クラーク将軍:ISISは米国NATO、中東の同盟国、友好国が作ったものだ
2015-02-23

アメリカにとっての中東の同盟国、友好国とは?イスラエル、サウジ、首長国連合、ヨルダン、それとトルコでしょうね。
これらに米国NATOと西欧を加えたものが、イランが言う「偽の対ISIS有志連合」です。
まさしく、裏表を使い分ける「「偽の対ISIS有志連合」。
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元欧州連合軍最高司令官がISを作り上げたのは米の友好国と同盟国だと発言、西側のテロ作戦に綻び 2/22 櫻井ジャーナル
このところ「テロ」の象徴に祭り上げられているIS(イラクとレバントのイスラム首長国。イスラム国、ISIS、ISIL、IEIL、ダーシュとも表記)を作り上げたのはアメリカの友好国と同盟国だとCNNの番組でウェズリー・クラーク元欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)最高司令官は語った。
ISを作り上げたのはアメリカ/NATOやペルシャ湾岸の産油国であり、イスラエルも支援しているということは本ブログで何度も書いてきたこと。
つまり、内容自体は驚きでも何でもないが、その発言をした人物がアメリカ陸軍の大将だということは興味深い。
調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュは、ニューヨーカー誌の2007年3月5日号で、アメリカ、イスラエル、サウジアラビアは、シリアとイランの2カ国とレバノンのヒズボラをターゲットにした秘密工作を開始したと書いた。
クラークはISを創設した国の名前を具体的には書かなかったが、イスラエルとサウジアラビアが含まれている可能性は高いと言える。
クラークは1990年代、旧ソ連圏での軍事作戦に参加、ユーゴスラビアへの先制攻撃では指揮官だったが、中東での軍事行動には反対してきた。
1991年、ネオコン(親イスラエル派)のポール・ウォルフォウィッツ国防次官がシリア、イラン、イラクを殲滅すると話していたことを明らかにし、2001年9月11日の出来事から数週間後に国防長官がイラク、イラン、シリア、リビア、レバノン、ソマリア、スーダンを攻撃するプランを持っていたと語っている。
こうしたネオコンの戦争プランに少なからぬ軍の幹部が反対し、イラクへの先制攻撃も半年ほど遅くなったのだが、そうしたグループのスポークスパーソン的な役割を果たしているのがクラークだと言われている。
アメリカの外交政策がイスラエル、あるいはアメリカの親イスラエル派(ネオコン)に振り回されている現状を懸念しているのだろう。
本ブログでは、ISに対して行っているという「有志連合」の空爆に疑惑があると何度も書いてきた。
昨年9月に最初の空爆があったが、最初に破壊されたビルは、その15から20日前の段階で蛻の殻だったとCNNのアーワ・デイモンは翌朝の放送で伝えている。
少なくとも情報が漏れていることは確かだろう。
アメリカにはスパイ衛星、偵察機、通信傍受、人的なスパイ網などがある。
ファルージャやモスルをISが攻撃している状況、戦闘集団の動きを把握していたはず。
にもかかわらず、傍観していた。
写真を見ると、ISの戦闘集団はトヨタ製の車を連ねて進軍しているので、この時に空爆すれば壊滅的な打撃を与えることができたが、パレードをやらせている。
「絵になる場面」を作ったとも言える。
こうした空爆を行う切っ掛けになった出来事が昨年8月にあった。
ジェームズ・フォーリーの首をISが切ったとする映像の公開されたのだが、これはフェイクだと指摘されている。
首の前で6回ほどナイフは動いているものの、血が噴き出さず、実際に切っているようには見えない。
ショッキングな場面を演出したと言えそうだ。そうしたこともあり、フォーリーの斬首映像はシリア領内を空爆する口実作りだと推測する人もいる。
ISが注目されるようになったのは、昨年6月にイラクのファルージャ、そしてモスルを制圧してから。
当時、イラクの首相だったヌーリ・アル・マリキはアメリカ軍の永続的な駐留やアメリカ兵の不逮捕特権を認めず、ロシアへ接近していた。
イラクでは昨年4月に議会選挙があったのだが、その前の月にマリキはサウジアラビアやカタールが反政府勢力へ資金を提供していると批判している。
駐米大使や総合情報庁長官を務めたバンダル・ビン・スルタンがアル・カイダを動かしていたと言われ、ISの雇い主はアブドゥル・ラーマン・アル・ファイサル王子だとも言われているが、それだけでは終わらない。
サウジアラビアの新国王、サルマン・ビン・アブドルアジズ・アル・サウドは、さまざまな慈善団体などを通じてアル・カイダへ資金を供給していたと言われているのだ。
ISに対する「有志連合」の空爆はイラクやシリアの施設を破壊することが目的ではないかとも言われているが、イスラエル軍の場合はISと戦う部隊を攻撃している。
1月18日にはシリア軍とヒズボラを攻撃、イラン革命防衛隊のモハメド・アラーダディ将軍を含む幹部を殺したと伝えられている。
リビアでの体制転覆プロジェクトで、NATOとアル・カイダ系のLIFGが手を組んでいた。
これは西側メディアが伝えるほど明白な事実。
その後に出てきたのがISだが、これもアメリカ、イスラエル、サウジアラビアが作り上げたということは間違いないだろう。
問題は、ISが西側から離反したかどうかだが、様子を見ている限り、イスラエルやサウジアラビア、そして少なくとも一部のアメリカ支配層はまだ手を組んでいるようだ。
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