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消費税増税で撃墜される日本経済:植草

   消費税増税で撃墜される日本経済と株価堅調の関係  9/2  植草一秀

9月1日に発表された法人企業統計で、メディアは企業の設備投資が5四半期連続で増加したと報道しているが、報道のあり方として正しくない。
GDP成長率を報道するときに、用いられるのは、前の四半期に対して増加したのか減少したのかという数値である。
前期比での変化がいま生じている変化なのである。

2014年4-6月期の法人企業の設備投資は、ソフトウェア投資を除くベースで、季節調整済前期比-1.8%だった。
設備投資は本年の4-6月期には1.8%減少したのである。
年率換算すると7%の減少である。
企業の設備投資は前期比年率で7%減少した。
これが正しい報道
なのである。

前年比での変化は、参考数値として見るべきもので、現在生じている変化を見るには前期比の変化を見なければならない。
経済統計の意味を読み取る際には、ものごとの本質を正しく読み取ることのできる数字の処理が必要だ。

財務省は消費税再増税を強行実施したいために、日本経済が悪化しているという「真実」を報道させないように、激しい圧力をかけている。
負けている戦争を「勝っている」と報道し続けた大本営とまったく同じ行動様式が取られている。

7月の毎月勤労統計では、現金給与総額が前年比で2.6%の増加を示した。
およそ10年ぶりの高い伸び
が記録された。
しかし、「きまって支給するる給与」では0.9%しか増加していない。
増えたのは「特別に支払われた給与」であり、これが前年比7.1%の大幅増加になった。
つまり、給与本体は増えていないが、ボーナスが増えたのだ。

それでも、物価上昇率を差し引くと給与所得の伸びは依然としてマイナスである。
そして、ボーナスは今年の3月期の企業利益が大幅に増えたためであり、一時的なものである。
家計調査統計が示すように、二人以上世帯の勤労者世帯では、7月の実質実収入が前年同月比で-6.2%を記録し、二人以上世帯の実質家計消費は、7月に前年同月比-5.9%を記録した。

4月の消費税増税後の日本経済は極めて厳しい状況に置かれているのである。
日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会が9月1日に発表した8月の国内新車販売台数の合計は、
前年同月比-9・1%
の減少となった。
このうち、軽自動車については
前年同月比-15・1%の大幅減少
が示された。

ボーナスは増えても消費は激減しているのである。

日本経済は4月の消費税増税を契機に、つるべ落としで落下している。
日本経済は消費税大増税で撃墜された。
安倍政権が12月に消費税再増税を決定すれば、日本経済の崩壊は確定的となる。
安倍氏は早期に消費税増税凍結の方針を明示するべきだが、その決断力を示せるのかどうか。

消費税増税を決定すれば、安倍政権は2015年中に終焉することになると思われる。
(以下、株価の堅調については省略。)
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