黒田日銀の追加緩和は米国への資金供給と消費増税のため
2014-11-01

日銀の追加緩和 日米逆方向の金融政策 11/1 「ひょう吉の疑問」氏から
昨日(10.31日)、黒田日銀が追加の金融緩和を発表した。
一夜明けて現在、
日経平均 16413円 +755円
NYダウ 17390ドル +195ドル
ドル円レート 112.3円 +3.1円
NYMEX金先物 1171ドル -27ドル
市場は大揺れに揺れた。
一昨日(10.30日)はFRBが金融緩和の終了を発表したばかりだ。
アメリカは金融緩和を終了し、逆に日本は追加の金融緩和をする。
日米がまったく逆の方向を向いている。
ヨーロッパも追加の金融緩和を考えている。たぶん実施するだろう。
そう考えると
アメリカは金融緩和終了。
日欧は追加の金融緩和。
アメリカと日欧がまったく逆の方向を向いている。
これでは世界は景気がいいのか悪いのか、まったくわからない。
しかしこれは考え方の問題で、見方を変えれば、今までジャブジャブとマネーを刷り散らかしてきたアメリカがそれを止めるのを受けて、アメリカの代わりに日本(そしてたぶんヨーロッパも)がジャブジャブマネーを供給するということだろう。
世界は未だジャブジャブの金融緩和のなかにいると見た方がよい。
そもそもなぜアメリカだけが金融緩和を終了することができるのか。
それはアメリカの景気が好調だからということだが、
リーマンショックの原因をつくったアメリカだけが、なぜ世界に先駆けて景気を回復させることができたのか。
日本のマスコミや証券会社はさかんにアメリカの景気が良好だと吹聴しているが、これはどうも耳半分で聞いていてよさそうである。
ニワトリと卵の話になりそうだが、昨年5月からアメリカの金融緩和縮小の動きが出るなかで、なぜアメリカの景気だけが回復できるか、考えてみれば不思議なことだ。
マスコミ上の論理は、アメリカの景気が堅調だからアメリカは量的金融緩和の縮小を始めたということになっているが、リーマンショックで一番痛手を受けたアメリカがなぜ世界に先駆けて景気回復できたのかは謎である。
これは、昨年4月日に日本が黒田日銀によって量的金融緩和を実施するにつれて、アメリカが景気を回復したと見たほうがいいのではないか。
一方で日本の景気回復は遅れている。
今回の黒田日銀による量的金融緩和の追加策は、日本の景気回復を目指すためではなく、年内の消費税再増税(10%)を目指すものだという見方がある。
この見方のほうが正しいだろう。
アメリカ経済は、日本が昨年4月に量的緩和を実施し、また今年4月に消費税を引き上げるに連れて回復したということができる。
日本の量的金融緩和と消費税引き上げの財源は日本には恩恵を与えていない。
これらの資金の大半は米国債に変えられるか、米国金融機関への融資によってアメリカへと流れている。
(※ 北風:デフレ循環のままなので、国内消費需要も設備投資もない、つまり資金需要がなく国債は日銀が買い占めるので、銀行にとっては唯一の運用が米国債くらいになってしまっている。
銀行以外の資金も運用は株くらいしかない。)
日本への見返りは、日本から得た資金によって外国勢が日本株を買って日本の株価を引き上げるだけである。
今後も日本株は上がるかも知れないが、これによって日本の景気がよくなるとは言えないだろう。
リーマンショックで最も痛手を受けたアメリカが金融緩和を終了し、まるでそれに取って代わるかのようなタイミングで、日本が追加の金融緩和を実施することが何とも変な話である。
日本の株高はこんな変な話の上に乗っかった話である。
この株高はしばらく続くかも知れないが、それが来年か再来年かもっと先か、どんな落とし所を見つけるかはわからない。
今の世界経済の構造にはいびつさがある。
- 関連記事
-
- 日銀追加緩和で国際金融資本は笑いが止まらない (2014/11/05)
- 日銀追加緩和は米国の代理緩和と消費増税、弊害はすべて日本が被る (2014/11/04)
- 日銀追加緩和は円の切り下げ、インフレ&恐慌への道 (2014/11/02)
- 狂気の日銀追加緩和、大企業と富豪のための金融政策 (2014/11/02)
- 進む窮乏化、喜ぶ大金持ちと大企業 (2014/11/01)
- 黒田日銀の追加緩和は米国への資金供給と消費増税のため (2014/11/01)
- 年金基金まで国際金融資本に献上する安倍政権 (2014/10/25)
- 破壊行為:消費増税は実質賃金の下落=窮乏化政策 (2014/10/23)
- 無理やり消費増税10%で地獄の日本となるか (2014/10/21)
- さらなる円安と消費増税10% 地獄へ落ちる米国のかいらい (2014/10/11)
- ドル高転換で資産収奪を図る米国、協力するアベノミクス (2014/10/08)
コメント
コメントの投稿
トラックバック
この記事へのトラックバックURL
http://bator.blog14.fc2.com/tb.php/2496-a220ec25