不況と円安地獄、円の実質実効価値は1ドル265円当時に下がっている
2014-12-15
円安:実質実効為替レート、過去30年でも最安値水準 12/5 毎日
円相場は対ドルでは約7年4カ月ぶりの安値だが、通貨の総合的な実力を測る「実質実効為替レート」でみると、円は過去30年で最も安い水準となっている。
実質実効為替レートは主要輸出相手国との為替相場を貿易額に応じて調整(加重平均)し、競争力に影響を与える物価の動きも考慮した指標。
一般の為替レートが円とドルなど2通貨間の交換比率を示すのに対し、複数の通貨に対する円の「総合力」が分かる。
2010年1月を100とし、数値が大きいほど円高、小さいほど円安を示す。
日銀が発表した9月の円の実質実効為替レートは74.82で、1982年11月(74.56)以来の円安水準。
円の総合的価値は対ドル円相場が1ドル=265円台だった当時と同程度ということになる。
10月は75.03と円高方向に戻したが、今月発表される11月のレートは下落している可能性がある。
ただ、テレビや自動車などを日本で生産して輸出していた80年代に比べて、日本企業は海外への生産拠点の移転を進めており、円安のメリットは当時ほどではない。
ニッセイ基礎研究所の上野剛志シニアエコノミストは「円安の追い風があっても輸出の増加は限定的かもしれない。
一方、輸入物価上昇など円安のデメリットは見た目以上に厳しくなっている可能性もある」と指摘する。
ーーーーーーーーーーーーーーー
実質実効為替レートの推移 11/7更新 社会実情データ図録から


(「図録」に説明から)
円の対米ドル・レートだけを見ていても、円が本当に円安か円高かは分からない。
すなわち、ドルに対して円とは別にレートが変動している欧州のユーロや韓国ウォン、中国元などとの貿易取引も多くなっているからである。
そこで様々な国との為替レートを貿易取引のウエイトで総合した為替の指数が作られている。
これを実効為替レートと呼ぶ。
さらに、相手国とのインフレ度の違いが、名目の為替レートでは測れない通貨の実力の違いを生む。
例えば、同じく1ドル=100円で不変であったとしても、日本ではインフレが進んでおらず米国ではインフレによってドルの価値が半分になったとしたら、日本円で半分の米国商品しか買えないのだから円の通貨価値はドルに対して実質半分になったと考えるべきであろう。
実際、日本の通貨価値は長期的に米国やユーロ圏の通貨に比してインフレ度合いが低く推移してきている(図録4730参照)ので、見かけよりも円安が進んでいたのである。
様々な通貨に対してこうした調整を行った後の実効為替レートを実質実効為替レートと呼び、調整前の値を名目実効為替レートと呼ぶ。
ーーーーーーーーーーーーーーー
※ 対外的なその通貨についての実質価値を示すと言い切って良い。
国際的に1ドル265円当時の水準に「円の価値」が下がった。ということ以外の何者でもない。
国内価値ではない。ただ日本は食用米以外の食料、原材料、エネルギーのほとんどを輸入にたよる産業構成である。
国民の窮乏化によって消費者物価が下降していたのは日本のみで、海外は緩やかな物価上昇(通貨価値下落)が普通なので、円安は為替の名目+相手国の物価上昇が差損となる。
つまり、名目1ドル120円になったから原材料が50%高騰ではない。
例えば概ねの例だが、ドルの場合20年くらいで50%下落=輸入品が20年で50%上昇、ここにさらに50%がかぶさるわけである。
はっきりしていることは、実質価値の下落した円は誰も持ちたくないということ。
相対取引は例えば円建てでの輸入はまったく不可能になり、輸出産業は予想以上に利益を上げることになる。
国際的には日本の賃金も商品もサービスも非常に安く感じられるはずである。
輸入では価格交渉力が減退するのは当然となるし、株式などはさっぱり停滞したままに見えることだろう。
要は円通貨しかない私たちは、世界の貧乏人になっているということ。
円安地獄も窮乏化もこれからさらに本格化するということだ。
円相場は対ドルでは約7年4カ月ぶりの安値だが、通貨の総合的な実力を測る「実質実効為替レート」でみると、円は過去30年で最も安い水準となっている。
実質実効為替レートは主要輸出相手国との為替相場を貿易額に応じて調整(加重平均)し、競争力に影響を与える物価の動きも考慮した指標。
一般の為替レートが円とドルなど2通貨間の交換比率を示すのに対し、複数の通貨に対する円の「総合力」が分かる。
2010年1月を100とし、数値が大きいほど円高、小さいほど円安を示す。
日銀が発表した9月の円の実質実効為替レートは74.82で、1982年11月(74.56)以来の円安水準。
円の総合的価値は対ドル円相場が1ドル=265円台だった当時と同程度ということになる。
10月は75.03と円高方向に戻したが、今月発表される11月のレートは下落している可能性がある。
ただ、テレビや自動車などを日本で生産して輸出していた80年代に比べて、日本企業は海外への生産拠点の移転を進めており、円安のメリットは当時ほどではない。
ニッセイ基礎研究所の上野剛志シニアエコノミストは「円安の追い風があっても輸出の増加は限定的かもしれない。
一方、輸入物価上昇など円安のデメリットは見た目以上に厳しくなっている可能性もある」と指摘する。
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実質実効為替レートの推移 11/7更新 社会実情データ図録から


(「図録」に説明から)
円の対米ドル・レートだけを見ていても、円が本当に円安か円高かは分からない。
すなわち、ドルに対して円とは別にレートが変動している欧州のユーロや韓国ウォン、中国元などとの貿易取引も多くなっているからである。
そこで様々な国との為替レートを貿易取引のウエイトで総合した為替の指数が作られている。
これを実効為替レートと呼ぶ。
さらに、相手国とのインフレ度の違いが、名目の為替レートでは測れない通貨の実力の違いを生む。
例えば、同じく1ドル=100円で不変であったとしても、日本ではインフレが進んでおらず米国ではインフレによってドルの価値が半分になったとしたら、日本円で半分の米国商品しか買えないのだから円の通貨価値はドルに対して実質半分になったと考えるべきであろう。
実際、日本の通貨価値は長期的に米国やユーロ圏の通貨に比してインフレ度合いが低く推移してきている(図録4730参照)ので、見かけよりも円安が進んでいたのである。
様々な通貨に対してこうした調整を行った後の実効為替レートを実質実効為替レートと呼び、調整前の値を名目実効為替レートと呼ぶ。
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※ 対外的なその通貨についての実質価値を示すと言い切って良い。
国際的に1ドル265円当時の水準に「円の価値」が下がった。ということ以外の何者でもない。
国内価値ではない。ただ日本は食用米以外の食料、原材料、エネルギーのほとんどを輸入にたよる産業構成である。
国民の窮乏化によって消費者物価が下降していたのは日本のみで、海外は緩やかな物価上昇(通貨価値下落)が普通なので、円安は為替の名目+相手国の物価上昇が差損となる。
つまり、名目1ドル120円になったから原材料が50%高騰ではない。
例えば概ねの例だが、ドルの場合20年くらいで50%下落=輸入品が20年で50%上昇、ここにさらに50%がかぶさるわけである。
はっきりしていることは、実質価値の下落した円は誰も持ちたくないということ。
相対取引は例えば円建てでの輸入はまったく不可能になり、輸出産業は予想以上に利益を上げることになる。
国際的には日本の賃金も商品もサービスも非常に安く感じられるはずである。
輸入では価格交渉力が減退するのは当然となるし、株式などはさっぱり停滞したままに見えることだろう。
要は円通貨しかない私たちは、世界の貧乏人になっているということ。
円安地獄も窮乏化もこれからさらに本格化するということだ。
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