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中心と周辺(国際金融資本と米国>日本>日本国民)

 米国貧困
 米国の貧困

 日本のエコノミストは婉曲話法が多すぎる。ある程度の基礎用語と現状を解っていないと、何を主張しているのかが不明な論説が多すぎるのである。
 要は中身よりも見出しで結果を宣伝する、縦横硬軟の様々なプロバガンダが多すぎる。
 「日経新聞を死ぬまで読んでも、経済原理さえわからないまま」という言い方の所以である。
 私は考え方の些細な違いはあっても、素直な論説として評価するのは吉田繁治、野口悠紀雄、中原圭介、藻谷浩介、リチャード・クー氏などです。
 
 闇株新聞氏も素直な文章が好ましい一人です。
 なお、文中の水野和夫氏については、このブログにおいては
 「水野和夫インタビュー:資本主義の死
 「今年は日銀が自ら資本主義に幕を引く:水野
 にて紹介しています。
 ーーーーーーーーーーーーーー
   本年のキーワードは「中心と周辺」  1/6  闇株新聞

 あけましておめでとうございます。本年最初の記事なのでいろいろと考えましたが、この話題にしました。

 表題の「中心と周辺」とは、本誌も大変に信頼している証券エコノミスト・水野和夫氏の著作「資本主義の終焉と歴史の危機」からの引用で、「中心」が「周辺」から富を吸い上げて資本主義を発展させていくシステムのことです。

 一般的に「中心」とは西欧諸国のことで、「周辺」とは古くは植民地、最近までは中国などの新興国のことです。

 そして最近は中国などの新興国が自らも「中心」と考えて行動するようになった結果、「中心」が富を吸い上げる「周辺」が世界中から消えてしまい、世界経済全体の成長にブレーキがかかってきました。

 1990年代から「中心」である西欧諸国や日本が豊富な労働力と拡大する消費を求めて中国に進出したのですが、やがて中国自身が生産設備を拡大して「中心」のシェアを奪い、果ては世界の需要をはるかにこえる過剰生産設備をつくってしまったことなどが、その典型です。

 そうなると今度は「中心」が、自国の中に「周辺」を作り、富を吸い上げるシステムを作り出そうとします。

 日本政府が推進する「非正規労働者」「消費増税」「法人減税」の組み合わせは、見事に「周辺」を作り出して富を吸い上げるシステムとなります。

 そう考えるとサブプライムローンとは、「中心」の大手金融機関が富を吸い上げる(収益を上げる)ために作り上げた「周辺」だったことになります。
 儲かる市場(借り手)がなくなってきたので、貸出基準を大幅に緩和して市場(借り手)を作り出して収益源にしようとしたものでした。

 さらにユーロ圏とは、域内の「中心」であるドイツ・フランスなどが安い労働力を供給する「周辺」を域内に作り、さらに共通通貨・ユーロを導入することにより「中心」の投資リスクを軽減してしまう仕組みと考えられます。

 大変に重要なことは、この時代に新たに「周辺」を作り上げて収益を吸い上げても、それは一時的なもので必ず短期間のうちに行き詰まってしまうことです。

 サブプライムの結果はいうまでもなく、ユーロの仕組みも当初の目論見通りにならず「周辺」各国に深刻な財政危機を引きおこしてしまい、域内の「中心」にとって大きな負担となってしまいました。

 日本における「非正規労働者」「消費増税」「法人減税」の組み合わせは、間違いなく深刻な消費不振を招き、日本経済を大不況としてしまうはずです。

 本年の世界経済や株式市場を考えるときに、世界各国や各国の中に作られた「周辺」がどのような弊害を各国に及ぼすかと、どこが新たな「周辺」に組み込まれてしまうのかを見極めることが重要となります。

 ところで日本は本当に「中心」なのでしょうか? 少なくとも「周辺」ではないものの、本当の「中心」が日本を新たに「周辺」にしてしまおうと考えている(※ もちろん米国のこと)はずです。

 繰り返しですが、「周辺」とは「中心」から富を吸い上げられる存在です。

 そう考えると日本(日銀)が「もっと異次元になった」量的緩和で円安を加速し、日本にある国民資産をどんどん米国などの海外に流出させているのは、(今に始まったことではありませんが)日本が改めて米国の「周辺」となるための政策と考えられます。

 国民資産が米国などの海外に流出しても、別に米国などに奪われるわけではないので「何が悪いのだ?」と考えられますが、歴史的には日本から米国などの海外への資金流出が加速したあとはロクなことになっていません。

 1997~8年にはアジア危機、ロシア危機、ヘッジファンド危機となり、2007~8年はもちろんサブプライム問題から世界金融危機となってしまいました。

 ほんの一例を取り上げただけですが、本年はこの「中心と周辺」を頭に入れて、いろいろと考えていきたいと思います。
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