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プーチン氏バルダイ会議演説:新たなルールはあるのか、それともルールのないゲームなのか?

プーチンバルダイ

    在日ロシア連邦大使館のツイッターから編集。

在日ロシア連邦大使館 @RusEmbassyJ · 10月30日
10月24日、ソチで第11回バルダイ会議「世界秩序:新たなルールはあるのか、それともルールのないゲームなのか?」が行われた。
そこでのプーチン大統領の演説はけっこう興味深かったと感じた。
しかし、日本ではその演説について報道は殆どなかったため、今夜はそのところを少し補いたいと思います

(以下10/30バルダイ会議のプーチン氏演説)

現代世界が劇的に変化しているというテーゼはもちろん新しいものではありません。
世界の政治、経済、社会生活において、また、生産技術、IT、社会工学の分野において抜本的な変革が起こっているのに気付かないわけにはいきません。

現状を分析するにあたり、歴史の教訓を忘れることはできません。
第一に、世界秩序の転換(今日私たちが目にしている現象はまさにこの規模のものです)には世界戦争や世界規模での衝突、そうでなければ、激しい地域紛争の連鎖が伴うのが常でした。

そして第二に、世界政治とはまず何を差し置いても、経済的指導力であり、戦争と平和の問題であり、人権を含む人道分野の問題です。

世界には多くの矛盾が蓄積している。私たちはお互いに率直に訊ねてみなくてはならない。
私たちには信頼できるセーフティーネットがあるのかどうか、と。
残念ながら既存の世界的・地域的な安全保障体制が私たちを激動から守ってくれるという保証や確信はない

既存の体制は大きく弱体化し細分化され変形してしまっている。
政治・経済・文化協力の国際的・地域的な機関は厳しい時を迎えている。
たしかに世界秩序を保証する多くのメカニズムはずいぶん前にできあがったものであり、そこには第二次世界大戦の結果としてできあがったもの含まれる

このような体制が堅固でありえたのはパワーバランスだけによるものではありません。
また、勝者の権利だけによるものでもなく、この安全保障体制の「創設の父たち」がお互いを尊重しあい、「何でもかんでも奪い取ろう」とするのではなく、合意形成を心がけていたことにもよるのです。

重要なのは、この体制が発展し続けていたということであり、様々な欠点はあったものの、既存の世界的な問題の解決とはいかないまでも、そうした問題を枠の中に収め、自然な国家間競争が先鋭化しないように調節する助けにはなっていたということです。

この抑制と均衡のメカニズムは、この数十年間、なかなか上手く機能せず、時として調整に大きな痛みを伴うこともありましたが、決して破壊してはならないものだったと確信しています。
いずれにせよ、代替を用意することなく何かを破壊することはしてはならないことでした。

さもなければ、実際のところ、暴力以外に何のツールも残されなくなってしまうからです。
合理的な再編を行い、国際関係体制を新たな現実に適応させることが必要でした。

しかし、「冷戦」の勝者を自称するアメリカは自信過剰に振る舞い、そんなことは必要ないと考えました
そして、秩序と安定の必須条件である新たなパワーバランスが構築されるかわりに、逆にアンバランスの急激な拡大を招く措置がとられたのです。

冷戦」は終結しました。
しかし、その終結がもたらしたものは「平和」の締結ではなく、また、既存のルールや基準を遵守するという、あるいは新たなルールや基準を設定するという明瞭で透明性のある合意ではありませんでした。

いわゆる「冷戦の」勝者が情勢を「掌握して」全世界を自分だけに都合の良いように、自分の利益にかなうように根本から変えようと決意したという印象があります。

そして、できあがった国際関係や国際法の体制、抑制と均衡の体制がこの目標達成の障害になったときには、そのような体制は即刻、無意味で古くさく、すぐに廃止されるべきであると宣言されました。

これでは唐突に巨万の富が転がり込んだ成金の行動と同じです。
この場合の富とは世界制覇であり、世界的指導力です。
そして、この富をもちろん自分のためも含め、賢く丁寧に扱うかわりに、多くのヘマをしでかしたように思います。
 ……………
世界政治では異文と沈黙の時代が始まりました。
法律虚無主義の圧力に押され、国際法は一歩ずつ後退していきました。
客観性と公平性は政治的便宜主義の犠牲になりました。
法的ルールは勝手な解釈と不公平な判断に取って代わられました。


それでも、世界のマスコミを完全に支配することで、やろうと思えば、白のものを黒にし、黒のものを白として世界に伝えることができたのです。

一国とその同盟国、あるいは別の言い方をすれば、衛星国が大勢をなしている状況では、グローバルな解決策を模索するところが、往々にして、自分たちの独自の処方箋を普遍的なものであるとして押しつけるような動きになっていました。

この集団の野心はどこまでも膨張し、自分たちが内々に策定したアプローチがあたかも国際社会全体の意見であるかのように提示されるようになりました。
しかし、それは間違っているのです。

国家主権」という概念自体も、多くの国々にとっては相対的な数値となりました。
実際には、次のような公式が適用されます:世界唯一の為政者に対する忠誠心が強ければ強いほど、その国の政府の正当性が増すというものです。

言いなりにならない国への対処策は周知の通りで、実際に幾度となく試されています
それは武力行使、経済的圧力やプロパガンダによる圧力、内政干渉であり、紛争を非合法に解決しなくてはならない時には「法を超える」正当性なるものに訴え、気に入らない体制は打倒するというものだ。

昨今では、一連の世界の指導者に対してあからさまな脅迫がなされている証拠もでてきています。
いわゆるビッグ・ブラザーが、自分の近しい同盟国を含め、世界中を監視するためも何十億ドルも支払っているのは故あってのことなのです。

ここで自らに問うてみましょう。そんな世界に暮らすことが私たち全員にとってどれほど快適で安全で心地よいものなのだろうか?
この世界はどれほど公平で合理的なのだろうか?もしかすると私達が心配し論争し気まずい質問をしなければならない根拠などたいしてないのではないだろうか?

もしかすると米国の例外主義や指導力の使い方は実際に皆の役に立っているのではないだろうか?
米国が世界中のありとあらゆる出来事に干渉していることでもしかすると安寧と平穏、成長と繁栄、民主主義がもたらされていて私達はただリラックスして楽しんでいればいいのではないだろうか?

答えはノーです
一方的な強制や独自の慣例の押しつけは全く逆の結果をもたらします
紛争の解決のかわりに紛争の激化を、安定した主権国家ではなくカオスの拡大を、民主主義ではなく、露骨なネオナチからイスラム過激派といった相当怪しげな手合いへの支持をもたらすのです。

どうしてこうした手合いが支持されるのでしょうか?
なぜならある段階で目的達成のための手段として使っているからだ。その後、大失敗をして撤退するのだ。
相手達が、ロシア語で言うところの、何度も同じ轍を踏み続けている、つまり同じ過ちを犯し続けていることに私はいつも驚かされる

かつて、彼ら(米国等)はソビエト連邦と闘うために、イスラム過激派に資金援助を行いました。
アフガニスタンで鍛えられた人たちです。
そうした中から「タリバン」や「アルカイダ」が育ちました

西側は国際テロリストがロシアに、そして中央アジア諸国に侵入するのを、支持はしなくとも、黙認していました。
いや、実際には情報面、政治面、資金面で支持していたと私は考えています。
私たちはこのことを忘れてはいません。

そして、恐ろしいテロが当のアメリカで発生して初めて、テロの脅威が共通であるという理解が得られたのです。ちなみに、あのとき私たちはどこよりも早くアメリカ国民への支持を表明し、友人として、パートナーとして、あの恐ろしい9.11の悲劇に対応しました。
 ………………
米欧の指導者との対話の中でテロは世界全体への挑戦であり、共同で闘わなくてはならないと常日頃から述べてきました。
この挑戦は容認できるものではなく、二重基準を使って調整できるものでもありません。
米欧は私達の考えに同意しました。
しかし少し時間が経てばまた元の木阿弥です。

イラクへの介入が始まり、リビアへの介入が始まりました。この国は崩壊の危機にさらされました。
いや、さらされた、ではありません。
今、この国は崩壊の危機に直面し、テロリストの城塞となっているのです。

エジプト現政権の意思と賢明さがなければ、このアラブの大国はカオスと過激派の横行を回避することができなかったでしょう。シリアでは、かつてと同じように、アメリカとその同盟国が武装勢力に堂々と資金援助と武器供与を始めており、各国の傭兵が入隊するのを黙認しています。

さて、武装勢力はいったいどこから資金、武器、軍事専門家を手に入れたのでしょうか?これらはどこから来たのでしょう?
あの悪名高いいわゆるISISがほぼ軍隊と変わらない強大な部隊となり得たのはどうしてなのでしょうか?


資金源に関しては現在は麻薬収入だけではなく、石油販売収入もあり石油生産はテロリストが掌握する地域で展開されています。
ちなみに、国際部隊のアフガニスタン駐留中には麻薬生産量が数%というレベルではなく、数倍というレベルで増加したことは、皆さんご存知の通りです。

彼らは石油を捨て値で売り、生産して、輸送しています。というのも、テロリストへの資金援助になるということも、そのテロリストが遅かれ早かれ自分の国にやってきて、その国に死をもたらすことになるということもよく考えずに、この石油を買って転売し、儲けている者がいるのです。

新兵はどこからやってくるのでしょうか。同じイラクでは、サダム・フセイン政権が転覆した結果、軍隊を含む国家制度が破壊されました。
そのとき私たちは言いました:用心深く慎重にやらなくてはなりません。彼らをどこに追いやったのですか。
路頭に迷わせたのではありませんか。

彼らはどうなるのですか。
公平であれ不公平であれ、彼らが地域大国の幹部だったということを忘れてはなりません。
そんな人たちをいったいどうしてしまうつもりですか、と。

そして結局どうなったでしょう。
バアス党」の活動家であった数万人の兵士や士官は路頭に迷い今日、武装勢力の部隊のメンバーとなっています。
もしかするとISISの戦闘能力はここに由来するのではないでしょうか。彼らは軍事的にみてとても効果的に行動していて、まさにプロです。

一方的な武力行使や主権国家に対する内政干渉、急進主義者や過激主義者に取り入ることの危険性をロシアは幾度となく警告してきました。
そして、ISISをはじめシリア中央政府と対立している勢力をテロ組織に認定するよう訴えてきました。
ところが結果はどうでしょう。無駄でした。

時として、(※ 西側の)私たちの同僚や友人は常に自分たちの政治がもたらしたツケと闘っているのではないか、彼らは自分たちが作りだしたリスクを除去するために全力を投じ、そのためにどんどん増大する代償を支払っているのではないかという印象を受けます。
……………………
一極構造時代は、ひとつの大国の優勢が強まることによってグローバル・プロセスのガバナンスは改善しないということを如実に示しました

むしろ逆で、そうした不安定な一極構造には地域紛争、テロ、麻薬流通、宗教的狂信、ショービニズム、ネオナチズムといった真の脅威に効果的に立ち向かう能力がないことが証明されました

こうした構造は同時に、民族の虚栄心、世論操作、強者の意思による弱者の意思に対する弾圧の顕在化に大きく道を開くことになりました。
実質上、一極世界とは人々に対する独裁、国々に対する独裁の擁護であり、弁明なのです。

ちなみに一極世界は指導者を自任する当国にとっても面倒で扱いづらく制御しづらいものでした。
そうした状況だからこそ新たな歴史的段階を迎えた中、大国(米国)の指導的地位を復活させるための便利なモデルとして擬似二極体制のようなものを復活させようとする今日の試みがあるのです

このアメリカのプロパガンダにおいては、誰が「悪の中枢」の役、最大の論敵であったソ連の役を担うのか重要ではありません:それは核技術を追求するイランでも、世界最大の経済大国である中国でも、核大国のロシアでもいいのです。

現在私達は、世界を分裂させ、境界線を引き、共通の目的のためではなく、誰かしら共通の敵がいることを原則に連合を組み、「冷戦」時代と同じように、もう一度敵のイメージを作り上げ、それによって指導者としての権利、あわよくば独裁の権利を得ようとする試みを再び目にしています。

私たちは「冷戦」時代に情勢がどう解釈されていたのか、皆、よく分かっていますし、よく知っています。
アメリカの同盟国は常にこう言われていました:「私たちには共通の敵がいて、その敵は恐ろしく、悪の中枢です。
私たちは同盟国であるあなたたちをこの敵から守ります


その代わり、私たちにはあなたたちに指図する権利がありますし、あなたたちが自国の政治的・経済的利益を犠牲にして集団的自衛の費用を持つよう強制する権利があります。
けれど、この自衛軍を指揮するのは、当然私たちです
」と。

一言で言えば、今日、形を変えて新しくなった世界においても、旧来と同じグローバル・ガバナンスのスキームを実現させようとしていることは明白であり、それは自国の例外主義を保証し、政治的・経済的な分け前を得ようとしてのことなのです。

しかし、そうした試みはどんどん現実から乖離するだけではなく、世界の多様性と矛盾しています。
こうした行動は必然的に抵抗や反発を生み、全く逆の効果をもたらすことになります。
政治がむやみに経済に紛れ込んだ結果、いったい何が起こっているのかを私たちは目にしています。

例え自国の経済的地位や利益、とりわけ自国のビジネスの利益を損なうことになったとしても合理性の論理が対立の論理に道を譲る様子を私達は目にしているのです。
共同経済プロジェクトや相互投資は、国同士の距離を客観的に縮め国家間関係における目下の問題を緩和する手助けとなります

しかし今日、世界のビジネス界は西側諸国政府から未曾有の圧力を受けています。
「国家、自由主義世界、民主主義などが危機にさらされている!」というスローガンが放たれれば、ビジネスも経済的合理性も実利主義もそっちのけです。
総動員なのです。これが動員政治です
 …………………
制裁は既に世界貿易の基本を、WTOの規則を、私有財産の不可侵の原則を覆し、市場と自由と競争に基づいたグローバリゼーションのモデルを揺るがせています
ちなみに、このモデルの最大の受益者は他でもない西側諸国です。

今、こうした国々はグローバリゼーションの指導者として、信頼を失墜するリスクを冒しています。どうしてそんなことをする必要があるのでしょうか?

アメリカにしても、その成功の可否は投資家、国外のドル保有者や債券保有者の信頼に大変大きく左右されるはずです。
信頼は明らかに失われつつあり、グローバリゼーションの成果に対する失望の兆候は、現在、多くの国で見られています。

かの有名なキプロス事件や政治的動機による制裁は、政治的・経済的主権化の傾向を増大させ、各国やその地域連合が何らかの方法で外圧から身を守ろうとする動きを増大させたに過ぎません。

現在すでに、ドル依存を脱却し、代替の金融・決済システムや準備通貨を設定しようとする国の数は増える一方です。
私にはアメリカが墓穴を掘っているようにしか見えません。
政治と経済を混同してはならないはずなのに、それが今起こっているのです。

こうした決定がどのようにしてなされ、誰の圧力があったのか、私たちは分かっています
それでも、この点は強調しておきたいのですが、ロシアは威を張ったり、誰かに腹を立てたり、誰かに何かを乞うたりするつもりはありません
ロシアは自立した国です。

私達は今できあがっている対外経済環境を受け止め自国の製造業と技術を成長させ、より毅然とした態度で改革を推し進めます。
外圧はこれまでも幾度となくそうだったように私達の社会を団結させ、いわば私達に油断の隙を与えず成長の基本的方向性に意識を集中するよう強いることでしょう。

制裁は当然のことながら私たちを邪魔しており、この制裁で私たちに損害を与え、私たちの成長を阻害し、私たちを政治的・経済的・文化的孤立へと追いやろう、つまり、後進国へと追いやろうとしているわけです。
しかし、強調しておきますが、世界は抜本的な変容を遂げたのです。

私達はそうした世界に門戸を閉ざすつもりも、閉鎖的発展の道やアウタルキーの道を選択するつもりもなく常に対話をする用意があります。
それは経済関係正常化についての対話でもあり、また政治関係についてでもあります。
世界主要国のビジネス界の実利的なアプローチに期待しています。

昨今、ロシアがヨーロッパに背を向け、他の国々、とくにアジアに新たなパートナーを探しているという発言が聞かれます。
言っておきますが、全く違います。
アジア太平洋地域における我が国の積極政策は何も今日に始まったことではなく、制裁を機に始まったものでもありません。

数年以上前にはすでに始まっていたものです。
その理由は西側諸国を含む他国と同じで、東洋が世界のなかでも、また経済や政治においても、ますます重要な役割を担うようになっているからです。
それを考慮しないわけにはいきません。

もう一度強調しておきますが、これは誰もがしていることであり、それを私たちもしていきます。
ましてや、我が国の領土の大部分はアジアにあるのです。このような利点を利用しない理由があるでしょうか?そんなことをすれば、全くの近視眼になってしまいます。

ロシア
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