連合体を宥和(強化)する傾向で、その一環としてオバマ政権は、かつて米国自身がかけたイランの核の濡れ衣を解こうと交渉を続けている。
 イスラエルのネタニヤフ首相は、軍産イスラエルの傀儡色が強い米議会に自らを招待させ、イランと核協約をめざすオバマに反対する演説を3月3日に行う。
 アルカイダやISISを支援するネタニヤフと、イランへの宥和を強めるオバマとの敵対が激化している。
ISISと米イスラエルのつながり

「イスラエルがアルカイダ(ISIS)を支援している」と指摘しているのは私だけでない。
 米国の、軍産イスラエル系の共和党勢力「ネオコン」(米政府にイラク侵攻を挙行させた勢力)の中心に位置する「権威ある」雑誌ウィークリースタンダードが最近、イスラエルの対シリア国境でのアルカイダ支援の事実を指摘し、イラン容認のオバマと、イラン敵視・アルカイダ支援のイスラエルの対立がひどくなっていると、まさに私と同じことを書いている。
 米政界の有力な勢力であるネオコンが認めているのだから、この件はまぎれもない「事実」だ。
Friend and Foe in Syria: The Enemy of My Enemy Is My Enemy's Enemy

 クウェートの新聞によると、ネタニヤフ政権は昨年、オバマがイランの核の濡れ衣を解こうとしているのに対抗し、戦闘機を飛ばしてイランの核施設を空爆しようとした。
 イスラエル側は米国に知らせず空爆しようとしたが、閣内の親米派が米国側に漏らしてオバマの知るところとなり、オバマがネタニヤフに「イランを空爆しに行く貴国の戦闘機を米軍が迎撃せざるを得ない」と脅し、空爆をやめさせたという。
 真偽のほどはわからないが、オバマとネタニヤフの敵対を示す象徴的な話だ。
 イスラエルは、81年にイラクの建設中の原子炉を空爆・破壊しており、イラン空爆は机上の空論でない。

 米軍は先日、ISISに奪われたイラク第2の都市モスルを、米軍とイラク軍で攻略して奪還する計画を発表した。
 軍産はISISを攻撃したくないが、オバマが攻撃したいのだろう。
 しかし米軍は、記者団に対する説明の中で「4-5月に2万5千人までの兵力でモスルを攻略する」と作戦の詳細をばらしてしまい、ISISが攻撃に対する準備をしやすいようにした。
 イラクの防衛相は米軍の暴露に激怒した。
 米軍は結局、イラク軍の準備ができていないとの理由で、攻略作戦を秋以降に延期した。
 事実上の無期延期として報じられている。

 米軍は、イラク軍に攻略を成功させる能力があるかどうか、調査やイラク側との打ち合わせもせずに攻略を発表したことになる。
 米軍(軍産)がISISと戦いたくないことが見てとれる。
 イラクでは、政府軍よりシーア派民兵団の方がずっと強い。
 米軍がやらないなら、イランがシーア派民兵団を率いて、いずれモスル攻略をするだろう。
 オバマはその面でも、自国の軍産よりイランを頼る傾向を強めている。

 以前に書いたように、ISISはアルカイダのブランドを再編したものだ。
 アルカイダは、軍産イスラエル(米英諜報機関)が支援して育て、911とともに「仇敵」に仕立てたが、
 ISISも、米英やイスラエルの軍と諜報界が敵として育ててきた観が強い。

 日本人2人を殺すぞと脅すビデオの真ん中に立っていて日本でも有名になったISISの英語の広報役である「聖戦士ジョン」は、クウェート生まれ英国育ちの英国人モハメド・エムワジという人物だと判明した(母親が息子の声と認知した)。
 英国の国内担当の軍事諜報当局であるMI5が英国在住中のエムワジを監視していながら、彼がISISに入るためにシリアに行くことを止めずに容認したこともわかっている。
 エムワジは05年7月のロンドンテロ事件の計画に参加しており、以前からMI5が「おとり捜査」と称して泳がせていたテロリストだった可能性がある。
('Jihadi John': Reaction to the Unmasking of Emwazi Confirms His PR Value) (`Jihadi John' known to MI5 since 2008, but they let him escape - report) (怪しさが増すロンドンテロ事件)

 捜査当局の要員(エージェント)がイスラム教徒の青年を扇動してテロを計画させ、実際にテロが行われることになったら、挙行の直前に警察官が踏み込んで逮捕して犯罪として立件する「おとり捜査」か、
 踏み込まずにテロを実際に挙行させて「テロ戦争」を誘発強化する策は、昔から米英当局がよくやっていたことだ。
 911は後者の例だろう。
 1995年のNYの世界貿易センタービルでの(1回目の、911より小規模な)爆破テロ事件では、おとり捜査のはずが実際に爆弾が仕掛けられたことを、エジプト人のエージェントがNYタイムスに暴露している。
 93年のオクラホマ連邦ビル爆破事件、13年のボストンマラソン時のテロ事件も、おとり捜査がらみで本物のテロ事件が起きた観が強い。

 最近では、米国オハイオ州の実家で生活していたひきこもり青年リー・コーネルが、インターネットの影響でイスラム教徒に改宗した後、身分を隠したFBIのエージェントに接近され、ワシントンDCでテロをやろうと持ちかけられてその気になり、ライフルと銃弾を買った直後に逮捕される事件が起きた。
 エージェント役自身、別のテロ誘発事件でFBIに逮捕されたイスラム教徒で、自らを無罪にするためにFBIに協力することを余儀なくされた犠牲者だった。
 米英の当局は、この手のやり方でテロを誘発して寸止めするか、寸止めせず本当にテロを起こすか、その時の状況に応じて使い分けている。
 当局は好きなときにテロを起こせる。

(FBI says plot to attack U.S. Capitol was ready to go) (The Uses of Charlie Hebdo by Justin Raimondo)

 04年のマドリード爆弾テロでも、スペインの諜報機関(公安当局)が、自分たちが監視していたバスク独立運動の過激派が鉱山で得て持っていた爆弾を、実行犯のイスラム教徒に渡してテロをやらせたことがわかっている。
 テロを「防ぐ」のは、米英などの当局の仕事の一部にすぎない。
 テロを「誘発」するのも、防がず「挙行を黙認」するのも、当局の仕事である。
 米当局は「近いうちに米本土の商業施設でテロがあるかもしれない」と表明している。
(スペイン列車テロの深層) (Department Of Homeland Security Issues Warning After "Mall Of America" Terror Threat)

 イスラエル軍当局も、パレスチナ人を過酷に弾圧して彼らがテロで反撃したくなるような状況を作り、彼らの中にエージェントを潜り込ませてテロを誘発している。
 米欧イスラエルの多くの政府(相互に入り込んだ諜報機関群のネットワーク)にとって、イスラムテロは、政府の立場を強化する「テロ戦争」をやるための政策の道具の一つになっている。

 このようなテロ戦争の策略は、01年の911事件とともに米国が世界戦略として大々的に採用したものの、ネオコンが話をねじ曲げてアルカイダよりサダムが悪いという話にしてイラク侵攻を引き起こし、イラク占領が失敗してオバマが米軍を撤退させたことで、テロ戦争は失敗した戦略になった。
 しかし昨年6月、モスル陥落とともにISISが突然台頭し、ISISとの戦いが「テロ戦争Ver.2」となった。

 最初のテロ戦争は、01年の911事件で劇的に始まったが、今回のバージョン2は段階的に始まっている。
 昨年6月にISISが台頭したが、第2テロ戦争が始まったのは半年後の今年1月、パリの週刊シェルリ襲撃事件がきっかけだ。
 その直後、安倍首相のイスラエル訪問とともにシリアでISISが日本人2人を殺すと脅す映像を流し、日本でも第2テロ戦争が始まった

 ISISが昨年6月に台頭してから人質事件発生まで、日本のマスコミはISISのことを「遠い中東でのなじみのない話」とみなし、あまり大きく報じていなかった。
 しかし人質事件発生以来、日本のマスコミは毎日ISISのことをさかんに報じている。
 2人が殺されたことを日本政府が認めて人質事件が一段落し、本来ならしだいに再び「遠くのなじみのない話」に戻るべきISISが、しつこく連日大きく報じられ続けている
 これまでの人質殺害事件の報道になかった「プロパガンダ臭」が感じられる。
 これは、日本が従属する「お上」である軍産(米英イスラエル)が始めた第2テロ戦争に、日本も参加することが求められているからだろう。
 日本人が2人の殺害を忘れるころ、テロ戦争の構図を再燃させるイスラムテロが日本で誘発されるかもしれない

 テロ戦争の敵であるISISやアルカイダが軍産イスラエルに支援されていることは、ネオコンの権威筋すらが指摘する「事実」であるのに、日本のマスコミでは全く紹介されない
 第1テロ戦争の「911陰謀説」と同様に「陰謀論」として抹殺されるタブーになっている。
(911事件関係の記事)

 1月以降、パリやコペンハーゲンでISISやアルカイダを支持するイスラム教徒による銃撃テロが起きている。
 いずれのテロ事件でも、襲撃された対象の中にユダヤ人の店舗や礼拝所(シナゴーグ)が含まれており「過激なイスラム教徒がイスラエルを憎んで殺戮をやった」という構図で報じられている。
 イスラエル政府は、被害者を代表する勢力としてふるまっている
 ネタニヤフは、テロがあるたびに「欧州のユダヤ人はイスラエルに移住すべきだ」と表明している。(コペンハーゲンのユダヤ宗教者らのひんしゅくをかったが)

 しかし、イスラエルがアルカイダやISISを支援しているというすでに書いた事実や、米欧イスラエルの諜報機関網がイスラム教徒を扇動してテロをやらせることができるという構図、パレスチナ人を弾圧するイスラエルをEUが経済制裁しようとしているというイスラエルの窮地を合わせて考えると、全く違った構図が浮かび上がる。

 パレスチナ問題でEUから制裁されそうなイスラエルは、欧州の世論を「反イスラエル」から「反イスラム」に180度転換し、テロの被害者であるユダヤ人の代表としてのイスラエルを非難しにくい状況を作るため、
自分たちが支援しているISISやアルカイダを動かして、欧州でイスラム教徒がユダヤ人を銃殺するテロを起こすことができる。
 パレスチナ問題ではイスラエルが「悪」でイスラム教徒が「善」だが、欧州のテロではイスラム教徒が「悪」でユダヤ人(イスラエル)が「無実の(善良な)被害者」である。

 ISISとイスラエルの関係を考えると、欧州のテロにおいてイスラエルは被害者でなく犯人側(犯人を幇助した容疑者)であるのだが、そのことを声高に指摘することはできない。
 在欧の親イスラエル勢力がEU各国の政府に圧力をかけて、イスラエルやユダヤ人を批判・中傷するネットの書き込みなどの言論を犯罪として従来より厳しく取り締まる法律を立法させようとしている。
 フランスのオランド大統領は、仏ユダヤ人協会での演説で、ネット上などでの「反ユダヤ」的とみなされた書き込みを、児童ポルノと同様の重い犯罪として取り締まる法律の新設を約束している。
 イタリアの議会も似たような法案を審議している。
(France must treat online "anti-Semitism" like child pornography, president says) (Italy Senate moves to outlaw Holocaust denial)

 ユダヤ人に対する中傷だけでなく、イスラエルを非難する言論が「反ユダヤ」とみなされて黙らされる可能性が指摘されている。
 少なくとも、イスラエル批判がやりにくくなったのは確実だ。
 パリでテロが起きる前の昨年末、EU諸国の政府はイスラエルの入植地に対する経済制裁を強化すると声高に表明していたが、パリのテロの後、欧州各国の当局筋のイスラエル批判の声の高さが一気に下がった
 ISIS支持者のテロ行為は、イスラエルにとって非常に好都合な展開を実現している。

 ISISは首切りなど残虐な殺害を喧伝したがる。
 彼らは、人質を首切りで殺す映像が世界に飽きられていると感じ、ヨルダン人の人質を檻に入れて焼き殺す映像を流し、新たな残虐性を世界に流した。
 こうしたISISの残虐性も、イスラエルやテロ戦争の構図にとって好都合だ。
 もともとイスラムの法体系の中には、投石による処刑やむち打ち、一夫多妻など、米欧人が「残虐」「ひどい」と考えやすい事象が入っており、米欧人がISISの残虐性をイスラム教の残虐性とみなすことは簡単だからだ。
 ISISが残虐性を喧伝するほど、イスラム教徒(パレスチナ人)が「悪」で、米欧とその一部であるイスラエル(ユダヤ人)が「善(無実)」という善悪の逆転を促進できる

 パリのテロ事件の後「私はシェルリだ」と叫ぶプロパガンダ軽信者たちに対抗し、仏人コメディアンのデュードネ・エムバラエムバラは「私はクリバリ(犯人の一人)の気持ちだ」とネット上に書き込んだところ、テロ容認の容疑で逮捕された。
 デュードネは、もともと差別に反対する寸劇が評判で、ユダヤ人差別をする極右を非難していた。
 しかし03年に、パレスチナ人を弾圧するイスラエルの不法なユダヤ人右派入植者をナチスにたとえて批判したところ、在仏イスラエル右派から猛反撃を受けた。

 ラディカルなデュードネはこれを許さず、イスラエル右派との激しい闘いを続けている。
 闘いの中で彼は、極右などが主張してきたホロコーストの歪曲性の事実性を確認し、今では極右やホロコースト否定論者と連携しているため「ユダヤ人差別主義者」のレッテルを貼られている。
 今後のフランス(欧州)は、イスラエルを非難することとユダヤ人を中傷することとの混同が進み、デュードネのような裏の事実を追求する人々にとって、ますます生きにくい場所になっている。
 安倍政権下の日本も似たようなものだ。
 私自身にいつまで言論の自由が容認されるかも心もとない。


 軍産イスラエルの延命策である「第2テロ戦争」を終わらせられるとしたら、それはオバマ自身でなく、オバマが隠然と頼みの綱としているイランやロシア(露中)だ。
 ISISと本気で戦うアサド政権やヒズボラを支えているのはイランで、イランを支えているのはロシアや中国だ。
 シリアの停戦交渉を仲裁するのはロシアだし、最近はロシアとイタリアとエジプトで組んでリビアのISISを退治する米国抜きの軍事行動も計画されている。
(Reports indicate Egypt, Italy, Russia planning military action in Libya)

 米欧日で流布するプロパガンダでは、イランや露中は「悪」で、プーチンの発言はウソばかりだと報じられている。
 実のところプーチンは最近、国際政治の中で、発言が最も信頼できる指導者の一人だ。
 ウクライナ危機についても、プーチンが言っていることが大体正しいことが事後に判明している。
 半面、米政府は間違ったことばかり言っている
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