翁長知事、防衛局に辺野古のブロック設置停止を指示
2015-02-19

翁長知事、辺野古沖のブロック設置停止を指示 2/17 琉球新報
翁長雄志知事は16日、県庁で記者団に対し、米軍普天間飛行場の移設計画に伴い沖縄防衛局が名護市辺野古沿岸部の海底に設置したコンクリート製の「トンブロック」(10~45トン)がサンゴ礁を傷つけている問題で、防衛局に設置作業の停止と設置したブロックを移動しないよう同日指示したことを明らかにした。
移設阻止へ初めて知事権限を行使した形だ。
県が岩礁破砕を許可した区域の外でブロックを投下している可能性が高いとして、指示に従わない場合は「取り消しも視野にある」と明言した。
政府は「法律にのっとって適正に事業を進めている」(中谷元・防衛相)と作業の正当性を主張している。
県は防衛局に対し、昨年8月の岩礁破砕許可で認めた範囲の外での作業停止や資料提出を求めた。
県は防衛局の資料提出などを受け、原状回復命令を下すことも視野に、27日から約10日間、現地を調査し、サンゴ損傷の有無などを確認する。
翁長知事は記者団に対し「調査を見合わせるよう防衛局に配慮を要請したが今回の結果につながり大変遺憾だ」と話した。
岩礁破砕許可の取り消しを判断すれば移設計画の行方に大きく影響しそうだ。
県は防衛局にブロックの図面や座標・水深、重量などの資料やブロック設置前後の海底写真を23日までに提出することを求め、従わない場合は許可を取り消すことがあると通知した。
県は前知事時代の昨年8月、172ヘクタールの海域の岩礁破砕を許可した際、県漁業調整規則に基づき「公益上の事由により、指示する場合は指示に従うこと」や「条件に違反した場合は許可を取り消すことがある」などの条件を付していた。
県の作業停止指示などに対し、世耕弘成官房副長官は16日の記者会見で「県から設置は手続きの対象にならないと示され、従っている」と主張。「適切かつ丁寧に手続きを行った上で作業を実施してきた。甚だ遺憾だ」と述べた。
防衛局は1月27日からブロック設置作業を開始したが、市民団体などの調査でサンゴの損傷が明らかになり、県が問題視していた。
県の指示に対し防衛局側は「内容を確認中」としている。
県漁業調整規則の根拠法である水産資源保護法を取り扱う水産庁は、これまで岩礁破砕の許可を取り消した事例は「把握していない」と話している。
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<社説>辺野古停止指示 安倍政権は直ちに従え 2/17 琉球新報
無残に押しつぶされ、痛々しい姿をさらすサンゴ礁を守るため、道理を欠いた国の強権的行為を止めねばならない。
当然かつ妥当な行政判断だ。
名護市辺野古の新基地建設現場海域で進む巨大なコンクリートブロック(トンブロック)投下によるサンゴ礁破壊をめぐり、翁長雄志知事は沖縄防衛局に対し、設置作業の停止、既に沈めたブロックを移動しないよう指示を出した。
翁長知事は昨年8月に仲井真弘多前知事が出した岩礁破砕許可区域の外でサンゴ礁が破壊されている可能性が高いと判断した。
琉球新報が撮影した現場写真などによれば、区域外の破壊行為は明白である。
昨年11月の県知事選で公約に掲げた米軍普天間飛行場の辺野古移設阻止に向け、翁長知事は本格的な知事権限の行使に踏み切った。
安倍政権は停止指示に従い、海上工事を直ちに中止すべきだ。
県は27日から現場調査を実施する。防衛局が指示に従わなかったり、調査によって県漁業調整規則違反が明確になれば、翁長知事は昨年8月に仲井真前知事が出した岩礁破砕許可を取り消すことも視野に入れている。
やりたい放題だった国に対する翁長県政の反転攻勢の幕が切って落とされた。「あらゆる権限を駆使して新基地建設を止める」とする公約を果たすため、法的検証と政治判断を踏まえ、翁長知事は国に徹底して立ち向かうべきだ。
昨年8月に岩礁破砕が許可されたが、10~45トンに達する巨大なブロックの使用、区域外のサンゴ破壊を伴う投下は許可されていないというのが翁長県政の立場だ。明快であり、説得力がある。
停止指示を受けても、世耕弘成官房副長官は作業を続ける方針を示した。
あぜんとする対応だ。
前県政と協議した作業は県の許可を要しないと強弁しているが、直近の民意を受けて誕生した翁長県政が区域外のサンゴ礁破壊を問題視し、行政命令を発した意義は極めて重い。
高圧的な姿勢で作業を続ければ、沖縄県、そして新基地を拒む強固な沖縄の民意に諦めを植え付けられると考えている政権のやり方はもはや通用しない。
一方的な見解を示し停止指示に従わないのであれば、菅義偉官房長官が普天間問題で再三口にする「法治主義」を政権自ら否定することになる。
それは許されない。
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