小沢氏12/2第一声、新潟県魚沼「暮らしを守る政治を」
2014-12-03

衆議院選挙が公示された12/2、小沢一郎生活の党代表は新潟県魚沼市のJA北魚沼前で、第一声の街頭演説を行った。
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生活の党・小沢一郎代表の第一声【全文書き起こし】 12/2 thePAGE
小沢:皆さん、こんにちは。国民の生活が第一という政治理念を標榜いたしまして活動しております、生活の党の小沢一郎でございます。
今日から総選挙始まりました。その総選挙の第一声、最初の地に大きな都会ではなく、皆さんのいるこの広瀬を選びました。
なぜか。私は本当に日本人の心のふるさと、日本人の原点は地方に、農山村の中にある。そういう思いをずっと抱き続けながら、今日まで政治活動を続けてまいりました。
今回の選挙戦ではその気持ちを同じくする長年の同士であります、森ゆうこくんを皆さまも彼女の活躍はご承知のことと思います。
森ゆうこくんを皆さんの代表としてご推薦し、お願いを申し上げているところでございます。
どうか皆さまの理解ある温かい、力強いご支援を賜りますよう、まずお願いを申し上げるものでございます。
さて、今回の選挙戦、安倍さんはアベノミクスの是非、イエスかノーかということを国民皆さんに問う選挙だと言っております。
しかし、皆さんアベノミクスの実態っていうのはなんだか分かりますか。実は私もよく分かんない。
ただ、アベノミクスと言われ、言葉だけがもてはやされましたけれども、その結果はどうでしょうか。
株はなるほど上がりました。そして円は安くなった。
株が上がったからといって、国民の大多数の人がうんともうかったわけではありません。一方で円が安くなってどうなりましたか。
日本はほとんど食料も燃油もガソリンも何もかも輸入に頼っております。ですから、円が安くなるということは、外国から輸入する物が高くなるということであります。
ですから、まだまだ円が今日も明日もたぶん安くなるでしょう。
そうしますと、物価が上がる一方。一部の企業が史上空前の利益、円安でもって史上空前の利益を上げていますけれども、一般国民に取りましては物価が上がって、そして、収入はどんどん減る一方。
そういうことがアベノミクスの実態であります。なんにも国民にとりましてはいいことありません。
私たちはそういう意味におきまして、この安倍政治を、今の政治をどうしても皆さんの力で変えなくてはならない。
その思いでこの選挙戦に臨んでおります。
私は45年前に、古い話ですけども、田中角栄先生の門をたたいて、どうか弟子入りをお願いしますと、そう言いました。
あの人情味のある優しい先生だから「おお、よしよし」つってすぐ弟子にしてくれるかと思いましたら、そうでなかったです。
多くの人たちに対しては本当に優しい、人情味のある、世話好きの先生でしたけれども、こと政治選挙に関しては大変厳しい先生でありました。
私、なんと言われたか。「おお、おまえが小沢一郎か。政治家になりたいって。政治家に、国会議員になりたいんなら、5万軒戸別訪問して5万人以上の人と握手して、それからもう一度俺んとこ来い」。
そう言われました。
その心は何か。
直接たとえ短時間であっても地域の皆さんと、選挙区の皆さんと、握手をし、言葉を交わし、そうしなければ本当にみんなが何を悩み、何が困っているのか、どう思っているのか、政治に何を望んでいるのか分かんないじゃないか。
東京でなんぼ本読んだって分かりません。そういうことを田中先生に言われました。
おまえたちはまず、偉そうに天下国家論ずるより先に選挙区の地元の皆さんが本当にその気持ちをしっかりと自分の胸にたたきこんで、そうして地元の大地に根を下ろした。そういう政治家にならなくてはならない。天下国家はそれからでも十分だ。
こう言って先生からしかられました。
私はその言葉を忠実に守り、国に帰って一生懸命歩いて、一生懸命皆さんとお話をして、そして、しばらくしましてから田中先生のところに行って、ようやく弟子入りを許された。そういう経過があります。
私はそれ以来、四十数年たっておりますけれども、そのときの先生の言葉と、私自身の政治信条として今日まで忘れずに、ずっと持ち続けて政治を行ってきたつもりであります。
そういう考え方からいたしますと、本当に今、行われている政治。かつての自民党は今のような考え方じゃなかったですよ。
私も自民党に長くいました。
しかし田中先生の、今、紹介した言葉にあるとおり、自分たちの心のふるさと、よって立つ地域のことを決して忘れなかった。
だから、かつての自民党は地方のことばっかり甘やかす。農業のことばっかり過保護にする。いろんな批判を浴びましたけれども、ずっと全国どんな山村に住んでいても、どんな離島に住んでいても、みんなが安定して生活できる。
そういう国土を、日本をつくらなきゃいけない。その思いをずっと田中先生ばかりでなくて、自民党の政治家は持ち続けてきたんです。
ところが今、どうですか。今の政治家はどうですか。
これは小泉さん以来であるんですけども、安倍政権になりましてより強くなった。
要するに自由競争、市場原理。自由競争で勝ったものが生き残ればいいんだ。競争力のある力の強い企業をどんどんどんどん大きくする。
そして、その企業がもうけたお金を国民に全部分配すればみんなも良くなるじゃないか。こういう話です。
小泉さんもそうだった。
だが皆さん、今回、為替が安くなって、円が安くなって、輸出を中心とした大企業は史上空前のもうけを出しております。
利益を出している。
その利益を出した金がみんなに回りましたか。
全然みんなには回らずに、企業の懐にたまっているだけじゃないですか。
そうでしょう。こういうのが政治だとしたら、それはもう政治は要らない。
自由競争を放りっぱなしにして、強いものが勝ちさえすればいいんだっつうんだったら、まさに弱肉強食の世界じゃないですか。
私は今の安部さんの政治を、個別にどこがいいとか、悪いとかなんとかっていうことを言ってんではなくて、こういう基本的な考え方で政治を行っている。
それが根本的な間違いだということを皆さんに分かってもらいたいんであります。
この3~4日、党首がなんか8人も9人も顔を合わせてテレビだのなんだのやりました。
その中でも誰も農村のことを、農業のことを、地域のことを、ほとんど触れる人は誰もいない。
私はそういう意味で、こんな政治を続けていたら、本当に国が結果として滅びてしまう。
本当に心配いたしております。
大企業の、経団連のお偉いさんともたまに会うんです。
あんた方、目先はそうやってお金もうけて、そして労働者も正規雇用しない。
全部非正規雇用で都合悪いときは首を切れる。給料も安くて済む。
そういう思いでやっているかもしれないけれども、しかし、国民が疲弊してしまったら、結局はあんた方にそのつけも回るんだよ。
天につばする話だと。
今景気良くするんだ、景気良くするんだって、安倍さんやなんかみんな一生懸命言っているでしょう。
日本の経済の6割以上は個人消費なんです。
個々の皆さんが使うお金、それが日本の総生産の6割以上を占めているんです。
アメリカでは7割以上。
ですから、大企業がいくらもうかったからって、個人個人の皆さんの収入が増え、生活が安定しなきゃ、消費に回さずに財布のひもを締めんのは当たり前でしょう。
将来どうなるか分かんないのに。収入も減ってきている。
結局、個人消費は増えない。落ち込んでいる。
だから景気は良くなっていないんです。ですから、景気が良くなったら消費税延期なんかしませんよ。
景気が悪い。自分の政治の実態が見えちゃう。
その前に総選挙をして、まずもう一度、政権を続けたい。それが今回の選挙であります。
私は本当に今の政治のやり方を心配しております。
私も実は岩手県、もっともっと北国の農村の生まれです。米を作っています。地元の農協の組合員でもあります。
ここもちょうど農協の前だ。私は、例えば今も交渉行われていますがTPP、農協が反対だ、反対だってすごいでしょう。
私もこれをこのまんまにしていると、結果として大変なことになるよと。
もちろん農業だけではないんですけどね、本当はこのTPPっちゅうのは。保険の問題とかなんかいろんな問題含んでんですけれども、真っ先に農業の、は、やられますよ。
農林漁業は一番、直接すぐ影響を受ける。だから、こんなことを本気になって考えなくちゃ駄目だ。
しかし皆さん、その当時は自民党もTPP反対だっつってたの。たぶん自民党の話聞いた人は覚えておられると思います。
そのときは、選挙のときは反対だ、反対だっつってたの。ところがどうですか。選挙に勝って政権取ったらTPP交渉一生懸命になってやってるじゃないですか。
今にアメリカに全部、言うとおりにさせられちゃいますよ。こんなね、国民にうそついちゃいけない。
私はそういう意味で最近、岩手県の農業団体の人もなんとか、小沢先生、大変だ、大変だ、あんた頼りだから頼みます、なんて言ってくるの。
何、今頃言ってんだと、最初から俺、言ってるじゃないかと。それなのにあんた方は自民党を支持した。その結果が今日じゃないか。
私はそう言いながらも、もちろんできるだけのことはするつもりでおりますけれども、現実に本当に国民の皆さんに本当のことを言って、そして皆さんの理解と力を貸していただかなければ政治はできない。
私たちが国民の生活が第一、政治とは国民の生活を守ることだと。そう言っているのはそこにあるんです。
今さっき言ったように、勝手に強いものが勝ちゃいいんだというんじゃ、もう政治家も政治も要りません。
どうか皆さん、このことをぜひともお考えいただきたいと思います。
今の自民党政権は、かつての自民党とはもう違います。
地域のこと、農村のことを本気に考えて政治をやっていません。
私はそういう意味で皆さんがこれからの政治を皆さんの自身の暮らし、生活のことなんですから、政治関係ない、そういう人もいますけれども、そんなことはありません。
結局は政治のやり方次第で国民の生活が左右されます。
私はそのことで今日こうして心のふるさとである、この皆さんの地域に来まして、選挙戦の第一声を訴えているところであります。
どうか皆さん、本当にね、本当にね、お考えいただいて、選挙のときだけいいこと言って、あとは当選したら忘れちまう。
これでは皆さんの気持ちは通用しません。
消費税も延期するなんて言っているけども、この選挙で勝ったらどうなるか分からない。
消費税法というのは、黙っていると10月に上がる法律、上がるようになってんですよ。放っとけば。
だから、本当に延期するならば、法律を改正しなきゃならない。
選挙前にちゃんとやれば良かったじゃないですか。そうでしょう。
増税を延期することに国民皆さんも、われわれも誰も反対しませんよ。国会なんか1日で通っちゃいますよ。
なんで、それやってからで十分間に合った、会期中ですから。
しかし、その法案の修正もやっていません。
私はそういうようなことを考えまして、本当にわれわれ、一生懸命頑張ってまいりましたけども、今は小さな政党ではありますけども、みんな心あるものが、やはり気持ちを1つにして、そしてこの国の政治をいわゆる、強いもの中心、大企業中心の政治から大多数の本当に日本の国を支えている大多数の国民皆さんの暮らしを守る。
そういう政治に変えなくてはいけない。このことをぜひとも皆さんに、総選挙の最初に申し上げたくて、参りました。
どうか皆さん、そのためにも森ゆうこくん、本当に素晴らしい能力を持った女性です。
私は皆さんのお力でなんとしてもこの選挙で勝たせていただいて、そして、国会に送って、皆さんのために獅子奮迅の働きをしてもらう。
どうかそういう結果が出ますよう、これから来週の日曜日、投票日でございますが、どうか皆さまのさらに一層の今後のご支援を心から重ねてお願いを申し上げまして、ごあいさつといたします。
ありがとうございました。
本当にお寒いところ、お寒いところありがとうございました。
お忙しいところありがとうございました。
よろしくお願いいたします。
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