「黙つて働き笑つて納税しませう」妄想狂気の戦時動員スローガン
2015-01-06

戦争狂国家。国民を戦争奴隷にしていた社会。
乱発された妄想のスローガンは国民の心を縛り、体を縛っていった。
今も「ニッポンを取り戻す!」など叫ぶ、狂った妄想性の男がいる。
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黙つて働き 笑つて納税しませう (泣) 2013/8/20 現代書館 「編集部便り」から
この度、『黙つて働き 笑つて納税――戦時国策スローガン 傑作100選』(定価1700円+税)という書籍を出版致しました。
本書は、昭和戦時下につくられた国策標語を収録し、解説・コメントとイラストを加えた内容です。
戦争中、日本では戦意高揚のための数多くのスローガンがつくられました。
「欲しがりません 勝までは」「撃ちてし止まむ」などです。
当時の日本では、職場・学校・街頭・商店街・はては家庭内まで生活のいたる所にこんな標語が貼り出され、日々、日本人を叱り続けていました。
「贅沢は敵だ」「足らぬ足らぬは工夫が足らぬ」など有名なものもありますが、実はさらにとんでもない標語も流布したのです。
「任務は重く 命は軽く」
「金は政府へ 身は大君へ」
「国のためなら 愛児も金も」
「日の丸持つ手に 金持つな」など、思わず絶句してしまうものや、
「りつぱな戦死とゑがほ(笑顔)の老母」
「空へ この子も捧げよう」
「子も馬も 捧げて次は 鉄と銅」など聞いただけで凍りついてしまうようなスローガンもありました。
酒を飲むことを止めさせる「酒呑みは 瑞穂の国の寄生虫」とか、ぎりぎりまで国民の食事量を減らさせようとする
「節米は 毎日出来る 御奉公」などの標語もあり、今でいうところの「ムチャぶり」のオンパレードです。
おしゃれや化粧を糾弾する標語(「飾る体に 汚れる心」)もあれば、プライバシーや家族団らんなど一切無視する標語(「家庭は小さな翼賛会」)、
さらには、団結一致を求める一方で相互監視や相互不信を煽る標語
(「護る軍機は 妻子も他人」「買溜に 行くな行かすな 隣組」)もありました。
禁酒禁煙節食を強要され空腹と勤労動員でフラフラの国民に、何と米英本土を占領せよと気宇壮大な無理難題まで吹っかけます
(「米英を 消して明るい 世界地図」「日の丸で 埋めよ倫敦(ロンドン) 紐育(ニューヨーク)」)。
野望というより妄想に近い標語です。
当時の日本はもしかしたら「中二病」に罹っていたのかも知れません。
揚げ句のはてには
「人並と 思ふ心が 奢りの心」
「権利は捨てても 義務は捨てるな」と叱られる始末です。
当時の国民の苦労がしみじみと偲ばれます。
こんなトホホ感山盛りの、壮絶コピー集が本書です。
本書のタイトル『黙つて働き 笑つて納税』もそんな標語の一つです。
それにしてもコピーとか、ワンフレーズ政治というのは恐ろしいものです。
今も「ニッポンを取り戻す!」と連呼しているオジサンがおられますが、国民は取り上げられる一方です。
ダイジョウブでしょうか?
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