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先進国は資本主義の終わり:水野、「もはや成長しない市場経済?」

ヴェネツィア
 ヴェネツィア

 いわゆる「先進国」とは、対外的には帝国主義のことであり、国内的に国民国家がそれを支えてきた。
 しかし、現在ソビエト連邦の崩壊とともに、国民国家を保障する民主制度も富の再分配も巨大資本家には必要性が失われ、同時に対外的な帝国主義政策も非常に制約の大きいものになっている。
 「先進国」の巨大資本は海外市場で制約され、国内市場では勤労階級の搾取と消費需要が矛盾し、ほぼゼロ成長が続いている。

 資本にとって、この傾向の打開策はない。
 資本の自己増殖循環が、ほぼ既になくなっている。
 その意味で、先進国は資本主義の終わりが既に始まっている。
 「成長しない市場経済」とでも言うべきだろう。

 労働者の窮乏化、他国の窮乏化、金融博打、軍事テロで食べている有り様だ。
 それでも、資本は肥え太る続けるのだから恐ろしい者たちである。
  ーーーーーーーーーーーーーーー
「すでに、先進国には資本主義終焉のサインが出ています」水野和夫氏インタビュー:岩上安身氏」  利潤なき経済社会

これより、2015年1月28日、東京都内で行なわれた「岩上安身による日本大学国際関係学部教授・水野和夫氏インタビュー」の模様を連投ツイートします。

岩上「元エコノミスト、と謙遜される水野先生は、長い間、経済の現場で短期、中期、長期的な経済予測をされてきた。著作には歴史的な奥行きがあり、経済だけでなく、それを成立させてきた制度、政治、文明までを網羅している。若い頃から研究していたのですか?」

水野氏
「証券会社の経済調査部で景気予想、金利予想をやってきました。30数年間、金利の動きを見てきたのですが、1997年頃、金利が2%を割ったあたりから、どうしてだろうと調べ始めたのです」

岩上「今、おいくつですか」

水野氏
「61歳になります」

岩上「水野先生の『資本主義の終焉と歴史の危機』は、去年(2014年)、大変よく読まれました。25万部突破だとか。
このタイトルにある、資本主義の終焉とはどういう意味なのですか?利子率と関係があるそうですが」

水野氏
「資本主義とは、資本を自己増殖させるプロセスで、到達点は決まっていない。今日より明日、明日より明後日と資本を増やしていく。
その尺度になるのが利子率。日本は0.2%、ドイツ0.3~0.4%、アメリカ2%以下など、主要先進国の利子率はゼロに近い」

「海外生産比率や輸出比率が高いところはそうではなく、投資はアジアやブリックスに向かうが、アジアやブリックスも日本やドイツ、アメリカが辿った同じ道を歩んでいるので、いつかは利子率がゼロになる。
世界的にゼロインフレ、ゼロ金利、ゼロ成長となります」

「すでに、先進国には資本主義終焉のサインが出ています」

岩上「しかし、死んでたまるかと必死の努力をすると思うのですが、そのあたりを説明していただけます?」

水野氏「まず、利子率ゼロの世界とは、実物投資の空間で利子率がゼロになります」

「実物投資空間では、より遠く、より速く、より多くが求められる。市場の拡大、販売数の増加と粗利益率の掛け算です。また、粗利益率は交易条件と正比例します」

「経済の合理性は、最小のインプットで最大のアウトプットを、いかに獲得するか。
これらが近代の行動原理となり、資本の自己増殖を図ってきたが、これ以上は増えなくなりました」

「イスラム革命で原油価格が上がって資源ナショナリズムが台頭、交易条件が悪くなった。
そこで、アフリカのグローバリゼーションに向かうが、アフリカの先はない。
一方、1973年の金融自由化で、電子・金融空間(バブル空間)というものが出てきました

「当時、アメリカには貯蓄がないので金融自由化をし、ウォール街の電子・金融空間で日本やドイツの貯蓄を狙った
1995年、強いドル政策が成功。ルービン財務長官が、世界中のお金はウォール街に通ずる、と誇りました」

岩上「日本は橋本内閣で金融ビックバン。1995年はネット元年でもある」

水野氏
「電子・金融空間はPCで情報共有したがナノ秒(10億分の1秒)取引では個人投資家は太刀打ちできない。投資銀行が60倍のレバレッジで投資していたがリーマンショックで自壊

岩上「実体経済は行き詰まった。不景気で量的緩和をしても、ナノ秒取引に流れる。資本主義の終焉を否定する安倍首相や黒田日銀総裁など、アベノミクスを信じる人たちは、実体経済と電子空間で資本が増えると期待しているが難しいのですね」

水野氏
「電子・金融空間は、ほぼGDPに近い。その比率はキリストが生まれて以来、ずっと5%だと言います。
しかし、トマ・ピケティは資本の分布を上位1%に集中し、その資本は1950年以降、相続とスーパーCEOの存在で増えている、と証明しました」

岩上「相続税の緩和やタックスヘブンによる租税回避も大きい。利子の問題とともに、税の補足という問題もからんでくる」

水野氏
「フランスの例がわかりやすい。1700年代のフランス革命で身分ではなく実力に応じた職業選択や所得の獲得が認められたはずでした」

「しかし、1830年代のバルザックの小説では、勉学に励んで上を目指す若者に、老人が『勉強してたってダメだ。お金持ちの嫁さんをもらった方がいい』と諭している。
つまり、フランス革命の前と変わっていない。バルザックは真実を述べていました」

「結局、近代社会になって、政治的には実力社会は実現したかもしれないが、経済的には実現していない。戦争が起きて資産は減ってしまったが、その後のニューディール政策などで、理念は少し実現したところもあります」

戦争とロシア革命という外的ショックで富の再分配があったが、1980年からは富の分配は上位に集中する。
小泉政権の頃、トリクルダウン理論が流行ったが、そもそも近代金融社会では一度も実現したことがない

岩上「自動的な富の再分配はない、と。
それがあったのは、国家によって社会保障などで行なわれたから。
冷戦時代、ソ連などの社会主義体制があった頃は、資本主義も抑制されていたが、それも崩壊してタガがはずれた。これは、先祖帰りなんですね」

水野氏
「旧体制に戻り、第一身分、第二身分、第三身分の社会になる。世襲制は否定されているが、資産を受け継いだ人だけが高所得を保障される。
高学歴も金次第。有名小学校から有名大学へ、親の資産で決まります」

岩上「それに拍車をかけているのが教育費の高騰。教育ローンを組めればいいが、優秀な子でも家が貧しければ門前払いとなる。それはまた、資産家の子弟たちのライバル減らしにもつながる。貧しい子にはハードルが高く設定される」

水野氏「今の成長戦略では、生前贈与で教育費は1500万円まで、住宅も3000万円まで無税にという計画もある。
合計4500万円を無税で資産譲渡ができるように後押ししている。
新しい形の身分制です。近代社会の理想は、経済的には幻想だったのです」

「それを、1700年代から誰が資産を持っているかを調べ上げたピケティの業績は賞讃に値します。
近代社会は、資本の分配をしていないことを隠していた。近代国家を名乗るのはおこがましい」

岩上「ソ連崩壊で、ロシア人は『共産主義のいいところは、西側国家に社会主義の悲惨さを伝え、資本主義国に社会保障などを充実させたことだった』と皮肉っていました。資本主義は、産業革命よりすでに前から始まっていたのですか」

水野氏
1215年、ローマ法王が利子率を解禁した。時間は神様の所有物。利子は時間の私有を意味し、それまでは時間に値段をつけることは禁止していた。
そして、ギリシャ文化を知り、ヨーロッパ人が自信を持ちはじめ、利子率を認めることにつながりました」

「ヨーロッパでは貴重なゴマや胡椒を入手するため、イスラム世界との商売を始め、ペルシャへ向かった。
そのための資金調達の際、投資家がリスクヘッジで利子を要求するようになった。1500年頃のイタリアのジェノバでは利率1%でした」
(※北風: 国際金融資本は13世紀にロンバルジア(ヴェネツィア)に始まり、15世紀にフィレンツェからスイス、ライン地方、ネーデルラントへと拡張する。)

「当時、ワイン産業がメインだったが儲からなくなり、投資先をイスラム交易業者に変えた。1600年頃までイスラム交易は高リスク合資会社では1回限りの交易で清算していたのです」

岩上「オランダが力をもった理由はなんでしょうか?」

水野氏
「スペインやイタリアより造船技術が高かった。またカルバン派の宗教改革者たちが逃げてきていた。
彼らには『海を見て祈れ』という教えがあり、海へ乗り出す。それで、7つの海を支配できた。
スペイン、ポルトガルの旧支配者達が陸志向だったこともあります」
(※北風 北イタリアからと後からはイベリア半島から金融資本家が移住し、有価証券、金利、信用創造の3点セットで無限とも言える「資金」を投資した。
 また彼らはヴェネツィア、ジェノア以来の造船技術者をネーデルラントに持ち込んだ。)

「オランダとイギリスは海と港を求めた。どの空間を支配するかという読みが当たった。それが、近代社会の400年の優越を分けました」

岩上「陸を求めた地中海国家が、海を制したイギリスとオランダに屈したが、戦争が一番の決め手ではないのでしょうか?もうひとつ、ヨーロッパ中心主義の影に隠れているが、明の永楽帝は大船団でアフリカまで行き交易をしていた」
「つまり海のルールを制定したイギリス、オランダなどのプロテスタントの優越性、ヘゲモニーと資本主義の優劣だけで決められないのではないでしょう?中国は、なぜ、台頭しなかったのでしょうか?」

水野氏
「金銀、奴隷に固執していたスペインが、織物など軽工業に投資していたイギリスの技術力と資本力に勝てなかった。中国は、自国の豊かさがムダな覇権争いを避ける理由になったと思います」

「さらに、羅針盤、紙、火薬の三大発明をしたにもかかわらず、より発展しなかったのは、中国皇帝の絶対的な支配のもと、人民に自由度がなかったからと推察します。
ヨーロッパは、王の権力はそれほど強くなく、隣国との覇権争いも多かった」

岩上「ヨーロッパは強欲が許された。合資会社についてはどうですか?」

水野氏
「キリスト教の6000年の終末論を信じていたキリスト教的宇宙観は閉じた世界だった。それをコペルニクス、ガリレオ、ニュートン、ケプラーの科学革命が有限な世界観を覆した」

「つまり、会社にも永遠の命を与えなければならなくなった。1601年、オランダは株式会社を作り、労働者より資本家の立場はより強固になりました」

岩上「初期資本の蓄積はいかがわしい。イギリスは海賊資本主義ですね」

水野氏
「イギリスの海賊はカソリックの船しか襲わなかった。スペインは南米で山賊をやって金銀とともに帰国する途中、イギリスはそれを強奪した。しかし、スペイン王室が滅ばないように加減しました」

「それが19世紀になり、7大メジャーが資源の略奪に変わる。現在は資源も空間もなくなった。
日本は労働搾取、アメリカはサブプライムローンなど移民の資産、ユーロではギリシャなど周辺国からの略奪
です」

ユーロは周辺から集めた富で金融と財政を、ひとつにまとめてドイツ第四帝国になる。その後、ギリシャに還元させる。
ユーロはひとつの経済実験で、閉じた帝国建設です。東側の国境を明確にすれば、それが完成します」

岩上「ギリシャは債務を棒引きしろと。それを突き放すとデフォルトになり、不良債務化し金融危機になるのでは?」

水野氏「ギリシャは債務の元本ままで繰り延べし、棚上げするしかない。
財政同盟ができた時、その黒字分でまかなうしかありません

(※ 財政同盟とはユーロ圏の国家財政を集約調整すること、ユーロの致命的な欠陥を補うことであるが、同時に国家の解体でもある。)

岩上「近代システムの崩壊についておうかがいしたい」

水野氏
「まず、テロとの戦いで、秩序を維持できない例外的状況になってしまった。日本でも1995年、オウムのサリン事件や秋葉原無差別殺人など、生命の安全が保障されなくなりました」

「そして1971年のニクソン・ショックでは、8月15日に一方的に金本位廃止を通達。
解散総選挙も自公民の3党合意は守られていない。政府の信義も守られていない。
それで、資産を持っていない人(※貯蓄ゼロ世帯のこと)たちが1993年は1割。2014年には3割になりました」

「社会科学では実験ができないが、秩序が維持されなければ、実験できるようになる。
ドルに影響しないよう分離させたユーロは、ひとつの実験だ。
ドイツがギリシャを守るため、ユーロから離脱するとは思いません」

「秩序の崩壊は、イラクのフセインを見ればわかるように悪化する。
7世紀にかけて西ローマ帝国崩壊。フランス革命から世界大戦。それで今、4回目の危機になっています」

岩上「近代システムは、主権国家システム(民主主義)+資本主義でうまくいっていたが、資本主義が暴走して、自己増殖に限界がみえてきてしまいました」

水野氏
「16世紀海賊資本主義を例にとると、もともと資本家が国家を作った。それが市民革命を経て、暴走を止めるため憲法を作り、民主主義、立憲主義を作った。
それでもブレーキがなくなり、外側に民主主義や社会主義がブレーキになっていた」

「今や日本では投票率も下がり、民主主義もブレーキにならない

岩上「社会主義があった時は民主主義の存在価値もあった。今は民主主義の危機。もう野党もなく、総理は改憲、消費税増税し、まだ国内に周辺(市場)を作ろうとしている」
「一方で、異次元金融緩和でバブルマネーはアメリカに流れ、国内では家計を疲弊させる。リーマンショックで、電子・金融空間も終わったと言うが、日米では空前の株高で、どう考えればいいのでしょうか?」

水野氏
「それは9.15(リーマンショック)で終わったはずだが、政府が救済。
社会学者ウルリッヒ・ベックは、『それは二重基準』だと言う。
富める人は国家資本主義で救済。中間以下には新自由主義で、自己責任を適用する』と言いました」

岩上「国民も、それがわかりはじめてきたので、国が教育とメディアを管理しようとしている。けれども、資本の帝国も資本の自己増殖が行き詰まっています」

水野氏
金融空間もなくなり、政府の異次元緩和による自己増殖になっています」

岩上「外資が株高を支えていたが、それも逃げ始めている。国家公務員は無傷にして、今、年金基金を注入しはじめた。1万70000円台の乱高下が続くが、この帰結はどうなるのでしょうか?」

水野氏
「円安でドル建ての日経平均だと頭打ちで外資は引き上げです。
株価と政府支持率は連動するので、年金基金を投入して維持。
将来的には株価が下がって年金支給率を下げてしまい、支持率に直結。
なので、その損失分は国債で日銀が買うが長続きしません

岩上「株価暴落になったら、どれくらいの損失がでるか、民主党の長妻昭氏が質問書を出した。政府は、中位で21兆円、リーマンショックレベルで26兆円の損失になる、と回答しました。これを国債で埋めたらどうなるのでしょうか?」

水野氏
「通常なら国債26兆円発行し、日銀が買う。
利回りが上がればすぐ売れて利率は下がってしまう。
債券市場は機能しなくなり財政破綻になる。国家はリスクがあることをやってはいけないのです」

岩上「正常ではない。株高だけ維持すれば支持率は安泰。この間、マスメディアを掌握して、集団的自衛権をともなった軍事国家化に特化しているように見えます。それは軍事、戦争にフロンティア(市場)を求めているようですが、どう思いますか?」

水野氏「今までは戦争はフロンティア獲得の手段だった。それが、第一次、二次世界大戦で総力戦になった。現在、アメリカ本土も攻撃され、核弾頭が飛び交うのでそれはありえない。
これから起きる戦争は、テロとの戦いになるでしょう」

水野氏「オバマ大統領は、世界の警察役を担わないと宣言しました」

岩上「それで日本、NATOを利用しようとし始めた
米国が仕掛けたウクライナ危機や中東紛争、今年になってシャルリ事件が起こり、イラク戦争に反対していたフランスも方向転回した」

岩上「そして、日本人人質事件で日本もテロとの戦いを言わされている
それは、収奪する者と収奪される者の二分化する構造作りで、911以降、繰り返され、それに日本も巻き込まれ、日本の富がいたずらに蕩尽されているのではないでしょうか?」

水野氏
まったくその通りです。
米国も手を焼いているテロとの戦いへの参加は、絶対に避けなければいけない
中東は、そもそもヨーロッパが勝手に引いた国境線で民族を分断した。
ヨーロッパが解決するべきで、日本が出て行く必要はありません」

岩上「利益至上主義の巨大資本家たちは、武器輸出三原則の緩和、兵器の共同開発などを見るように、戦争市場の開拓に向かっているのでしょうか?」

水野氏
「それはわかりません。よりリスクの高いところへ進出していくことをやってはいけない」

岩上「『帝国の台頭と国民国家の退場=帝国化』(『人々はなぜグローバル経済の本質を見誤るのか』)に書いていますが、日本はどこかの属国になるのですか?」

水野氏
「ほっとけばそうなる。単独では成り立たないので、日中韓など近隣で帝国を作るしかない。日米間では遠すぎる

岩上「金融ビックバン以前はお金は国内で還流していた。今は海外に流出する。TPPのように、米国、環太平洋の帝国はありえないのでしょうか」

水野氏
環太平洋は輸送コストが高すぎるので時代錯誤です。
今、考えられるのは環日本海、東シナ海の周辺国の可能性をみるしかない。
今、原油は40ドルが採算分岐点で、半分の油田は赤字になっています」

「1日9000万バレル産出で90~100ドルが採算ライン。ドイツはフォルクスワーゲンを中国で売るなど、ロシアも含め、関係強化につとめている。ユーロがユーラシア大陸と統一しようとしています」

岩上「萱野稔人氏との対談『超マクロ展望 世界経済の真実』(集英社新書)で、イラク戦争はなぜ起きたのかとの項で、石油利権ではなくフセインがドル決済からユーロに切り替えようとしていたのが原因だ、と述べています。それについてお聞きしたい」

水野氏
米国の経済力は世界の4分の1だが、ドルは7割を占めています。
貿易決済だけではなく、資源、食糧までも決済基軸になっています。
ヨーロッパは、常にドルに翻弄されていたので、安定させるためにユーロを作りました」

「ロシア対取引はユーロと言う。米国はシェールガスもあり、中東石油支配を続ける理由がない。
これからは、グローバリズムで世界が1つと言うには利がない、と考えはじめたのです」

ユーロは、地域通貨であり、世界通貨になりつつある。南北アメリカではドル。すると、アジアの通貨が問題になってきます」

岩上「非ドル化が進んでいます。ウクライナ危機をきっかけに、露中貿易も非ドル化になりつつあり、それにイランも同調。ところで、マッキンダーの地政学では『ユーラシアを制する者は世界を制す』と述べています」
「イギリスと米国が第一次大戦で、ベルリンからバクダットへの鉄道を敷こうとしたのを分断するため阻止した。今回、ロシアのパイプラインがヨーロッパに張り巡らされ、ウクライナ紛争を起こした。中国ともつながろうとしています」
「また、中国とベルリンまでのハイウェイや高速鉄道計画も発表された。米国は焦り邪魔をするが、むしろ逆効果で、さらにドル離れに拍車をかける。核戦争も辞さないとの発言すらありますが、どう思いますか?」

水野氏
金本位制撤廃で、海の時代は終わりました。次は、陸の時代です。
一度、歯車が動き出したら止まらない。最近、フォルクスワーゲンが世界一になったのは象徴的な出来事です。ドイツ、ロシア、中国がつながるのは必然的です」

「この流れに日本はどう乗るか。日本もユーロに変える方がいい。韓国と海底トンネルを作る、などもありえます」

岩上「日本はロシアの資源をどうするかも課題。日米同盟がユーラシアと繋がるチャンスを潰している。日本は中国にケンカを売る損な役回りをさせられている」

水野氏
「あとは大局観をもった政治家が出てくるかがカギ。また、国民がそういう政治家を選挙で選べるか」

岩上「成熟している国々は行き詰まっている。G20、ブリックスなどを加えた経済同盟にしたらどうか。日本がそういうものに賛同し、成長を託せばいいのでしょうか?」

水野氏
「植民地時代と違い、海外で稼いだ富を自国に持ってくることは、もはやできない。現在は、海外が成長の源泉にはならない。成長する場所が中心になる

岩上「日本は米国債を買い支え続けている。それがデフォルトしたらどうなるのでしょうか?」

水野氏
ドル・プレミアムが下がり始めるのを見越して、分散投資をしなくてはなりません
これからは、日本の立ち位置を、海か陸かはっきりと見極め、決めなくてはなりません」

「第一次大戦では海の国に従っていたのが、第二次大戦では陸の国になり大負けした。そして今度は海の国にひっついた。
いつも反対のポジション。日英同盟で、ユーラシア同盟に竹槍で向かっていっているのが、今の日本の状態です」

岩上「現在の原油安は、サウジアラビアなどが、イラン、ロシアを困らせる戦略で、さらにアメリカのシェール原油も狙っているとも言います。しかし、米国はサウジの原油増産を否定しない。これが引き金で金融危機になったらどうなるのでしょうか?」

水野氏
「米国のシェール企業と中東の財政赤字が広がる。中東のソブリンファンドしか引受先がなく、債券、社債、株式市場に打撃を受ける。
米国とプーチンの我慢比べ。それより先に金融市場が反乱する可能性があります」

岩上「ルーブル下落中、プーチンは金を買い占めているといいます。世界に90トン金の現物があり、55トン買ったと。どういう意味があるのでしょうか?」

水野氏
ドルの価値が下がると、金が相対的に値上がるので、それを見越しているのでは。
陸の時代では世界が1つになる必要はない。ユーラシアは広すぎるので、日本もシベリアに活路を見出す可能性がある」

岩上「それはロシア、またはベルリンで話すのがいい?」

水野氏
まず、ベルリンとフランスに話をつける方が先でしょう」

岩上「もし日本がそれをしたら、サダム・フセインが思い知らされたように、米国の報復を懸念するが、どうなるのでしょうか?」

水野氏
「米国は世界の警察を放棄したように、もう世界の面倒をみたくない。南北アメリカでまとまればいいと思っている。
しかし、日本は米国一辺倒だ。その時になっても大丈夫なように、今のうちに二枚舌外交をしておかなければなりません」

岩上「ユーラシアで使われる通貨はユーロ、もしくは人民元でしょうか?」

水野氏
「ユーロで固定相場制がいい。ユーロ、ルーブル、人民元は、ファンダメンタルなど、それほど差がないから固定相場をリンクしても大丈夫でしょう」

岩上「通貨の覇権には、信用が裏付けられねばならないが、ユーラシア通貨では、ロシアの資源がそれにあたるのでしょうか?」

水野氏
ロシアの資源とドイツの工業力になるのだろう。ロシアの化石燃料は問題だが、それも自然エネルギーに取り代わる。これからは資源のシフトが課題」

岩上「日本はいまだに2割を原発と。日本の資本主義はそこを打開しないと活路はない」

水野氏
「天然ガスも仕入れなければならない。しかし、ゼロ成長なので、利潤は生まれない。だからといって、帝国主義もパワー不足で非現実的です」

岩上「これから日本は利子率ゼロの時代を生きていかなければならないのでしょうか?」

水野氏
ゼロ成長でもストックは、十分、日本にある
借金を返せないからインフレするというのは本末転倒
100兆円の歳出には、80兆円の税収を考えなければいけない。それが嫌だったら100兆円の歳出を減らすことを考えるしかないのです」

岩上「6人に一人が離婚、結婚も出産もリスクになっている。貧困格差が止まらないと国民がボロボロになってしまう。貧しい者から搾取し、国家が生きていけても国民が生きていけない。どうしたらいいのしょうか?」

水野氏
「それは政府の役目です。もう一度累進課税に戻すしかない。相続で資産が増えているから、それを税金でとっても問題ありません」

岩上「そうすると資産が海外流出するのではないのでしょうか?」

水野氏
「ある程度は仕方ありません。日本に残った人だけで考え、割り切るしかない。海外に出た人が戻るのは受け入れることです」

岩上「日本にいながら企業はタックスヘブンにあるといい、抜け穴だらけ。是正する必要はないのでしょうか?」

水野氏
「G20などで合意するしかない。しかし、ロンドン・シティがタックスヘブンらしい。民主主義は討議と公開制で成り立っているから話し合うしかない。反対すれば、世界中に知れわたり、信用度が落ちます」

岩上「シティのタックスヘブンは、イギリスにとってメリットはあるのですか?」

水野氏
「それがイギリスの投資につながることではないだろうか。
スイスの資本家などは、土地や家屋を買っていると言います」

岩上「つまり、資本は放っておくと反革命に向かうので、もう一度、市民革命の理念に戻るということですね。今日は、ありがとうございました」

これで「岩上安身による日本大学国際関係学部教授・水野和夫氏インタビュー」の報告ツイートを終了します。
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