琉球処分の違法性、自己決定権の回復を:琉球新報
2015-02-19

1872(明治5)年首里城を制圧した明治政府軍。
<社説>道標求めて やはり自決権回復しかない 2/17 琉球新報
歴史をたずねると現状の意味が明確になる。
広く世界に知恵を求めると進むべき針路が見えてくる。
本紙連載の総括を兼ねたフォーラム「道標(しるべ)求めて」を聞いての実感だ。
歴史的にも国際的にも、沖縄が自己決定権を持つのはもはや明らかである。現状の不正義を国際社会に訴えるよすがにしたい。
確認できたことの第一は、明治政府の「琉球処分」(琉球併合)が国際法違反だったことだ。
その証拠が幕末の琉米、琉仏、琉蘭の3条約である。
条約の締結は、3国が琉球を国際法の主体、言い換えれば独立国と見なしていたことを意味する。
明治政府は武装警官と兵士で首里城を囲み、尚泰王に沖縄県設置を通達、合意を迫った。
これはウィーン条約法条約51条が禁じる「国の代表者への強制」に当たる。国際法学者はそう指摘する。
米軍基地問題をはじめとする現在の沖縄の問題の源流はここにある。
現在の問題とは沖縄の民意を無視してよいものと扱い、政府が一方的に強制できる対象とみなす、
そんな政府と国民の態度のことだ。
米軍基地は、「外交・安保は国の専管事項」を隠れみのに、いかに沖縄にとって不当であろうと強制される。
多数決原理の下、日本総体としてそれを容認してきた。
県という枠組みにある間、沖縄は常に強制され続けることになる。その淵源(えんげん)が琉球併合なのだ。
だとすれば、やはり自己決定権回復以外、解決の道はない。
今日の世界には過去の不正義の是正を求める潮流があり、人権や自決権の重みが増している。沖縄側の主張は、丁寧に訴えれば共感を呼ぶはずだ。
「米国はなぜ不正義の上に利権を確保するのか」と国際社会に訴えるのも有効であろう。
フォーラムでは東アジアでの多国間、多地域間対話の枠組みを求める声も上がった。賛成だ。
北欧のバルト海沿岸では100以上の都市が加盟する沿岸都市連合(UBC)という枠組みで、環境汚染だけでなく経済や安全保障も論議している。
国家間だけでなく地方政府や民間組織間の国際連携が重層的に安全保障を下支えしているのだ。こうした実例も参考にしたい。
東南アジア諸国連合(ASEAN)に匹敵する東北アジア諸国連合(ANEAN)も提唱された。
沖縄をその本拠地にする構想があってもいい。論議を聞いてそんな感も深くした。
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※ 琉球処分に関連するページ。
「沖縄の自主自立を:琉球新報」
「「屈辱の日」、三日後に「血のメーデー」」
「琉球処分から中国侵略戦へ、そして今」
「琉球処分の不当性」
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