避難民が帰国開始、停戦は固まる
2014-09-10

ドネツク及びルガンスクの人民共和国とキエフ政府の停戦合意は前線でも固まりつつあるようだ。
ロシアに避難していた住民が帰国を始めた。
8月下旬からの義勇軍側の攻勢がウクライナ軍の敗北となり、キエフは幾多の大言壮語にも関わらず、停戦合意を飲まざるを得なかった。
停戦合意をしたことは、二つの人民共和国を事実上の公式承認したに等しいわけである。
キエフではもはや力のない元石油蓄財首相ティモシェンコが、事実上の承認をしてしまったポロシェンコを攻撃しているしているようだが、この利権蓄財家はもう既に大衆からは捨てられている。
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ウクライナ情勢9/9報道 9/9 ロシアNOW
「ロシースカヤ・ガゼータ(ロシア新聞)」は、ロシアに避難していたウクライナ難民の、帰国の長い行列ができていると伝えている。
ロシア南部のロストフ州にある出入国審査窓口「ドネツク(ロシア)-イズヴァリネ(ウクライナ)」には、ウクライナ東部のルハンシク州を目指す歩行者、自動車、バスの2キロメートルに渡る行列ができている。
東部の停戦を受けて、難民は帰国している。
住民は平和な生活の計画を立てながら、家の再建のためにどこで木材、鉄骨、水回りの設備などを調達できるか、などについて話し合っている。
「コメルサント」紙は、ウクライナ東部のドネツィク州とルハンシク州の多くの地域で8日、停戦が守られていたと伝えている。
これより前に銃撃戦のあったドネツィク州マリウポリ市の接近路でも、状況は安定し、落ち着いていた。
つい最近まで包囲されたと考えられていたこの街のあまりの平和さに、ウクライナのペトロ・ポロシェンコ大統領も訪問したほどだ。
敗戦したと感じているかの問いに、ポロシェンコ大統領は否定的に回答。ベラルーシの首都ミンスクでの合意は、ウクライナの分解を意味するものではなく、その領土の一体性に疑問の余地を与えないという。
専門家はある点に注目した。
12項からなる東部の停戦合意文書は、ロシアとアメリカのアナリストのグループ「ボイスト部会」が提案した独自の情勢打開のシナリオと、多くの部分で一致しているのである。
ロシア科学アカデミー世界経済・国際関係研究所の所長で、ボイスト部会のロシア側代表であるアレクサンドル・ドィンキン氏は、ウクライナ情勢で最近、「様相の変化」が感じられると話した。
「相互非難および軍事衝突の激化から、情勢打開策の模索へとスイッチが切り変わった」
「モスコフスキー・コムソモレツ」紙は、ルハンシク人民共和国とドネツィク人民共和国で、住民の生活を通常の状態に戻すために停戦が活用されていると書いている。
行政は電気網や給水システムの修理に取りかかった。深夜の銃撃がなくなり、数ヶ月ぶりにゆっくりと睡眠をとることのできたドネツィク人民共和国では昨日、ほとんどお祭り状態だった。
8日はナチス・ドイツの占領からの解放記念日であった。
「ヴズグリャド」紙は、東部の停戦合意文書がキエフで厳しく批判されているため、ポロシェンコ大統領が弁明に追われていると書いている。
戦線のマリウポリ市を訪問したポロシェンコ大統領は、市の周囲に防衛設備を配備すべきと述べ、ウクライナの市のままにしておくと約束した。
ポロシェンコ大統領がマリウポリ防衛者の闘争心をかき立てている間、キエフではユーリヤ・ティモシェンコ元首相が、停戦合意文書によってルハンシク人民共和国とドネツィク人民共和国が事実上承認されてしまったとして、痛烈に批判していた。
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OSCE 東部ウクライナ 停戦体制「完全に」遵守 9/8 ロシア通信
ウクライナ東部の停戦は「完全に」遵守されている。ロイター通信は、欧州安保協力機構(OSCE)常設評議会のトマス・グレミンガー議長の発言を引用して伝えた。
議長によれば、休戦はまだ「不安定」だが、今後数日で決定的なものになるだろうとのことだ。
ウクライナ南部・東部地域の停戦に関する合意は、5日、先週金曜日ベラルーシの首都ミンスクで開かれたコンタクト・グループ会議で達成された。
この会合には、キエフ当局及び、自ら独立を宣言するドネツク・ルガンスク両人民共和国の指導部、さらにはロシア、OSCEの外交代表が参加した。
なお今日8日、コンタクト・グループのメンバーは、軍人捕虜交換問題解決及び人道回廊開設実現に向けた話し合いを、ビデオ会合の形式で実施する。
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