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日銀追加緩和は米国の代理緩和と消費増税、弊害はすべて日本が被る

   日銀の追加量的緩和の背景  11/4  闇株新聞から抜粋。

 日銀は10月31日の政策決定会合で、全く市場が予想していなかった追加量的緩和に踏み切りました。
 主な内容は、日銀が保有する長期国債残高を年間80億円増加させ(従来は50兆円)、マネタリーベースも年間80兆円増加させ(従来は60兆~70兆円)、買い入れる国債の平均残存年数を7~10年(従来は7年程度)と延長して、ETFを年間3兆円(従来は1兆円)買い入れるというものです。

 これを受けて同日の日経平均は755円高の16413円と本年最高値を更新、円も1ドル=112円台と本年最安値となりました。日経平均先物はその後の海外市場で17000円前後で取引されています。

 この追加量的緩和は、もちろん「官制株高」と「官制円安」を加速させて2回目の消費増税を決定してしまうためですが、それでも何でこのタイミングで? との「大きな違和感」が残ります。

 事実、金融政策決定会合は金融界と産業界出身の審議委員4名が反対票を投じ、5:4の僅差となりました。
 (※ 残りの賛成5人は黒田、岩田、中曽、宮尾、白井である。財務省系とリフレ派、及び日銀官僚。)

 こう考えます。

 資産買入れ(QE3)を終了させたばかりの米国では、過去のQE1、QE2終了時にほどなく経済の先行き見通しが悪化し、それが新興国の経済や株式市場にも伝播して世界的な株価下落と景気低迷(この順番です)を招きました。

 当面の米国経済は好調ですが、いつ資産買入れ終了に伴う低迷に襲われるかわかりません。
 しかしFRBの総資産は4.5兆ドル(500兆円)にも膨らんでいるため、簡単に資産買入れを再開するわけにもいきません。
 つまりここからNY株式が下落して米国経済に先行き懸念が出てきてしまうと、あまり有効な手段が残っていません。

 そこで予防的に日銀に「代理追加量的緩和」を行わせたと考えます。

 2001年3月~2006年3月に日銀は世界で最初の量的緩和に踏み切りましたが、このときもITバブル崩壊や同時多発テロで経済が低迷するもののインフレ懸念もあり、思い切った金融緩和に踏み切れない米国が日銀に行わせた「代理量的緩和」だったはずです。

 当時とは世界の経済や金融市場の状況がかなり違いますが、先週(10月31日)の海外市場ではNY株式が史上最高値を更新するなど、新興国・ユーロ圏諸国などの株式市場が軒並み上昇していました。
 つまり早くも効果が現れたことになります。

 日本では怖いものがない旧大蔵省(日銀を含む)ですが、米国政府の要請は断れません

 その「謝礼」は、2回目の消費増税と当面の円安加速に「目をつぶる」ことでしょう。
 日銀がいくら追加量的緩和を行っても当座預金残高が積み上がるだけで日本の経済活動が活発になるわけではなく、円安による輸入物価の上昇、長期金利の低下による日本の投資収益レベルの全体的な低下、それに10%への消費増税が日本経済にのしかかります

 唯一のメリットは海外株高につられて日本株が上昇することですが、日本経済は消費増税と円安で「大不況」となるため、いつまでも上昇するというものでもありません

 日銀の追加量的緩和で目立たなくなりましたが、同じ10月31日にモタモタしていたGPIFの資産構成変更が「これも唐突に」決定されたようです。
 しかしこれも国内債を大幅に減らし、外国債・外国株(ほとんど米国債と米国株のことです)を大幅に増やすものです。
 日本株は「ついでに少し増やす」だけです。

 つまり今回の「代理追加量的緩和」とは、米国をはじめとする世界各国にメリットがありますが、その「弊害」はすべて日本国民がかぶることになります
 ーーーーーーーーーーーーーー
※ とりあえず凄まじい円安が始まりました。
 現在114.21円。
 食糧からエネルギー、ほとんどの原材料までが輸入です。
 40〜50%のコストアップに進んでいます。
 勤労者所得が減り続けている中で、価格に転嫁値上げができるわけもありません。
 勤労者と中小企業の共倒れ破綻が始まります。
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