ウクライナ危機、変わり始めた欧州
2014-08-26

西側が仕掛けたウクライナ政変は米英軍産複合体の主導によって対ロシア戦へと挑発拡大の動きを示していたが、先に「ロシアに対して崩れ始めた米英の「正義」」のとおり欧州とりわけ仏独、東欧は米国との対ロシア利害の乖離が目立っている。
ウクライナ政権の挑発に耐えたロシアは、欧米の経済制裁に対抗して「食品輸入禁止」の報復措置を発動。さらにウクライナ東部ルガンスクへの人道物資供与で追った。
キエフ政権は国際赤十字の同行で合意しながら、現地に砲撃を加える事で赤十字を撤退させたが、ロシア側は通関手続きを終えたとしてウクライナ国内ルガンスクへの輸送を強行。
結果的はウクライナは国際赤十字マークの人道物資車両を攻撃することはできなかった。
ウクライナ・ネオナチ親衛隊側にも付け入る隙を見せない、ロシア側人員の整然、迅速な規律の成果だろう。
この報復措置も人道物資輸送も、ロシアはこれが第一歩であり、第二歩、第三歩の検討に言及することで、西側とウクライナ政権の想像力と予測に具体性を与え続けることになったのである。
ウクライナの危機がユーロの危機となる可能性が現実となってきたことと、それによる米国への疑いである。
欧州の流れが米英と異なり始めている。
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ウクライナ危機、変わりつつある欧州の見方 8/25 ロシアの声
ウクライナ危機が平和的に解決されるチャンスがめぐってきた。
8 月26日、ベラルーシのミンスクで、ロシア・ベラルーシ・カザフスタン・ウクライナの各大統領とEU議長の会談が開かれる。
これまでロシアに最後通牒を突きつけたり、挑発を繰り返すばかりであったウクライナのポロシェンコ大統領が、ロシアと対話する用意を整えた。
ウクライナの東部・南部の抵抗を力で屈服させることは不可能であると見て取ったか。
実に、戦争は既に長期間に及び、それでなくても脆弱なウクライナ経済の首を締めつけている。
EUをテコに危機を脱する試みも失敗した。
ウクライナとEUの連合協定にサインがなされたが、今のところ、ただ新たな問題が発生したばかりだ。
関税同盟諸国(ロシア、ベラルーシ、カザフスタン)と共同の原理・特典・恩典が、あるいは見直され、あるいは廃絶されることも不可避となった。
このような大きなマイナスに対し、プラスはただ紙の上だけのこと、あるいは遠い未来のことに過ぎない。
EUも状況改善を望んでいる。
ミンスク会談ではEU外相アシュトン氏が個人的にポロシェンコに帯同する。また欧州委員会副総裁でエネルギー問題担当委員のギュンター・エッチンガー氏、貿易担当委員カール・デ・グフト氏も参加する。
彼らはキエフばかりか、自分たちをも救済しなければならなくなっている。「ポリチカ」基金のヴャチェスラフ・ニコノフ総裁に聞こう。
「EUはウクライナへの経済支援という重みを関税同盟に、その一角たるロシアに押しつけようとしている。
私見では、会談において彼らが演ずる役回りは、『お願いする人』である。ただし、うわべはうまく繕うだろうが。
EUは対ロ制裁を導入したが、そのことによって、自らもロシアからの対抗措置、すなわち食料品の輸入制限によって、被害を受けた」
ロシア含め、関税同盟諸国にとって、会談の経済的側面はむろん重要だ。
しかし、もっと重要なのは、ウクライナ南東部の情勢だ。ウクライナ軍のドンバス義勇軍に対する軍事行動は「明日」停止するのでなく「今」停止しなければならない。
かの地に「人道上の災害」が発生していることは欧米の政治家たちや諸国際機関さえ認めるところとなっている。
砲撃がつづく限り、水・電気の供給を再開させることも、パン屋や病院を再稼動させることも出来ない。
スポンサーがいくらお金を出したとしてもだ。
しかし、平和への努力を語るポロシェンコの言葉は、未だに実行を伴っていない。
いまやEUさえ、キエフに約束の履行を求める側に回った。
ドイツ副首相ジークマール・ガブリエル氏は、ウクライナが危機から脱出するために、連邦化というアイデアは有望だ、と述べている(ちなみにドイツも連邦国家である)。
メルケル首相も同様の趣旨の発言を行っている(キエフにおけるポロシェンコ大統領との会談後)。
いずれにせよ、今度のミンスク・サミットに参加する面々は、困難かつ長期に及ぶ責務を担うことになる。それは知れたこと。
しかし、キエフやEUが、こうしてモスクワ・ベラルーシ・カザフスタンとの対話にのぞんでいる。
そのこと自体、EUの政治家たちの見方が大きく転換しつつあることの、ひとつの証左であろう。
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