翁長氏が「撤回」まで踏み込まないのは当然
2014-11-10

喜納昌吉氏と植草一秀氏が、翁長雄志氏が選挙公約に「埋め立て承認撤回」を掲げない点を批判していますが、これは行政行為の有効無効、撤回取消しなどについての知識の不十分さによるものと考えられます。
喜納氏についてはその後にその芸能タレントまがいの人格と、辺野古批判票の分断が目的であることがあらわになり、泡沫まがいとなったようです。
植草氏についてはまだ自分の踏み込み違いに気づいていないのかも知れません。
県民の意思はもちろん圧倒的に辺野古反対です。
ただ、その具体的な方法手段として撤回か、取り消しか、また別の手段かは、今現在しっかりした準備検討がなければ公約はできないものです。
撤回であろうが取り消しであろうが、行政行為を将来無効とする行政行為なわけですから、ハードルは極めて高いものです。
その撤回なりの行為の無効を国から求められた場合、県が裁判を提訴して挙証責任を負います。
十分な準備と検討検証をもって方法手段を選ぶべきものでしょう。
立候補の思いつきで選択するようなことではありません。
方法手段を選挙公約で縛るべきものではないでしょう。
手足を縛って敵とは闘えませんから。
行政裁判で地方自治体が国に勝利するのがいかに困難なことかは、みんな知っているとおりです。
少なくとも十分に検討し、法的にも政治的にも最も有効な戦術をとることが当然です。
喜納氏の主張はまさしく「辺野古批判票分断」の「謀略」でしかないでしょう。
以下は沖縄県労連の解説からの抜粋です。
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翁長雄志氏が「埋め立て承認撤回」を掲げないのは後退か? 9/30 沖縄県労連
翁長氏の関連発言。
9月13日の出馬表明記者会見(9月14日付琉球新報)
「知事選で仲井真知事の承認に対する県民の意思をはっきり示し、具体的な方法をとっていく」
「県民が撤回を望んでいるから尊重するというのは、こころを一つにできる表現だ。
これは県民が試される話にもなる。損害賠償を国から求められる可能性もある。
撤回と取消をどうみるかは、県民の考え方も必要になる。
辺野古基地を造らさないために、何ができるかを考えていきたい」
9月16日の那覇市議会答弁(9月18日付沖縄タイムス)
「私は承認しないと決意表明している。県民の判断が下された後に、承認の撤回、取り消しの選択を視野に入れて頑張りたい」
9月24日の定例記者会見(9月26日付沖縄タイムス)
「仲井真弘多知事の埋め立て承認の取り消し、撤回も視野に入れ、いろんな手法で辺野古に基地を造らさない」
このような翁長雄志氏の発言をみれば、撤回も取消も選択肢として持っていることを示しています。
手元にある法律用語ハンドブックには、撤回と取消について下記のように記述されています。
「公法上の『取消し』は、行政行為に瑕疵があることを理由として、その効力を行為の当時に遡って失わせる行為をいうのに対して、
『撤回』は行政行為に瑕疵はないがその後に発生した新たな事情によって、その行政行為の効果を持続させることは適当でないので、将来に向かって消滅させる行為をいうものとされている。」
そうであれば、「撤回」を公約に掲げることは「仲井真知事の埋め立て承認に瑕疵(欠陥)はないが、埋め立て承認後に、承認を持続させることが適当でないとされる新たな事情とは何かを明確にしなければ、説得力を持ちません。
「取消し」の場合は、仲井真知事の埋め立て承認にいたる経過も検証し、瑕疵を洗い出す作業が必要になります。
このような検討も検証もなしに、ただ「撤回」を掲げることが責任ある態度と言えるのかどうか・・・です。
撤回すること自体は、「私は嫌だから撤回する。県民も支持している」で良いのかもしれませんが、裁判にでもなればとても太刀打ちできるものではありません。
(※ 損害賠償というものではなく、行政訴訟としての敗北。取り返しの付かない事態となる。)
翁長雄志氏が13日の出馬表明記者会見で述べているように、損害賠償などの可能性も考え、何が最善の方法なのかを皆で考えていくことこそ、責任ある態度と言えるのではないでしょうか。
(※ 前行で言ったが、損害賠償などではない、十分な検討検証もなく撤回するなら、その撤回(行政行為)の無効を提訴されれば終わりである。)
また、裁判を起こされた場合は県民が一丸となって裁判を支えていく覚悟を固めていくこと、それこそが「県民が試されている」ことだと受け止めます。
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