17年間縮み続ける日本経済、物価が上がるだけの量的緩和
2015-02-19
やっとプラスになった2014年10~12月期のGDP 2/18 闇株新聞
内閣府が2月16日に発表した2014年10~12月期のGDP速報値は、実質で前期比年率2.2%成長、名目で同4.5%成長となり、消費増税後3期目に初めてプラス成長となったと「誇らしげに」報道されています。
2014年通年では実質で前年比0.0%(0.04%だったそうです)、名目で同1.7%成長となりました。
物価の動きを総合的に示す2014年暦年のGDPデフレーターは1.6%と、1997年以来17年ぶりにプラスとなり、実質成長率が名目成長率を上回る「名実逆転」もようやく解消しました。国内需要デフレーターでみると1.9%となっています。
実は黒田日銀総裁のいう「2%の物価上昇目標」は、もうほとんど実現しており、その結果が実質でゼロ成長に逆戻りしていたことになります。
かなり「不都合な事実」ですが、このままトボけてしまうのでしょうね。
さて日本のGDP(暦年ベース)では、実質が2014年0.0%、2013年1.6%、2012年1.8%で、名目が2014年1.7%、2013年1.1%、2012年0.8%となります。
正確に表現すると、2012~2013年の2年間は名目でも実質でも「まあまあのプラス成長」だったところ、2014年は見事に物価だけ上昇したものの実質はゼロ成長に逆戻りしてしまったとなります。
米国のGDPは(実質だけですが)2014年2.4%、2013年2.2%、2012年2.3%と、安定的な成長を続けています。
ユーロ圏のGDPは(これも実質だけですが)2014年0.9%、2013年マイナス0.5%、2012年マイナス0.7%で、ようやく2014年にプラス成長となりました。
ところが2014年1月時点のIMFの「2014年の成長率予想」では、米国が2.8%、ユーロ圏が1.1%、日本が1.7%となっていました。
日本だけが「名目成長率の予想」だったとの言い訳も出てきそうですが、もちろん世界のGDPはすべて実質で算出されるため、日本の「ウソつき率」が突出しています。
IMFの経済予想は(世銀でも同じですが)各国が提供する予想データをもとにしているためIMFの予想が外れたのではなく、日本の「ウソつきデータ」が原因です。
ちなみに本年1月時点のIMF「2015年の成長率予想」では、米国3.6%、ユーロ圏1.2%、日本0.6%となっています。
つまり日本の年初における2015年の経済成長予想が実質0.6%しかなく、どうせ同じような「ウソつきデータ」を提供しているのなら「2015年の日本経済はもっと恐ろしい結果」になるかもしれません。
ところで2014年通年の名目GDPの実数は488.2兆円と発表されています。
当たり前ですが、これが日本経済の生み出す価値の「実数」です。
正確にはGDP統計には農家の自家消費とか持ち家の帰属家賃などの実態のない数字がかなり紛れ込んでいますが、本日は省略します。
ところが「もっと意味のない」実質GDPが527.6兆円と発表されており、こちらが日本経済の実数のように考えられています。
実質GDPは平成17年(2005年)基準で算出されており、その間はずっと「名実逆転」状態だったので、実質GDPが不自然に膨らんでいるだけです。
つまり「自分の給料は30万円だが、平成17年を基準にした実質では33万円になった」とは誰も喜ばず、ましてや「給料が平成17年を基準にすると実質で3万円も増えているから飲みに行こう」とは誰も考えないことと同じです。
ちなみに2014年の名目GDPの488.2兆円とは、何と1992年の487.9兆円とほとんど同じです。
日本経済は22年間も全く成長していないことになります。
もっと正確にいうと1997年の名目GDPが523.2兆円だったので、日本経済は17年間も縮み続けていることになります。
そんな中で見事に消費増税を実現してしまった(2017年4月に10%となることも確定です)旧大蔵官僚は「すごいなあ」と、本当に感心してしまいます。
そんな「すごいところ」を少しくらいは日本国民のために使ってくれればと考えますが、期待するだけ無駄でしょうね。
内閣府が2月16日に発表した2014年10~12月期のGDP速報値は、実質で前期比年率2.2%成長、名目で同4.5%成長となり、消費増税後3期目に初めてプラス成長となったと「誇らしげに」報道されています。
2014年通年では実質で前年比0.0%(0.04%だったそうです)、名目で同1.7%成長となりました。
物価の動きを総合的に示す2014年暦年のGDPデフレーターは1.6%と、1997年以来17年ぶりにプラスとなり、実質成長率が名目成長率を上回る「名実逆転」もようやく解消しました。国内需要デフレーターでみると1.9%となっています。
実は黒田日銀総裁のいう「2%の物価上昇目標」は、もうほとんど実現しており、その結果が実質でゼロ成長に逆戻りしていたことになります。
かなり「不都合な事実」ですが、このままトボけてしまうのでしょうね。
さて日本のGDP(暦年ベース)では、実質が2014年0.0%、2013年1.6%、2012年1.8%で、名目が2014年1.7%、2013年1.1%、2012年0.8%となります。
正確に表現すると、2012~2013年の2年間は名目でも実質でも「まあまあのプラス成長」だったところ、2014年は見事に物価だけ上昇したものの実質はゼロ成長に逆戻りしてしまったとなります。
米国のGDPは(実質だけですが)2014年2.4%、2013年2.2%、2012年2.3%と、安定的な成長を続けています。
ユーロ圏のGDPは(これも実質だけですが)2014年0.9%、2013年マイナス0.5%、2012年マイナス0.7%で、ようやく2014年にプラス成長となりました。
ところが2014年1月時点のIMFの「2014年の成長率予想」では、米国が2.8%、ユーロ圏が1.1%、日本が1.7%となっていました。
日本だけが「名目成長率の予想」だったとの言い訳も出てきそうですが、もちろん世界のGDPはすべて実質で算出されるため、日本の「ウソつき率」が突出しています。
IMFの経済予想は(世銀でも同じですが)各国が提供する予想データをもとにしているためIMFの予想が外れたのではなく、日本の「ウソつきデータ」が原因です。
ちなみに本年1月時点のIMF「2015年の成長率予想」では、米国3.6%、ユーロ圏1.2%、日本0.6%となっています。
つまり日本の年初における2015年の経済成長予想が実質0.6%しかなく、どうせ同じような「ウソつきデータ」を提供しているのなら「2015年の日本経済はもっと恐ろしい結果」になるかもしれません。
ところで2014年通年の名目GDPの実数は488.2兆円と発表されています。
当たり前ですが、これが日本経済の生み出す価値の「実数」です。
正確にはGDP統計には農家の自家消費とか持ち家の帰属家賃などの実態のない数字がかなり紛れ込んでいますが、本日は省略します。
ところが「もっと意味のない」実質GDPが527.6兆円と発表されており、こちらが日本経済の実数のように考えられています。
実質GDPは平成17年(2005年)基準で算出されており、その間はずっと「名実逆転」状態だったので、実質GDPが不自然に膨らんでいるだけです。
つまり「自分の給料は30万円だが、平成17年を基準にした実質では33万円になった」とは誰も喜ばず、ましてや「給料が平成17年を基準にすると実質で3万円も増えているから飲みに行こう」とは誰も考えないことと同じです。
ちなみに2014年の名目GDPの488.2兆円とは、何と1992年の487.9兆円とほとんど同じです。
日本経済は22年間も全く成長していないことになります。
もっと正確にいうと1997年の名目GDPが523.2兆円だったので、日本経済は17年間も縮み続けていることになります。
そんな中で見事に消費増税を実現してしまった(2017年4月に10%となることも確定です)旧大蔵官僚は「すごいなあ」と、本当に感心してしまいます。
そんな「すごいところ」を少しくらいは日本国民のために使ってくれればと考えますが、期待するだけ無駄でしょうね。
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